なぜインターネット回線を整える必要があるのか
スマホから簡単に生配信をおこなうことができるのに、なぜインターネット回線を安定したものに変える必要があるのかご存知でしょうか。
スマホからの配信であれば、インターネット回線状況が悪化している場合でも、安定した配信が可能です。
一方で、自宅のPCからゲーム実況の配信、カメラに向かってひとり語りをする動画ではインターネット回線速度に影響され、生配信をしている最中に映像が止まってしまう恐れがあります。
動画をアップロードするのではなく、生配信で発信することを検討している際は、インターネット回線に配慮するように心がけましょう。
回線速度の目安
生配信を安定して発信するためには、「回線の上り速度」が重要になります。一般的な目安として言われているものが、3Mbpsです。
しかし、画面から高画質で配信をしたい場合は3Mbpでは安定しないこともあるため、6Mbps程度は必要になることを考えておきましょう。
通信速度が遅いとどのような弊害があるのか
インターネット回線の通信速度が遅くなってしまった場合、どのような問題があるのでしょうか。通信速度が遅くなってしまった際に考えられる現象として、大きく分けて3つの現象が考えられます。
映像と音ズレ
インターネット回線が遅い状態の場合、映像と音がズレている状態で、視聴者の画面上に配信してしまう可能性があります。音声だけが視聴者に聞こえ、映像が後から届いてしまう場合が多くあります。
音と映像が多少ズレてしまう現象だけではありません。視聴者には「音」あるいは「映像」だけが配信され、何を配信しているのか全く伝わらない可能性も考えられます。
映像と音がズレてしまう現象は、視聴者が離脱率してしまう要因の1つとして考えられるため独自の対策をする必要があります。
映像がカクカクする
配信速度が安定しないと、映像がカクカクして視聴者にとってストレスのたまる映像になってしまう恐れがあります。
映像がカクカクしてしまうと、音ズレが発生するだけでなく、視聴者の画面では映像が途中で止まってしまっているように見えてしまう恐れがあります。
映像がカクカクしてしまうと、最悪の場合、映像が途中で止まってしまい、突然次のシーンに飛び、何を配信しているのか視聴者が理解できなくなる可能性があります。
映像をカクカクさせないようにするため、インターネット回線を安定させた状態で生配信をおこないましょう。
配信が停止する
インターネット回線が不安定な状態で配信を続けると、映像を送出することも難しく、最悪の場合配信が途中で止まってしまう恐れがあります。
一度配信が停止してしまうと、視聴者が離脱率するだけでなく、配信を再開しても、同時視聴をしていたユーザーが、配信に戻って来なくなってしまう恐れがあります。
配信停止は、生配信における放送事故です。配信停止をしないように注意をしながら生配信をおこなうように心がけましょう。
安定したインターネット回線で動画配信をおこなう方法
動画を安定した環境で配信するためには、いくつかの気をつけるべきポイントがあります。配信前に各項目をクリアしているのか、それぞれチェックすることをおすすめします。
有線LANで配信
生配信をおこなう際に、ポケットWi-Fiやスマホのテザリング機能を活用して配信をおこなうケースがありますが、回線が不安定になりやすいため配信では極力避けるようにしてください。
配信をするのであれば、無線LANやWi-Fiではなく、有線LANで配信することをおすすめします。
有線LANは安定したインターネット回線を確保するため、通信速度が途中で低下してしまうリスクを回避することができます。無線で検討している方は、有線LANで配信をするように心がけましょう。
有線LANを活用しても、モデムが他のWi-Fiルータにつながっていると回線が混み合い、場合によっては通信速度が遅くなってしまう可能性があります。
インターネット回線を安定したものにするため、生配信専用の回線を確保するようにしてください。
テスト配信は配信時間に近い時間で実行
配信をおこなう際は、必ず配信時間に近い時間におこなうようにしてください。
インターネット回線が安定している環境でも、インターネットのゴールデンタイムの21:00〜24:00は回線が混み合い、場合によって通信速度が低下している恐れがあります。
インターネット回線が安定しているかを確認するために、配信時間に合わせてテスト配信をおこなうようにしてください。
Wi-fiを活用する際は光通信や5Gを活用
有線のインターネット回線を確保できない環境下で配信をおこなわなければならない場合は、Wi-fiを活用して配信をする方法を選択してください。
