これまでは、企業紹介として企業の経営方針や将来のビジョンを紹介する動画使った採用PRが王道の方法でしたが、職種が多様化し複雑化する現代社会の中で、業務内容を伝え就活者とのギャップを防ぐことを目的とした企業の一日動画を採用PRの一貫として利用する企業が増えてきました。
「企業の一日動画を制作したいけど、どのような手順で制作すればいいかわからない」という採用担当者のために、今回は、企業の一日動画を活用するメリットと制作のポイントを実際の参考事例と合わせてご紹介します。
この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 採用活動や会社紹介で「一日密着」動画を活用したい
- ✅ 社内に動画の制作ノウハウや編集スキルがない
- ✅ 動画制作を外注せず、コストを抑えて内製化したい
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企業の一日動画を活用するメリット
就活情報サイトを運営する学情の調査では、企業分析の際に動画で見たいものの第1位は「仕事内容の紹介」第2位は「社員の一日の流れ紹介」、第3位は「事業内容の紹介」となっています。
引用:就活で見たい企業の「動画」 3位「事業内容」、2位「社員の1日の流れ」、1位は?
この結果から、就活者は業務内容や社員の一日の流れ紹介について興味があることがわかります。ここでは、企業の一日動画を活用するメリットをいくつかご紹介します。
業務内容を理解してもらえる
企業の一日動画を活用する一番のメリットは、やはり業務内容を就活者に正確に伝えられることでしょう。
テクノロジーが発達したことで、現代社会の職業は年々複雑化しており、名前を聞いただけでは業務内容をイメージできない職種も増えてきています。
日頃どのような業務をこなしているのか知ってもらうことで、その職種の認知度とともに、志望者数を増やすこともできます。
業務内容が複雑な職種ほど、企業の一日動画の効果は大きいと言えます。
会社で働く従業員の熱意を伝えることができる
実際に会社で働く従業員の一日に密着することで、従業員の仕事へのこだわりや熱意を就活者に伝えることができます。
就活者は、企業の一日動画から企業全体の仕事に対する姿勢や社内の雰囲気を知ることができるため、その企業が自分に合っている環境なのか見極めることができます。
就活者と企業のミスマッチングを防ぐことができる
企業の一日動画でしっかりと仕事内容を就活者に伝えることができるので、就活者が入社後に、「想像してた会社と違う」「やりたい事ができない」などのギャップを感じるリスクを抑えることができます。
企業側も従業員の退職率を抑えることができるので、ミスマッチングが防げるというのは企業側、就活者側両者にとってメリットと言えます。
企業の一日動画制作の流れ
企業の一日動画を制作するにあたって、「何から始めればいいのかわからない」「どんな工程があるのか不安」と感じている方も少なくないかと思います。ここでは、企業の一日動画制作の流れをご紹介します。
制作目的の明確化
まず最初に行うべきは、「この動画で何を伝えたいのか」を明確にすることです。
抽象的な目標ではなく、「営業職の一日の流れを具体的に見せたい」「社内の人間関係の良さを伝えたい」など、視聴者に伝えたい内容を明文化しておくことで、全体の企画や構成がぶれにくくなります。
また、動画のターゲットを定めることも重要です。新卒学生向けなのか、中途採用希望者向けなのかで、動画のトーンや演出も大きく変わります。
登場人物と職種の選定
次に、誰の一日を追うのかを決定します。ここで大切なのは、単に目立つポジションの社員を選ぶのではなく、「その職種を志望する人が具体的な働き方をイメージできるかどうか」という視点で判断することです。
業務内容に幅がある職種ほど、実務の一例として代表的な業務フローを持つ社員を選定すると効果的です。
また、年齢や性別、キャリア背景の異なる複数の社員を紹介する場合は、視聴者との共感性が高まりやすくなります。
台本作成と撮影準備
一日動画といえど、完全にドキュメンタリー形式で制作するのはリスクが高く、伝えたいポイントがぼやけてしまう恐れがあります。
あらかじめ「どの時間帯に、どの業務を、どんなカットで撮影するか」を構成台本としてまとめておくと、撮影当日の進行がスムーズになります。
また、動画に含めるべき要素をリストアップし、時間配分と撮影場所を事前に調整しておくことも欠かせません。併せて、撮影当日に使用する機材(カメラ・三脚・マイクなど)や社内撮影にあたって必要な申請・許可の準備も行いましょう。
撮影
撮影当日は、事前に決めたスケジュールに沿って、自然な様子を撮影していきます。
ただし、業務中はどうしてもカメラの存在を意識してしまいがちですので、できるだけ少人数体制で臨み、被写体の負担にならないよう配慮が必要です。
また、単なる記録映像にならないように、カメラワークや構図にも工夫を入れましょう。例えば、PC操作の手元、社員同士の会話の様子、真剣な表情など、視聴者の感情に訴えかけるような絵を意識すると、より印象的な動画になります。
編集・テロップ挿入・BGM選定
撮影が終わったら、次は編集作業です。ここで重要なのは「テンポ感」と「情報のわかりやすさ」です。冗長なシーンはカットし、場面の変化にはテロップや字幕を加えて情報を補足することで、視聴者の理解を助けます。
また、BGMを適切に挿入することで、動画全体の雰囲気を大きくコントロールできます。さらに、字幕にはナレーション代わりの説明文や時間帯の表示を加えると、構成に一貫性が出て一日の流れがより理解しやすくなります。
企業の一日動画制作のポイント
企業の一日動画を活用するメリットがわかったところで、次は企業の一日動画制作のポイントについてご紹介していきます。
見飽きないようにテンポの良い動画を心がける
企業の一日動画を制作する上で大切なのは、動画を見る人が見飽きないように、テンポの良い動画にすることです。
同じようなシーンが続いてしまうと、視聴者は動画を見ることをやめてしまいます。
最後まで動画を見てもらうために、同じようなシーンはカットしたり、BGMや効果音を使うなど、視聴者を惹き付ける工夫をするようにしましょう。
時間軸を意識して制作することでよりわかりやすく
企業の一日動画では、時間軸が非常に重要です。動画上に時間のわかる字幕を配置することで、朝出勤して退勤するまでの一日の仕事の流れをより鮮明に伝えることができます。
また、業務の様子を撮影していると、どうしてもカメラに向けて話せない時間が生まれてしまいますが、字幕を使って上手く補足することで、よりリアルな社員の一日動画が制作できます。
社内の雰囲気がわかるようなシーンを取り入れる
企業の一日動画の中には、社内の雰囲気がわかるようなシーンも取り入れるようにしましょう。
例えば、昼食時の様子や、退勤後の様子など、業務時間外のシーンも動画内に取り入れることで、社内の雰囲気や社員同士の関係性などを伝えることができ、より魅力的な動画に仕上がります。
また、社員の仕事に対する思いや、将来のキャリアプランをインタビューとして動画に取り入れることで、より就活者にとって有益な情報を提供することができ、採用PRを効率よく行うことができます。
企業の一日動画参考事例
ここからは、実際に企業の一日動画参考事例をご紹介します。
実際の企業の一日動画を第三者の目線で見ていいと思った部分をぜひ参考にしてみてください。
【採用情報 密着動画】恵比寿IT企業の営業社員の1日 ~株式会社LOWCAL~

