この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 自治体や地域企業でPR動画の導入を検討している
- ✅ 観光誘致・移住促進など地方創生施策に動画を活かしたい
- ✅ 社内で効率的に動画を企画・編集・配信できる仕組みを整えたい
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石川県等地方におけるPR動画活用の現状
地方が出しているPR動画について、最近目にすることが多くなってきたのではないでしょうか。
近年、政府の地方創生の方針によって都心を離れて暮らす地方移住などに注目が高まり、そのようなPRコンテンツに目を向ける機会も増えてきました。
特に、コロナ禍をきっかけに移住をはじめ、地方転職などでこれまで目も向けてこなかった地域の魅力が再発掘されてきています。
また同時にリモートワーク化が推奨されるようになり、地方でもIT化を進めようという動きが広まっています。これに伴い、地方PRもこれまで紙媒体が中心だったのが、動画・SNSなどのデジタルへと方向変換を遂げています。
地方のPR動画活用で期待できるメリット
地方におけるPR動画活用では、町おこしや企業誘致、移住者や観光客の増加などが期待できます。石川県でのPR施策について触れる前に、一般的に地方動画PRがもたらすと言われているメリットについてご紹介していきます。
町おこしにつながる
町おこしは、地方のPR活動の最大の目的といっても過言ではありません。地方の魅力を動画に乗せてインターネット上に発信し、いい反応があれば町おこし活動に大きな影響を与えることができます。
町おこしが成功すると地方経済を活性化でき、商店街や地方企業の発展にも寄与します。
企業誘致につながる
PR動画を地方活性化に起用するメリットとして、動画媒体を使うことにより都心にある企業を地方に誘致することができるという点があげられます。
特にコロナ禍をきっかけに、地方自治体をはじめとした機関、または企業に対しオンラインで参画する人材、都内企業の数が増加しています。このような都心にある企業のリソースを地方へ分散する「地方創生」の動きが広まったのも、SNS、動画を活用したPR施策が功をなしたからであると言えます。
また、地方自治体や企業に対するサポート役として都内の企業が参画するだけでなく、都心に本社を構える企業がその一部機能や工場などを地方へ分散させることによって、地方での雇用の増加、税収の確保などを促進することにもつながります。
これらの動きを活性化させるためには各地方自治体などが積極的にPRを行うことが不可欠です。
動画はそのPR施策の中でもイメージ、音声、文字など多くの情報を短時間で伝えることのできるリッチな訴求方法であり、地方の魅力を手短に伝える方法として利用する価値があると言えます。
移住者獲得の後押しとなる
これまでも地方ではPRの方法として、イベントへの参加などをはじめインフラストラクチャーの整備、子育て環境の充実など様々な手を尽くしてきています。
しかしこれらの手を尽くしつつも移住者は増加せず、長らく成果が出ずにいる地方自治体は多く存在します。成果が出ない大きな理由として、PR策に影響がなくあまりターゲットに伝わっていないということが一つ考えられます。
PR効果なしの集客は極めて難しく、いい移住条件だけが整うだけで一向に人は集まりません。
特に行政機関は一般消費者が利用するようなサービス、プラットフォーム等とは接点が少なく、消費者側に直接訴えかけられるようなPR策を講じることが必要不可欠であると言えます。
そんな移住者募集PR策の一つとして、近年注目を浴びているのがこの動画活用です。上記で述べたように、動画自体がリッチなメディアであることから、多くの情報をリズム良く伝えやすい点にメリットがあります。
そんな動画を活用すれば、移住すると一体どのような恩恵が受けられるのか、また地方の生活をイメージしづらい人に対しては地方での暮らしはどんなものであるのかといったリアルな情報を映像でまとめて伝えることが可能になるため、より地方移住を身近なものとして認識してもらいやすくなります。
このように具体的なイメージさえ持ってもらえれば、必然的に「移住したい」と考える人の母数も増えていくと言えます。
インバウンド・訪日観光客の誘致ができる
動画を活用することにより、日本を訪れた外国人観光客の地方への流入が期待できます。
