相談企業は、専門性の高い商材を扱うメーカーで、工場での作業手順や品質管理、新入社員向けの教育内容を分かりやすく伝えることが大きな課題になっていました。現在はプロレベルの編集スキルを持つ専任担当者が専用ソフトで長尺の動画を制作しており、担当者以外は動画制作に関われない属人化した体制になっていました。また、営業部門や社内の環境・社会貢献活動を対外的に発信するSNS向けの動画も増やしていきたい一方、誰でも手軽に作成できるツールや運用ルールが整っていない状況でした。紙やファイルで作られたマニュアルは社内の各所に散在し、検索性が低く、せっかく作っても使われないという問題も抱えていました。そこで、動画を軸にマニュアルと教育コンテンツを整理し、複数部門で共有しながら活用できる仕組みづくりをご相談いただきました。
まずは動画制作の属人化を解消するため、メディア博士のクラウド型動画編集ツールを中心とした内製化体制をご提案しました。メディア博士はブラウザ上で動作するため、専用ソフトのインストールや高性能なPC環境を必要とせず、一般的なオフィス端末からでも同じ編集画面にアクセスできます。パワーポイントで資料を作る感覚に近い操作性で、テンプレートに沿ってテキストや画像、動画素材を差し替えるだけで、工場の手順説明動画や新人向けの導入コンテンツを短時間で制作できます。また、動画の作成本数やユーザーアカウント数に上限がないため、工場部門、営業部門、広報・環境担当など複数の部門に一気に展開しやすい点もポイントです。最初の1本は弊社が担当者と一緒に構成から編集まで伴走し、完成した動画をテンプレートとして保存することで、以降はテロップや素材の差し替えだけで量産できる仕組みを整えます。これにより、これまで専任担当者しか扱えなかった動画制作を、現場の担当者も自走できるスタイルへと変えていくことを目指します。
今回の相談では、まず動画編集ツールを中心に検討を進めつつ、将来的には工場マニュアルや教育コンテンツ、環境・社会貢献活動の動画を一元管理できる専用プラットフォームの構築も視野に入れた提案を行いました。メディア博士のプラットフォーム機能を用いれば、社内向けの研修ページと社外向けの企業紹介ページを同じ基盤上に設計することも可能で、アクセス権限を分けながらコンテンツを整理できます。また、導入後の定着に向けては、導入初期3か月の定期ミーティングで年間計画や優先度を整理し、どの部門からどのテーマの動画を作るべきかを一緒に設計します。その後もオンラインの勉強会や操作研修を通じて、新たに参加する担当者を継続的にフォローし、社内にノウハウが蓄積されるよう支援します。さらに、社内稟議に向けた説明資料づくりや、他の導入企業の活用パターンを参考にした活用案の提案など、企画面でも伴走することで、「ツールを導入しただけで活用が進まない」という状態を避け、工場マニュアル、新人教育、企業PRまで一気通貫で動画活用を広げていくことを目指しています。