こちらは、IT企業LOWCAlの営業社員の一日を紹介する動画です。
出勤から退勤までの営業社員の一日に密着することで、デスクワーク、営業、ミーティングと細かい業務内容までを知ることができます。さらに、社員のインタビューを盛り込むことで、仕事をする上での姿勢や、心構えなどを事細かに知ることができます。
昼食時に社員同士で楽しそうにランチに行く様子からは、社内の人間関係の良さが伺えます。
佐川グローバルロジスティクス 新卒採用ムービー「社員の1日」

この動画は佐川グローバルロジスティクスのある一日に密着した動画です。
実際の朝の朝礼の様子や具体的な仕事内容、社員が持つ熱い思いについて知ることができます。仕事内容の説明の場面では、仕事の流れを字幕と図を使って説明することで、よりわかりやすく仕事内容を理解することができます。
さらに、育児休暇を取得したエピソードなどを交えることで、会社の福利厚生の充実をアピールしています。
【採用】社員1日密着ドキュメンタリー

こちらの動画は、RICOHで働くある社員の一日に密着した動画です。アニメーションやナレーションを加えることで、動画全体が見やすくわかりやすい構成になっています。
実際の営業の様子や、通常の営業のイメージとは異なる部分を強調することで、他社との差別化を図っています。
「どんなに忙しくても家族との夕食の時間を大切にしている」というエピソードを含めることで、プライベートの充実ぶりをアピールし、同時にワークバランスの整った社内環境をアピールすることができています。
マルハン女子の仕事1日密着

コチラの動画はマルハンで働く一人の女性の一日に密着した動画です。
日常の業務内容だけでなく、業務時の持ち物や、制服、社員食堂があることなど、企業に関する詳細をを細かく知ることができます。社員の入社きっかけ、仕事を覚えるまでの過程についてのインタビューがあることで、学歴関係なく採用していることや、社内の教育制度などをアピールしています。
まとめ
いかがでしたか?今回は、企業の一日動画を活用するメリットと制作のポイントを実際の参考事例と合わせて紹介しました。
実際の社員の一日の仕事内容を動画にして紹介することで、その職種の具体的なイメージや、社内の雰囲気などをより詳しく伝えることができます。
就活者を惹き付ける動画を制作することで、より効果的な採用PRが行えるので、ぜひ参考にしてみてください。