おもちゃの動画活用は配信する場所で使い分けると良い
日本総人口に対する0~14歳の割合は、1997年は15.3%、2018年時点では12.2%と右肩下がりです。
少子化が進む中、子供向けのおもちゃを販売するには工夫が必要になるでしょう。
引用:図1 総人口及び総人口に占める0~14歳、65歳以上及び75歳以上人口の割合の推移(平成元年~30年)
工夫の例として挙げられるのが動画です。
動画を使えば短時間でおもちゃの魅力や楽しさを伝えられます。動画を作る際に気を付けるのは、どの配信媒体を使うかです。テレビやWebCMであれば、短時間で商品の魅力を伝えなければなりません。動画配信サイトであれば、CMと同じ尺の動画を作っても意味はないでしょう。
配信媒体によって、どのような動画を作れば良いのでしょうか。
こちらでは玩具メーカーが見せた動画活用の事例をご紹介いたします。
テレビやWebCMとしての動画活用
商品を短時間で紹介する
テレビCM動画は短時間で商品の魅力を伝えられるプレゼン手段です。視聴者がCM動画に興味を持つと、扱った商品を調べたり、店舗で見かけたりした際に購入してくれる可能性が上がります。商品の良さを全て語らずに「まだ何かある」と思わせ、視聴者の好奇心を刺激すると良いでしょう。
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参考事例としてバンダイがアップロードした『鬼滅の刃』に登場する武器を元にしたDX日輪刀のテレビCM動画。
紹介するDX日輪刀の特徴を手早く紹介する動画です。刀の柄にあるボタンを押すと炭治郎が技名を言う仕様となっており、水の呼吸をメインに紹介しています。最後にもう1つの要素があると思わせるような終わり方をしているため、ヒノカミ神楽に興味を持たせる構成になっています。
子供が遊ぶ様子を見せる
幼い頃、持っていないおもちゃを周りの子供が遊んでいる時、自分も欲しいと感じた経験はありませんか。
CM動画で玩具を宣伝する際には、ターゲット層と被る子役がおもちゃで遊ぶ様子を撮影するのも良いでしょう。おもちゃで遊ぶ子役を見た子供の視聴者に羨ましいと感じさせ、親におねだりするよう誘導ができます。
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参考事例としてバンダイがアップロードしたブロックラボのCM動画。
CM動画では子供がブロックを組み立てる姿を映し、途中から完成図を見せる動画です。様々な遊びがあると子供の視聴者に想像させ、子役が遊んでいる様子を見て羨ましがるでしょう。子供の視聴者がCM動画を見て、親におねだりさせる状況を作ろうとする意図を感じられます。
アニメと共に見せる
おもちゃには、戦隊ヒーローなどの版権元があるパターンと無い物で分かれています。
版権元がある場合は、作品に登場するキャラクターを使うのも1つの手です。分かりやすい例としては戦隊ヒーローが使っている武器や、魔法少女の変身アイテム。子供の視聴者に版権元がある玩具のCM動画を見せ、戦隊ヒーローや魔法少女になれると想像させられると良いでしょう。
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参考事例としてバンダイがアップロードした『トロピカル~ジュ!プリキュア』で使用する変身アイテムのCM動画。
アニメキャラクターの声をナレーションに起用し、変身アイテムの使い方を見せていく動画です。担当声優の声を使いながら使い方を見せると、おもちゃを使えばプリキュアになれると子供の視聴者に夢を持たせられます。
おもちゃと別の要素を組み合わせる
おもちゃを扱ったCM動画は、主に3種類のパターンで構成されています。
・商品を短時間で紹介する
・子供が遊ぶ様子を見せる
・アニメと共に見せる
挙げたパターン以外で別の要素を組み合わせると、斬新なCM動画が作れるでしょう。
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参考事例としてセガトイズがアップロードしたWeb限定のCM動画。
セガトイズが販売する洗って変身するぬいぐるみ『WHO are YOU?』とミュージカルを組み合わせたCM動画です。動画に出演するダンサーはダンスオーディションで選考された人材が使われており、商品を見せながら踊っています。視聴者に驚きを与えながら、ミュージカル内で商品の特徴をさりげなく紹介する動画構成です。
動画配信サイトにアップロードする動画
遊び方を伝える動画
子供の頃、買ってもらったおもちゃの遊び方が分からなかった場面はないでしょうか。
おもちゃが入った箱に紙の説明書が同封されていますが、どのように遊べば良いのか分からない子供もいるでしょう。動画配信サイトにおもちゃで遊ぶ動画をアップロードしておくと、具体的な仕掛けや遊び方を伝えられます。
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参考事例としてバンダイがアップロードした『アンパンマンタウン』のオリジナルムービー。
バンダイで販売している『アンパンマンタウン』をメインにし、おもちゃの仕掛けや遊び方を見せる動画です。子供の視聴者に見せられると、どの部分を動かして遊べるのかが直感的に分かり、面白そうな雰囲気を醸し出せるようにしています。
