商談では、化学品などの危険物を扱う現場で、熟練者が培った技術や判断基準を若手に伝える方法が課題として挙がりました。従来は紙のマニュアルと口頭伝達が中心で、拠点ごとに手順や作業品質に差が生じていました。そこで、動画で手順を可視化し、全国の中継拠点で共通の教育資源として活用できるよう「メディア博士」を提案しました。メディア博士は、現場スタッフでも使えるクラウド型の動画編集ツールで、スマートフォンやタブレットから簡単に撮影・編集・共有が可能。AIナレーションや自動テロップなどの機能で、撮影負担を最小限に抑えつつ高品質な動画マニュアルを社内で制作できます。
動画を制作するだけでなく、全国拠点で効率的に共有できる仕組みとして、動画プラットフォームの導入も提案しました。メディア博士では、動画・PDF・Word・PowerPointなどの資料をまとめて管理でき、閲覧権限を拠点単位や職種単位で設定可能です。これにより、現場の安全教育動画、設備点検手順、危険物取扱マニュアルなどを常に最新状態で共有できます。さらに、ダッシュボード機能を活用すれば、どの拠点でどの動画が視聴されているかを可視化でき、教育の定着度を把握することも可能。情報を人が運ぶのではなく、動画が知識を運ぶ仕組みを整えることで、全国の作業品質の平準化を実現します。
導入初期は動画制作の経験がないことも課題でした。そこで、弊社コンサルタントが伴走し、動画の構成設計や撮影方法、テンプレート化の進め方を支援するプランを提案。1本ごとの撮影手順を決めるのではなく、「自社の標準撮影ルール」を整備することで、どの拠点でも同じ品質で動画を作れるようにします。撮影代行・アドバイス・操作トレーニングを組み合わせたサポートにより、短期間で動画制作スキルを社内に定着させることが可能です。今後は、2週間のトライアルで操作性を確認した上で、全国展開に向けたフェーズ2に進めるよう、段階的な導入スケジュールを提案しました。