この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 顧客一人ひとりに最適化された動画マーケティングに取り組みたい
- ✅ パーソナライズド動画を使ってコンバージョン率を向上させたい
- ✅ 新規顧客の獲得や見込み顧客の育成を動画で効率化したい
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One to Oneマーケティングとは
One to Oneマーケティングとは、マーケティングの手法やマーケティングに対する考え方の一つです。「顧客一人ひとりに最適化されたマーケティング」という意味を持っています。
これまでのマーケティングでは、不特定多数に対し、同じ広告や同じ情報を届けていました。なぜなら、細かなデータを取得することができず、活用することができなかったからです。
しかし、インターネットの技術の発展とスマートフォンの普及によって誰もが気軽にインターネットにアクセスできるようになったことで、
・性別
・地域
・興味・関心
など、細かなデータが取得できるようになりました。
このデータの取得と活用によって、
・AさんにはAさんにあった広告やメルマガを
・BさんにはBさんにあった広告やメルマガを
・CさんにはCさんにあった広告やメルマガを
という形で、それぞれのユーザーに最適化されたマーケティングがおこなえるようになり、One to Oneマーケティングという考え方が生まれ、注目されるようになったわけです。
One to Oneマーケティングへの動画の活用の鍵を握る「パーソナライズド動画」とは
One to Oneマーケティングと同じくらい注目を集めているのがマーケティングへの動画の活用ですが、動画をマーケティングに活用している企業の大半が、動画でのOne to Oneマーケティングを実践できていません。
動画の技術は発展し続けていますが、動画を取り入れることに精一杯で、One to Oneマーケティングにまで昇華しきれていないわけです。
その一方で、「パーソナライズド動画」と呼ばれる動画を取り入れ、動画でのOne to Oneマーケティングを実践している企業もあります。
そして、この「パーソナライズド動画」こそが、動画でのOne to Oneマーケティングの鍵を握る存在でもあります。
後ほどいくつか事例を紹介していきますが、パーソナライズド動画は、その名のとおりパーソナルな情報が動画内に盛り込まれている動画です。
例えば、動画で登場する「〇〇様」の部分が視聴している自分の名前で表示されたり、動画内に自分の情報が反映されたりします。
この仕組みにより、動画を見たユーザーは動画の内容を自分ごととしてとらえられるようになり、より動画に興味を持つようになるわけです。
One to Oneマーケティングに動画を活用する3つのメリット
最新のマーケティング手法と言える動画を活用したOne to Oneマーケティングですが、One to Oneマーケティングに動画を活用すると、具体的にどういったメリットが得られるようになるのでしょうか?
One to Oneマーケティングに動画を活用することで得られるようになる3つのメリットについて解説していきます。
それぞれの顧客に最適な動画を配信できるため顧客満足度の向上が見込める
One to Oneマーケティングに動画を活用する場合の嬉しいメリットとしては、顧客満足度の向上があげられます。
動画を活用したOne to Oneマーケティングを展開した場合、顧客は、不特定多数に向けて発信された動画ではなく自分に最適された動画を受け取ることになります。
そうすると、顧客に対して特別感を演出できるようになるため、サービスに対する顧客満足度の向上が見込めるようになるわけです。
顧客満足度の向上はリピーターの獲得やファンの獲得につながるため、非常に魅力的なメリットだと言えるでしょう。
新規顧客の獲得に活用できる
新規顧客の獲得のために複数の動画を用意し、顧客の属性に合った最適な動画を配信できるようになると、コンバージョン率は飛躍的に向上します。
例えば、男性向けに制作した販促動画を女性に配信しても大した効果は見込めませんが、男性向けの動画と女性向けの動画を制作し、それぞれ最適なユーザーに向けて配信すれば、ユーザーの興味や購買意欲を刺激し、大きな効果が見込めるようになります。
見込み顧客のナーチャリングに活用できる
マーケティングで大きな成果をあげるには、ナーチャリング(見込み顧客の育成)が必要不可欠です。
自社の製品に対して興味を持っているものの購買にまではいたっていない見込み顧客に対し、コンテンツを配信して育成し、製品やサービスの必要性を感じてもらいます。
動画を活用しておこなうOne to Oneマーケティングの場合、データを元に顧客の段階に合わせた動画を配信できるため、より最適なタイミングで最適なナーチャリングがおこなえるようになります。
One to Oneマーケティングに動画を活用している事例2選
