メディアにはさまざまな種類がありますが、その中の1つとして分散型動画メディアがあります。実際に運営しているところもあるとはいえ、初めて分散型動画メディアという名前を聞いた方もいるでしょう。
そこで今回は、分散型動画メディアの基本情報やメリット・デメリットなどについて紹介します。分散型動画メディアに興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
分散型動画メディアの基本情報
分散型動画メディアとは一体どのようなメディアなのでしょうか。基礎を知らなければメリット・デメリットも把握しにくいため、まずは分散型動画メディアの基本情報から見ていきましょう。
分散型動画メディアとは?
分散型動画メディアとは、XやFacebook、Instagramといった複数のSNSを活用したメディアのことを指します。
メディアと聞くとオウンドメディアやペイドメディアなどが浮かぶかもしれませんが、近年では今回紹介する分散型動画メディアのようなSNSを駆使したメディアも存在します。
なお、分散型動画メディアは必ずしも動画が必要というわけではありません。分散型メディアと呼ばれることもあり、動画が必要不可欠であるとは限らないのです。
ただ、動画はユーザーに興味を持ってもらいやすくなったりSNSにアップロードできたりなどの特徴があるため、分散型メディアと組み合わせることでさらに効果的な活用ができます。
なお、主な事例としては「MadeJapan」のメディアが挙げられます。
分散型動画メディアが注目されている背景
分散型動画メディアが注目されている背景としては、SNSの流行が挙げられます。SNSは多くの人が利用しており、特に近年ではTikTokが注目されています。
SNSを多くの人が利用しているからこそ、メディアとして見てくれる可能性も高まります。ファンの獲得に成功すればさらにコンテンツの規模を拡大でき、ユーザー参加型のイベントも開催できるでしょう。
分散型動画メディアのメリット
分散型動画メディアのメリットとしては、主に3つ挙げられます。それぞれどのような内容なのでしょうか。
メリット1.コストを抑えられる
1つ目のメリットは、コストを抑えられることです。通常のネットメディアであれば、サーバー代やエンジニアの人件費などがかかりますが、分散型動画メディアの場合はかかりません。
SNSを利用したメディアであるがゆえに初期投資を抑えられるため、その分をコンテンツへ使えます。
また、メディアだからこそ成功すれば広告費を削減につなげられるという利点もあります。メディアで商品のPRや求人募集といった情報を展開することにより、新しく広告を設けるコストが発生しません。
成功していれば継続的にチェックしてくれるファンもいるため、メディアで情報を発信するだけで予想以上の成果が得られるかもしれません。
メリット2.拡散されやすい
SNSの特徴として拡散されやすいということが挙げられます。拡散されることで多くの人に情報が広まり、場合によってはメディア運営を成功させる上での大きなきっかけになるかもしれません。
メリット3.検索エンジンの影響を受けにくい
一般的なWebメディアの場合、検索エンジンのアップデートによって検索順位が大幅に変わってしまい、これまでよりもアクセスしてもらえなくなるという恐れがあります。
しかし、SNSの場合はそのような検索エンジンならではのリスクに怯える必要がありません。
検索エンジンのリスクに怯えなくていいということは、ユーザーのことを考えたコンテンツを作りやすくなるともいえます。
過激なタイトルをつけたり検索エンジンのことばかり考えて文章を考えたりといったことをする必要がなくなるからこそ、その分の力をユーザー第一のコンテンツ作りに回せます。
分散型動画メディアのデメリット
上記のようなメリットがある一方で、デメリットもあります。デメリットまで把握した上で、分散型動画メディアを始めるかどうか考えてみましょう。
デメリット1.メディア別の運営が大変
複数のSNS運営というのは大変なことであり、それぞれのルールや使い方などを考えながら展開しなければなりません。
例えばXの場合、ツイートできる文字数が限られていたり写真が枚数によって表示される方法が変化していたりなどが挙げられます。
デメリット2.注目を集めるためのコンテンツ作りが大変
分散型動画メディアに置いては、多くの人に見てもらうことが大切です。その上で注目を集めるコンテンツが重要となりますが、そう簡単に作れるものではありません。
ユーザーが求めていることやトレンドなどを把握しながら考えないといけないため、予想以上に時間がかかってしまうでしょう。
ただ、注目を集めるためのコンテンツを作る上では継続的にメディアを運営していくことが大切です。
運営していくことでどのようなコンテンツがユーザーから人気なのか把握できるようになり、その中でバズれるコンテンツが何なのか見えてくるでしょう。
デメリット3.炎上した場合も拡散されてしまう
