保育園が動画活用に必要なマネージメントとは？保育園動画徹底解説の事例と共に徹底紹介。

保育園が抱える3つの課題

日本の少子化や人口減少が騒がれるなか、なぜ保育園は待機児童などの課題を抱えているのでしょうか？
安直に考えると、少子化になるということは保育園のキャパシティが増える事に繋がると思うのではないでしょうか。しかし実際は複雑な問題になります。保育園が抱える3つの課題について紐解きましょう。

現在保育園は大きく3つの問題を抱えており、

待機児童
保育士の人材不足
保育園の環境問題

の解決が求められています。

2020年厚生労働省の調べによると、待機児童は未だ大きな問題のままで、待機児童数は12,439人（前年と比べると4,333減）と報告されています。
保育園の数は増加傾向にあるものの、両親の共働きが増え待機児童が想定以上に増えている事が原因とされています。そのため、2021年を迎えてコロナ失職によって自宅で児童の面倒が見れる家庭が増加した際は、待機児童の数が3分の1にまで減少したという報告もみられました。

これは一時的な変化であり、受け入れ児童の拡大など根本的な課題解決が求められます。
さらに保育園が抱える問題はこれだけに収まらず、保育士の労働環境の悪さによって人材不足になるなど保育園の現状は厳しい状態になります。

保育園が動画を活用するメリット

保育園が抱える課題の解決や園の魅力発信を行ううえで、「動画」は非常に有効な手段となり得ます。ここでは、保育園が動画を活用するメリットについて解説していきます。

保護者の不安を和らげ、入園のハードルを下げる

初めて子どもを保育園に預ける保護者にとって、最も大きな不安は「本当にこの園で大丈夫か？」という点です。
園の設備、保育士の対応、子どもたちの様子が見えない中での判断は非常に難しく、不安や迷いに繋がります。こうした不安に対して、動画は安心材料として強い力を発揮します。

例えば、「1日の園生活の流れ」や「給食の様子」「先生のインタビュー」など、リアルな保育の現場を映像で見せることで、園の姿勢や雰囲気が伝わります。保護者はそれを通じて「ここなら預けても安心」と感じられるようになります。

保育士の採用活動における魅力訴求が可能

保育士の人材確保は全国的な課題となっています。求人票や園のホームページだけでは、職場の雰囲気や働き方の実態は伝わりにくく、他園との差別化が難しいのが現状です。そこで有効なのが、採用向けの動画活用です。

例えば、先輩保育士のインタビュー動画や、チームでの保育の様子、研修制度の紹介などを通じて、職場としての魅力を丁寧に伝えることができます。
「自分もこの園で働いてみたい」と感じてもらうためには、現場のリアルな表情を見せることが不可欠です。動画であれば、保育に対する理念や職員同士の関係性も映像を通して自然に伝わります。

園内外の信頼関係構築につながる

動画は単に情報を届けるだけでなく、保護者や地域との信頼を育むツールとしても機能します。特に園内でのイベントや日常風景を動画で紹介することで、保護者は園との距離を縮めることができます。

また、保育士が子どもにどのように接しているか、どんな環境で遊びや学びが行われているかを定期的に配信することで、透明性を高められます。
日常の様子を共有する姿勢は、保護者に対して「見せられるほどに自信を持って保育に取り組んでいる」というポジティブなメッセージにもなります。

園児との日々を記録として残せる

動画には、思い出を記録するという大きな価値もあります。運動会、遠足、発表会といったイベントだけでなく、日常の些細な成長の瞬間を映像として残すことで、園児本人や保護者にとって大切な思い出になります。

こうした映像は、個別に編集してDVDとして配布したり、クラウド上で限定共有することで、保護者の満足度向上にもつながります。
特に近年は「子どもが家でどんな様子だったのかを後から見たい」というニーズが高まっており、動画による可視化は園選びの決め手にもなり得ます。

保育園が動画活用するにはどのような用途があるのか？

数多くの課題を抱える保育園が動画活用するにはどのような用途があるのでしょうか？
保育園が動画活用する目的は大きく3つで、

児童・保育士募集
保育園の紹介動画
保育園内の様子を生ライブ

になります。

国内の保育園では『児童・保育士募集』『保育園の紹介動画』を主な用途で作成しており、その中では保育園の一日や授業内容を紹介することで、文字や写真だけではわからなかった空気感などがわかります。
この活用は以前から多く見かけられ、独自プラットフォームやYouTube等に公開して宣伝効果を求めるケースもありました。

