高等学校が動画活用するには学生がポイント？　動画活用の基礎知識を徹底紹介

高等学校の現状

高等学校の動画活用を学ぶ前に、まずは高等学校が抱える課題や現状に目を向けてみましょう。
2020年に施された教育改革の影響で、高等学校の現場は数多くの変化が求められています。こういった改革のために国も多額の資金を投じており、課題解決のために教育現場が変更に追われている印象が持たれます。

しかし教育現場も工夫を施し「誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学び」を実現するために、遠隔教育やGIGA（Global and Innovation Gateway for ALL）スクール構想など未来にむけて行動している面もみられます。

高等学校が動画を活用するメリット

ICT教育や学習指導要領の改革、少子化に伴う生徒獲得競争の激化など、高等学校を取り巻く環境は近年大きく変化しています。
こうした背景の中で注目されているのが、「動画の活用」です。ここでは、高等学校が動画を活用するメリットを紹介していきます。

学校の魅力を視覚的に伝えられる

文字や写真では伝えきれない学校の空気感や教育理念を、動画であればリアルかつ立体的に伝えることができます。
例えば、授業風景や生徒の活動の様子、先生や卒業生のインタビューなどを盛り込むことで、受験生や保護者に「この学校に入りたい」「ここで学ばせたい」という感情を喚起できます。

特にオープンキャンパスや説明会に参加できない家庭にとって、動画は学校選びの貴重な判断材料になります。多くの情報を短時間で、しかも感覚的に伝えられる点は、パンフレットやWebページにはない動画ならではの強みです。

教育機会の平等化と学習支援が可能に

オンライン授業や補習動画などの教育コンテンツを動画で提供することで、教室外でも質の高い学びを実現できます。
特に、長期欠席の生徒や部活動で授業に参加できない生徒にとっては、復習・補講の手段として動画が非常に役立ちます。

また、学力差に応じた個別最適化された学習支援も可能になります。繰り返し視聴できる動画教材があれば、生徒は自分のペースで学習を進めることができ、教員の指導負担軽減にもつながります。

生徒・保護者との信頼関係を深める

学校での取り組みや日常の様子を定期的に動画で発信することで、生徒や保護者との信頼関係が築かれやすくなります。
例えば、学校行事のダイジェスト動画や、進路指導の取り組み紹介、部活動の活動風景などを動画で共有することで、学校運営の透明性が高まり、学校に対する安心感や共感を得ることができます。

保護者は、自分の子どもがどのような環境で学び、成長しているのかを映像で確認できるため、「学校と家庭がつながっている」という実感を得ることができます。
定期的な情報発信は、信頼構築だけでなく、学校全体のブランディング強化にも寄与します。

生徒募集・学校広報活動における差別化

少子化の進行により、生徒募集に課題を感じる学校も増えてきました。こうした状況で、動画を活用した広報活動は、他校との差別化を図る上で大きな武器になります。
例えば、「特色ある授業」「国際交流」「キャリア教育」「部活動」「校風」など、他校と異なる強みを動画で訴求することで、より深い理解と共感を得られます。

YouTubeやSNSなどの外部メディアに動画を展開すれば、より多くの受験生や保護者の目に触れ、学校説明会や入試に繋げる導線づくりにもなります。
また、海外からの留学生獲得や地域住民への情報発信など、学校のステークホルダー全体へのアプローチにも効果的です。

高等学校の動画活用の種類

様々な課題を抱える教育現場ですが、その課題を動画活用をもって解決しようとする高等学校も少なくありません。実際に動画には様々な問題を解決する魅力を兼ねそろえています。
そこで、高等学校には『どのような動画の活用用途があるのか？』『その恩恵とはなにか？』を紹介していきます。

デジタルスクール・オンライン授業としての活用

今となっては身近になったオンライン授業や授業内で、動画やデジタル教科書を利用するデジタルスクールもれっきとした動画活用になります。
コロナウイルスがきっかけとなり全国の高等学校がこの手法を利用するようになりましたが、この動画活用の魅力は以下の恩恵を得られる点になります。

デジタルスクール・オンライン授業をすることで共同作業が増え、問題解決能力や論理的思考能力が向上する
通常授業よりエンゲージメントが高く学習意欲の向上がみられる

デジタルスクール・オンライン授業は学生同士が異なる環境で動画内容を共有します。そのため、通常の授業以上に共同作業をしているように感じ、問題解決能力の向上や論理的試行能力を行いやすくなると言われています。
更にSNSのような感覚で勉学ができるため、SNSに反応をするように高いエンゲージメントの反応が見られます。