おもちゃの扱い方を伝える動画
前述した通り、おもちゃの箱に同封されている説明書は、人によっては扱い方がイメージしづらい場合もあります。特に変形や合体を売りにしたロボットであれば、説明書で理解できなければ思うように遊べません。
動画であれば手元でロボットの変形を実践すると、視聴者に扱い方を分かりやすく伝えられます。
おもちゃを使った番組
動画配信サイトにアップロードする動画でおもちゃを扱う場合は、番組を作成するのも良いでしょう。
例えば人気のあるキャラクターのぬいぐるみやフィギュアを使い、関連商品のプロモーション。番組に出演するおもちゃに声をあてたり、話す内容にテロップを入れたりすると子供の視聴者は喜ぶでしょう。動画の途中で別の商品も紹介しておくと、視聴した子供が親におもちゃをおねだりする展開も期待できます。
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参考事例としてポケモン公式YouTubeチャンネルがアップロードした情報局テレビ。
ポケモンのぬいぐるみを使った商品の紹介動画で、人形劇を見ている気分になります。ぬいぐるみからはポケモン独特の鳴き声を使い、画面下には翻訳文を文字テロップとして表示。子供の視聴者を楽しませるように考えた画面構成です。
おもちゃを使ったエンタメ動画
動画配信サイトにアップロードする動画は、おもちゃを使った番組や使い方を紹介するだけではありません。
例えば販売するおもちゃを使ったストップモーション動画。
ストップモーション動画はおもちゃに動きを与えられるので、視聴者に興味を持たせられます。撮影した映像にエフェクトなどを付けられるとクオリティの高い動画となり、SNSなどで拡散される可能性もあります。
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参考事例としてバンダイがアップロードした『仮面ライダーゼロワン』のフィギュアを使ったコマ撮り動画。
丸まった紙のゴミを、仮面ライダーゼロワンがライダーキックで粉砕する様子を描いた動画です。全身18ヶ所も稼働できるフィギュアが映像に使われており、コマ撮り動画ではぬるぬるとした動きを可能としています。コマ撮り動画で細かい動きもできるとフィギュアの使い方を伝える意図を感じる動画です。
おもちゃの動画活用で注意するポイント
おもちゃの動画活用は、商品の魅力を伝える上で非常に有効な手段です。しかし、視聴者に効果的にアプローチし、商品をより多くの人に届けるためには、いくつかの注意点を理解し、適切に対応することが重要です。
そこで、おもちゃの動画活用を成功させるために押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
ターゲットに合わせた動画設計をする
おもちゃの動画を制作する際、最も重要なのはターゲットの明確化です。子供がターゲットであれば、動画の内容や演出はわかりやすくシンプルにする必要があります。
例えば、キャラクターの声やアニメーション効果を取り入れることで、子供の興味を引きやすくなります。一方で、親が購入者となる場合は、耐久性や安全性、教育的価値といった親目線の情報を織り交ぜた動画を作ることが効果的です。
プラットフォームに合わせた動画形式を選ぶ
動画を配信するプラットフォームによって、適切な動画形式や長さは異なります。テレビCMやWeb広告では15〜30秒程度の短い動画が一般的ですが、YouTubeなどの動画配信サイトでは、長めの説明動画や遊び方を詳しく解説する動画も効果的です。
また、縦型動画や横型動画など、プラットフォームに応じたフォーマットに対応することも大切です。
子供の注意を引く冒頭数秒を重視する
動画の冒頭数秒で視聴者の注意を引けなければ、その後の内容はほとんど見てもらえません。明るい色彩や動きのあるアニメーション、人気キャラクターの登場など、最初に視聴者を引き込む工夫をしましょう。
例えば、ターゲットが子供の場合、好きなアニメキャラクターの声や映像で始めると効果的です。
安全性や信頼性に配慮した表現をする
おもちゃの宣伝動画では、安全性や信頼性を伝えることが親の購買意欲を高める重要な要素となります。特に乳幼児向けのおもちゃの場合、素材の安全性や使用方法を明確に伝えると良いでしょう。
また、誤解を招くような過剰な演出や誇張表現は避け、誠実な動画内容を心がけることが大切です。
動画の著作権や法規制に注意する
動画を制作する際には、著作権や法規制に注意が必要です。特にアニメキャラクターや音楽を使用する場合、権利者の許可を得る必要があります。
また、子供向け動画の場合、広告表現に関する規制やガイドラインが設けられていることもあるため、それらに準拠することが求められます。
まとめ
玩具メーカーが見せた動画活用の事例をご紹介しました。
おもちゃを扱う動画はテレビやWebCMとして使うか、動画配信サイトにアップロードするかで内容は変わってきます。販売予定のおもちゃに必要な訴求ができるように、作成する動画内容を考えると良いでしょう。
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