ご相談企業では、経営層からのメッセージを起点に、社内コミュニケーションを活性化する取り組みが本格的にスタートしていました。これまではテキストと写真中心の社内向けコンテンツが多く、他部署がどのような製品やプロジェクトに関わっているのかが十分に伝わらず、従業員が自分たちの仕事の意義や他部門とのつながりを実感しにくいという課題がありました。そこで、部署紹介や製品開発の裏側を紹介するインタビュー形式の動画を制作し、まずは社内向けに共有したうえで、ゆくゆくは社外への情報発信にも活かしたいという構想がありました。一方で、1本目の動画は外部制作会社に依頼しており、費用や修正のやり取りの負荷を考えると、今後本数を増やすには内製化が不可欠という認識も共有されていました。商談では、インナーコミュニケーション施策全体の中で「社内動画」をどのように位置づけ、外注と内製をどのように組み合わせていくかを整理したうえで、メディア博士を活用した運用イメージをすり合わせていきました。
ご相談企業はセキュリティ要件の厳しい環境であるため、まずはクラウドサービスの利用可否や社内ルールへの適合が大きな懸念として挙がっていました。メディア博士からは、専用ソフトのインストールが不要で、社内PCからブラウザ経由で利用できるクラウド型動画編集ツールであること、アカウント単位で利用者を管理しやすいことを前提に、詳細なセキュリティ要件については社内の審査フローに沿って個別に情報提供しながら確認を進めていく方針をご提案しました。そのうえで、営業部門と管理部門の計6名がパワーポイントに近い感覚で編集できるUIや、画面録画・テロップ編集・シーンごとのカット・複数画像や動画を1画面に並べて配置するレイアウト機能など、インナー向けの仕事紹介動画に適した機能を中心にデモンストレーションを実施しました。また、豊富な著作権フリー素材や、当社内製のイラスト素材を組み合わせることで、撮影素材だけに頼らずにオープニングや説明パートを構成できる点もご説明しました。さらに、インタビュー映像の自動文字起こしやAIナレーション機能を活用すれば、テロップ作成や読み上げ収録の負担を抑えつつ、特有の専門用語を含む動画でも効率的に制作できることをお伝えし、「外注クオリティに近づけつつ、社内で継続的に作り続ける」ための具体的なイメージを共有しました。
ご相談企業では、今後は月に数本、年間で十数本規模の動画制作を見込んでおり、特定の担当者に作業が集中してしまうことや、途中で運用が止まってしまうことを懸念していました。そこでメディア博士からは、導入初期に「仕事紹介」「製品ストーリー」「経営メッセージ」など、よく使うパターンごとの動画構成をテンプレート化し、それを共通フォーマットとして複数メンバーが流用できるようにする運用モデルをご提案しました。キックオフ時には、動画の目的や対象部署、社内で伝えたいメッセージをヒアリングしながら、1〜2本のモデル動画を当社コンサルタントが伴走する形で一緒に制作します。その過程で、台本作成の考え方や撮影時のポイント、テロップの入れ方、長さやテンポの目安などを具体的に共有し、社内で再現できるノウハウとして落とし込んでいきます。完成したテンプレートは、社内ポータルや既存イントラサイトへの掲載を前提に、サムネイルやタイトル付けのルールも含めて整理し、「どこにアクセスすれば動画が見られるのか」「どのようなシリーズが継続して公開されているのか」が社内で一目で分かるように設計します。必要に応じて、メディア博士が提供する社内向け動画ポータルの活用方法も選択肢としてご説明し、既存の社内仕組みと組み合わせながら、視聴状況の把握や企画のブラッシュアップまで一貫してサポートすることで、インナーコミュニケーション施策としての成果が出るところまで伴走していく方針をご提案しました。