また国内では数少ないものの、海外では古く一般的な用途なのが『保育園内の様子を生ライブ』になります。
保育園内の様子を生ライブで配信することで子供をどこからでも見守ることができ、万が一の事が起きても動画を参考に冷静な対処ができる魅力があります。

しかしこの活用方法には欠点があり、動画のセキュリティによっては子供のプライバシーを守れない場合があります。この用途を採用する際は子供の名前や住所等に最新の注意を払って行うようにしましょう。

保育園が持つべき動画マーケティング知識

動画活用の種類は数多くありますが、実際に動画を作成するにあたっては動画マーケティングの知識が必要になります。
通常の動画マーケティングではなく、保育園動画独自のマーケティング知識をもとに動画を作成することで保育園が抱える課題を解決してくれます。

そこで保育園が持つべき動画マーケティング知識を紐解いていきましょう。

保育園が動画内でアピールすべき内容とは？

保育園が配信する動画を視聴者である保護者はどのように見ているのでしょうか？
国内の大半の保育園動画が園内の雰囲気を紹介する為に動画を利用しているため、保護者は動画をもとに『子供を預けた際、満足のいく保育をしてくれるのか？』を見定めています。

そのため保育園側は動画作成の際、教育の質や園の安全面などの特徴を動画内に含める必要があります。

保護者同士のコミュニケーションツールがある
家庭内アクティビティコンテンツがある デジタルドキュメントでのやり取りができる

さらにアメリカのある保育園でのアンケートによると、上記サービスがある保育園に入園決定すると回答した割合が65％以上との報告がありました。このようなサービスがある場合はぜひとも動画内で宣伝しましょう。

保育園外の繋がりも発信する

保育園選びは園内のコンテンツだけで選択するとは限りません。子供を預けるのは母親が多く、園外での母親同士の繋がり通称『ママとも』も保育園選びの重要な要因になります。
ママともコミュニティの雰囲気が判明すると母親が子供を安心して預けれるようになります。

また森友製菓が2017年に発表した報告によると90％の人がママともに助けられた経験があると回答しています。
先輩ママさんによる保育園でのやりくりを教えてもらうなど数多くの魅力があるため、保育園外の繋がりも動画で紹介できるとよりよいでしょう。

保育園動画の実例3選

では実際に保育園動画を作成するにあたって、見本になるような保育園動画の実例を3選紹介していきましょう。

ヤクルト保育園

ヤクルトレディとして働くお母さんにも一般の方にも利用できるヤクルト保育園の動画になります。この動画ではヤクルト保育園の普段の様子を中心に保育方針や保育内容をご紹介しています。
保育士からのメッセージを子供・母親への想いごとに公開するなど楽しい雰囲気の動画を心掛けています。

墨田区公立認可保育園

https://www.youtube.com/playlist?list=PLfKiJA_hCpPd9Oi7iQ9ptxVRlwl-DxI2B

この動画は墨田区の公立認可保育園の動画になります。この動画は限定公開されており、子供のプライバシーを考慮した子供の姿なしの動画になり、さらなる視聴の際は東京共同電子申請・届出サービスを利用することで視聴することができます。
他にも墨田区にある保育園の動画が用意されており、保育園選びの参考にしてほしいとの願いから配信されています。

KitS「おうちえん」

KitS「おうちえん」とは日本初の保育園で撮影した保育動画を簡単に配信できるサービスで、保育園の先生が動画を簡単にアップロードでき、園の保護者のみが視聴できるようになっています。
何らかの理由で登園できない児童に向けた保育サービスは次第にコロナ下の新しい保育サービスとして認知されています。現在新型コロナウイルスの影響を考慮し無償提供しているので、活用してみてはいかがでしょうか？

まとめ

さて今回は保育園の動画活用について紹介してきました。

保育園は子供にとって初めての集団学習の場になります。免疫を付けたり、集団行動を覚えたりする貴重な機会で、成長後の思考のかなめになります。
そんな大事な時期を過ごす場所は親としては慎重に選びたいものです。保育園側もそういった大事な選択を後悔させないように動画で保育園の魅力をアピールしましょう。