まず、既に社内で運用されている情報セキュリティ研修のPowerPoint資料を、そのまま動画制作の起点として活用できることをご提案しました。メディア博士では、ブラウザ上の編集画面からPowerPointファイルをアップロードするだけで、各スライドを動画のシーンとして自動取り込みできます。取り込んだスライドは、レイアウトの微調整やオブジェクトの位置変更、画像差し替えなどの再編集が可能なため、既存資料のデザインを保ちながら動画化できます。また、資料の構成や説明の流れはそのままに、動画として伝わりやすいようにスライドごとの秒数やアニメーションを調整することで、視聴者が理解しやすい研修動画に仕上げられる点もお伝えしました。これにより、新たな台本やスライドを一から作り直すのではなく、現在の研修資産を最大限生かしながら動画内製をスタートできる環境づくりを目指します。
次に、制作工数の削減という大きなテーマに対しては、音声とテロップ周りの自動化を軸にしたワークフローをご提案しました。メディア博士には、画面録画やナレーション収録で録った音声から、自動的にテキストを起こしてタイムライン上にテロップとして配置する機能があります。誤変換部分だけを後からまとめて修正すればよいため、一から字幕を入力するよりも作業時間を大きく短縮できます。さらに、そのテロップをAIナレーションに変換する機能を組み合わせることで、「自分の声で説明 → 自動文字起こし → テキスト修正 → AI音声への差し替え」という流れを一本化できます。同じシーンに複数の話者を登場させ、それぞれ別のAI音声キャラクターを割り当てることもできるため、ロールプレイ形式の研修や会話調のコンテンツにも対応しやすくなります。また、自動翻訳機能を利用すれば、日本語で作成したテロップを他言語に変換し、その言語のAIナレーションを自動配置することも可能なため、多言語での研修配信ニーズにも柔軟に応えられる点を強調しました。
最後に、複数メンバーでの運用と社内展開を見据えた体制づくりについてご説明しました。メディア博士では、編集アカウントを社内の関係者に広く配布しつつ、同時接続数で利用数をコントロールする仕組みを採用しているため、限られた枠内で多人数が交代しながら編集作業を行えます。アカウントごとにフォルダ操作や削除の可否などの権限設定も行えるため、部署やプロジェクト単位で「編集はできるが他部門のデータは触らせない」といった運用ルールを実現できます。完成した研修動画は、専用の共有URLを発行し、パスワードや公開期限を設定したうえで社内に配信することが可能です。視聴回数や視聴維持率などの基本的な視聴ログも確認できるため、既存の社内学習システムと併用しながら、どのコンテンツがどれだけ視聴されているかを把握し、今後の改善に生かせます。さらに、導入後は専任の担当者が制作フローの整理や工数試算、テンプレート化の方針などを一緒に検討し、情報セキュリティ研修以外の社内研修・社内向け動画にも応用していけるよう継続的にサポートしていく方針をご提案しました。