スタビライザー・ジンバルとは
スマホや一眼レフカメラを使った動画撮影が一般化する中で、撮影クオリティを大きく左右するのが「ブレの有無」です。滑らかで安定した映像を実現するために活躍するのが、スタビライザーやジンバルといった撮影補助機材です。
これらのツールを使用することで、歩きながらの撮影や動きの多いシーンでも、視聴者にとって見やすい、プロ仕様の映像を手軽に制作できるようになります。
企業が動画を活用する場面は多岐にわたります。商品紹介や採用、社内研修、マニュアル動画など、動画の用途は年々広がっており、より高品質で印象的な映像が求められています。
そのため、撮影時にブレを抑えるための機材選びは、動画の成果を左右する重要な要素と言えるでしょう。
スタビライザーとジンバルの違い
スタビライザーとジンバルは、どちらも手ブレを抑えて安定した映像を撮影するための機材ですが、その仕組みや性能には大きな違いがあります。
目的や使用機材、撮影スタイルによって選ぶべき機種が異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
まずスタビライザーは、重りやバランス構造を活用して物理的にブレを抑える「機械式」の撮影補助器具です。電力を必要とせず、構造が比較的シンプルで価格も抑えめなのが特徴です。
軽量で持ち運びやすいモデルも多く、アウトドア撮影や長時間の手持ち撮影にも適しています。ただし、使用にはバランス調整の慣れが必要で、初心者には扱いが難しいと感じる場面もあるかもしれません。
一方のジンバルは、モーターとセンサーを搭載し、電動でカメラの姿勢を制御する「電動式スタビライザー」です。3軸(パン・チルト・ロール)の動きをリアルタイムで補正し、撮影者が歩いたり動いたりしてもスムーズで映画のような映像が得られます。
自動追尾機能やタイムラプス、モーション制御などの撮影支援機能も搭載されているため、撮影の幅が大きく広がります。
スマートフォンで気軽にVlogを撮影したい場合はコンパクトなジンバルがおすすめですが、一眼レフやミラーレスカメラで本格的な映像制作を行うなら、より高性能なジンバルを選ぶことで表現の自由度が格段に向上します。
ただし、ジンバルは高性能な分、価格も上がる傾向にあります。導入時には、撮影の目的・求める映像クオリティ・使用頻度などを考慮し、コストとのバランスを取りながら最適なモデルを選びましょう。
スタビライザー・ジンバルの選び方
スタビライザーやジンバルを選ぶ時には、以下の3つのポイントに注意をしながら最適な機種を選ぶようにしてください。
どのような撮影をおこなうかイメージしながら最適なモデルを検討する
使用する撮影機材によってジンバルの選び方が大きく異なります。
一眼レフやミラーレスカメラでの撮影が多い方は、一眼レフやミラーレスに対応した機種を選び、スマホでの撮影をメインに検討している方は、スマホとの相性の良いスタビライザーやジンバルを選びましょう。
ジンバルの中には、持ち運びに特化した軽量モデルもあれば、さまざまなカメラの撮影に対応するだけでなく、一脚になるモデルもあります。
まずは撮影シーンをイメージしながらどのようなスタビライザー・ジンバルが最適かを検討してください。
機械式、電動式
スタビライザーには機械式と電動式があります。機械式では、重りの数で調整をおこない、素人でも調整を簡単におこなうことができます。
一方の電動式は、スタビライザーの内臓モーターによって手ブレを自動的に補正し調整をおこなうことが可能です。
電動式のモデルは知識がいるため初期設定のまま撮影をすると、思うような撮影ができない可能性があります。撮影をする際は、初心者にも扱いやすいモデルを採用してください。
価格
スタビライザー・ジンバルの価格は製品によって大きく異なります。1万円以内で購入できるモデルもあれば、10万円近い価格のモデルもあります。
最高品質のスタビライザーを購入すると、予算が高くなってしまう恐れがあるため、購入する際は、最低限どのような機能があると便利なのか、撮影に欲しい機能をイメージしながら最適なモデルを検討してください。
おすすめのスタビライザー・ジンバル7選
本記事が推薦するおすすめモデルをご紹介します。スタビライザー・ジンバルの特性をチェックして、最適なモデルを検討してください。
MOZA スタビライザー

