インプレッションとは、デジタル広告などが表示された回数を表す言葉です。動画を公開したりブログを書いたりした時、インプレッション数がどれくらいあるのかはとても気になるところですよね。
ただ、なんとなく理解してはいるものの、インプレッション数が多いことによってどのような指数を測れるのかインプレッション数を増やすコツが知りたいと思っている方が多いのではないでしょうか。
この記事では、「インプレッション数とは」といった基礎的な内容から、インプレッションを確認したり増やしたりする手順についても詳しく解説していきます。
インプレッション数とは?どんな役割?
インプレッション数とは、デジタル広告などが表示された回数を表す言葉です。また、TwitterやFacebookといったSNSでは、デジタル広告の表示回数だけではなく、投稿自体の表示回数を指す言葉でもあります。
インプレッション数は基本的に、多ければ多いほど多くの人に見られている、ということになります。
インプレッション数を測ることで、クリック率や1インストールあたりの広告費用を求める事ができます。また、インプレッションを測ることで、ユーザーにとって需要があるのかや興味を持っているユーザーがいるのかなど調査できます。
インプレッション数は、広告運用のみならずオウンドメディアやマーケティングにおいて重要な役割を担っています。
PVなど他の指標との違い
インプレッションには、よく似たマーケティング用語がいくつかあります。ここでは、よく似た用語のうち3つの意味を紹介します。
【用語1】PV(ページビュー)
PVは、WEBサイト上でページが閲覧された回数を表しています。ユーザーが見たページ数を指す概念で、あくまでも単位はページです。
一方、インプレッションは、ページに表示されている広告あるいは投稿の表示回数を表します。ページビューが1であっても、広告が閲覧されない場合にはインプレッションが0となります。
【用語2】エンゲージメント
エンゲージメントという用語は、ビジネスやマーケティングでも使われる用語です。使用される場面によって意味が変わります。特にSNS上では、投稿者への興味関心の度合いを表す数という意味で使われています。
主に「エンゲージメント率」は以下の式で算出している場合が多いです。
「クリック数やコメント、いいねを押すなどの行動」 ÷ 「インプレッション数」
また、この算出方法はSNSの種類によって異なります。
【用語3】リーチ
また、リーチもインプレッションと混同されやすい言葉です。リーチとは、広告または投稿がディスプレイ上に表示されたユーザー数を表します。
1人のユーザーに対して再読み込みなどで、同じ広告が複数回表示された場合でも、リーチのカウントは1となります。その場合、リーチとインプレッションのカウントは、「1リーチ、10インプレッション」となります。
【用語4】フリークエンシー
「フリークエンシー」は、元の意味では「頻度」や「周波数」という意味があります。デジタルマーケティングにおいては、WEB広告への接触頻度を意味します。
フリークエンシーは、一人のユーザーに対して何回広告が表示されたのかという指数をあらわします。インプレッションも広告の表示回数を示しているので、同じではと感じる方がいるかもしれません。
インプレッションは、ユーザー数にかかわらず広告が表示された総数を示しているのでこの点が違います。フリークエンシーは、「インプレッション総数÷リーチ数」で計算することができます。
【用語5】CTR(クリック率)
CTRとは、Click Through(クリックして広告主のサイトを訪れること) Rate(割合) の略語です。これは、インプレッション数(ユーザーに表示された総数)から、ユーザーがクリックをした割合を計算したものを言います。
例えば、クリック数100回に対し広告が10000回表示されたとすれば、CTRは1%となります。
計算:CTR(%)=クリック数÷広告の表示回数(インプレッション数)×100
1%=100÷10000×100
CTRが分かると、その広告を表示することによる成果を計測することができます。
【用語6】CVR(コンバージョン率)
CVRとは、Conversion(転換) Rate(割合)の略語です。これは、WEBサイトを訪れたユーザーが、商品の購入や問い合わせなどWEBサイトの目標とする成果に至った件数を計算したものを言います。
ここで、健康食品に関するWEBサイトを運営していたと仮定して、CVR値を計算してみます。
そのサイトでは、健康食品の販売及び無料お試しセットの案内をしています。WEB訪問者が1000名、無料お試しセット申込数が50名、商品購入が5名としたときのCVR値はどうなるでしょうか。
【無料お試しセット購入を最終成果とした場合】
計算:CVR(%)=無料お試しセット購入数÷WEBサイト訪問者数×100
20%=50÷1000×100
【商品購入を最終成果とした場合】
計算:CVR(%)=商品購入数÷WEBサイト訪問者数×100
2%=5÷1000×100
同じサイト内でも、どの指数を最終成果とするかによって、CVR値は変わってきます。計算をしたり分析をする際には、WEBサイトの最終成果を明確にすることが重要です。
インプレッション数の目安は?
