この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ オンライン見学ツアーを企画・実施している自治体・法人
- ✅ 自社施設やサービス紹介を動画で伝えたいと考えている
- ✅ 撮影から配信までワンストップで行えるツールを探している
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見学ツアーの種類とは?
見学ツアーと一言にいっても様々な種類があり、呼び方も異なることがあります。
例えばダムや工場などのインフラ整備を見学するツアーや地域活性事業に参加するツアーなど種類豊富で、呼び方もインフラツーリズムや大人の社会見学などたくさんあり統一されていません。
またバスで集合する従来の基本的な見学ツアーをはじめ、現地集合・解散パターンや鉄道のみを利用するツアーなど、移動手段から見学先の工程まで様々な組み合わせから見学ツアーは構成されています。
コロナ禍以降、従来の対面型見学ツアーは大きな影響を受け、参加者の安全を確保するためにオンラインツアーやバーチャル見学の需要が伸びてきています。
物理的な移動や密集を避けるため、リアルな現地体験をデジタル上で再現する試みが進み、360度映像やライブ配信を活用したツアーも増えてきています。
また、個別や小グループで参加できる現地集合・解散型のツアーも見直され、柔軟な参加スタイルが求められるようになりました。
こうした変化により、見学ツアーの形態や呼び方も多様化が加速し、新しい体験価値の創出が期待されています。
見学ツアーの現状2025年版
国土交通省によると見学ツアーの代表格ともいえるインフラツーリズム(インフラ整備を見学するツアー)は近年ポータルサイト掲載件数が増加しています。

グラフ出典:
『国土交通省』インフラツーリズム 拡大の手引きpdfより
平成19年に施行された観光立国推進基本法によって日本の発展には観光事業が必要不可欠との考えが広がり、その考えのもと見学ツアーといった観光事業が積極的に取り組まれています。
また平成28年に国が発表したビジョンに「明日の日本を支える観光ビジョン-世界が訪れたくなる日本へ-」というものがあり、魅力ある公的施設・インフラの大胆な公開・開放を勧めているため、インフラツーリズムは特に開催されるようになりました。
2020年ごろコロナウイルス蔓延でツアーの数は激減しましたが、今後は回復が見込まれています。
見学ツアーの醍醐味は?
見学ツアーは個人旅行では堪能出来ない魅力が盛りだくさんです。カテゴリー別に分類すると
| 風物詩を彩る |
伝統的な祭りや行事などの地域の歴史や風物詩を彩るもの |
| 歴史遺産 |
歴史的、文化的な価値が認められており、教育の観点も担うもの |
| 希少なイベント |
数年に一度の祭りなど希少なイベントもの |
| 観光名所 |
観光名所になっているもの |
| アイデアが魅力的 |
大胆なアイデアが見られるもの |
| タイミングが今しかない |
タイミングが今しかなく、二度と見逃せない建設中のもの |
| 地域ならではなのインフラ |
身近なインフラを地域のアレンジをし、財産にしているもの |
| 秘境 |
地理的な問題でなかなか来訪できないところにあるもの |
| 教育的 |
学習の場としての機能もあるもの |
このようになります。
見学ツアーがどのジャンルに分類されるのか?ツアー主催側はジャンルを把握することでどのようなツアープランを構成すべきかが明確になり、さらに該当するジャンルの魅力をツアーの醍醐味として発信することで顧客習得を効率よく行えます。
ツアーの醍醐味はこのようなジャンルに該当するイベントや建造物へ訪れ、特別な経験ができることで、個人レベルの旅行では難しいものが実現できます。
新手法!オンラインによる見学ツアー
近年、コロナ禍後の価値観の変化や、5Gの普及もあり、企業は新しい形式のツアー見学に取り組み始めています。その中で注目されているのが「オンライン見学ツアー」です。
これは、Zoomなどのビデオ会議ツールを活用し、自宅にいながら国内外の観光地を訪れているかのような体験ができるサービスです。インターネット環境さえ整っていれば、どこにいても参加可能で、旅行の臨場感を味わえます。
また、ツアー中にはリアルタイムでガイドとチャットでコミュニケーションを取れるケースもあり、映像を見るだけでなく、現地との双方向的なやり取りも魅力のひとつです。
こうしたバーチャル体験は観光にとどまらず、不動産の物件紹介や企業の施設見学など、様々な分野で活用が広がっています。JTB、HIS、ANAといった大手旅行会社もこの分野に力を入れており、オンラインツアーは今後のスタンダードになる可能性を秘めています。
