幼稚園や保育園でも動画が活用できますが、どのような場面で動画が活かせるのか知らない方も多いはず。そこで今回は、幼稚園・保育園での動画活用方法や主な事例などについて紹介します。幼稚園や保育園に動画を取り入れてみたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
幼稚園・保育園で動画を活用するメリット
少子化が進む中、幼稚園や保育園にとって「選ばれる園」であることがますます重要になっています。ここでは、幼稚園・保育園で動画を活用するメリットを紹介します。
園の魅力をリアルに伝えられる
保護者が園を選ぶときに気になるのは、「どんな雰囲気なのか」「どんな先生がいるのか」「子どもが楽しめそうか」といった空気感やリアルな様子です。これは文字や写真だけでは伝わりにくい部分ですが、動画であれば短時間で直感的に理解してもらえます。
例えば、園の1日の流れを紹介する動画では、登園から降園までの活動風景を映すことで、園生活のイメージを明確に持ってもらえます。
食事・お昼寝・遊びなど、静止画では伝えきれない「子どもたちの表情」や「先生との関わり方」も伝わるため、初めて子どもを預ける保護者の不安を軽減する効果もあるでしょう。
求職者に働く現場の魅力を発信できる
深刻化する保育士不足への対策としても、動画は有効です。求人情報だけでは伝わりにくい「人間関係の雰囲気」や「働き方」「キャリア支援制度」などを実際の職場風景とともに伝えることで、「ここで働きたい」と思ってもらえる可能性が高まります。
例えば、現役保育士や調理師へのインタビュー動画を公開することで、応募者はリアルな声から職場の様子を具体的にイメージできます。
また、園長のメッセージを動画で伝えれば、園の教育方針や働く人への想いもダイレクトに伝わるでしょう。紙面やWEB求人だけでは伝えきれない「職場の空気」が、動画では表現できます。
保護者との信頼関係構築に繋がる
動画は、保護者との関係性を深めるツールとしても役立ちます。例えば、行事の記録を動画で撮影し、保護者に共有すれば、参加できなかった保護者も自宅で子どもの活躍を観られるようになります。
運動会、発表会、制作活動など、園の取り組みを見える化することで、園に対する信頼度は確実に向上します。
また、園での子どもたちの様子を定期的に動画で配信すれば、「うちの子がどんなふうに過ごしているのか」を具体的に把握してもらうことができ、保護者の安心感にもつながります。
保育士間の教育・研修にも役立つ
動画は外部向けだけでなく、園内の人材育成にも効果的です。例えば、ベテラン保育士の保育技術や声かけの工夫、行事の進行方法などを動画で記録しておけば、新人保育士の教育にも活用できます。
口頭やマニュアルだけでは伝えにくい保育のノウハウを、実際の現場映像として共有できるため、学びのスピードと質が向上します。
また、保育の質の均一化にも貢献でき、園全体としてのレベルアップを図ることも可能です。
幼稚園・保育園での動画活用方法
幼稚園・保育園での動画活用方法としては、主に4つ挙げられます。それぞれターゲットが異なるため、動画を活用したい目的や伝えたい相手に合わせて選ぶようにしましょう。
幼稚園・保育園の紹介動画
幼稚園・保育園における動画活用方法として一番挙げられるのが園の紹介動画です。具体的な内容は別の項目で紹介しますが、動画で園の様子や魅力的なポイントなどを伝えることにより、幼稚園や保育園を探している保護者を惹きつけられます。
読者の中には、「別に文章や画像だけでもいいのでは?」と思うかもしれません。確かにサクッと制作する場合には文章や画像のほうが優れているかもしれませんが、伝えられる情報量の多さやわかりやすさなどに関しては動画のほうが優れています。
遠隔教育目的の動画
遠隔教育は学生だけではなく、園児向けもあります。特に昨今は新型コロナウイルスの影響で1つの部屋に大勢の園児を集めるのが難しくなっているからこそ、遠隔教育の重要性が増しています。
遠隔教育での動画活用はさまざまあります。主な方法としては、Web会議ツールを活用して家庭ごとへの遠隔教育や園児向け動画のストリーミング配信などが挙げられるでしょう。動画を用いることでこれまでできなかった新しい教育も実現でき、幼稚園・保育園の発展にもつなげられます。
情報共有目的の動画
情報共有する際にも動画が役立ちます。なぜなら、上記で述べたように文章や画像よりも多くの情報を伝えられる上に、わかりやすいため。そのことから、保育士同士の情報共有だけではなく、園と保護者の情報共有にも役立ちます。
