観光案内の具体的な手法
観光客の多くがスマートフォンで情報収集を行う今、届け方そのものが観光地の魅力を左右します。ここでは、観光案内に活用できる4つの具体的な手法を紹介します。
動画
文字や写真だけでは伝わらない音や空気感、地元の人々の雰囲気まで表現できるため、ユーザーの旅行欲を強く刺激することができます。
例えば、1日の観光ルートを紹介する形式の動画は、実際にその場所を旅しているかのような気分を視聴者に与えるため、非常に高い訴求力があります。
また、地元の人が登場して案内するスタイルは、リアルな声を伝えることで、地域との距離感を縮めてくれます。
クラウド型の動画編集ツールを使用すれば、テンプレートに素材を当てはめるだけで手軽に観光動画が制作できるサービスも増えており、自治体や観光協会による内製化も現実的な選択肢になっています。
SNS
InstagramやX、TikTokといった視覚・映像系SNSは、観光プロモーションと非常に相性がよく、旬の情報をリアルタイムに届けられる強みがあります。
例えば、季節のイベントや見頃の景観を現地から即時に投稿することで、「今すぐ行きたい」と思わせるタイミングの良い訴求が可能です。
また、日常的な投稿として観光地のグルメやローカル文化を紹介し続けることで、旅行候補地としての認知を積み重ねることもできます。ハッシュタグを工夫すれば、情報の発見性も高まり、検索経由での新たな接触も期待できます。
メディア
テレビ番組や雑誌、Webメディアへの掲載は、第三者による推薦という形で観光地の価値を高めてくれます。
特に、旅系のインフルエンサーやYouTuberなどの発信力ある人物を起用することで、ターゲット層にダイレクトにリーチすることができます。
地域出身の著名人をアンバサダーとして起用する方法も効果的で、その土地への愛着や親しみを視聴者に共有できるのが強みです。こうした外部の力を活用することで、観光地の新たなブランディングが生まれます。
イベントやキャンペーン
リアル体験を伴う仕掛けは、訪問の後押しとして非常に効果があります。旅行者が実際にその場所に足を運びたくなるような、期間限定の催しや参加型の企画を設けることで、観光の動機を明確にできます。
例えば、地元商店を巡るスタンプラリーや、観光動画と連動したSNSキャンペーン、現地でのプレゼント企画などが挙げられます。最近では、ARやデジタルスタンプを活用した体験型のイベントも注目されており、特に若年層をターゲットにした施策として有効です。
これらの企画を行う際には、事前告知から当日の様子の発信、そして終了後の報告までを一連のプロモーションとして設計し、動画やSNSと連携させて展開することが成功の鍵になります。
観光案内動画事例集5選
江ノ島 観光案内 江ノ島駅〰️江ノ島の裏側まで
1つ目に紹介するのは、江ノ島の案内動画です。
動画内では道順までを字幕付きで丁寧に解説することで、実際に旅行している気分になるとともに、写真では伝わらない江ノ島の細かい雰囲気について知ることができます。
歩いている様子を早送りで再生したり、余分なところをカットすることで、視聴者が退屈に感じないように工夫されています。
所々に、観光地の紹介の字幕があり、実際に江ノ島に足を運びたくなる動画に仕上がっています。
信州上田観光案内
信州上田おもてなし武将隊として、真田幸村と十勇士が上田市内の観光名所を案内する動画
武将が生きていた時代を感じられる話し方と武将の格好から統一された世界観を感じることができる上に、実際におもてなししている活動の様子を見ることができます。
大自然と、歴史文化が感じられる観光名所を巧みにプロモーションした観光案内動画です。
青いぜ!長崎ブルーアイランズプロジェクト
長崎県出身の福山雅治が、594にもおよぶ長崎県の島々の魅力を発掘する企画「長崎ブルーアイランズプロジェクト」の動画として制作された長崎県の観光動画です。
長崎県の自然の豊かさと、文化の奥深さ、長崎の名物料理を福山雅治が体験する様子が撮影されています。
島を知るために実際に島になってみるというユニークな発想は、視聴者を惹きつけより島の魅力が伝わる構成になっています。
「対馬を知るためには島の一部になるだけじゃ足りないんだ。対馬の全てになる」
として、対馬の名物料理、動物に自分そのものを投影する様子はとても面白いです。
福山雅治という影響力のある人物を通して観光地の魅力を知ることができるため、実際に行ってみたいという気持ちが高まるとともに、つい興味をそそられる動画に仕上がっています。