前述の通り、インプレッション数は多ければ多いほど多数のユーザーに見られているということになります。
一般的に、インプレッションのクリック率の平均は4~5%と言われています。そこで、インプレッション数の目安は5%と考えて良いでしょう。
もし、コンスタントにクリック率が10%を超える場合は、コンテンツの設定に成功していると言えます。
インプレッション数を指標として重要視する媒体
WEBサイトの目的達成のためには、できるだけ来訪者が多いのが望ましいのは当然のことです。そのため様々な媒体が、日々インプレッション数を増やすことに励んでいます。
では具体的には、どのような媒体があるのでしょうか。この項では、インプレッション数を指標として重要視する媒体について順番にご紹介していきます。
GoogleやYahoo等のリスティング・ディスプレイ広告
GoogleやYahoo等のリスティング・ディスプレイ広告では、インプレッション数を指標として重要視しています。広告は特に、まずはユーザーの目に触れるということが大変重要です。そのため、ユーザーに対してどれくらい広告が表示されたかというインプレッションは特に重要なのです。
GoogleやYahoo等のリスティング・ディスプレイ広告では、ユーザーが開いたページのどこかで広告が表示されたときインプレッションをカウントします。
yahoo広告では、
静止画の場合「広告面積の50%以上が1秒以上再生されたとき」、動画の場合「広告面積の50%以上が2秒以上再生されたとき」に1インプレッションとしてカウントします。
一方Google広告の場合は、
静止画・動画ともに「広告面積の50%以上かつ1秒以上再生されたとき」に1インプレッションとしてカウントします。
また、特に正確なインプレッションをカウントしたいときには、ビューアブルインプレッションを設定した方が適切です。
SNS広告
FacebookやInstagram、LINEといったSNSの広告も、表示された回数をインプレッションとしてカウントしています。
GoogleやYahoo等のリスティング・ディスプレイ広告と同じように、表示回数が多いほど広告効果が見込めるため、その数値が重要な指標となるのです。
Facebook広告では、
静止画の場合「一部でも表示されたとき」、動画の場合「再生に関わらずサムネイルも含め表示されたとき」に1インプレッションとしてカウントします。
Instagram広告では、
動画の場合「再生に関わらずサムネイルも含め表示されたとき」に1インプレッションとしてカウントします。
LINE広告は、
静止画やカルーセルの場合「100%表示されたとき」、動画の場合「再生に関わらずサムネイルも含め100%表示されたとき」に1インプレッションとしてカウントします。
SNS投稿
主にインプレッションとは、「広告が表示された回数」として表現されますが、SNSにおいては投稿が表示された数を表わす場合にも「インプレッション」と表現します。SNSも、投稿がどれだけのユーザーの目に触れたかを確認することはとても重要です。
TwitterやInstagramでは管理画面等でインプレッション数を確認できる機能があります。インプレッション数を確認するには、Twitterであれば「ツイートアクティビティ」で確認できます。Instagramであれば、「インサイト」で確認可能です。
検索エンジン結果(自然検索)
検索エンジンで自然検索された結果、WEBページへのリンクが表示された回数もインプレッションとしてカウントされます。対象となる媒体は主に、Google検索やニュース欄、Discoverです。
検索エンジン結果では、ユーザーが検索をしてHPや記事のURLがリスト表示されたときに
「リンクが見える状態になって表示されたとき」に1インプレッションとしてカウントされます。
Googleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィールでは、ユーザーが行った様々なアクションを数えることができます。
そのため、Googleビジネスプロフィールにおけるインプレッション数カウントの定義は、プロフィール画面の表示なのか、マップでの表示なのかは目的に応じて変わります。
