HHH戦略とは?
https://www.infocubic.co.jp/blog/archives/2454/
https://thingmedia.jp/2819
HHH(スリーエイチ)戦略は、動画を活用したマーケティングに用いられる代表的な戦略の一つです。
この戦略は、検索ブラウザの「Google Chrome」や「YouTube」といったサービスを展開している米大手企業のGoogleが提唱している戦略になります。
Googleは、2014年にこのHHH戦略を提唱し、この戦略に沿って動画でのマーケティングをおこなうよう企業にうながしました。
HHH戦略は、
・HERO
・HUB
・HELP
の頭文字をとって名付けられた戦略で、上記3種類の動画を、それぞれ適切なタイミングでターゲットユーザーに届けることで、より効果的に動画でのマーケティングを展開していけるという考え方になります。
HHH戦略における3つの動画
先ほど紹介したとおり、HHH戦略には、
・HERO
・HUB
・HELP
といった、3種類の動画があります。
これら3種類の動画を戦略的に展開することで動画によるマーケティングの効果を最大化させられるようになるわけですが、それぞれどういった内容の動画になるのでしょうか?
HHH戦略で用いられる3種類の動画について解説していきます。
HERO動画
HHH戦略における動画の一つ目が、「HERO動画」です。
HERO動画は、HEROという名称からもわかるように、多くのユーザーに向けてアプローチするタイプの動画です。
主に、まだ貴社の製品やサービスの存在を知らない層に向けて発信していきます。
潜在的な顧客に刺さる動画を制作し、発信することで、製品やサービスの認知の拡大を図っていくわけです。
私たち人間は、おもしろいと思うコンテンツに出会った場合、それを他の人にも共有したいという心理が働きます。
HERO動画は、その人間の心理を活用し、SNSなどを使って拡散してもらうことで製品やサービスの認知の拡大を図っていきます。
HUB動画
HHH戦略における動画の二つ目が、「HUB動画」です。
HUB動画は、HERO動画によって貴社の製品やサービスの存在を認知した見込み顧客に向けて発信していくタイプの動画です。
HERO動画によって貴社の製品やサービスを認知した見込み顧客は、貴社の製品やサービスに少なからず興味を持っています。
そこで、そういった顧客に向けて製品やサービスの魅力をアピールできる動画を制作し、届けることで、製品の購入やサービスの利用につなげていくわけです。
この場合の動画としては、製品やサービスについてより詳しく解説するタイプの動画はもちろん、製品やサービスの活用法などを紹介する動画を制作し、「その製品を購入したりサービスを利用したりした場合、どんな未来が待っているか」をユーザーに想像させることでコンバーションを獲得していきます。
HELP動画
HHH戦略における動画の三つ目が、「HELP動画」です。
HELP動画は、HUB動画によって製品を購入したりサービスを利用したりしてくれている顧客の満足度を高めるために用意する動画です。
HELP動画では、その名のとおり、顧客の「困った」を解決する内容の動画を制作し、公開していきます。
製品やサービスの使い方を解説した動画やトラブルへの対処法を解説した動画が主な動画としてあげられるでしょうか。
使い方を解説した動画やトラブルへの対処法を解説したHELP動画を用意しておくと、顧客の製品やサービスに対する満足度を高め、リピーターを獲得したりファンを獲得したりできるようになります。
そうなると、継続的な製品の購入やサービスの利用が見込めるようになるため、新しい顧客を獲得する動画と童謡に重要な動画だと言えるわけです。
HHH戦略を活用している3つの事例
HHH戦略を取り入れてより効果的に動画でのマーケティングを展開していきたいと考えた場合、ぜひ参考にしてほしいのがHHH戦略の考え方にそって制作された動画の事例です。
国内でマーケティングへの動画の活用がうまいと言われている企業のほとんどが、HHH戦略にそって動画を制作し、公開しています。
ここでは、参考になる事例を、
・HERO
・HUB
・HELP
の、3つに分けて紹介していきます。
HERO動画の事例「iRobot Japan」
アイロボット社製のお掃除ロボット、「ルンバ」。
お掃除ロボットは今でこそさまざまなメーカーから発売され、広く認知されていますが、発売された当時は大きな話題となりました。
こちらの動画は16秒と短く、動画内でも製品の細かな説明などはおこなっていません。
しかし、映像によって、
・ロボットが部屋を自動で掃除してくれる
・充電が少なくなったら自動で充電をおこなってくれる
・階段などの障害物も自動で検知してくれる