主な例として、動画配信システムを活用していつでも保護者が園の様子をチェックできるということが挙げられます。保護者としては自分がいない間に子どもが何をしているのか確認でき、園として保護者に対して子どもを大切に扱っているというアピールにつなげられます。
求人動画
どの業界でも当てはまることですが、人材を募る際に動画は有効的です。このことは幼稚園や保育園も含まれており、保育士を募集する際に動画を活用することで具体的な職場環境や働き方などを伝えられます。
そもそも幼稚園・保育園では深刻な保育士不足に悩まされているのが現状です。2020年11月に株式会社ニッソーネットが自社に登録している保育士派遣スタッフに対して行ったアンケートによると、今働いている職場での人材が不足していると思っているスタッフが約6割もいました。
そういった意味で保育士の募集は重要なことであり、効果的に人材を集めるためにも動画の活用がおすすめです。
参照:<保育士アンケート>新型コロナによる保育現場の影響について
幼稚園・保育園における主な動画活用事例
上記で述べたように幼稚園や保育園でも動画が活用できます。しかし、具体的にどう活用すればいいのか悩む方もいるのではないでしょうか。
そこでこの項目では、主な活用事例をいくつかピックアップして紹介します。
学校法人菊地学園
学校法人菊地学園でも、保育園を紹介するために動画を活用しています。BGMも映像もおしゃれであり、さまざまなテーマのもとでどのような保育園なのか紹介する動画となっています。
一方で、学校法人菊地学園では求人動画も用意。動画は栄養士を募集する内容であり、実際に働いている人へのインタビューや仕事の様子などを動画としています。こちらも上記と同じく複数のテーマが設けられており、何を伝えたい動画なのかわからなくなることを防いでいます。
幕張いもっこ保育園
幕張いもっこ保育園の動画は、まるで見学に来たような雰囲気で展開されています。その上でクラスごとの特徴や実際に働いている保育士の声を伝えており、全体的にどのような保育園なのか把握できます。
レタリア株式会社
教育機関向けのプロモーションやマーケティング支援サービスなどを展開しているレタリア株式会社では、幼稚園や認定こども園向けの求人サイト「MeetRii」を運営しています。その中でさまざまな保育園や幼稚園を紹介しており、幕張いもっこ保育園のような流れで園の様子を伝えています。
他にもレタリア株式会社は、保育士向けの動画も公開。実際の保育士が日頃考えていることやピアノの練習法などを紹介しています。
株式会社コドモン
株式会社コドモンは、自社の教育施設向けICT支援ツールを紹介する動画を公開。実際に導入している保育園に取材する形でツールの紹介をすることで、現場での活用方法を伝えています。
保育ICT株式会社
保育ICT株式会社では、保育とITをかけ合わせるサービスを展開している企業です。自社のシステムをする方法として動画を活用しており、実際に導入した保育園の声や操作方法などを紹介しています。
幼稚園・保育園で動画を活用するためのポイント
最後の項目では、幼稚園・保育園で動画を活用するためのポイントについて紹介します。効果的に動画を活用するためにも、ポイントを覚えておきましょう。
ハッキリとした目的が大切
効果的に動画を活用するためにも、目的の明確化が重要となります。なぜなら、目的がわからなければ何のために動画を取り入れるのかわからなくなってしまい、うまく動画を活用できなくなるため。
その上、目的がわからないと動画の内容も決めきれなくなるかもしれません。だからこそ、必ず動画を取り入れる目的から決めるようにしましょう。
動画の目的がハッキリしていれば、動画の内容も決めやすくなります。例として保育士を募集したいのであれば、保育士にインタビューしたり、実際に働いている風景を撮影したりといったことが思いつくでしょう。
基本的には実写動画がおすすめ
動画には、CGやアニメーション、インフォグラフィックスといったさまざまな種類があります。それぞれ魅力的なポイントが異なりますが、保育園や幼稚園の場合は実写動画がおすすめです。
実写動画は一番リアリティを伝えられるため、園の様子や働いている保育士の雰囲気などをしっかりとアピールできます。事実、上記でピックアップした事例も実写をメインとしている動画が多いです。
幼稚園・保育園でも動画を活用してみよう!
ほかの業界と同じく、幼稚園や保育園でも動画を活用できます。方法自体もさまざまあるため、目的や伝えたいターゲットのことを考えて動画を取り入れてみるとよいでしょう。動画の質や内容次第では、大きな効果をもたらしてくれるかもしれません。