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カスタマージャーニーとは?カスタマージャーニーマップを作成する目的から具体的な作成方法までわかりやすく解説!

カスタマージャーニーとは?カスタマージャーニーマップを作成する目的から具体的な作成方法までわかりやすく解説!

2022.11.16

カスタマージャーニーとは?カスタマージャーニーマップを作成する目的から具体的な作成方法までわかりやすく解説!

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マーケティングの現場で耳にすることの多い「カスタマージャーニー」。
カスタマージャーニーを可視化したカスタマージャーニーマップの作成は現代のマーケティングにおいて必須だと言えますが、「カスタマージャーニーについてイマイチよくわかっていない」という方も多いのではないでしょうか?

​​​​​​​今回は、カスタマージャーニーやカスタマージャーニーを可視化したカスタマージャーニーマップについて詳しく紹介していきます。
概要はもちろん、カスタマージャーニーマップを作成する目的や作成する際の流れなどについても解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

カスタマージャーニーとは何か?基本を解説

マーケティングにカスタマージャーニーを取り入れていく上でまず知っておきたいのが、カスタマージャーニーの概要について。
カスタマージャーニーを直訳すると「顧客の旅」という意味になりますが、正確には、商品やサービスの存在を認知して購入・利用するまでの過程を可視化したものです。

商品やサービスに出会い、購入にいたるまでの流れを見える化することでフワッとしたイメージを明確化し、どのタイミングでどう顧客にアプローチしていくべきか、どういった施策を展開していくべきかを考えられるようにしていきます。
また、最近では購入や利用の段階までで留めるのではなく、口コミで情報を拡散してもらう段階までをカスタマージャーニーの一連の流れとして考えるケースも増えてきています。

カスタマージャーニーマップを作る目的

企業のマーケティング活動において欠かすことのできないカスタマージャーニーですが、カスタマージャーニーを可視化したものを「カスタマージャーニーマップ」と言います。
カスタマージャーニーをマップにおこす主な目的としては、

・ユーザーの目線に立って考えるため
・ユーザーの行動を可視化するため
・チーム内での認識をすり合わせるため
・議論を有意義なものにするため

の、4点があげられます。

カスタマージャーニーマップを作る目的について、それぞれ詳しく解説していきます。

ユーザーの目線に立って考えるため

顧客が自分の課題や興味関心をもとにリサーチをおこなう過程で商品やサービスの存在を知り、購入やサービスの利用に至るまでを可視化するカスタマージャーニーマップは、企業がユーザーの目線に立って考えるために作成するものです。
企業が商品やサービスのマーケティング方法を決める場合、ユーザーの視点ではなく企業側の視点で決めてしまうケースが少なくありませんが、それだとユーザーが抱えている課題や気になっていることが見えてきません。

企業側の思い込みが強く反映された方法でマーケティングを進めてしまうため、本来ユーザーが感じていることや考えていることとズレた視点で進めてしまう可能性が高いわけです。
そこで必要になるのがカスタマージャーニーマップです。

カスタマージャーニーマップは、「自分がユーザーだったらどう思うか」「どう考えるか」といった形で顧客の目線に立って作成するため、ズレたマーケティングを展開しにくくなるというメリットがあります。

ユーザーの行動を可視化するため

カスタマージャーニーマップでは、ユーザーの行動を段階で区切り、それぞれの段階でどうアプローチしていくかを考えていきます。
それによって得られるメリットが、ユーザーの行動の可視化です。ユーザーの行動がマップによって可視化されていると、それぞれの段階での施策を議論しやすくなりますし、より効果の出やすい施策をイメージしやすくもなります。

カスタマージャーニーマップを用いないミーティングでも議論することはできますが、常に目の前でユーザーの行動が可視化されているわけではないので、ユーザーの行動をイメージしづらく、ズレた施策や意見が出やすくなってしまいます。
ズレた視点で考えて出た意見や施策では思うように成果をあげられない可能性が高いので、カスタマージャーニーマップを用いるべきだと考えられるわけです。

チーム内での認識をすり合わせるため

カスタマージャーニーマップを作成して、ユーザーの行動ややるべきこと、各々の考えを可視化すると、チーム内での認識をすり合わせやすくなります。
マーケティングの戦略を決めるミーティングの場では複数の人がさまざまな意見をのべるため、すべての発言を覚えておくのは困難です。