オンラインツアーのメリット
オンライン見学ツアーは、実際の移動や現地訪問を伴わず、インターネット環境さえあれば自宅からでも手軽に体験できることが最大の特徴ですが、オンラインならではのメリットはそれだけではありません。
地理的制約を超えて全国・海外から集客が可能
オンライン見学ツアーの大きなメリットは、場所に縛られずに多くの人に参加してもらえる点です。
従来の対面型見学では、参加者が現地に足を運ぶ必要があり、身体的負担や、距離、交通手段の問題等で参加できない人も多く存在しました。
しかし、オンラインであればインターネット環境さえあれば国内外問わずどこからでもアクセスできます。そのため、より幅広い層にアプローチでき、ターゲット層の拡大や新規顧客獲得にもつながります。
また、複数の地域から同時に参加者を集められるため、イベントの規模を拡大しやすく、マーケティング効果の高い施策にもなります。
コスト削減と省力化の両立ができる
オンライン見学ツアーは、現地開催に比べて大幅なコストダウンができる点もメリットです。
移動費、宿泊費、現地スタッフの人件費、施設の貸し切り料、印刷物の作成など、リアルイベントで必要だった諸経費を削減できるため、費用対効果の高いイベント運営ができます。
また、事前に撮影した動画や資料を活用することで、当日のスタッフの負担を減らし、最小限の人員で運営できる点も魅力です。
加えて、天候や交通状況に左右されないため、予定の変更リスクも低く、効率的な管理が可能になります。企業側にとっては、時間的・人的リソースの削減とコストの最適化が同時に実現できる、合理的な手段です。
再利用・資産化できるコンテンツとして活用範囲が広い
オンラインツアーで使用する動画やプレゼン資料などのコンテンツは、収録しておけば何度でも再利用が可能です。これは従来の対面見学では難しかった大きなメリットになります。
例えば、一度制作したガイド映像や施設紹介の動画をアーカイブとして保存し、参加できなかった人に後日視聴してもらうこともできるでしょう。
また、SNSやWebサイト、YouTubeなどを通じて広く発信することで、ブランディングや広報活動にも活用可能です。
さらに、オンライン学習用の教材としても応用でき、教育機関や企業研修など多方面で役立つ「資産」として蓄積されていきます。こうした再利用のしやすさは、コンテンツ投資の価値を大きく高めます。
非常時にも対応できる柔軟性と継続性
自然災害、パンデミック、社会的混乱など、予期せぬ事態が発生した際にも、オンライン見学ツアーであれば物理的な制約を受けにくく、サービスの提供を継続できます。
特にコロナ禍では、対面での見学や旅行が難しくなっても、オンラインツアーを導入した企業は顧客との接点を維持できました。
今後も予測不能なトラブルや制限はいつ発生するかわからないため、オンライン形式は柔軟性の高い運用ができる手段として注目されています。
また、台風や大雪などの気象条件にも左右されないため、安定した運営が可能となり、参加者にも安心感を提供できます。継続的な運用を考える上で、リスクマネジメントの観点からも大変有効な手法です。
オンライン見学ツアーはどうやってできるの?
地域密着型の観光事業者や、地元の魅力を広く伝えたいと考える地方団体にとって、「オンライン見学ツアー」は大きな可能性を秘めた手段です。
しかし一方で、「準備が大変そう」「費用がかかりそう」といったハードルの高さを感じるケースも少なくありません。
特に、海外の視聴者を対象にする場合には、高画質での配信が求められ、4Kカメラや360度カメラといった機材の導入が必要になることもあります。
これらの機材には数万円から20万円以上の予算がかかることもあり、初期投資が必要です。しかし、映像の品質をそこまで重視しないケースなら、比較的低コストで始められるのがオンライン見学ツアーの魅力でもあります。
今回は、これからオンラインツアーを始めたい方向けに、基本的な作り方や必要な準備についてわかりやすく解説していきます。
機材準備
オンライン見学ツアーを始める際、最初のハードルとして挙げられるのが「どんな機材を揃えるべきか?」です。必ずしも高性能で高額な機材を用意する必要はありません。
最近では、技術の進歩により手頃な価格帯の360度カメラやパノラマ対応の撮影機器が多く出回っており、個人や小規模団体でも導入しやすくなっています。
もし、購入が難しい場合には、カメラ機材のレンタルサービスを活用する方法もあります。ツアーを継続的に開催する予定がある場合は購入を視野に入れ、一時的なイベントであればレンタル中心に検討するのがおすすめです。
