動画を制作する際、内容や出演者などを考えるかもしれませんが、向きも重要です。特に近年はタテ型動画が数多く増えており、すでに見たことがある方もいるかもしれません。
そこで今回の記事では、タテ型動画のメリット・デメリットや主な事例などを紹介します。これから動画を制作しようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
タテ型動画のメリット
「わざわざ動画をタテ型にする必要なんてあるの?」と思うかもしれませんが、実はいくつかのメリットがあります。一体どのような内容なのでしょうか。
スマホで気軽に視聴できる
これまでの動画であれば、スマホで視聴する際に横へ傾ける必要がありました。そのままでも視聴できるとはいえ、画面が小さいからこそ文字が見にくくなってしまいます。そのため、スマホで動画を視聴することが苦手な方もいるかもしれません。
しかし、タテ型動画の場合はわざわざ横に傾ける必要がなくなります。そのまま画面全体に拡大して視聴できることから、電車の中でも気軽に見ることが可能。これまでよりも視聴するためのハードルが低くなります。
最後まで視聴してもらいやすくなる
どんな動画であっても、最後まで視聴してもらうことが大切です。そのため、動画を制作する際に離脱されないための演出を考えている方もいるでしょう。もしあなたが最後まで視聴してもらうための工夫を考えているのであれば、今回紹介するタテ型動画がおすすめです。
タテ型動画は、これまでの動画よりも最後まで視聴してもらいやすいという特徴があります。これはアメリカの一般大衆紙「USA TODAY」が行った調査で証明されていることであり、これまでのヨコ型動画と比べて完全視聴率が約9倍もアップという結果が出ています。
参照:Vertical video pays off for Snapchat
流行している
タテ型動画は現在若い人を中心に流行しており、ショート動画としてさまざまな動画が展開されています。そのため、若い人にとってはタテ型動画への抵抗感はなく、むしろすぐに受け入れてもらえるでしょう。
そのことを考えると、若い人をターゲットにした動画の場合はタテ型のほうが良いかもしれません。また、タテ型動画は視聴者自身が撮影しているかのような臨場感があることから、ユーザー参加型の動画を制作したい場合にもおすすめです。
タテ型動画のデメリット
タテ型動画には上記で紹介したようなメリットだけではなく、デメリットもあります。安易に制作して失敗しないためにも、デメリットまでチェックした上で制作するかどうか考えてみましょう。
PCからだと視聴しにくい
タテ型動画はスマホだと視聴しやすいものの、PCだと視聴しにくくなります。そのため、PCユーザーにも視聴してもらいたい場合には不向きの動画といえるでしょう。
ただ、現在ではスマホから動画を視聴する方が多いため、伝えたい内容やターゲットによってはそこまで不便に思えないかもしれません。事実、2015年にMMD研究所が行ったデータでは、動画を視聴する際に利用するデバイスとしてPCよりもスマホが多いという結果が出ています。
参照:動画視聴やネットショッピング、男性はPC、女性はスマホをよく利用--MMD研究所調べ - (page 4) - CNET Japan
動画制作が難しい
一般的な動画制作ソフトはヨコ型であり、タテ型だと少し苦労するかもしれません。これまでの動画では当たり前だった編集もできなくなる場合もあるため、そのことを踏まえた上での撮影を心がけましょう。
伝えたいことによっては向いていない
別の項目でも少し触れたように、タテ型動画はどんな内容でも向いているわけではありません。例えば、「大自然をパノラマで見せたい!」という目的ならばタテ型よりもヨコ型のほうが伝えやすくなります。
そもそもタテ型動画というのは、人間の視界とは異なります。そのため、まるでその場所にいるような臨場感や迫力を視聴者に与えたい場合には、これまでのヨコ型動画がおすすめです。
タテ型動画の主な事例
タテ型動画はビジネスにも用いられています。主な事例を2つピックアップして紹介するので、マーケティングや販促などで用いたい方は参考にしてみてください。
JR東日本
JR東日本では、伊藤健太郎さんと松本穂香さんを起用したタテ型動画を公開。BGMにもこだわっており、sumikaが担当しています。このような有名人の起用は話題性を呼びやすいだけではなく、ファンから見てもらいやすくなるというメリットもあります。
また、JR東日本の動画はまるでプライベート風景を撮影しているかのような雰囲気があるところも特徴です。そのままスマホで撮影したような雰囲気はタテ型動画ならではの魅力であり、ぜひチェックしておきたい撮影方法ともいえるでしょう。
Heather
ファッションブランである「Heather」では、InstagramのIGTVを用いたドラマを展開。タテ型動画でストーリーが展開されており、最後まで視聴したくなるでしょう。テロップも横ではなく縦で表示されているところもポイントです。
奈良市
タテ型動画は民間企業だけではなく、自治体も活用しています。例として奈良市では、保育教育市の採用を目的としたタテ型動画を公開。実際の声と仕事風景を紹介するという内容であり、気軽にどのようなことをしているのか把握できます。
タテ型動画を活用する際のポイント
タテ型動画をただ制作しても、必ず効果が出るとは限りません。そこで効果的にタテ型動画を活用するためにも、いくつかのポイントを紹介します。
短時間でも印象に残るような演出にする
基本的にタテ型動画は、短時間の作品がメインです。短時間だとサクッと視聴できますが、その影響で記憶に残りにくいという問題もあります。だからこそ、短時間でも印象に残るような演出にしてみましょう。
主な演出としては、冒頭で派手なエフェクトを使ったり急にストーリーを展開させたりなどが挙げられます。タテ型動画は現在でも数多くあるからこそ、他の作品に負けないような動画を制作しましょう。
SNSと連携させる
せっかくタテ型動画を制作するのであれば、SNSとの連携を忘れずに行いましょう。TwitterやTiktok、Instagramなどでタテ型動画に対応しており、数多くの動画が投稿されています。SNSは拡散してもらいやすいことから、内容次第では多くの人に視聴してもらえるかもしれません。
SNSと連携させる際は、ターゲットに合わせて選ぶようにしましょう。例として女性をターゲットとしている場合は、多くの女性ユーザーがいるInstagramとの連携がおすすめです。一方で若い人をターゲットとしているのであれば、Tiktokが良いでしょう。このようにSNSによってユーザーの特徴が異なるため、そこまで把握した上で投稿先を決めてみましょう。
動画制作=プロというわけではない
「動画の制作はプロに任せないと無理…」というイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。確かにタテ型動画はこれまでの動画と比べて少し難しいとはいえ、そこまでハイレベルなわけではありません。特に近年では初心者でも制作できるようなソフトやサービスもあるため、「プロではないから無理…」というように諦めなくても大丈夫です。
動画を制作するならタテ型にもチャレンジしてみよう!
今回は、タテ型動画のメリット・デメリットや活用する際のポイントを紹介しました。タテ型動画はこれまでの動画と比べて最後まで視聴してもらいやすいというメリットがある一方で、すべての内容に適しているわけではないというデメリットもあります。そのため、これからタテ型動画を制作しようと考えている方は、そのことを考慮した上で制作するようにしましょう。