まだそこにないものを描きだすこと
現在企業のホームページやYouTubeなどでは、多くの業界が動画を配信しています。エクステリア業界でも状況は同じだと思いますが、本来ならもっと動画活用に力を入れてもよいのではないでしょうか。
参考サイト:Nine Arcs GARDEN紹介動画
例えばこの動画では、非常に短時間でイメージだけを伝えています。動画の構成としては極めてシンプルなつくりです。
それでも、家を建ててから今度は庭を何とかしたい、と考えている人にとっては、早く自分だけの庭がほしいという思いを抱かせてくれるでしょう。
実際にエクステリアと動画とは、かなり相性がよいのです。動画のメリットは、まだそこには存在していない庭でも、でき上った時のイメージを見せられるということです。
これは写真やパースなどでは難しいことで、動画なら見ている人が感情移入して、まるでそこにいるかのような想像も可能にしてくれます。
自分が美しくなった庭にいる、というイメージをかきたてることができれば、動画がクライアントの背中を押してくれるかもしれません。
エクステリアの施工を迷っている相手でも、具体的なイメージを目にすることで、1歩踏み出してくれる可能性があるのです。
エクステリア動画活用のポイント
今後リフォーム市場が拡大するとすれば、現状と施工後との違いを動画で見せることによって、クライアントの獲得がさらに増やせるかもしれません。
ではどのように動画を活用すればよいのか、ここからそのポイントを解説しましょう。
施工事例を紹介する
エクステリアは家具のようにショールームで見せることができません。しかしクライアントの立場からすると、何らかのサンプルがあり、それらを比較しながらエクステリアを選ぶ方が、仕上がりをイメージしやすいはずです。
その時に効果を発揮するのが、施工事例を集めた動画です。
参考サイト:有鄰庵「雑木の庭・外構工事施工例」
この動画は施工した現場をシンプルに撮影しただけですが、それでも十分にエクステリアの仕上がり具合が確認できます。
同じ施工事例でも、写真では撮るポジションによって実物を美化することもできますが、その点ありのままを伝える動画なら、実際にその現場を見ているような感覚で全体~細部を確かめられるのです。
このような施工事例をストックしておき、クライアントの要望や好みに合わせて視聴できるシステムを作っておくと、より具体的な提案が可能になるかもしれません。
現在はスマートフォンが1つあれば、どこでも動画の再生が可能です。こうした事例動画を用意しておくことで、営業がしやすくなるのではないでしょうか。
実際の施工現場を紹介する
家と同じでエクステリアも、施工が進んでゆく段階を見るのは楽しいものです。「ビフォー&アフター」のようなテレビ番組が面白いのも、自分が施主になった感覚で映像を見られるからでしょう。
この手法でストーリー性を持たせ、施工現場の様子を見せるのも1つの方法です。
参考サイト:庭チューバー「外構・庭工事の要素 全てを学べる埼玉の現場」
この事例動画では、プロの視点からエクステリア施工の工程を紹介しています。1本あたり30分以上ある続きものの動画なので、全体ではかなりのボリュームです。
それでもテレビの番組と同様に、一般の人が見られない作業を丁寧に追っていることから、飽きることなくずっと見ていられます。動画としてしっかり作られていることもポイントの1つです。
自社の施工事例でこのような動画が作れれば、クライアントはその技術面を信頼してくれるでしょう。動画というのは加工が難しいため、事実に近い映像を伝えてくれるという安心感があります。
クライアントにとっては、施工を依頼する前にその会社の技術を確認することができ、一方で会社にとっては信用度を高めることで、施工を受注する可能性が広がるわけです。
CGで施工をシミュレーション
施工事例ではなく、自宅の庭がどのように生まれ変わるのか、それを事前に見てみたいというクライアントもいるでしょう。
今ではCGの作成が以前よりもずっと身近になったので、そんなクライアントの希望を実現することも可能です。
参考サイト:金岡光輝園「外構CGシミュレーション エクステリア」
事例の動画ではフルCGで仕上げていますが、すでにある自宅の映像をデータとしてとり込んで、そこにCGでエクステリアのサンプルを組み合わせれば、クライアントに対するアピールの度合いはかなり高まるでしょう。
打ち合わせの段階からこうした動画活用をとり入れることで、よりクライアントの希望に近い施工が可能になり、見積もりの精度も高まって信頼度もアップするはずです。
そこで使った動画をストックしておけば、これも施工事例の1つとして役立つのではないでしょうか。
オーソドックスに製品紹介にも動画活用
最後の活用ポイントとして、エクステリアの施工を発注するクライアント、または施工業者が参考にできる商品紹介の動画について考えてみましょう。
この場合でも以前からのパンフレットより、動画の方がはるかに多くの情報を伝えることができます。
参考サイト:エスビック株式会社「エクステリア2020年春の新商品紹介」
この事例動画では、オーソドックスな構成でありながら、エクステリア製品について知りたいポイントを適切に解説しています。
こうした製品を扱う施工業者だけでなく、施工を依頼するクライアントが見ても役に立つと同時に楽しめる動画です。
動画のメリットは、目で見る視覚的な情報と耳からの聴覚的な情報により、相乗効果で視聴者の理解度を高められることです。
その点で、実物を見るように製品を確かめられる動画なら、PR効果は他のメディアよりも格段にアップするでしょう。
未来をイメージするための動画活用
エクステリアのリフォームでは、現状からどれほど美しく生まれ変わるのか、また新築の施工では、どれだけ自分のイメージに近いものができあがるのか、施工を依頼するクライアントにとっては、それが最も興味のあるポイントでしょう。
自分の頭の中だけでイメージを作るには限界があり、それをサポートするのが動画の果たす役割です。つまり動画とは、まだそこにはない未来を先どりして見せてくれるツールなのです。
この記事では紹介しませんでしたが、他にも動画活用の方法としては、実際の施工事例やスタッフの作業の様子を、ホームページのブログで配信するという事例もあります。
これも現在のクライアントではなく、未来のクライアントを育てるためには非常に効果的でしょう。
エクステリアはやはり自分の目で見て確かめたいものです。さまざまな顧客の要望に応えながら、可能な限り正確に未来を映し出す動画は、エクステリアとの相性がばつぐんです。
今後のビジネス・チャンス拡大のためにも、プロがサポートする動画活用をぜひ検討してみてください。