YouTube動画
YouTubeでも、動画が表示された回数をインプレッションとしてカウントしています。こちらも出来るだけ多くの人に見てもらいたい場合、その数値をカウントすることが重要になります。
このインプレッション数が増えれば増えるほど、自分の動画がどれだけユーザーの目にふれているのかがわかります。
YouTube動画では、
「サムネイルの50%以上1秒以上ユーザーに表示されたとき」に1インプレッションとしてカウントされます。
その表示先は、YouTubeのトップ画面、YouTube内の検索画面、動画プレーヤーの右側に表示される次の動画や再生リストをはじめ、登録チャンネルや急上昇、履歴に表示されたサムネイルもカウント対象になります。
インプレッション数を確認する方法
本稿では、Twitter、Facebook、Youtubeのインプレッション確認方法についてご紹介してきます。
Twitterのインプレッション数を確認する方法
【方法1】自分のツイート一覧から確認する
自分のツイート一覧から簡単にインプレッションを確認できます。
まず自分のツイートの右下にある三本線のマークを押します。
インプレッションやエンゲージメント数が表示されます。
Twitterでいうエンゲージメントとは、ツイートをみたユーザーの何らかの反応を指します。例えば、「いいね」や「プロフィール」を押した回数などがカウントされています。
【方法2】Twitter Analytics(ツイッターアナリティクス)から確認する
Twitterホーム画面を表示すると、左下に小さな3つの円が付いた「もっとみる」ボタンがあります。
それをクリックし、表示されたメニューにある「アナリティクス」をクリックします。
ヘッダーの「ツイート」をクリックするとインプレッションの推移を確認できます。
また、ページ下部には各ツイートのインプレッション、エンゲージメント、エンゲージメント率が一覧で表示されています。
各ツイートの下にある「ツイートアクティビティ」をクリックすると詳細を確認できます。ツイッターアナリティクスからは、様々な情報を詳細に確認することが可能です。
Facebookのインプレッション数を確認する方法
Facebookでいうインプレッションは、Twitterの時と考え方は同じで、投稿や広告が表示された回数を指します。Facebookのインプレッションを確認するには、「インサイト」をみる必要があります。インサイトとは、Facebookの管理者が閲覧できる分析機能のことです。
インサイトを確認するには、まず管理画面にログインします。投稿ごとのインサイトは投稿の下に表示されています。
表示されていない場合は、「インサイトを見る」をクリックします。
YouTubeのインプレッション数を確認する方法
YouTubeでいうインプレッションは、動画のサムネイルが表示された回数を指します。YouTubeのインプレッションを確認するには、YouTubeアナリクスの「コンテンツ」タブで確認することができます。
まず、自身のYouTubeアカウントYouTube Studioにログインします。左側のメニューにある「アナリティクス」を選択し、上部にある「コンテンツ」を選択すると確認ができます。
インプレッション数計測の仕組み
インプレッション数とは、デジタル広告などが表示された回数を表す言葉です。その算出には以下の計算式を用います。
インプレッション数(Impression)=ページビュー(PV)×広告の数
例えば、ページビュー数が100回に対して、そのページで表示されている広告の数が3つだった場合には、100×3でインプレッション数は300となります。
ただし、インプレッションの定義は扱う媒体によっても変わってきます。例えばFacebook広告では、静止画であれば「一部でも表示されたとき」動画は「再生に関わらずサムネイルも含め表示されたとき」に1インプレッションとしてカウントします。
一方で、Google広告の場合は、静止画・動画ともに「広告面積の50%以上かつ1秒以上再生されたとき」に1インプレッションとしてカウントします。ほとんどの場合、各媒体にインプレッション数をカウントするツールがあるので、自分で計算をすることはほとんどありません。