時間が長くなればなるほどその傾向は強くなりますし、ミーティングに参加する人数が多ければ多いほどその傾向は強くなります。
誰がどういった発言をしていたかわからなくなってしまい、同じ問答を繰り返してしまうことも少なくありません。

一方、カスタマージャーニーマップを用意し、各々の考えを可視化した場合、これまでの発言や考えも可視化されているため誰がどういった発言をしたかわからなくなってしまうことがありませんし、同じ問答を繰り返すこともなくなります。
カスタマージャーニーマップを用意することで自然とチーム内での認識をすり合わせられるようになるため、ミーティングが効率化されます。

議論を有意義なものにするため

カスタマージャーニーマップを用いずにミーティングをおこなった場合、ユーザーのフェーズやそれぞれのフェーズでのユーザーの考えなど重要なことが可視化されていないため、議論が活発になりにくい傾向にあります。
実際、「毎回発言する人が決まっている会議をダラダラと繰り返してしまっている気がする…」と感じている人も多いのではないでしょうか?

一方、カスタマージャーニーマップを用いる場合は、

・ユーザーのフェーズ
・それぞれのフェーズでユーザーが考えていること
・それぞのフェーズでの課題

などが可視化されていますし、これまで出た意見も可視化されているため、全員が議論に参加しやすくなりますし、さまざまな意見が出やすくもなります。

カスタマージャーニーマップの作り方

カスタマージャーニーマップを作る目的が明確になったらいよいよマップを作っていきますが、マップ作りで迷走してしまわないためにも、事前に大まかな流れを把握しておくことをおすすめします。
カスタマージャーニーマップを作る際の大まかな流れは、以下のとおりです。

1.ペルソナを設定する
2.フェーズを設定する
3.ペルソナの心理や行動を洗い出す
4.課題や施策を洗い出す
5.マップを作成する
6.施策を実践する
7.データの分析→改善策の立案→実践を繰り返す


それぞれの工程について、詳しく解説していきます。

ペルソナを設定する

カスタマージャーニーマップの主役は「カスタマー」です。
これから発売される商品や提供され始めるサービスの場合、明確なカスタマーが存在しませんが、カスタマー像がぼんやりしたまま話を進めると議論がズレたものになってしまう可能性があります。

そこで重要になるのが「ペルソナ」です。
仮想の顧客であるペルソナを設定することで顧客のイメージをチーム内で共有し、今後はそのペルソナを対象に議論を進めていけるようになります。

・年齢
・性別
・職業
・ライフスタイル

など、自社の製品やサービスを利用してくれる可能性がある顧客をイメージし、ペルソナを設定していきましょう。

フェーズを設定する

次に、フェーズを設定していきます。
一般的に、ユーザーが商品やサービスを認知して購買や利用に至るまでの間には、

・認知・興味関心
・リサーチ
・比較検討
・購入・利用
・継続利用・情報発信

といった5つのフェーズが存在するとされています。

フェーズの設定は、今後の行動や課題、施策の洗い出しで必要になってくる重要な工程です。

ペルソナの心理や行動を洗い出す

ペルソナの設定とフェーズの設定が完了したら、ペルソナの心理や行動をフェーズごとに考えていきます。
「認知や興味関心のフェーズでは、ユーザーはどういった心理状態で、どう行動するのか」など、それぞれのフェーズにおけるユーザーの心理や行動について意見を出し合い、イメージを固めていきます。

課題や施策を洗い出す

それぞれのフェーズでのユーザーの心理や行動を洗い出し、イメージが固まってきたら、課題や施策について洗い出していきましょう。
課題がわからないままでは課題を解決する方法を考えることもできないので、まずは課題を洗い出し、課題が明確になってきたら、その課題を解決するための施策を考えていきましょう。

マップを作成する

課題と施策を洗い出すところまで完了したら、後はマップを形にしていくだけです。
これまで出た意見をわかりやすくまとめ、カスタマージャーニーマップを完成させましょう。

施策を実践する

マップが完成したら、後はそれぞれのフェーズにいるユーザーに対して適切な施策を実践していくだけです。
例えば、認知や興味関心のフェーズにいるユーザーには商品やサービスの存在を知ってもらう必要があり、商品やサービスの認知度を高める施策や興味を持ってもらうための施策が必要になるので、そういった施策を実践していく必要があります。

