動画マーケティングに数多くの種類があるなかで、近年HHH戦略の重要性が高まっています。様々な企業がHHH戦略を用いた動画マーケティングを成功させていることから今後もHHH戦略は欠かせない手法になるでしょう。
そこで今回はHHH戦略について基礎から徹底解説していきましょう。
この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 自社のマーケティングに動画を活用しているが、戦略面に課題を感じている
- ✅ HHH戦略を取り入れて動画マーケティングを強化したいと考えている
- ✅ 複数本の動画を効率的に社内で作成・運用できる体制を検討している
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HHH戦略とはそもそもなに?
そもそも『HHH戦略』とはYoutubeで欠かせない戦略マーケティングの事を指し、『help動画』『hero動画』『hub動画』の頭文字から名付けられています。
動画をhelp・hub・hero3つの動画に分類し、適切な場所・タイミング・手法にて動画配信する事で最大限効果を高めた動画マーケティングができるという戦略になります。
では3種類の動画について深堀りしていきましょう。
help動画
help動画とは自社商品やサービスを購入してくれた方に向けた、取り扱い方法・サポートに関する動画を指します。購入後のサポートの充実は顧客を維持するのには欠かせません。
hub動画
hub動画とは自社の商品やサービスに関心を抱いた相手に対して契約や連携などコンバージョンを目的にした動画になります。会社の規模を大きくするためには売上のみならず、次のステップの事も考えなくてはなりません。
hero動画
hero動画とは認知度がそれほど大きくない商品やサービス、会社名を大衆に向けて認知してもらうための動画になります。一度でもバズるとSNSで拡散され、認知度は爆発的に高まります。
HHH戦略を用いるメリット
動画マーケティングにおいて、HHH戦略を取り入れることでその成果を飛躍的に高めることが可能になります。ここでは、HHH戦略を用いるメリットについて解説していきます。
視聴者との関係性を段階的に構築できる
HHH戦略の最大の特長は、「関係構築のステップ設計」ができる点です。Hero動画で潜在層の認知を獲得し、Hub動画で関心層との信頼関係を築き、Help動画で購入後の満足度を高める。
これらを一貫した構成で設計すれば、視聴者は企業と段階的に接点を深めていき、最終的に顧客化・ファン化へとつながります。
この流れはマーケティングファネルそのもので、認知・興味・比較・購入・継続という顧客の意思決定プロセスにぴったり一致しているため、コンテンツによる行動喚起の効率が非常に高くなります。
動画資産の長期運用が可能になる
HHH戦略を取り入れて動画を体系的に制作しておくことで、企業の動画資産は「点」ではなく「面」として機能するようになります。
単発のプロモーション動画では一過性の効果しか得られませんが、Help動画はFAQ代わりに長く使えますし、Hub動画はキャンペーンごとにカスタマイズして流用できます。
特にHelp動画は、製品の操作説明やトラブル対応に活用されるため、問い合わせ対応コストの削減やカスタマーサポートの質向上にも寄与します。これは人手不足が課題の多くの業界にとって、極めて大きな効果です。
動画マーケティング全体のPDCAを回しやすくなる
HHH戦略のもう一つのメリットは、動画ごとに「目的」が明確であるため、効果検証と改善が非常に行いやすくなる点です。
例えば、Hero動画は「再生数」や「認知率」、Hub動画は「CVR」や「離脱率」、Help動画は「満足度」や「リピート率」など、それぞれ異なるKPIを設定できます。
このように目的別で数値を把握できると、どこに問題があるのか、どの動画が機能しているのかを明確に把握でき、戦略全体の最適化が進みます。
社内運用と外部発注の役割分担がしやすくなる
動画の目的が明確に分かれていると、どの動画を社内で作るべきか、どこを外注すべきかという判断も容易になります。
例えば、Help動画は操作説明や手順紹介が中心なので、自社でクラウドツールを使ってスピーディーに作成可能です。Hub動画は少し構成を練る必要があるため、テンプレートと内製を組み合わせて運用できるケースが多いでしょう。
一方、Hero動画は最初のインパクトが重要になるため、プロによる演出や制作が有効です。このように役割分担を戦略的に考えることで、制作コストの最適化とスケジュール管理が可能になります。
3つの動画関係は量的バランスで判明
HHH戦略は3種類の動画を最適なバランスで配信する戦略ですが、最適なバランスとは一体どういったレベルを指すのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
HHH戦略を構成する3種類の動画を量的バランスで多い順に並べると
help動画→hub動画→hero動画
になります。
つまり配信するhero動画がhelp動画やhub動画より数多いとHHH戦略を考慮できていないとみなされます。
HHH戦略を考慮した動画の作り方
HHH戦略は量のバランスが大切ということをお伝えしましたが、それぞれの動画の作り方にもポイントがあります。
help動画作成のポイント
help動画を作成するにあたって、視聴者のニーズを把握していることが大前提になります。
それをふまえた上で抑えておくべきポイントは3つあります。
・クエリを明確かつシンプルにしておく
・他種類の動画より質は求めない
・1ブランドにつき約10個以上のhelp動画を用意したうえで発売
help動画は『自社の商品に関心を抱かせること』や『購入後のサポート』を目的としています。そのため視聴者が『何を求めて検索、この動画にたどり着いたのか?』を把握し、解決する動画でないといけません。
そのため検索インサイトを利用するなどしてクエリを明確にしておきましょう。
また1ブランドにつき約10個以上のhelp動画を用意し、質以上に分かりやすさや伝わりやすさを重視するとよいでしょう。
hub動画作成のポイント
hub動画を作成するポイントはズバリ個性を際立たせることにあります。hub動画の目的はコンバージョンになります。そのため数多くある動画の中から関心を抱かせる内容かつコンバージョンへの繋がりが動画に必要です。
・一貫した強い個性を用意
・コンバージョンへつながる誘導
help動画と異なりhub動画は質がとても重要になります。一貫した強い個性を動画内に含め視聴者の関心を手に入れましょう。
また関心だけで止まってしまってはいけません。動画視聴者が情報拡散するような工夫や契約に繋がるような誘導マーケティングを動画内に込めましょう。
hero動画作成のポイント
hero動画は他種類の動画を代表する存在です。動画の特徴を活かし、感情をや感覚を刺激する動画にするように心がけましょう。
例えば『面白い』『不思議』などの感覚を抱かせるような動画の流れやビジョンを動画の序盤15秒以内に組み込ませましょう。
多くの視聴者が動画開始15秒で視聴を選択するため、それまでにhero動画の魅力は全て出し切りましょう。
HHH戦略での注意点
HHH戦略を構成するそれぞれの動画作成ポイントを紹介してきましたが、HHH戦略ではすべてのバランスが重要です。
例えそれぞれの動画が完璧に作れたとしても3H動画のバランスが悪いとマーケティングは失敗しやすくなります。
動画作成をした後は全体的なバランスを意識し、マーケティングの流れがどのようになっているかを確認しましょう。
まとめ
さて今回は動画市場でのHHH戦略について紹介してきました。
HHH戦略の成功事例は数多く報告されており、多くの企業が今もなおHHH戦略と共に発展しています。ぜひともこの記事を参考にHHH戦略を駆使し、動画マーケティングを成功させましょう。