動画撮影で意識すべき7つのポイント
視聴者が魅力的に感じる映像を撮影するためには、基礎的な技を身につける必要があります。動画撮影をする前に、以下の7つの技を実践で活用しているのか確かめてください。
被写体に向かって正面に立つ
動画撮影をおこなう際には、被写体と体が対角線上になるように撮影をしてください。カメラだけを被写体に向けて撮影すると、映像がブレてしまうだけでなく、撮影した素材の画角が不自然な角度になってしまう恐れがあります。
撮影をする際は、必ず被写体に対して体が対角線上に来るように、カメラの位置を意識して撮影をするようにしてください。
ハンディで撮影を行う際は脇を締めてカメラを撮影する
三脚を使用するのではなく、ハンディで撮影を行う場合は、必ずカメラを持つ手の脇をしめて、撮影をおこなってください。
撮影をする際には、カメラがぶれないように固定するように意識しましょう。肩幅くらいに足を開き、脇をしめた状態で撮影をすれば、比較的安定した映像を撮影することが可能です。
ズーム・パンを多用しない
撮影をする際には、ズームやパンを多用しないように撮影をしてください。
ズームやパンを使用すると、カメラのブレが発生してしまいます。ハンディで撮影をする際には、ズーム機能を極力使用することを控えながら撮影をしてください。
三脚を使用した撮影では、ズーム機能を使用して撮影をおこなっても手ブレを抑えながら動画撮影をおこなうことができます。しかし、ズーム状態で三脚のパンを使用すると、激しい手ブレが生じてしまう可能性があります。
三脚を使用する際には、パンを極力使用することを控え、手ブレが生じないような工夫を心がけてください。
編集をイメージして撮影をする
撮影をする際にはあらかじめ、編集をイメージしながら撮影をすると、編集作業をスムーズにおこなうことが可能です。
撮影をする際には、どこの素材を使用するのかイメージするだけでなく、映像の中でテロップを入れる余白を意識しながら撮影をしてください。
インタビュー撮影余白を作る
人物を撮影する際には、余白を必ず作るようにしてください。余白を作ることで、補足テロップを挿入しやすくなります。
対談インタビューを撮影する際では、インタビュー対象者の動きを作るために、被写体を斜めから撮影してください。
複数名インタビューをする場合は、右目線・左目線と、インタビュー対象者ごとの画角を変え、編集した時にインタビュー対象者が対談をしているような動きをつけるように編集をしてください。
1カット10秒以上撮影をする
素材を多く撮影しても、1カットあたり3秒程度であれば、編集時に動画素材としてうまく活用できないことも考えられます。
撮影をする際には、最低でも10秒以上撮影をしてください。人物が話す撮影では、話す前と話し終わった後に余白を作り、編集点を作りましょう。
大切なことは、必要な素材だけを撮影するのではなく動画撮影時に余白を作ることです。編集時に困らないよう、撮影をする際には1カット10秒程度を意識しながら撮影することをおすすめします。
歩きながらの撮影は極力控える
カメラを持ち歩きながら撮影すると、手ブレが発生してしまう恐れがあります。手ブレを発生しないように極力カメラを持ちながら歩く撮影をおこなわないようにしてください。
外ロケなどで、歩きの撮影が必要な場合は、手ブレを最小限に抑えるジンバルを装着したり、専用のアクションカメラを使用し、手ブレを最小限に抑えるように意識しましょう。
より・引きを使いプロ顔負けの撮影をおこなう
撮影をする際には、「より」「引き」を意識して動画撮影をすると、視聴者の興味を引く映像を撮影することが可能です。この項目では、「より」「引き」について解説します。
よりとは
よりとは、被写体にカメラが寄って映像を撮影する手法です。よりの映像では、被写体の表情、感情、細かい描写を表現することができます。被写体の表情や商品の魅力を表現したい時に「より」を活用してください。
引きとは
引きは、全体を引いて撮影することで、撮影場所、天気、季節などを説明する時に使用します。
より・引きのバランスを考えながら撮影をする
良い映像は、「より」と「引き」のバランスがうまく整えられ、視聴者に何を伝えたいのか客観的に伝えることが可能です。
映像を制作する際には、「より」と「引き」の映像を撮影し、バランスを見ながら映像を制作するようにしてください。
高さ・角度を変えて撮影をする
