この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 展示会で自社の魅力をより効果的に伝えたい企業の担当者
 
- ✅ オンライン配信と連動した動画マーケティングを検討している法人
 
- ✅ 社内で動画制作を内製化し、コストと制作スピードを両立したい企業
 
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展示会の現状
展示会といえば『幕張メッセ』や『東京ビックサイト』のような大きな展示場にて様々な企業が集い、経済活動のエンジンともいえる活力の元でありました。
大きな会場になれば来場者数は10万人以上はざらで、大企業だけに限らず中小企業も大きな売上をあげていました。
しかし近年は違います。
オリンピックによる展示場の使用制限、コロナによる展示場使用禁止と苦しい制限がかけられ続け、日本展示会協会は『三重苦(主催者、支援者、出展者の三者が同様に苦しむ様子)に陥っている。企業支援が必要』だと訴えました。
このように展示会の現状は厳しい状況に追い込まれています。
展示会が受けたコロナのダメージ額
オリンピックからコロナの流れで大きくダメージを受けた展示会界隈ですが、実際どれほどのダメージを被ったのでしょうか?数値を求めてみましょう。
世界規模の展示会がコロナで受けたダメージ額
まずは世界規模でみていきましょう。
国際見本市連盟(UFI)が2020年3月に発表したレポートによると、『新型コロナウイルス感染症による展示会中止・影響の経済的損失は少なくとも263億USD(約2.7兆円)の商談機会を損失。展示会・イベント業界の損失はすでに165億ドル(1.7兆円)におよんでいる。』と報告しました。
2020年3月以降もコロナの影響は悪化し続けた事から計算額以上の損害は出ていると推測できます。
さらにUFIは『展示会産業は世界中で、毎月262億USDの経済規模を創出しており、27万人以上の雇用を生んでいる』との発言もしており、2021年12月でコロナ発生から2年が経過するため単純計算で6288億USDの損失が生まれたと計算できます。
日本国内の展示会がコロナで受けたダメージ額
では日本国内に目を向けるとどうでしょうか?コロナの影響を受ける前の2019年とコロナの影響を受けた2020年で来場者数や出展者数がどれほど変化しているかを比較してみました。すると、
・2019年:来場者数 41,349人、出展者数 564社
・2020年:来場者数 15,249人、出展者数 189社
出典:event marketing
このような差がみられ、来場者数は63.3%減少、出展者数は66.5%の減少とどちらも半数を超えるダメージを受けています。
また2021年にも同様に展示会が開催されている場合もありますが、入場制限が設けられることがほとんどで(最大同時入館者数が5,000人以内など)回復の兆しは見えていません。
日本展示会協会によると2019年4月から2020年11月までの間にかけられた利用制限による主催者、支援企業、出展社を合わせた売上損失は約2.5兆円と推測しています。
展示会業界がアフターコロナを生き抜くためには?
コロナによって大きなダメージを受けた展示会業界ですが、アフターコロナではどのように生き抜くべきでしょうか?ではまずプレスリリースを配信するprtimesが集計したデータによると、
・コロナ収束後の商談数は、コロナ禍の現在と比べて増加すると48・9%が回答
・コロナ収束後は、70%以上の企業がリアル展示会へ出展の見込み
・アフターコロナもWebサイト改修やコンテンツの強化を62.6%の企業が重視
・今後のマーケティング強化は、50%以上が自サイトや動画コンテンツを強化
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000022054.html
という結果がみられました。
注目すべきはアフターコロナによって多くの企業がリアル展示会への出展を前向きに見込みながら、Webサイト改修やコンテンツの強化も図ろうとする動きがみられる点になります。
これは、再度コロナのような事象が起きた際に損失を小さくするためオンラインのフォロー案の用意をする事を意味します。
リアルとオンラインどちらにも対応することで、効率よくマーケティングを行いながら、緊急時用の対策を練っているのです。
またオンラインでの工夫は半数以上が自サイトや動画コンテンツの強化をすると回答し、オンライン上でのマーケティングでは動画活用が欠かせないと多くの企業が認識しています。
展示会業界がすべき動画マーケティング方法
では以上のことを踏まえ、展示会業界はどういったマーケティングを行うべきでしょうか?解決策の一つにオンライン上での動画マーケティングを強める事があげられます。
では実際にどういった動画マーケティングが望まれるのか?紐解いていきたいと思います。
展示会主催側が作るべき動画と活用方法