学校紹介としての活用

2つ目の用途は学校紹介動画としての活用になります。
学校に見学をしに行けない進学希望者や進路に迷っている学生にとって学校紹介動画はとても有益になります。過去の有名な卒業生や授業風景、周辺の施設紹介などが知れると、保護者も安心して学校に子供を預けることが出来ます。とくに他学校と違う教育サービスをアピールしている学校にとっては、紹介動画によって高い宣伝効果が見込めます。

海外では高校入学の手続き等も動画で説明するなどして学生のサポートを充実させてる所もあり、学校紹介に入学サポートも加えてみるとさらによいでしょう。

生徒のエンゲージメントが高い動画の特徴とは？

高等学校での動画活用は様々な種類があるものの実際に動画作成をすると簡単ではありません。更に作成ができたとしても視聴者である学生や、保護者などのエンゲージメントが低いと意味がありません。
そこで、学生や保護者のエンゲージメントが高くなる動画作成のポイントを紹介します。

動画内にストーリー性がある

1つ目は動画内にストーリー性があることです。
動画の最大の長所はストーリー性を伝え視聴者の想像力を刺激する点にあります。この特徴をいかして動画内にストーリー性を入れる手段があり、例えば卒業生が主人公の学内経験を記録した動画があげられます。

こういった動画では卒業生の生い立ちから様々な状況が推測でき、貴重な情報源になるため学生からの高いエンゲージメントを獲得できます。
また、高校生活では多くの学生が進路選択に悩まされるものの、進路に関するサポートが不十分と言われています。このような課題のために、卒業生の進路選択を記録・動画内容にした進路サポート動画を作成してみると学生のよい反応がみられるでしょう。

動画内にインタビューを含める

2つ目は動画内にインタビューを含めることです。

インタビューは多くの人の意見が反映されているイメージを連想させるため、この特徴を活かし動画内にインタビュー形式を含める手段があります。
例えば、在校生・保護者、教員ごとにインタビューを行い、学校について述べてもらうことで異なる立場の価値観を動画で紹介する方法があります。

このような動画は、『いじめに遭遇した際解決してくれる仲間がいるか？』の判断基準になります。このように、動画内にインタビュー形式を含めることで多くの情報を得ることができるため、必然的に学生のエンゲージメントも高くなります。

高等学校動画活用の見本事例3選

高等学校が習得すべき動画活用のポイントをいくつかおさえてきましたが、ここからは実際に公開されている動画を紹介し、動画作成のイメージを作っていきましょう。

明治大学付属明治高等学校・中学校 学校紹介ビデオ

この動画は明治大学付属明治高等学校・中学校 の学校紹介ビデオになります。
施設紹介と共に他の学校とは違う授業スタイルを魅力として発信しています。また部活動を学生時代に頑張りたい人に向けて豊富なトレーニング施設がそろっていることを示すなど、文武両道で素敵な学生生活を過ごせることを大きくアピールしています。

大間々高等学校　紹介動画

この動画は大間々高等学校が創立120周年を記念にわたらせ渓谷鐡道との協力で、立命館大学COMARSが作成した高校紹介動画になります。
動画内では登校や授業中、休み時間の生徒の風景を中心に載せており、学生の自然な表情から高校生活がうかがえます。

大濠高等学校紹介movie 2020

この動画は福岡大学附属 大濠中学校・高等学校の紹介動画になります。
ナレーションや字幕はつけず、音楽と編集のみで繋ぎ合わせ紹介動画を作っています。様々なカメラワークが巧みに繋がっているおしゃれな動画に魅了された生徒が進学先を確定する事もあるので、このようなこだわりも生徒集めに効果的です。

まとめ

さて今回は、高等学校の動画活用について紹介してきました。
高等学校の動画活用は未だ数多くありませんが、裏を返すと、活用方法を新たに作る事で他の学校と違いをアピールすることが出来ます。

しかし、動画作成時にプライバシーなどを考慮しなくてはいけません。一生残る動画を素敵な物にするためにも、画期的なアイデアを学生に求めてみるのもよいかもしれません。