この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 百貨店の集客力を高めたい担当者
- ✅ Z世代など若年層を呼び込みたい企業
- ✅ SDGsや新規事業を動画で訴求したい
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百貨店業界の現状
では現在の百貨店業界の現状とはどういった様子でしょうか?経済産業省や各百貨店の情報をもとに紹介していきましょう。
1905年(明治38年)に様々な商品を陳列する店として百貨店が誕生し、同じく老舗呉服店の高島屋・松坂屋・大丸などが続々と開店、以降長い年月の間愛され続けていました。
しかし新しい生活様式が定着してきた影響で百貨店業界は売上の低迷、労働環境やロスの削減を要求されるなど厳しい状況に陥っています。
加えて、ここ数年の社会的な変化も百貨店に大きな影響を与えました。各社は「実店舗ならではの体験価値をどう提供するか」「オンラインとどのように融合させるか」といった新しい事業展開を迫られています。
百貨店業界が直面する課題とは?
では実際に百貨店業界が直面する課題を具体的に示してみましょう。
多くの百貨店は以下の4つの課題を抱えています。
・顧客層や労働人材の高齢化
・従業員の労働環境変化やロス削減とSDGsへの配慮
・在庫や購買情報の活用ができていない。デジタル化への遅れ
・店舗への集客・付加価値の難しさ
ではそれぞれの課題について紐解きます。
顧客層や労働人材の高齢化
2019年に伊勢丹相模原店が閉店した件が具体的な一例で、相模原店の周辺には消費意欲旺盛な若者が通う大学がたくさんあります。
しかし伊勢丹を利用する客は高齢の方が中心で、若者の多くは『利用したことがない』とアンケートを回答、顧客層の高齢化・売上低迷を抱えていました。
一方で若者が多く通う近くのディスカウントストアは若者の顧客を獲得・売上絶頂を記録していました。このことから百貨店の事業回復には若い顧客層の獲得が必須条件であると結論づけられました。
従業員の労働環境変化やロス削減とSDGsへの配慮
近年SDGsが社会に浸透し、様々な企業が取組みを見られる中、百貨店業界も例外ではありません。
販売員の場合は常にお客さまを相手にするため『勤務中の立ちっぱなし』、営業職の場合は全国への営業をかけるため不規則な生活になるなど労働環境が厳しい場合があります(SDGs 目標8に該当)。
またサンプル品や食品ロスの削減など限られた資源に対する対応も求められています(SDGs 目標12に該当)。こういった持続可能な社会を求める今、社会から求められる点も解決すべき大きな課題です。
在庫や購買情報の活用ができていない。デジタル化への遅れ
2018年、あるビジネス系メディアにて百貨店社長が百貨店業界のITについて『我々が持っている商品がデジタル上で登録されていない。来てもいただけない状態だ。』と言及していました。
この後、商品登録をしたアプリのリリースなどを開始したものの、他販売業にデジタル面で遅れをとってしまっていることが露見しました。
顧客層の高さを考慮しながらも、事業のM&A等も含めてITの推進はしていく必要があります。
店舗への集客・付加価値の難しさ
百貨店の集客の難しさに対して他サービスを利用する方は以下のようなアンケートを回答しています。
・百貨店でしか買えないものが少ないのでは?通販の方が便利
・品質はよいかもしれないが価格が高い
こういった問題はデジタル化の遅れなどが複雑に関わってくるため解決は困難になります。
しかしある百貨店では店舗の一部をイベントスペースとして貸出、商品の独自仕入れや海外販売など様々な工夫をし集客を試みています。
百貨店の課題を解決する動画活用方法
以上のような課題を抱える百貨店ですが、課題解決のひとつに動画活用が推奨されています。『どうして動画を活用すべきなのか?』『どのような効果を得られるのか?』などを実例とともに紹介していきます。
Z世代を呼び込む動画活用

こちらはTBSNEWSチャンネルが若者離れが進む百貨店にてZ世代を集客する挑戦を取材した動画になります。
20代から30代の若い社員が同世代のアーティストやデザイナーとタッグを組みイベントを開催し百貨店への若者集客に努めています。
販売する商品はSDGsも考慮されており、商品を購入した客は『新しい感覚』と回答しています。このように若者を集客するための挑戦を動画で発信することで集客に拍車をかけることでしょう。
SDGsへの取組みを動画活用

こちらは読売テレビニュースがSDGsに取り組む大阪の百貨店を取材した動画になります。
こちらの百貨店では不要になった傘を回収しており、今までは産業廃棄物として廃棄していました。このことを問題視した担当者は『motokasaプロジェクト』を発足し、捨てられる傘からバックを作る事業を開始させました。
SDGsへの配慮もしながら、新しいビジネスモデルを動画で発信することで事業提携先を募集することにも活用できるでしょう。
百貨店の付加価値 動画活用

百貨店の新機軸を打ち出すリーダーや専門家とともに、百貨店のニューノーマルを議論する動画になります。
百貨店の在り方はかつて商品を購入する場所としてのイメージが強くありました。しかし今後の百貨店事業の回復を考慮すると体験創作の場所としての提供が最適だと動画内で提案されています。
このように動画内で百貨店の新たなあり方を議論し公開することで、同志との新たな連携のきっかけになるでしょう。
百貨店の課題解決に動画を活用する際の注意点
百貨店業界の課題解決に動画活用は有効ですが、成果を得るにはいくつかの注意点があります。ここでは、動画を活用する際の注意点を解説していきます。
ターゲットと目的を明確にする
動画活用の第一歩は「誰に」「何を伝えるのか」を具体化することです。
Z世代の集客を目的とするなら、トレンドや体験価値を前面に出したショート動画やSNS配信が有効です。一方で、シニア層や既存顧客向けには店舗の安心感や長年の信頼を訴求する動画が求められます。
目的とターゲットが不明確なまま制作した動画は、結局どの層にも響かず効果を得にくくなります。
課題解決に直結するテーマを扱う
百貨店が直面する課題は、集客だけでなく人材やSDGs対応など多岐にわたります。動画の題材はそれらと直結させることが重要です。
例えば、廃棄ロス削減やリサイクル活動を紹介する動画は「環境に配慮する百貨店」というブランド価値を高められます。また、従業員の働き方改善や人材育成を取り上げれば、採用活動や企業イメージ向上にもつながります。
単なる商品紹介に留まらず、「社会的意義」や「課題解決型」の動画であることが望まれます。
実店舗体験とオンライン体験を結びつける
動画は店舗に来てもらうためのきっかけに過ぎません。動画を見た人が「実際に店舗に行って体験してみたい」と思える仕掛けを設計する必要があります。
例えば、動画で紹介したイベントの一部を来店者限定で体験できるようにしたり、店舗での購入特典を動画内で提示したりする方法です。
オンラインとオフラインをシームレスに結びつけることが、来店動機を生み出す上で重要なポイントになります。
情報の信頼性と透明性を確保する
百貨店は長年の信頼を基盤にしたビジネスです。動画で伝える情報に誤解を招く表現や誇張があると、ブランドイメージを大きく損なうリスクがあります。
特に、環境配慮やSDGs関連の動画は「グリーンウォッシュ(見せかけだけの環境配慮)」と捉えられないように注意が必要です。
事実に基づいた取り組みや数値を示し、透明性のある表現を心がけることで、視聴者の信頼を獲得できます。
まとめ
さて今回は百貨店の動画活用について紹介してきました。
一時は百貨店業界は厳しい状況に陥りました。しかし、現状を把握し課題を一つずつ解決していく事で再び活気づくことができます。そんな時ぜひとも動画を有効活用してみてはいかがでしょうか?