農業における動画活用は知識共有や担い手確保に使える
日本の農業就業人口は2001年では約382万人に対し、2019年では約168万人と半分以上も減少しています。これらの結果から分かるのは、農業の問題である後継者不足が深刻化している点です。就農者が減少した理由は農業の収入が不安定、かつ肉体的にキツい仕事のイメージが強い点にあると考えられます。就農者を増やすには、農業に対する悪いイメージを払拭する必要があるでしょう。
※農業構造動態調査2019参照
農業の悪いイメージを払拭するには、どうすれば良いのでしょうか。
動画を使えば農業の魅力や楽しさ、農作業の進め方や注意点を効率良く伝えられます。こちらでは農業を扱った動画活用の事例をご紹介いたします。
農業や農家の知識を伝える
農作業の注意点を伝える
あなたは農業が危険と隣り合わせの仕事である事実をご存じでしょうか。
例えば傾斜や高所など不安定な場所や狭くて暗い施設での作業。日によっては炎天下に農作業をしなければなりません。日本では
農作業中に起きる事故が年に約7万件ほど起きているようです。1年の事故件数を考えると、
1日に200件近くの事故が発生する計算になります。農作業中の注意点を動画で伝えられると、事故件数の減少につながるでしょう。
参考事例としてJA共済がアップロードした農作業中の事故について紹介した動画。
日本で1年に発生する農作業事故の件数を公開して現状を視聴者に知ってもらい、事故が発生する原因を伝えています。農業環境や農機具、扱う生物や作業する人の状況などが原因にあると解説し、事故を未然に防ぐ意図を感じられる動画です。
野菜作りの農作業マニュアルに使う
農業に興味を抱いた人が挑戦しようと考えても、野菜の作り方が分からなければ意味はありません。農業初心者のために野菜作りの農作業
マニュアルを動画で残しておくと、仕事内容をイメージしやすくなります。身近に野菜の作り方を教えてもらう人がいなくても農作業の知識を得られますし、就農後のミスマッチによる離農も少なくできます。
参考事例として静岡県のJAがアップロードした小松菜の農作業
マニュアル動画。
小松菜の生産者が収穫から袋詰めまでの作業工程を解説していく動画です。作業を効率良く進めるアドバイスも含まれているため、農業に挑戦する人に向けた動画だと考えられます。
農機具の使い方を伝える
農業で効率を上げるには、農機具の利用は必須です。農業初心者や初めて利用する農機具を購入した人は、使い方を覚えるのに苦労します。農機具の使い方を動画にしておくと、1つの映像コンテンツで複数の人に伝えられます。動画であれば何度でも見られるため、覚えるのが苦手な人にとってはありがたいでしょう。
参考事例として裁断機の使い方を映した動画。
動画投稿者が先輩農家から農機具の使い方を学ぶ動画です。農家の人が実際に使用する姿を映し、視聴者に農機具の使い方をイメージする手助けにつながります。
農家で作る料理レシピを伝える
農家として生きる楽しみの1つに挙がるのが、自分が持つ畑や近所の畑で作られた新鮮な食材から生まれる料理。新鮮な食材を毎日目の前にする農家の人たちは、食材の美味しい食べ方を知っています。農家だからこそ知っている
料理動画を作り、野菜の美味しそうな雰囲気や調理方法の知識を伝えられます。
参考事例として千葉県佐倉市にある『佐倉きのこ園』がアップロードした動画。
きのこ農家が日常で食べている簡単な椎茸レシピを紹介しています。自分たちが生産した作物を食材に使えると、商品を美味しくするレシピを伝えつつ宣伝にも活用できます。
担い手確保や営業に使う
担い手を増やす動画を作る
前述した通り、日本の農業は後継者不足が深刻化しています。
2001年から2019年の間に就農者が約214万人も減少しており、若い人材を欲しがっている状況です。問題を解消するためには、農業の魅力をアピールする必要があります。農業は楽しく魅力のある仕事であると動画で伝えられると、就農者増加につながるでしょう。
参考事例として静岡県のJAがアップロードした農業で働く人たちを映したプロモーション動画。
心地よい
音楽を流しながら作物の収穫から袋詰め作業、店頭に並べる姿を映した動画構成です。農家の仕事を通して、農業の魅力を伝える意図があって作られた動画だと考えられます。
農業がもうかる事実を伝える
農業は稼げる仕事である事実をご存じでしょうか。
農機具などを活用して人力を減らし、効率良く農作業をしていくと農業は稼げます。農作業の効率化ができる方法を動画集として残しておくと、農家に転職を考えている人の助けになります。早い内に稼げるようになり、農家から別の仕事に転職する可能性も減少するでしょう。
参考事例としてTBS NEWSがアップロードした「もうかる農業」を報じた動画。
高齢化や後継者不足が深刻と言われてきた農業が人気になり、就農が増えてきた旨を報じた動画です。農業に目を向けた会社が組織で農作業に取り組み、効率的に仕事を進める様子を映しています。農業が稼げる事業と見た会社が参入し、活気が生まれている旨を伝える意図を感じます。
農機具の営業
2021年4月時点、農業は稼げる仕事として様々な会社に目を付けられています。早い段階で稼げるようになるには、効率良く農作業をするために農機具の導入は必須です。
農機具の特徴や利点をまとめた動画を作成しておくと、必要とした会社・農家に営業ができます。導入した時の利点を視聴者に伝えられると、購入の後押しになるかもしれません。
参考事例としてヤンマーアグリジャパンがアップロードしたトラクターのプロモーション動画。
動画ではトラクターの馬力や操作性、小型化されている旨が紹介されています。使いやすさと綺麗な仕上がりを伝えていると、購入の後押しを狙う意図を感じます。
近未来の農業を伝える
スマート農業はICTを活用して少ない人数でも農作業ができる近未来の農業です。詳細はWebサイトの記事などに文章や画像で掲載されていますが、動画を使うと魅力を伝えやすいでしょう。視聴者に未来の農業像をイメージさせておき、スマート農業のシステムを販売する際に購入の後押しにつなげられます。
参考事例としてヤンマーホールディングス株式会社がアップロードしたスマート農業を提案する動画。
ヤンマーがスマート農業について語り、未来の農業をイメージさせる動画です。作業者が楽にできるメリットを重点に伝えている様子から、自社が提供する農機具に購入を促す意図を感じます。
まとめ
農業を扱った動画活用の事例をご紹介しました。
2011年から2019年にかけて、農業就業人口が大きく減っている様子から農業業界は若い就労者の確保が必要です。農業の魅力や農家の楽しさを動画に収めておき、若い世代に興味を持たせられるようにしましょう。同時に野菜の作り方や
作業マニュアルを動画化しておくと、農業初心者でも就農しやすくなります。
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