データの分析→改善策の立案→実践を繰り返す

カスタマージャーニーマップは、顧客の目線に立って考え、作成するマップです。
ただ、いくら顧客の目線に立って考えたとしても、必ずしも想定通りの結果を得られるわけではありません。
実際のユーザーの行動と想定がズレてしまうことも少なくありませんが、そこで重要になるのが分析と改善です。

おこなった施策に対してユーザーがどう反応するかデータをとり、そのデータを元に改善策を考えていきます。
分析と改善を繰り返すことでマーケティングの精度が高まっていくので、必ず分析と改善をおこないながら進めるようにしてください。

意味のあるカスタマージャーニーマップ作成のポイント

カスタマージャーニーマップを作成する場合、

・他の指標や考え方とあわせて活用する
・はじめから細かく作り込み過ぎない
・複数人で議論しあって作成する

などのポイントを意識しながら作成しないと、せっかく作成したカスタマージャーニーマップが意味のないものになってしまいかねません。

それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

他の指標や考え方とあわせて活用する

カスタマージャーニーマップをマーケティングに採用する際は、必ず他の指標や考え方とあわせて活用するようにしてください。
カスタマージャーニーマップはあくまでもユーザーの目線に立ってマーケティングのロードマップを描くためのものでしかありません。

それぞれのフェーズでの課題やおこなうべき施策を設定するものの、具体的な達成目標などを設定したりはしません。
そのため、KPIとの併用が必須になりますし、KPIを設定する際の考え方である「SMARTの法則」など、その他の指標や考え方とあわせて活用する必要があるわけです。

いくら優れたカスタマージャーニーマップを作ったとしても、KPIが設定されていないとそのマップに沿っておこなった施策が正しく効果を発揮したかどうかが明確になりにくくなってしまうので、KPIの設定は忘れずにおこなうようにしてください。

はじめから細かく作り込み過ぎない

企業がカスタマージャーニーマップの作成で失敗してしまう主な理由の一つとして、初めから作り込んでしまう点があげられます。
カスタマージャーニーマップはマーケティングにおける地図のような存在なのでつい作り込んでしまいたくなるのもわかりますが、想定していたとおりに進まないこともよくあります。

むしろ想定どおりに上手く進められることの方が少ないと言っていいでしょう。
カスタマージャーニーマップは、実際にさまざまな施策をおこない、その施策に対するユーザーの反応がデータとして蓄積して初めて精度を高められる類のものなので、最初から完璧を追い求め過ぎないようにしましょう。

複数人で議論しあって作成する

カスタマージャーニーマップを作る際は必ず複数人で議論しあって作成するようにしてください。
一人で作成してしまうと考え方が偏ってしまい、誤った方法でマーケティングを展開してしまいかねません。
初期の段階であるユーザーとの接触ポイントを考える地点からズレてしまうと、マップ全体がズレたものになってしまいます。

そのような事態を避けるためにも、複数人で意見を出し合いながらマップを作成するようにしてください。
マップの作成に参加する人数は多ければ多いほどよく、よりフラットな立場で考えられる人が参加している方が柔軟な意見が出る傾向にあるので、他の部署の人にも参加してもらうことをおすすめします。
複数人で積極的に意見を出し合い、さまざまな考え方を取り入れながら洗練されたマップを作成しましょう。

カスタマージャーニーマップを作成・活用する際の注意点

企業がマーケティングに取り組む上で大きな効果を上げてくれるカスタマージャーニーマップですが、実際に作成する場合、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
カスタマージャーニーマップを作成・活用する上で意識しておきたい主な注意点としてあげられるのは、

・マップを作ることが目的になってしまわないようにする
・企業の希望を反映させすぎないようにする
・分析と改善を繰り返し、常に最新の状態を保つ

の、3点です。

それぞれの注意点について詳しく解説していきます。

マップを作ることが目的になってしまわないようにする

企業がカスタマージャーニーマップを作成する際、マップを作ること自体が目的になってしまうことが多々あります。
カスタマージャーニーマップは作成するのが大変なので、頑張って形にしたことで満足してしまい、「実際にマーケティングを進めるときにはマップをほとんど用いない・活用しない」となってしまうケースが少なくありません。

カスタマージャーニーマップはマーケティングに欠かせないものではありますが、あくまでマーケティングを進める中で活用するものの一つに過ぎません。
カスタマージャーニーマップを作成しただけで満足してしまい、活用せずにいると、作成にかけた時間や手間が無駄になってしまいかねないので注意しましょう。