などの機能性が伝わり、これまでになかった画期的な製品だということも伝わるため、HERO動画としての役割を十分に果たしています。
HUB動画の事例「ニトリ」
安さと品質の良さで人気を集めているインテリアショップ、「ニトリ」。
こちらの動画は、そんなニトリが公開しているHUB動画の一つです。
こちらの動画は家具のレイアウトの考え方について解説している動画となっていますが、自社の製品を上手くまじえながらレイアウトの作り方について解説しています。
これにより、「ニトリの家具を使えばこのレイアウトを再現できるんだ!」とユーザーに感じてもらえるようになるため、製品の購入をより真剣に検討してもらえるようになります。
HELP動画の事例「Gillette Japan」

ヒゲ剃りなど、男性向けの美容アイテムを販売している「Gillette Japan」。
こちらの動画はGillette Japanが公開しているHELP動画で、人気製品の一つである「フュージョンプログライドスタイラー」を使ったヒゲの整え方を解説しています。
同製品を購入したものの上手く扱えないユーザー向けに発信されている動画で、製品の扱い方が丁寧に解説されているため、顧客満足度を高め、リピーターやファンの獲得につながる動画となっています。
HHH戦略を活用した動画を制作する際の注意点
HHH戦略は、HERO・HUB・HELPという3つの動画カテゴリごとの役割に合わせた制作上の注意点をしっかり押さえたうえで取り組むことが重要です。
ここでは、HHH戦略を効果的に機能させるための制作時のポイントについて、
・HERO
・HUB
・HELP
の、3つに分けて紹介していきます。
HERO動画制作時の注意点
HERO動画の最大の目的は、まだ自社を知らない潜在層に向けて、製品やブランドの存在を印象付けることにあります。
このため、まず意識すべきは「感情に訴えるストーリーやビジュアルを用意すること」です。製品の特徴やスペックにフォーカスしすぎるのではなく、「驚き」「楽しさ」「感動」といった感情を刺激する演出を心がけましょう。
また、HERO動画は短時間でメッセージを伝える必要があるため、動画の尺はできるだけ30秒以内に抑えることが理想です。
動画開始3秒以内に視聴者の関心を引くインパクトのあるシーンを入れると、SNSでの拡散効果も高まります。加えて、音声がオフの状態でも内容が伝わるように字幕を入れるなど、視聴環境に配慮した設計も欠かせません。
HUB動画制作時の注意点
HUB動画では、HERO動画で興味を持ってくれた見込み顧客に対して、さらに深く製品やサービスへの関心を高めてもらうことを目指します。このため、制作時には「具体的な利用シーンを想像させる工夫」が重要になります。
製品のスペックや機能を単に羅列するのではなく、「この製品を使うとどんな生活が待っているか」「どのような悩みが解決できるか」をリアルに描写しましょう。
例えば、家具ならば実際の部屋で使われている様子、アプリならば日常生活の中で活用しているシーンを具体的に映し出すと、視聴者の共感を得やすくなります。
HELP動画制作時の注意点
HELP動画は、製品やサービスを購入した顧客の満足度を高め、リピーターやファンを育成する役割を担います。制作において最も重視すべきは、「ユーザーが実際に困っている状況を想定し、それに対して明確な答えを示すこと」です。
HELP動画では、難しい専門用語を避け、誰にでもわかるような表現で丁寧に解説することが求められます。
例えば、製品の初期設定方法、よくあるトラブルへの対応策、効果的な活用法など、できるだけ具体的なシチュエーションを想定した内容にすることがポイントです。
また、問題を解決できるだけでなく、製品への信頼感や安心感を高めることも意識しましょう。
例えば、「よくある質問」形式で簡潔にまとめたり、困ったときにすぐ見られるように短編形式に分割したりすると、ユーザーにとって非常に親切な設計になります。
まとめ
マーケティングに動画を活用したいと考えている企業向けに、動画でのマーケティングに欠かせないHHH戦略について紹介してきました。
動画は確かに高い効果を発揮してくれますが、それは戦略的に取り組んだ場合の話です。
ターゲットとなるユーザーが求めていない動画を公開してもいい反応は得られません。
また、インパクトの強い動画によって潜在顧客など、まだ貴社の製品やサービスの存在を知らない層にアピールすることも大切です。
HHH戦略における3種類の動画は、潜在層へのアプローチから貴社の製品・サービスを認知している層へのアプローチ、また、既存の顧客へのアプローチと、すべてのユーザー層に向けて効果的なマーケティングを実施できるようになっています。
HHH戦略を意識して戦略的に動画でのマーケティングに取り組んでいけば、より大きな成果が期待できるようになりますので、今回紹介した内容を参考にしながら、ぜひ戦略的に取り組んでみてください。