日本語の通じない観光客に対し、英語や別言語を使ってアプローチすることもできますが、日本は年々グローバル化を遂げており、英語だけや中国語だけの限られた言語だけを使用したのではターゲットを全包囲することはできません。
一方動画では言語を使わずに、密度の高い情報を短時間で発信できるため、言葉を使うことなくアプローチをかけることが可能です。
また、より詳細な情報をテキストで付け加える場合にも、動画に翻訳機能や複数言語でのサブタイトルをつけることで対応できます。
特に近年ではPR動画をYouTubeやInstagram、FacebookなどといったSNS上で公開し、拡散を狙う施策などがよく見られます。
石川県のPR動画事例
地方活性化において、動画活用によって得られるメリットについてご理解いただけましたでしょうか。ここでは、上記のようなメリットが得られたPR動画事例について、いくつかご紹介します。
石川県能登町PR動画

能登町や全国移住ナビのアカウントから発信されている、石川県能登町のPR動画です。
動画は能登町へ移住した人の視点で構成されており、自然豊かな土地を雄大に写し出した動画や、町に根付いている伝統的なお祭りの様子などがテンポよく流れていきます。
約4分間の動画では字幕も一緒に「こころ、あばれるとき。それは、”ふるさと”を想うとき。」というメッセージが最後に出てきて、田舎暮らしに憧れを抱かずにはいられない魅力的なコンテンツとなっています。
英語での翻訳も動画内に掲載されており訪日観光客にも魅力が伝わるため、一つの動画で複数のターゲットに訴求できる好事例と言えます。
心のプラカード イカの町能登小木Ver.

AKB48公式動画にも採用されている、「心のプラカード イカの町能登小木Ver.」の動画事例です。
イカの町能登小木を笑顔にすること、能登小木の文化・魅力を発信することをテーマに、能登小木の「船凍イカ荷揚げ中」のシーンをはじめとした特徴的なシーンや、地元の学校、消防団、留学生や地元企業などを巻き込んだ動画構成となっています。まさに現地の人たちによって作られた、温かみのある動画に仕上がっています。
地方のPR動画活用を行う際の注意点
実際に動画を活用する際にはいくつかの落とし穴が存在します。ここでは、地方PR動画を効果的に運用するために押さえておくべき注意点をご紹介していきます。
ターゲットを明確にする
PR動画は幅広い層に届けられる一方で、誰に向けたものかが不明確だと、訴求効果が大きく下がります。
例えば、「観光客向け」と「移住希望者向け」では伝えるべき情報がまったく異なります。観光客には観光地や食文化の魅力を、移住希望者には暮らしやすさや子育て環境を重点的に訴求する必要があります。
ターゲットを定めたうえで、動画のシナリオ・尺・映像表現を調整することで初めて高い効果が得られます。
動画の長さに注意する
魅力を詰め込みたいあまり、5分以上の長尺動画を制作してしまう自治体も少なくありません。しかし、SNSやYouTubeなどで視聴される動画は2〜3分以内が中心であり、長すぎる動画は途中離脱につながります。
もし伝えたい要素が多い場合は、複数本に分けてシリーズ化したり、短尺のダイジェスト動画を作成してSNS用に展開するなど工夫することが大切です。
ストーリー性や地域独自の視点を持たせる
地方の魅力を紹介するPR動画は全国各地で量産されており、差別化を図らなければ埋もれてしまいます。よくある失敗は「観光地を並べただけの映像」や「単なる説明的ナレーション」です。
視聴者が感情移入できるストーリーや、住民の声・移住者の体験談を取り入れることで、他地域との差別化が可能になります。単なる映像集ではなく、「この町に行ってみたい」「ここで暮らしてみたい」と思わせる物語性が不可欠です。
権利関係・表現内容に配慮する
動画制作においては音楽や映像素材、出演者の肖像権など権利関係を十分に確認する必要があります。特に地方PR動画では、地域の住民や観光客が映り込むことが多いため、無断使用はトラブルの原因になります。
また、地域文化を紹介する際には誤った表現や偏った切り取り方をしないよう注意が必要です。意図せず地元住民の反感を買うケースもあるため、制作段階で地域関係者に確認を取ることが望まれます。
まとめ
地方のPR活用について、石川県のPR動画事例とともにご紹介しましたがいかがだったでしょうか。町おこしや企業誘致、移住者や訪日観光客を集めることができるなど、地方PRにおける動画活用のメリットをご理解いただけたかと思います。
石川県の動画事例を参考に、ぜひ地方活性化施策として動画活用をご検討ください。