動画を活用したOne to Oneマーケティングの実施を考えているのであれば、実際にOne to Oneマーケティングに動画を活用している企業の事例についてもチェックしておくようにしましょう。
すでにOne to Oneマーケティングに動画を活用している企業の事例は、取り組む上で非常に参考になります。
最新のマーケティング手法で取り組んでいる企業が少ない分、事例としてあげられるのは2例になりますが、ぜひ参考にしてみてください。
マニュライフ生命

カナダを拠点に世界中のさまざまな国で事業を展開しているマニュライフ生命。
この動画は、そのマニュライフ生命が保険を契約している顧客に向けて発信しているパーソナライズド動画についての説明がおこなわれています。
マニュライフ生命のパーソナライズド動画は、年に一回送られてくるお知らせに掲載されているQRコードを読み取ることで視聴できるようになっています。
動画では、
・現在の契約内容
・適したサービスの案内
・最新情報
など、そのユーザーに最適化されたコンテンツが動画内で流れるようになっており、顧客は自分に最適化された内容の動画を視聴可能です。
チューリッヒ保険

スイスに本社を構える保険会社、チューリッヒ保険。
自動車向けの保険などの商品で有名なチューリッヒ保険ですが、この動画は、自動車事故を起こしてしまったときの対応方法を解説するパーソナライズド動画です。
冒頭から「佐藤様」と、ユーザーに最適化された内容が流れているのがわかります。
指定工場の案内をする際も、そのユーザーの住んでいる地域に関するデータを活用し、「お客様が住まれている東京にも~」といった形で説明が展開されていきます。
名前や住んでいる地域など、ときどき最適化された内容が流れるため、ユーザーが自分ごととしてとらえやすくなっています。
One to Oneマーケティングに動画を活用する際の注意点
One to Oneマーケティングに動画を活用する手法は、顧客一人ひとりに最適な情報を届けられる極めて有効なアプローチですが、ただ闇雲にパーソナライズド動画を導入すれば成果が出るわけではありません。
ここでは、One to Oneマーケティングに動画を活用する際の注意点を解説していきます。
パーソナライズの軸を明確にする
まず最初に考えるべきは、「誰に・何を・どのように伝えるか」という設計です。
One to One動画では、氏名や地域、購買履歴、年齢、職業などのデータを使ってパーソナライズを行いますが、すべてを盛り込もうとすると制作・運用の工数が大きくなり、かえって伝わりにくくなることがあります。
例えば、初回接点のユーザーには「名前」と「関心分野」に絞った内容で十分なケースが多く、既存顧客へのアップセル提案では「契約情報」や「過去の購入傾向」を軸にする方が効果的です。
パーソナライズする情報の優先順位を整理し、対象者ごとに動画の構成パターンを明確にしておくことが成功の第一歩です。
情報の精度と更新性を担保する
パーソナライズ動画では、顧客の属性情報や行動履歴といった「データ」が肝になります。しかし、これらの情報が古かったり誤っていたりすると、ユーザーの信頼を失いかねません。
例えば、「引越済の住所を元に地域のサービスを紹介してしまう」「氏名を誤表示してしまう」といったミスは、企業への不信感につながります。データベースとの連携は慎重に行い、情報の更新頻度やエラーチェック体制も事前に設計しておきましょう。
その際に、動画のテンプレートとデータベースを柔軟に連携させ、更新性を担保しやすいクラウドツールを導入することで、この課題の大きな助けになります。
適切な配信チャネルとタイミングを見極める
優れたパーソナライズド動画を作っても、配信のタイミングやチャネルが間違っていれば効果は半減します。
例えば、メールでの配信が有効な顧客もいれば、LINEやSMSの方が反応率が高い層も存在します。プッシュ通知を使うべきシーンもあるでしょう。
また、ナーチャリング中の見込み顧客には、サービス紹介動画を段階的に送る方が効果的ですが、すでに購入を検討している顧客には価格や比較に踏み込んだ内容が適します。
顧客のフェーズに合わせたチャネル設計と配信タイミングの最適化は、マーケティングオートメーションツールとの連携も視野に入れて検討すべき項目です。
まとめ
One to Oneマーケティングでの動画の活用について紹介してきました。
動画を活用したOne to Oneマーケティングは最新のマーケティング手法であるため、取り入れている企業や活用している企業は、まだそこまで多くありません。
しかし、だからこそ今から少しずつ取り組みを進めるべきだとも言えます。
ユーザーが自分ごととしてとらえられる動画を活用したOne to Oneマーケティングは、大きなインパクトを残しますし、新規顧客の獲得にはもちろん、既存顧客の満足度の向上にも大きく貢献してくれるはずです。
今回紹介した事例を参考に、ぜひ取り組みを前向きに検討されてみてはいかがでしょうか?