企業の希望を反映させすぎないようにする

企業の希望を反映させすぎてしまうのも、企業がカスタマージャーニーマップを作る際にやってしまいがちなよくある失敗の一つです。
カスタマージャーニーマップを作成する際に設定するペルソナは架空の人物ですし、設定する要素もあくまで「きっとこうだろう」という形で設定していくものです。

そのため、想定と実際のデータに差が生じてしまうことは珍しくありませんが、希望を反映させすぎてしまうと、実際のデータとのギャップにショックを受け、頓挫してしまいかねません。
また、希望的観測でマップを作成してしまうとそれぞれの項目にズレが生まれ、現実的ではないマップになってしまいかねないので、希望を反映させ過ぎないようにしましょう。

分析と改善を繰り返し、常に最新の状態を保つ

先述したとおり、カスタマージャーニーマップは「一度作って終わり」という類のものではありません。
一旦完成させて形にはするものの、最新の情報を反映させる必要があるので、内容は常に変化します。
カスタマージャーニーマップの精度は、データを取得して分析し、改善策を考えて実践していくことによって高められていくので、「初期の状態のまま」ということはありません。
分析と改善を繰り返しながら、得たデータを反映させ、常に最新の状態を保つようにしましょう。

カスタマージャーニーマップを作成する際に参考になる事例

カスタマージャーニーマップを作成してマーケティングをより成果の見込めるものにしていきたいと考えているのであれば、実際にカスタマージャーニーマップを活用している企業の事例を参考にするべきです。
成果をあげている企業の事例を参考にすることで、正しい方向でマーケティングを進めていけるようになります。

ここでは、2つの事例をピックアップして紹介していきます。

エミレーツ航空

ドバイを本拠地とする航空会社、エミレーツ航空。
エミレーツ航空もカスタマージャーニーマップを活用して課題を解決した代表的な企業の一つです。
エミレーツ航空は優れた接客によって利用者数を順調に伸ばしていましたが、企業が急速に成長したことで従業員への教育が行き届かないという課題を抱えていました。
従業員への教育が行き届かない状態が続くと、サービスの質が低下し、顧客体験が損なわれてしまいかねません。

そこで取り入れたのがカスタマージャーニーマップです。
エミレーツ航空の担当チームは、自社の飛行機を利用してくれる顧客が従業員と接触するタイミングを洗い出し、そこで生じる問題や課題を抽出してカスタマージャーニーマップを制作。
そのマップを元に従業員の研修をおこないました。

ユーザーの目線に立ち、接触ポイントとそこで生じる問題や課題を可視化したことで、効率的かつ効果的な研修がおこなえるようになったと言います。

一般社団法人高千穂町観光協会

企業以上に競争が激化しているのが地方自治体です。
ここ数年こそ新型コロナウイルスの影響によって来日する外国人観光客は減っていますが、新型コロナウイルスが流行する前までは年間数千万人の外国人観光客が来日していました。

それら外国人観光客に国内の観光客を合わせるとかなりの数になりますが、地方自治体の間では、その観光客をどう誘致するかが課題になっています。
宮崎県高千穂町は観光客を誘致して町を盛り上げるためにデータに基づいた本格的なマーケティングを実施。

そのときに用いられたのがカスタマージャーニーマップです。
マップを作成する際は、観光客の心理を読み解くために町内の外国人を誘い、意見を出してもらったと言います。
カスタマージャーニーマップは対象となる顧客の目線が重要になるので、誘致の対象となる外国人に意見を出してもらった点は非常に参考になります。

カスタマージャーニーについてのまとめ

企業のマーケティングに用いられるカスタマージャーニーと、そのカスタマージャーニーを用いて作成するカスタマージャーニーマップについて詳しく紹介してきました。
企業が製品やサービスを販売する場合、つい顧客の視点を忘れてしまいがちです。
作り手側や販売する側の考えを元にマーケティングをおこなってしまうとそのマーケティングは失敗してしまいかねません。

そのため、顧客の目線に立って考えるカスタマージャーニーという考え方が必要になるわけです。
カスタマージャーニーマップは、ユーザーの目線に立って物事を考えるのに役立ちますし、顧客との接触ポイントを洗い出し、それぞれのポイントでどうアプローチしていくべきか施策を考えるのにも役立ちます。

マーケティングの精度を高めたり、より大きな成果をあげる上で絶対に欠かせないものなので、今回紹介した内容を参考にしながら活用してみてください。

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