こちらの動画は2020年8月上旬に神戸国際展示場で開催された神戸国際宝飾展(IJK)での感染対策をまとめた映像「Withコロナ時代の展示会」になります。
動画では主催側が工夫したコロナ対策『接触機会の低減』『サーモグラフィー計測や診療室の設置』『消毒方法』などが紹介されています。
コロナが収束した後でも、新たな感染症の危惧は怠ることができません。展示会主催側は感染症があったとしても行える工夫をこのように動画で発信すると良いでしょう。
展示会支援側が作るべき動画と活用方法

この動画は展示会出展者説明会・合同出展サポート・会員企業支援を計画する中小企業支援機関に専門的な知識を提供する展示会活用アドバイザーの紹介動画になります。
現在、多くの中小企業がコロナによる展示会事情の変更によって悩みを抱えており、そういった企業を支援する立場も展示会業界には欠かせません。
そこでアドバイザーが動画にて『展示会での成功のポイント!』を紹介することで課題を抱えている企業が声をかけてくるでしょう。
展示会出展側が作るべき動画と活用方法

この動画は国際ビジネスについて情報発信をするチャンネルで展示会について特集している内容になります。
動画では『KOL』の重要性について触れています。
KOLとはkey opinion leaderの頭文字をとっており、日本でいうインフルエンサーのような存在を意味します。展示会にてKOL×動画活用をすることで顧客の拡大を効率よくできます。
そこで展示会出展企業はKOLをゲストとした生配信ライブや動画を展示会や自社紹介動画として活用するマーケティングがおすすめになります。
展示会業界が動画マーケティングを行う際に気を付けるポイント
展示会業界において動画マーケティングはもはや欠かせない要素となっていますが、ただ動画を制作・配信するだけでは成果につながりません。
ここでは、展示会業界が動画マーケティングを行う際に気を付けるポイントを解説していきます。
ターゲットを明確にする
動画を作成する際、まず意識すべきは「誰に見てもらうのか」というターゲットの設定です。
展示会来場者は経営者、購買担当者、技術者など立場も課題も異なります。すべての層に漠然と訴求しようとするとメッセージが薄くなり、結局誰にも刺さらない動画になりかねません。
例えば技術者向けであれば製品の機能・スペックを丁寧に解説する動画が有効ですが、経営層に向けてはコスト削減や投資効果といったメリットを前面に出すほうが効果的です。
動画制作前に来場者属性をセグメント化し、目的ごとに訴求内容を切り分けることが重要です。
展示会当日の導線を意識した構成にする
展示会場は多くの出展者であふれており、来場者は短時間で数多くのブースを回ります。そのため、動画は「立ち止まらせる」「短時間で要点を伝える」という導線設計が欠かせません。
長尺で説明が続く動画は最後まで視聴されにくいため、15〜30秒で強みを直感的に理解できるショートムービーを入り口にし、興味を持った来場者向けに詳細動画へ誘導する二段階構成が望ましいでしょう。
また、音声が聞き取りにくい展示会場では字幕付きの動画を用意することも基本です。
オンライン配信との連動を考慮する
展示会当日だけでなく、事前・事後のオンライン配信を含めて一連のマーケティング施策として設計することが成果を左右します。
事前にはティザー動画をWebやSNSに発信して来場を促し、当日はブース動画やライブ配信で臨場感を届け、事後にはダイジェスト映像を公開して来場できなかった層をフォローする流れです。
このとき重要なのは、オンラインとオフラインのメッセージを一貫させることです。動画ごとに訴求内容がぶれてしまうとブランドの信頼性を損ないます。
著作権・使用素材の管理を徹底する
展示会動画ではBGMや映像素材を多用するケースが多いですが、権利関係を曖昧にすると大きなリスクにつながります。特に会場で流す場合、不特定多数が視聴するため著作権違反が発覚しやすく、ブランドイメージを損ねる恐れがあります。
必ず商用利用可能な音源や素材を使用し、自社オリジナルの映像を軸に構成することが求められます。
まとめ
さて今回は展示会業界の動画活用について紹介してきました。
コロナやオリンピックなどの影響を受け、大きなダメージを受けてしまいましたが、企業の繋がりの基点である展示会は今後も欠かせないイベントです。
経済的価値も高くちょっとした工夫のひとつで企業へのお金の流れも作れます。そのため今回紹介した動画活用などを導入し、展示会での成功をおさめてみてはいかがでしょうか?