ご相談企業では、これまでドライバー向けのマニュアルを紙やスライド資料で作成し、掲示物や配布資料として共有していました。しかし、実際には「マニュアルを見ていない」と思われる従業員からの質問が多く、特に荷物の積み込み手順や安全運転に関する注意事項が現場に十分浸透していないことが課題になっていました。熟練ドライバーが感覚で行っている積み込みのコツや、事故事例をもとにした注意ポイントは、文章だけではイメージしづらく、理解のばらつきも生まれやすくなります。そこでメディア博士では、紙やスライドで整理されている内容をベースに、実際の作業風景や注意点を撮影した映像を組み合わせた動画マニュアル化を提案しました。動きや現場の音をそのまま見せることで、経験の浅いドライバーでも「どこに気を付ければ良いか」が直感的に理解しやすくなり、集合研修だけに頼らない継続的な教育コンテンツとして活用いただけます。
ご担当者は日頃から総務や安全教育に関わり、マニュアル作成も兼務しているため、新たに高度な編集ソフトを覚える負担や、特定の人しか操作できないツールになることを懸念されていました。メディア博士はブラウザで利用できるクラウド型サービスで、専用ソフトのインストールや高スペックなPCが不要です。また、これまで使ってきたスライド資料を取り込み、その内容に合わせて画像や動画素材を並べていくだけで動画が組み立てられるため、「普段の資料作成の延長線上」で編集に着手できます。スライドのメモ欄に入力した説明文章を音声に変換し、その上に現場の撮影映像を挟み込むといった作り方も可能なため、テキスト中心のマニュアルから段階的に動画比率を高めていく運用もスムーズです。さらに、メディア博士の導入支援では、最初の数本について構成案の作成や撮影アングルのアドバイスも行い、担当者が自走できるまで伴走します。これにより、積み込み手順、安全教育、総務手続き、採用向け紹介など、社内のさまざまなテーマを継続的に動画化しやすい体制づくりを目指します。
もう一つの大きな課題は、マニュアルを「作ったあとにどこでどう見せるか」という運用面でした。紙資料を掲示するだけでは、そもそも存在に気付かれていない場合や、見たかどうかを確認できない状況が生まれます。そこでメディア博士では、動画マニュアルや既存資料を一元管理できる社内向けプラットフォームの活用を提案しました。従業員は個々のアカウントでログインし、タグやカテゴリから自分が担当する業務に関連するコンテンツを素早く検索できます。スマートフォンからもアクセスできるため、集合研修の場だけでなく、待機時間や業務の合間に必要な動画だけをピンポイントで視聴することが可能です。また、「誰がいつどのコンテンツをどこまで視聴したか」といったログが自動で蓄積されるため、マニュアルを見ていない層を把握し、追加フォローや個別の教育機会につなげることができます。動画内の重要な箇所にあらかじめ目次やリンクを設定しておけば、長い動画の中から必要なシーンだけをすぐに再生することもできます。さらに、紙マニュアルや掲示物には動画へのQRコードを印刷し、「詳しい動きは動画で確認できる」動線を作ることで、既存の運用を活かしながら動画視聴への導入ハードルを下げられます。今後は、採用向けの会社紹介動画や、トップメッセージ、社内手続きの説明動画などにも対象を広げ、同じプラットフォーム上で一括管理することで、教育・採用・情報共有を統合的に支援していくことを想定しています。