映像を撮影した時に、被写体を正面で撮影すると、のっぺりとした印象になってしまうことがあります。のっぺりとした印象を回避するためには、画角や角度を調整しながら撮影をすることをおすすめします。
威圧感を出す撮影
被写体の威圧感を映像で表現したい場合は、斜め下から撮影をおこなうと、被写体の威圧感を表現することが可能です。
下から撮影するだけでなく、被写体に寄って撮影をすることで、威圧感の度合いを表現することができます。角度とよりを調整しながら、被写体の感情を表現してください。
優しさ・弱さを出すための撮影
被写体の優しさ・弱さを撮影するための撮影技法があります。被写体の弱さを出す時は、高い角度から被写体を見下ろすような角度をつけて撮影をおこないましょう。
被写体が小さく見え、弱々しく撮影することが可能です。
建物の高さを表現する撮影
建物の大きさを表現する場合は、建物を下から撮影すると建物の高さを表現することができます。高さを表現する際には正面から撮影をするのではなく、被写体を大きく見せるために角度をつけて撮影をしてください。
動画撮影の技を習得するために必要なことは
動画撮影技術を少しでも向上したいと検討しているのであれば、1回の撮影で全ての動画技術を身につけるのではなく、継続的に撮影と編集を繰り返しおこなうようにしてください。
動画撮影だけでなく、編集をおこなうようにすると、動画撮影のスキルだけでなく、ディレクションスキルも向上します。
また、動画を撮り始めたばかりの方は、動画撮影を多くこなすだけでなく、視聴回数の多い動画や好きな映画のカットを真似て撮影してください。
動画撮影を繰り返しおこなうことで、より訴求力の高い映像素材を撮影することができるでしょう。
独学で撮影しても技術が向上しない時は、専門のカメラマンを現場に雇い、技術を盗む方法も有効です。
プロのカメラマンは多くの撮影技法を知っているので、撮影現場でのカメラマンの動きを見て良いものは積極的に取り入れるようにしてください。
動画の質をより高める編集のコツ
動画撮影の技を用いて撮影した映像であっても、編集作業のクオリティ次第で完成動画の印象は大きく変わります。この項目では、誰でも実践できる編集のコツについて解説します。
冒頭の5秒で視聴者の興味を引く
YouTubeやSNSでは、最初の5秒で視聴者の離脱が決まるとも言われています。
そのため、動画冒頭に「なぜこの動画を見るべきか」が伝わるインパクトある導入が不可欠です。結論や見どころを先に提示する、短くキャッチーなテロップを入れるなどして、視聴者の注意を引きつけましょう。
また、サムネイルやタイトルとの一貫性を持たせることで、視聴者の期待を裏切らない構成にすることも大切です。
テロップで情報を補足・強調する
映像だけでは伝えきれない情報を補足するのがテロップの役割です。話の要点や専門用語の解説、キーワードの強調など、視聴者が「内容を理解しやすい」と感じる工夫をしましょう。
テロップのデザインは統一感を持たせ、フォントは読みやすいものを使用します。また、文字サイズはスマートフォンでも読みやすい大きさを意識し、背景とのコントラストも重要なポイントです。
テンポを整えるカット編集
長尺の映像は、間延びしてしまうと視聴者の離脱を招きます。テンポ良く進む動画にするためには、余計な「間」や「言い淀み」をカットし、テンポを意識して編集しましょう。
特にインタビュー映像や対談では、聞き取りやすいリズムに整えるだけでも動画の印象は大きく変わります。
一方で、感情や雰囲気を伝えたい場面ではあえて「間」を残すことも重要です。場面ごとに緩急をつけることが視聴維持率の向上につながります。
BGMと効果音で映像に感情を与える
BGMは、動画の雰囲気や世界観を作り出す上で欠かせない要素です。情報をしっかり伝えたい場面では控えめなBGM、感情を盛り上げたい場面では強めのBGMを選ぶといったように、シーンの目的に合わせて選曲しましょう。
また、効果音を適切に入れることで、画面の切り替えや文字の出現にリズムが生まれ、視聴者を飽きさせない工夫になります。ただし、それらは多用しすぎると逆効果になるため、抑制的に使うのがポイントです。
まとめ
動画撮影をはじめておこなう方がスキルアップするためには、本記事で紹介したテクニックが必ず役立ちます。どれも、次の撮影から実践できるものばかりです。
動画撮影を少しでも向上したいと考えている方は、本記事で紹介した撮影技術を撮影現場で活用してはいかがでしょうか。