ご相談企業では、社内に学習管理システムを導入し、必須研修や製品教育などは受講履歴やテスト結果まで細かく追える環境が整っていました。一方で、営業活動や日々の業務を支えるマニュアル動画・説明動画は、部門ごとにオンラインストレージや社内サイトへ個別にアップされており、「どこに何があるか分かりにくい」「どのコンテンツが実際に活用されているのか把握できない」という課題が顕在化していました。
さらに、動画制作に利用しているツールも、学習管理システム付属のオーサリング機能やスライドから動画を生成する専用ツール、市販のインストール型編集ソフト、ブラウザ型の簡易編集ツールなど複数に分かれており、一部の担当者に作業が属人化している状況でした。そこで当社からは、既存の学習管理システムはそのまま活かしつつ、「任意視聴のマニュアル・ナレッジ動画」をメディア博士で集約・可視化する構成をご提案しました。
動画制作のハードルを下げるために、まずは既存のスライド資料や原稿をメディア博士の編集ツールに取り込み、AIナレーション付きの動画を自動生成するワークフローをご案内しました。スライドのノート欄に記載した説明文をそのまま読み上げることができ、100種類以上の音声から社風に合う声質を選べるため、これまでナレーション収録にかかっていた時間や負担を大きく削減できます。
生成した動画は、テンプレート機能を使ってデザインや構成をあらかじめ共通化しておくことで、部門横断で「同じルールで作られた研修動画」を量産できる点もポイントです。編集アカウントは必要な数だけ発行でき、同時ログイン数のみを調整すればよいため、今後制作に関わる人数が増えた場合にも柔軟に拡張できます。これにより、従来一部の担当者に集中していた編集作業を分散し、各部門でスピーディに動画を内製する体制づくりを目指します。
メディア博士の配信プラットフォームでは、動画ごとに視聴人数・視聴回数・平均視聴時間・完了率などを一覧で確認できるほか、視聴維持率グラフやユーザー別の視聴履歴も把握できます。これにより、「どのマニュアル動画が実際に使われているのか」「どの場面で離脱が多いのか」といった情報をもとに、タイトルやサムネイル、配置場所の見直しなど具体的な改善策を検討できるようになります。
セキュリティ面では、ログインによる閲覧制限やユーザーグループごとのアクセス権限設定、IP制限などを組み合わせることで、センシティブな情報を含む動画も安心してクラウド上で運用できる仕組みをご説明しました。既存の学習管理システムは必須研修やテストを担い、メディア博士はマニュアル・営業支援・社内向け情報共有を横断的に支える基盤として併用することで、「必要な人が、必要な時に、必要な動画にたどり着ける」環境を整えることをゴールとした提案となりました。
