まず、最初の一歩として「なぜ今DXや業務改善に取り組むのか」を伝えるビジョン動画を制作することをご提案しました。既に経営企画部門で作成されている資料をベースに、今の働き方で起きている負荷や、将来の人員構成の変化を分かりやすく示しつつ、「ツールを使いこなせるようになれば、日々の業務がここまで楽になる」という前向きな未来像を映像で描きます。映像表現としては、社会全体の暗い予測を強調しすぎず、視聴者一人ひとりの仕事に近い具体例を中心に構成することで、「自分事」として受け止めてもらえるように設計します。メディア博士上では、経営メッセージやキービジュアルを組み込んだテンプレートを用意し、今後DXのテーマが追加された際にも、同じトーン&マナーでビジョン動画を増やしていけるような内製フローを一緒に整えていきます。
次のステップとして、従業員の「具体的な困りごと」に紐付けた短尺動画のシリーズ化をご提案しました。例えば、メール文面作成、定型資料の作成、情報収集、表計算ソフトでの集計作業など、現場でよく聞かれる悩みを1テーマずつ切り出し、「その課題を生成AIや各種ツールでどう解消できるか」を実際の画面操作イメージとセットで紹介します。1本あたり数分程度に絞ることで、休憩時間やスキマ時間に気軽に視聴できる形式とし、「会社全体のDX」ではなく「自分の作業がどれだけ楽になるか」にフォーカスした構成にします。メディア博士では、スライドと画面録画、ナレーションを組み合わせたテンプレートプロジェクトを作成し、タイトル・冒頭の問いかけ・解決策の流れを共通化することで、経営企画部門のメンバーが自らテーマを追加しながら動画本数を増やしていける土台を整えます。
動画制作の運用負荷に対しては、既存のPowerPoint資料を最大限活用しながら、社内で無理なく継続できるワークフローを構築する方針をご説明しました。メディア博士では、スライド資料をアップロードするだけでシーンとして取り込めるため、既に作成済みのDX啓発資料や業務改善の解説資料を、そのまま動画の骨格として利用できます。自動ナレーション機能を使えば、台本テキストを入力するだけで音声付きの動画に仕上げられ、後から字幕を追加・修正することも可能です。完成した動画は、メディア博士から共有用URLを発行し、社内ポータルや既存のeラーニング基盤にリンクとして掲載する運用を想定しています。また、視聴回数や再生の途中離脱ポイントなどの基本的な視聴データを確認し、「どのテーマに関心が集まっているか」「どの長さなら最後まで見られやすいか」を検証しながら、次の制作方針に反映していくサイクルづくりもご提案しました。当社としては、初期の構成案づくりやテンプレート設計から、内製チームへの編集レクチャーまで伴走し、DX推進の継続的なコミュニケーション手段として社内動画が根付く状態を一緒に目指していきます。