ご相談企業では、膨大な手順書と厳格な文書管理ルールのもとで業務が行われており、現場が勝手にマニュアルを増やしたり改変したりすることはできない環境にあります。一方で、年に数回しか発生しない工程や、ベテラン社員の経験に依存した作業が多く、新人教育や技術継承の面では「文章だけでは伝わりづらい」「OJTだけでは不安が残る」といった課題を抱えていました。そこでメディア博士からは、既存の正式な手順書を土台としつつ、その理解を補完する「教育用コンテンツ」として動画を位置づける方針をご提案しました。具体的には、動画そのものを手順書の代替とするのではなく、リフレッシュ教育やポイント解説、トラブル事例の共有などに用途を絞り、文書管理部門と連携しながら運用ルールを設計することで、ガバナンスと現場の分かりやすさの両立を図ります。
動画を活用したいものの「誰が作るのか」「現場には時間もスキルもない」という懸念に対しては、メディア博士のクラウド型動画編集ツールをご紹介しました。インストール不要でどのPCからでもログインでき、パワーポイントに近い操作感でスライドや動画を配置できるため、専門の制作部門がなくても現場オペレーターが自分たちで編集に関わることができます。また、撮影した動画の音声から自動で文字起こし・テロップ化できるAI機能を活用することで、いちから字幕を打ち込む手間を大幅に削減できます。既に撮りためている工程動画を素材として取り込み、重要なポイントにテロップを差し込むだけでも、教育効果の高いコンテンツに仕上げることが可能です。さらに、アカウント権限を細かく分けられるため、「現場は編集まで」「書き出し・公開は管理者のみ」といった運用も実現でき、承認フローやルール遵守の仕組みをシステム面から支える設計をご提案しました。
サブスクリプション型サービスに慣れておらず、「毎月の利用料に見合う活用が本当にできるのか」という不安に対しては、ツール提供だけで終わらない伴走型のサポート体制をご説明しました。導入初期はキックオフ打ち合わせで対象工程や教育テーマを洗い出し、「まずはどの動画から着手するか」「どの工程は動画化しないか」といった優先順位を一緒に整理します。そのうえで、現場オペレーター向けの編集レクチャーやテンプレートづくり、撮影方法のアドバイスを行い、短時間でも無理なく作業できるワークフローを設計します。運用開始後は視聴状況や現場の声をもとに、定期的な打ち合わせで改善ポイントをすり合わせ、コンテンツの方向性がぶれないよう支援します。一定期間は編集代行を組み合わせて「まずは完成形のイメージを社内に見せる」といった使い方も可能であり、そこから段階的に内製比率を高めていくことで、教育工数やOJTの手間削減、属人化リスクの低減など、サブスク型ツールならではの費用対効果を実感しやすい運用モデルとしてご提案しました。