ミラーレスカメラや一眼レフカメラを使用しているユーザーにおすすめのジンバルが、「MOZA Air Cross2」です。カメラのバランスを調整する機能や、リモートでのフォロー制御、高性能なモーションプラスにも対応しています。
この機材があれば、屋内の撮影だけでなく、外での撮影もスムーズになります。12時間連続駆動のバッテリーを搭載しているため、長時間の撮影にも耐えられるジンバルです。一眼レフカメラを使用している方には、おすすめです。
Neewer スタビライザー
耐久性が高く、持ち運びにも適したスタビライザーが、Neewer スタビライザーカーボンファイバーです。耐久性にも優れているモデルで外での撮影に役立ちます。
安定した撮影ができるだけでなく、ローアングル、ハイアングルでの撮影を可能にできるよう、調整をおこなえるため、PV、VPなどクリエイティブな映像撮影にも対応しています。片手で持てるハンドグリップは、持ちやすく外での撮影で機動性を発揮します。
フェイユーテック

Feiyu TechG6は、一眼レフ、デジタルカメラ、スマホなど、さまざまなコンパクトデバイスに対応するスタビライザーです。3軸を事前にロックできるので、カメラの取り付けを行う際に、1から設定をし直す必要のないセッティングが可能です。
ジンバル本体からカメラへ給電しながら撮影が可能になるため、バッテリー切れを気にすることなく撮影が可能になります。
スタビライザーはA4サイズのコンパクトなモデルで、持ち運びにも最適なモデルと言えるでしょう。
DJI RISC2

DJI カメラスタビライザは、ミラーレスカメラやデジタルカメラのために設計されたジンバルです。駆動時間は14時間と長時間の撮影に対応。6種類の操作モードがあり、どのような撮影でもクリエイティブな撮影が可能になります。
SNS用に撮影するための縦位置撮影などの調整もジンバルについているボタン1つを押すことで調整できるので、撮影毎に微妙な調整をする必要もありません。
さまざまな撮影を検討している方は、こちらのモデルの使用をご検討ください。
ZHIYUN WEEBILL S

ZHIYUN WEEBILL Sは他のジンバルに比べてコンパクトなモデルでありながら、パワフルなパフォーマンスを発揮するジンバルです。
サーボフォーカスや画像転送システムはもちろんのこと、付属の1脚と組み合わせれば室内での安定な撮影にも対応できます。
さらに互換性パーツを組み合わせて撮影をおこなえば、さまざまなシーンに最適な撮影を行うことも可能です。
外での撮影が多い方や、MV映像撮影を検討している方は、こちらの製品を検討してください。
DJI OZM4

スマホ撮影をメインとしておこなっている方はDJI OZM4モデルがおすすめです。
マグネット式の磁気スマートファンクランプを装着し、スマートフォンをしっかりと固定して撮影をおこないます。クリエイティブなモードも多数搭載し、自撮り撮影から、ハリウッド映画のような撮影まで、多岐にわたる動画撮影が可能になります。
専用のアプリと連携すれば、スマホから簡単に編集が可能で、撮影に集中できるようになります。スマートフォン1台で撮影をおこなう方にはおすすめのモデルです。
MOZA Mini-MI

MOZA Mini-MIは、ハンドベルドジンバル3軸スタビライザーです。ワイヤレス充電にも対応し、専用のスタビライザーに装着をすれば、充電をしながら撮影が可能です。専用のアプリと連動させることで、さまざまな撮影の調整が可能になります。
専用のアプリからマニュアル設定にすれば、手動で自由にジンバルの軸を調整しながら、スタビライザー機能を維持することも可能です。スロー再生などはもちろんのこと、被写体が素早い動きをしてもカメラがフォローする、スポーツギア機能も搭載しています。
さらに、スマホからのストリーミングアプリと連携をすることで、スタビライザーを活用した安定した配信も可能になります。
まとめ
・スタビライザー、ジンバルは撮影をよりクリエイティブなものにする
・ジンバルの持ち運びやすさ、価格などから最適なものを選ぶ
・撮影者によっておすすめのジンバルは大きく異なる
今回紹介したスタビライザーやジンバルのモデルはほんの一例です。どのような撮影の時に使用するか、イメージをしながら最適なモデルで動画撮影を検討してください。