ただ、媒体によってカウントするルールが異なるので、どのような方法で数値を出しているのかは把握しておく必要があります。そのため、出向先のインプレッションの定義を知っておくようにしましょう。
インプレッション数を増やす方法・コツ
ほとんどの場合、インプレッションを増やすことが広告を出す際の目的になります。インプレッション数が増えればそれだけ、多くのユーザーに見てもらえているということだからです。
ではどうすればインプレッションを増やせるのでしょうか。以下、主な5つの方法をご紹介します。
【方法1】ターゲット設定を考える
まずは、誰に向けた発信なのかというターゲットを定めることが重要です。ターゲットにささらない的外れな発信をしていれば、インプレッションは増えません。
ただ、ペルソナを設定しターゲットをあまりにも限定的にしてしまうと、結果として配信される機会を減らしてしまうということもあります。
広告の配信設定ではペルソナやターゲットの設定は限定的にならないようにし、ある程度幅広い層に配信できるような内容にした方が無難です。
もちろん、本来のターゲットから大きく外れないよう注意が必要です。
【方法2】キーワードを絞る
一方、リスティング広告の場合は「検索キーワードを絞る」という方法が有効です。リスティング広告は、入札制になっており、人気のキーワードであるほど掲載単価が上がります。
広告を表示したい企業が多いキーワードは単価が高くなるため、限られた予算でインプレッションを増やすことは困難になります。そこで、検索キーワードを追加しターゲットを絞りこみます。
例えば「ヘアサロン」というキーワードだけでなく「ヘアサロン 東京」というキーワードにすれば、東京以外の地方には当てはまらないため、単価が下がります。
このようにターゲットを適切に絞り込むことで、低い単価で効果の高いキーワードとすることが可能です。
【方法3】広告の配信媒体を変える
他の方法では、広告の配信媒体自体を変更することや掲載方式を見直すことで、これまでよりもインプレッションを増やせる場合があります。
例えば現状、10代〜20代の女性をターゲットにリスティング広告を配信しているとします。もちろん配信の内容にもよりますが、このようなターゲット層の場合にはSNS広告の方が反応が良い場合があります。
また、どのようなSNSにするか(Instagram、Facebook、tiktok等)や、SNSの広告にも種類がありそれぞれにヒットする年齢層なども変わるため、ターゲットとテーマに合った媒体を選ぶことが重要になります。
【方法4】入札価格を上げる
リスティング広告(検索結果に表示される広告)は、価格によって広告が表示される箇所が変わります。入札価格が高ければその分、目立つ個所に広告が表示されるようになりインプレッションが増えやすくなります。
逆に入札価格が低い場合や、設定する入札目標によっては、掲載順位が下がってしまいます。そうなると、ユーザーに表示される機会が減り、インプレッションも増えづらくなってしまいます。
【方法5】予算を上げる
もし、広告にかける予算を上げることができるのであれば、そうするのも手です。広告を掲載するメディアは通常、1インプレッションごとに単価が決まっています。例えば、Facebookではあらかじめ予算を設定することができます。
そして、その予算分のインプレッションに到達すると広告の表示が停止されるのです。予算は、たくさんかければかけるだけインプレッションを増やせると言えます。
まとめ
自分で動画を公開したりブログを書いたりした時、インプレッション数がどれくらいあるのかはとても気になるところですよね。
ただ、なんとなく理解してはいるものの、インプレッション数が多いとどのような指数を測れるのかインプレッション数を増やすコツが知りたいと思っている方が多いのではないでしょうか。
この記事では、「インプレッション数」とはといった基礎的な内容から、インプレッションを確認したり増やしたりする手順について詳しく解説していきました。
この記事を参考に、インプレッション数を確認して分析しサイト作りに活かしてみてください。