延岡探索グルメ道中
宮崎県延岡観光協会による動画「延岡探索グルメ道中」
宮崎県延岡市発症の名物料理「チキン南蛮」を食べるために延岡駅を訪れた外国人二人が、延岡を探索するバラエティ番組のような構成になっています。
外国人の方でも動画の内容が理解できるように英語の字幕と日本語の字幕両方が用意されています。
外国人でも旅行を楽しむことができる安心感を与えられるとともに、延岡市のグルメ、文化などの魅力が十分伝わってくる動画です。
横浜PRムービー、City of Yokohama
最後に紹介するのは、横浜をPRする動画として制作された動画です。
横浜の観光地の様子が綺麗に撮影されています。観光地の特徴を説明する字幕だけでなく、その場所の周りの雰囲気までもを体感することができる動画になっています。
シーンが細かく切り替わり、動画のテンポを良くすることで、視聴者に最後まで見てもらうための工夫が施されています。
観光動画活用メリット
ここでは、観光動画の活用メリットをご紹介します。動画のメリットを活用し、パンフレットやWEBサイトと使い分けられるようにすると、より効果的にユーザーに訴求することができるので、ぜひ参考にしてみてください。
実際の雰囲気を伝えることができる
観光動画を活用する最大のメリットは、多くの情報を視聴者に伝えることができる点です。テキストや写真などでは、一度に伝えられる情報量に限りがあります。
パンフレットやブログサイトなどで、より多くの情報を伝えたいという一心で情報を詰め込んでしまうと、内容がわかりづらくなってしまい、ユーザーは途中で読むのをやめてしまうことさえあります。
動画なら、その観光地のグルメや文化、レジャー施設などの情報も合わせて発信することができる上に、音や雰囲気といったテキストや写真では伝わらない魅力に気づいてもらうきっかけにもなるので、より一層視聴者の興味を掻き立てることができます。
外国人の方でも理解しやすい
観光動画だと視覚的に、観光地の魅力を表現できるので日本語がわからない外国人にも魅力を伝えることができます。また、英語や中国語の字幕をつけることで、より多くの人に動画を見てもらえるようになります。効果音を使って日本の「和」の雰囲気や、観光地の文化を表現することも、視聴者を惹き付けるコツです。
観光動画制作のポイント
観光動画を活用するメリットが理解できたところで、次は観光動画制作のポイントをご紹介します。
その場所でしか味わえない特別感を強調する
観光動画を制作する上で大切なのは、その場所でしか味わえない特別感を演出することです。多くの人の観光の目的は、その場所でしか食べられない食べ物や、その場所にしかない歴史を感じたり見たりすることです。
視聴者に「行ってみたい」と感じてもらうためには、その地域でしか体験できないことを盛り込むようにしましょう。
視聴者の視覚、聴覚を刺激する内容にする
観光地をPRする際には、視聴者の視覚や聴覚に訴えかけるという動画構成も非常に効果的です。例えば、その地域にしか無い郷土料理を紹介する場合、料理に使われている新鮮さをアピールしたり、音を通して食感や調理中の様子を視聴者に伝えることができます。
ステーキを焼く音や、肉汁たっぷりのハンバークなど、見ているだけでお腹が空いてしまうようなシーンを取り入れることで、視聴者の「絶対にそこに行って食べたい!」という気持ちを高めることができます。
画質の良いカメラで撮影する
観光動画を制作する上で大切なのは、実際にその場所にいるような臨場感です。動画に臨場感を出すためには、どうしても高画質のカメラで撮影する必要があります。
新型コロナウイルスの影響で、映像でその地域を体感する「オンライン旅行」を楽しみたいユーザーも増えているため、動画の画質にこだわることはこれからもっと重要になっていくでしょう。
これらの高画質カメラは、値段や機能によっては高額で予算的に厳しいという担当者の方は、動画制作会社に依頼してみる。というのも一つの方法です。
自分の予算と目的に合った方法を探してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、観光案内の動画事例と、動画を活用するメリットや動画制作のポイントを紹介してきました。観光と、動画の相性は抜群です。まだ、観光業界の方で動画を活用していない方は、ぜひこの記事を参考に動画を制作してみてはいかがでしょうか?