SNSの拡散力はメリットである一方、デメリットとして悪影響を及ぼす場合もあるため、注意しなくてはなりません。例えば不適切な動画で炎上してしまった場合、あっという間に拡散されてしまう恐れがあります。
炎上してしまったことは、残念ながら何もなかったように修正することはできません。特に動画の場合、公開停止にしても別の人から勝手にアップロードされてしまう可能性があります。
分散型動画メディアをうまく活用するコツ
分散型動画メディアを成功に導くためには、単に動画をSNSに投稿するだけでは不十分です。運営には戦略と実行力が求められます。ここでは、分散型動画メディアをうまく活用するための具体的なコツを紹介します。
プラットフォームごとの特性を理解する
分散型動画メディアは、複数のSNSに同時展開していくスタイルですが、それぞれのSNSには特性があります。例えば、Instagramはビジュアル重視であり、TikTokは短尺でインパクトのある動画が好まれます。
そのため、同じ動画を単純に使い回すのではなく、各SNSの特性に合わせた編集や投稿文の最適化が欠かせません。
例えばInstagramでは「1秒で目を引くサムネイル」と「短いリール動画」を活用し、TikTokでは「トレンドに乗ったチャレンジ型動画」を意識するといった具合です。
さらに、クラウド型動画編集ツールを活用すれば、ブラウザ上で簡単に動画をトリミング・最適化できるため、プラットフォーム別の対応もスピーディーに行えます。
目的とペルソナを設定する
分散型動画メディアを成功させるには、明確な「目的」と「ターゲットペルソナ」の設定が重要です。
例えば、目的が「商品購入促進」「ブランド認知拡大」「採用活動」であったり、ペルソナとして「20代後半・女性・SNS利用時間が長い」「BtoB業界・意思決定者層」を想定するケースが考えられます。
これらを踏まえた上で、誰に届けたいか、どんな行動を起こしてほしいかを明確にし、コンテンツ内容を設計します。
ターゲットが明確になれば、投稿のトンマナや動画の長さ、BGMの雰囲気も適切に調整でき、成果につながりやすくなります。
小さな成功体験を積み重ねる
最初からバズや大成功を狙うのではなく、小さな成功体験を積み重ねる意識が重要です。
例えば、1投稿あたりの視聴完了率を上げる、フォロワーを10人ずつ増やす、リアクション(いいねやシェア)を徐々に増やすなど、具体的かつ達成可能な目標を設定し、都度振り返りながら改善(PDCAサイクル)を回していくことが求められます。
どの投稿がよく伸びたのか、どのハッシュタグが効果的だったかなどを分析することで、徐々に成果を最大化できるようになります。
特に、動画の閲覧数やエンゲージメントをチェックする際には、動画配信プラットフォーム機能を併用し、データ分析を定期的に行うと効果的です。
メディアを運営する上で知っておきたいこと
もし初めてメディアを運営するのであれば、メディア運営全般で知っておくべきことがあります。どれも重要なことであるため、初心者の方は必ずチェックしておきましょう。
メディア運営は長期戦
基本的にメディア運営は長期的な視点で考える必要があります。即効性を求めている方には不向きであり、そのような考えだと成果が出る前に諦めてしまうかもしれません。
だからこそ、「メディア運営は長期戦」という考えのもとで動くようにしましょう。
外部に頼む場合は質とスピードをチェック
もし動画制作や記事制作などを外部に任せる場合は、質とスピードをチェックしましょう。
コンテンツの質は非常に重要であり、高品質であるほどファンも獲得しやすくなります。反対に質が低ければ、マイナスなイメージにつながってしまうかもしれません。
ただ、質ばかり求めて納品されるまでに時間がかかるのはよくありません。メディアを運営するためには定期的にコンテンツを公開することが重要です。
もし納品速度が遅ければ、スケジュール通りにコンテンツを公開できず、ファンが離れてしまう恐れがあります。だからこそ、質だけではなくスピードも大切になるのです。
収益も重要なポイント
メディアを運営していくためには、収益のことも考えなくてはなりません。基本的にネットメディアであれば、広告収入や案内したオンラインショップでの購入成果などが挙げられます。
収益がなければメディア運営も大変になるため、続けたくても続けられなくなってしまうかもしれません。
ただ、今回紹介した分散型動画メディアの場合は収益化が難しいため、しっかりと考えないと失敗する恐れがあります。だからこそ、ターゲットやコンテンツの内容だけではなく、収益についても考えましょう。
メリット・デメリットを考えた上で運営しよう
今回は、分散型動画メディアの基本情報やメリット・デメリットなどを紹介しました。
分散型動画メディアはコストを抑えられるといった良さがある一方で、コンテンツ作りが大変という欠点もあります。そのため、メリット・デメリットを考えた上で分散型動画メディアを運営するかどうか決めるようにしましょう。