Wi-Fiを使用する際は、必ず通信速度が早いものを活用して配信を実施することをおすすめします。
光通信や
5Gを活用することで、安定した状態で配信をおこなうことが期待できます。
しかし、通信速度が安定しても、イベント会場など多くのユーザーが通信する環境下では通信環境が不安定になり、最悪の場合配信が停止してしまう恐れがあります。
Wi-Fiの回線速度が安定しても、状況によっては配信が停止してしまう恐れがあることも認識しておくようにしてください。
視聴者用PCモニターを設置する
配信をおこなう際には、視聴者用のPCモニターを設置してください。視聴者用のPCを用意しておくことで、視聴者が問題なく配信映像を視聴出来ているのかを確認することができます。
配信では、配信者側のインターネット環境が安定している中で、視聴者側が動画を視聴できない状況が発生します。
視聴者から「動画が見られない」とコメントされた時に、モニターがあれば視聴者側に問題があるか、配信側に問題があるのかを判断することが可能です。
インターネット回線速度を確認するだけでなく、音の大きさや映像のコマ落ち確認もできるため、必ず監視用のモニターを設置するようにしてください。
回線がストップしてしまった場合に備えて対応策を検討する
万全な対策をしても、インターネット回線が突如不安定になってしまうことがあります。回線が不安定になった際に別回線で配信を再開させるなど、対策を考えておく必要があります。
万が一の状況に備え、対策を検討しておくことをおすすめします。
通信速度が遅くて動画生配信に不具合が生じた場合の対処法
動画の生配信において、通信速度が安定しないと、音声と映像のズレや配信停止などの不具合が発生しやすくなります。ここでは、生配信中に通信速度が遅くなった際に取るべき対処法を紹介します。
現状の通信速度を把握して原因を特定する
配信中に不具合が起きた際には、現在の通信速度を確認しましょう。特に重要なのは上り速度で、一般的に3Mbpsを下回ると安定した配信が難しくなります。
インターネット速度テストサービスを用い、リアルタイムで通信状況を把握することが重要です。もし上り速度が不足していた場合には、配信の画質やビットレートを下げるなどの調整が求められます。
配信ソフトの画質設定で負荷を調整する
配信ソフトを使用している場合、画質設定の見直しはすぐに対応できます。例えば、フルHDの1,920×1,080からHD画質の1,280×720に解像度を落とすことで、データ転送量を抑えられます。
さらに、映像のビットレートを4,000Kbpsから2,500Kbps程度に下げたり、フレームレートを60fpsから30fpsに設定し直すことで、配信の負荷を軽減できます。これにより、通信が不安定な状況下でも配信を継続しやすくなります。
予備回線の用意でリスクを軽減する
それでも配信中にネット接続が途切れてしまった場合に備えて、予備のインターネット回線を準備しておくと安心です。
主回線が不安定なときは、モバイルWi-Fiやスマートフォンのテザリング機能に切り替えることで、配信を継続できる可能性があります。
また、配信ソフトに「自動再接続」機能が搭載されている場合には、事前に有効化しておくことで緊急時の復旧をスムーズに行うことができます。
視聴者用モニターで配信状況を即時確認する
配信側のトラブルか、視聴者側の問題かを切り分けるためにも、監視用のモニターを1台用意しておくと便利です。
別のPCやスマートフォンで実際の配信映像を同時に確認することで、視聴者がどのような状況で映像を受け取っているのかを正確に把握できます。これにより、配信中の音声の状態や映像の遅延、画質の低下などにも即座に対応できます。
録画配信に切り替える
もし通信状況が悪化し、どうしても生配信を継続することが難しい場合には、録画配信への切り替えを検討することも有効です。
配信ソフトによっては、配信と同時に録画する機能があり、あらかじめ録画しておけば、不具合発生時でも録画データを編集・整備して後日配信することができます。
これにより、リアルタイムでの参加が難しかった視聴者に対しても、フォローの機会を提供できます。
まとめ
・動画を生配信コンテンツとして活用する際インターネット回線の安定性は重要
・安定したインターネット回線を確保するために事前準備が大切
・テスト配信を必ずおこなう
動画コンテンツの1つとして、生配信をおこなう際には、事前準備が重要です。
安定した生配信をおこなうために、本記事で紹介したポイントを意識しながらインターネット回線を安定させた状態で配信をおこないましょう。