物流業界でも広がる動画活用
最初に、物流業界の課題に対して、動画を使ってどんな改善策が可能なのかを考えてみましょう。まず最も大きな課題の1つである人材不足については、業界全体でのイメージアップ戦略が必要になるでしょう。
その一環として物流業界の各企業は、各種サイトやSNSを通じて、業界のアピールを積極的に行うべきです。それには動画配信が非常に有効です。
人材不足の解消には、これまでとは異なる求人方法も必要になります。
若い世代はスマートフォンから情報を得るため、当然求人用のサイトを充実させることも重要ですが、さらに1歩踏み込んで、求人用動画を配信することも検討するべきでしょう。
他の業界と同様に、物流業界でも業務効率の改善が今後の課題です。それには1人1人の社員に対して必要な教育を行い、それぞれの能力を最大限に引き出すことが求められます。
ここでも動画による教育システムの構築など、効率的な動画活用が役に立つでしょう。
もう1つこれからの物流業界では、IT技術の導入が進むことが予測されます。こうした技術を使いこなすためには、ITに関する知識とノウハウの習得を目指し、研修制度などを充実させなければなりません。
このケースでも、動画活用が大きく貢献するはずです。
動画活用の具体的なポイント
ここからは、より具体的に動画活用のポイントを探ってみましょう。せっかく動画を作るなら、最も効果的な構成と利用法を検討した上で、注意すべき点なども考慮する必要があります。
実際の事例も交えて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
動画を使ったイメージアップ作戦
物流業界全体を盛り上げてイメージアップを図るためには、一般の人たちには見る機会のない業界の裏側を分かりやすく紹介し、親近感を抱いてもらうことが近道かもしれません。
物流業界に好感を持ってもらうことがポイントになるでしょう。
参考サイト:三菱倉庫「会社紹介ドラマ」
現在は動画配信が当たり前になっていますが、その感覚で動画をドラマ仕立てにしたのがこの事例です。動画1本がかなり長く、視聴者に最後まで見てもらうためには、しっかりと作り込んだ内容に仕上げなければなりません。
しかし共感してもらえれば、企業と業界のイメージアップに大きく貢献するでしょう。
見る側も本物のドラマとは思わないので、一流の俳優を起用する必要もなく、高額な制作費を心配することはありません。
その代わりに企画・構成・演出に工夫が求められるため、やはりプロのサポートを受けたほうがよいでしょう。この事例では、同じようなテーマをシリーズ化して動画活用をしているようです。
もう1つの事例動画では、非常にシンプルな作り方で物流業界のイメージと、それに加えて明確なメッセージを伝えています。わずか1分弱の動画ですが、細かい部分まで気を配っていることがよく分かります。
参考サイト:株式会社美翔物流「美翔物流プロモーショビデオ」
動画には、細かい説明を加えなくても情報を相手に伝えられるという、非常に優れた特徴があります。
イメージアップが目的であれば、この事例のようにメッセージを絞って伝えることも、効果的な動画活用法だと言えるでしょう。
動画を使った求人募集
最近では動画求人という新しいジャンルも広がりつつあります。
これまでは求人サイトに情報を掲載して、求職者のアプローチを受け身で待っていた企業が、積極的に動画活用することで、みずから優れた人材の獲得に動くようになったのです。
参考サイト:株式会社トラスト物流「ビジネスを未来へ運ぶ」
動画求人には、今までの求人情報にはなかった新しい特徴があります。それは職場の雰囲気を、そのまま求職者に伝えられるというメリットです。
求職者にとっては、職場で働く人たちの様子や仕事の内容は、非常に大きな応募への判断材料になります。動画活用が人材確保の決め手になるかもしれないのです。
このようなタイプの動画では、実際のスタッフが登場するケースが多く見られます。もちろん求人のことを考えると、熟練したベテランよりも新人に近いスタッフの方が共感を得やすいでしょう。
また、細かい部分ではありますが、インタビューや職場の様子などで、現場の生の音を伝えることも重要なポイントです。
動画を使った最新技術の習得
現在物流の世界でも大がかりな技術革新が進んでいます。企業にとっては業務効率化のため、それらの技術を導入するべきか、導入するとすればどのように使用するものなのか、事前に判断する材料がほしいところです。こんな時こそ動画の出番です。
参考サイト:F-LINE株式会社「福岡第一物流センター」
この事例は地方を拠点にする物流センターの動画ですが、センター内での作業の様子を、極めてストレートに紹介しています。
ナレーションも加えずに、淡々とさまざまな工程を見せているだけではあるものの、こうした技術に興味がある人にとっては十分役に立ちます。
動画には、まるで目の前に実物があるかのように、映像を通して疑似体験ができるというメリットがあります。
物流の最新技術はどうなっているのか、果たして新しいシステムを導入すべきかなど、物流に関わる人にとって動画は、最も効率的に知識を得られるツールになるでしょう。
動画を使ってクライアントにPR
これまで紹介してきた動画活用法では、自社内での取り組みや業界全体での取り組みについて解説しました。
しかし動画が持つ高いPR効果は、既存のクライアントに対するイメージアップや、新規クライアントの開拓にも大いに効果を発揮します。
短時間でより多くの情報を伝えられる動画は、物流に関わる企業が自社のサービスを紹介する時、他社のサービスとの違いを紹介する時など、営業担当者の説明以上の説得力を生み出します。
現在のようにモバイル機器を自由に使える環境であれば、さまざまな動画を直接クライアントに見てもらうことができます。
動画を活用すると、現場でサービスについて説明する時とほぼ同じことが、クライアントの目の前で再現できます。
取引先の開拓は、どんな業種でも常に考えなければならないこと。そのサポート役として、動画の重要性はこれからますます高まるでしょう。
動画でスムーズに業務改善を
今後の物流業界では、人材の確保と業務効率化という2つの課題を、常に意識する必要があるでしょう。
企業の経営戦略としては、まずは積極的に求職者にアピールすることと、社内の人材を教育して、それぞれの能力を高めることが大きな柱になります。
その戦略の一部に動画活用を導入すれば、業務改善効果は飛躍的に向上するでしょう。ただし物流の世界だけに、動画にもフットワークの良さが求められます。
本格的に動画の活用を考えるなら、映像のプロのサポートが必要です。ぜひこの機会に、プロの動画を手軽に活用できるシステムについて検討してみてください。