予算が限られていて高額なカメラが用意できない場合でも、三脚やスタビライザーの質に注力すると、限られた予算内でも、一定の水準を保った動画を作れるようになります。
オンラインツアーのプラン計画
機材の準備が整ったら、「ツアープランの設計」にすすみます。観光地を巡る形式のオンライン見学ツアーでは、事前に移動ルートを把握しておかなければなりません。
一方で、不動産物件のように屋内だけで完結するツアーなら、各部屋の特徴をカメラ越しにどう伝えるかが重要なポイントになります。また、ツアーの進行にあわせて、ガイドによる説明だけか、双方向のコミュニケーションを盛り込むかなどの検討もしておきましょう。
ツアーの構成が決まったら、いよいよ撮影準備に入ります。屋外での撮影では、日光の強さや地面の傾斜に合わせて三脚の高さや角度を微調整しましょう。
屋内の場合は、照明の位置や家具の配置なども確認が必要です。事前にテストショットを撮影して画角や明るさを確認しておきましょう。
様々な機能の追加
撮影が完了したら、ツアーをより魅力的にするための機能追加を検討しましょう。単に映像を流すだけでは、参加者の満足度は得られません。
現地にいるかのような臨場感を演出するために、音声ガイドの挿入、BGMの活用、クリック可能な情報リンク、さらにはリアルタイムでガイドと交流できる仕組みなどが効果的です。
これらの要素はツアーの独自性としてアピールできるので、豊富に取り入れることで参加者の体験価値を高められます。
オンラインツアー見学の作成サポートはあるのか?
『実際に作成に挑戦してみたがうまくいかなかった』もしくは、『ツアー作成のサポートがあるならばオンラインツアーに挑戦してみたい』などの意見がよくあります。
そのような意見が出た際に利用できるオンラインツアーの作成サポートとなるソフトや外注サービスはあるのでしょうか?
自社が行った独自調査では、いくつかのオンライン見学ツアーを作成できるサービスがありました。本章では、その2つをご紹介いたします。
Matterport

出典:
Matterport
Matterportは2011年に米国カリフォルニア州サニーベールで、主に建築物のデジタル化を革新する企業として創業しました。同社が提供するサービスは、デジタルツイン(3Dモデル)として撮影・公開できるオンライン見学ツアー作成ツールです。
カメラ(Pro2/Pro3など)やスマホ/360°カメラで撮影し、空間をウォークスルー、ドールハウス表示、平面図(フロアプラン)など多視点から閲覧可能。空間の寸法測定やタグ付け、編集機能なども備えています。
特徴は、没入感のある3D空間ビューが可能な点、Web・スマホ・VRなど多様なデバイスで見られること、URL共有で簡単に公開できることなどが挙げられます。
一方で注意点として、屋外のウォークスルー撮影には制限があること(Pro2など赤外線方式のカメラは屋外でのスキャンが苦手)、撮影・編集には専門的な知識または経験が必要な場面があること、無料プランでは公開できるスペース数が限られていたり、カメラ・機器購入費がかかることなどがあります。
利用料(価格)は、無料プランのほか、スタータープランは月額約1,600円~、プロフェッショナルが 約8,000円~、ビジネスプランは 約40,800円~となっています。(2025年9月現在 出典:
Matterportサイト)
THETA 360.biz

出典:
THETA 360.biz
THETA 360.bizは、リコーが提供する法人向けのクラウド型バーチャルツアー作成サービスです。軽量なTHETAカメラで撮影した360度画像を使い、誰でも簡単にツアーを作成・公開可能。不動産や観光業などで広く活用されています。
無料プランは機能に制限があり、有料プランは月額5,000円~になっています。AI補正や間取り連携機能も搭載されており、閲覧数やコンテンツ数に応じてプランを選択できます。(出典:
theta360.biz)
オンラインツアーの実例 『ルーブル美術館のバーチャルツアー』

ルーブル美術館の見学ツアーは、世界最大級の美術館を効率よく巡るためのガイド付きプログラムです。モナ・リザやミロのヴィーナスなどの代表作を中心に、自分で館内を移動しながら自分のペースで鑑賞できます。
まとめ
さて今回は見学ツアーでの動画活用について紹介してきました。
海外からの実績をみてもオンライン見学ツアーは魅力的なサービスであり、十分な収益を得ている事業に思われます。しかし作成サポートするサービスの提供は未だ未発達なので独自に作成する事を強いられる可能性があります。
ですがその課題を乗り越えることで魅力的なオンライン見学ツアーを演出し、国内の観光を発展させることができます。ぜひ試してみてはいかがでしょうか?