医療用器具のメーカーが動画を活用するメリット
医療用器具業界において、動画は今や単なるプロモーション手段ではなく、多面的な目的において欠かせないツールとなりつつあります。ここでは、医療用器具メーカーが動画を活用することで得られるメリットを以下にまとめました。
製品の複雑な構造や操作性を視覚的に伝えられる
医療用器具は、高度な精密性や機能性を備えた製品が多く、その特長や操作手順を紙のマニュアルやWebサイト上のテキストだけで伝えるのは限界があります。そこで役立つのが動画です。
製品の内部構造や使い方、特徴的な動きなどを映像とナレーション、テロップを交えて紹介することで、医師や医療従事者、購買担当者にとって格段に理解しやすくなります。
実際に製品を使用するシーンを動画で提示することで、「導入後の具体的な使用イメージ」が視聴者の頭に浮かびやすくなり、購買意欲の向上につながります。
信頼性や品質の高さを直感的に訴求できる
医療機器を選定する際には、製品の性能だけでなく「メーカーの信頼性」や「品質管理体制」も重視されます。
動画では、製造ラインやクリーンルームでの作業風景、社員のインタビューなどを通じて、目に見える形で「品質へのこだわり」や「真摯な企業姿勢」を伝えることができます。
こうした映像表現は、製品スペック以上に強い安心感を与え、競合他社との差別化につながります。特に海外展開を視野に入れている企業であれば、動画の多言語対応により、国を問わず共通の信頼感を醸成できます。
採用活動においても企業ブランディングを高められる
医療用器具メーカーの多くが抱えている課題のひとつが「人材確保の難しさ」です。特に中小企業やBtoBメーカーでは、知名度が低いために学生や求職者に選ばれにくい傾向があります。
そこで有効なのが、会社の雰囲気や働く社員の姿を映した採用動画です。動画であれば、社員の声や表情、社内の様子をリアルに伝えることができ、文字情報よりも圧倒的に企業の「温度感」や「カルチャー」が伝わります。
「自分もこの会社で働けそう」と感じてもらうことで、応募数の増加やミスマッチの減少が期待できます。
内部向け教育・技術継承にも活用できる
製品マニュアルや技術資料を動画化することで、社内教育や技術伝承にも効果を発揮します。特に新人研修や海外拠点への技術指導では、言葉の壁や説明の個人差によって情報が正確に伝わらないことがあります。
動画であれば、いつでも・どこでも・同じ品質の内容を提供できるため、教育の平準化や研修時間の短縮に寄与します。熟練スタッフの技術やノウハウを記録しておけば、退職や異動による技術の属人化リスクも防げます。
医療用器具のメーカーが取り入れたい動画活用法5選
医療用器具のメーカーが取り入れられる動画の活用法はさまざまですが、今回はそれらの活用法の中でも特におすすめの活用法を5つ紹介していきます。
すべて取り入れる必要はないので、取り入れられそうなものがあればぜひ取り入れてみてください。
メーカー(会社)の紹介動画
医療用器具を販売しているメーカーが動画の活用に取り組む場合、まず初めに制作しておきたいのがメーカー(会社)の紹介動画です。
この動画は自己紹介的な要素を含む動画になり、企業が動画の活用に取り組む上で必ず用意しておくべき動画になります。
メーカーの概要や歴史、製造・販売している製品、得意としている領域などについてコンパクトにまとめ、会社の魅力を伝えられる動画を制作しましょう。
それぞれの製品については、製品紹介動画を制作し、そこでしっかりと紹介していくので、メーカーの紹介動画でそれぞれの製品を細かく紹介する必要はありません。
あくまでメーカーのことをユーザーに知ってもらうための入り口になる動画だと言うことを意識し、制作するようにしましょう。
製造・販売している製品の紹介動画
メーカー(会社)紹介動画でメーカーのことを知り、「このメーカーはどんな医療機器を作っているんだろう?」と興味を持ってくれたユーザー向けに用意しておきたいのが、製造・販売している製品の紹介動画です。
製品の概要や特徴、他の製品よりも優れているところなど、ユーザーが製品を購入する上で気になるであろう情報を含め、思わず導入したくなったり問い合わせてみたくなるような動画を制作しましょう。
製品のマニュアル動画
医療用器具は、その製品の特性上どうしても操作が複雑になってしまいがちです。
そのため、マニュアルが用意されていますが、テキストと画像がメインになる紙のマニュアルだとどうしても伝わりにくくなってしまいます。
そこでぜひ用意してほしいのが、製品のマニュアル動画です。
マニュアルを動画化すれば、製品の操作方法を映像で伝えることができるため、紙のマニュアルとは比べものにならないほどわかりやすいマニュアルを用意することができます。
また、動画のマニュアルはスマートフォンなどのデバイスに保存したり、URLを共有して閲覧したりすることもできるため、マニュアルを常に手元に置いておく必要がありません。
このように利便性が高いので、顧客の満足度の向上にもつながります。
スタッフ紹介動画
最近はどのメーカーも非常に優れた機能を備えた医療用器具を製造し、販売しています。
それぞれのメーカーは独自の路線を見つけ、アピールしようと躍起になっていますが、ある程度機能が充実してくるとどうしても機能面での差別化を図りにくくなってしまいがちです。
そこで差別化の手段の一つとして用意しておきたいのがスタッフ紹介動画です。
ユーザーの中にはどういった現場でどういった人が作っているのかを気にするタイプの人もいます。
それが人の命を預かる医療用器具となればなおさらです。
そういったユーザーに向けて現場の様子や現場で働くスタッフの人となりが伝わるような動画を制作し、スタッフ紹介動画として配信することで、他社製品との差別化につながり、製品の購入を検討してもらえるようになります。
採用動画
動画はマーケティングにのみ活用されるものではありません。
採用活動にも活用できます。
最近は少子高齢化の影響もあって人材の確保が難しくなってきています。実際、「採用活動にかかるコストが年々増加している…」と頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか?
そこでぜひ取り入れたいのが「採用動画」です。企業の魅力を伝える動画を制作し、就活中の学生や中途採用を狙っている転職希望者に向けて配信していきます。
動画は映像を活用してアピールできるため、自分がその会社の一員として働く姿をイメージしてもらいやすいという強みがあります。
実際、採用動画を制作して活用しているメーカーも多いので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
実際に動画を活用している医療用器具メーカーの活用事例3選
医療用器具のメーカーが先ほど紹介した方法で動画の活用に取り組む場合にぜひチェックしてほしいのが、すでに動画を取り入れているメーカーの活用事例です。
すでに動画を取り入れているメーカーの活用事例を参考にすることで、より魅力的な動画を制作できるようになりますし、より効果的に動画を活用できるようにもなります。
ここでは、特に参考になりそうな3つの活用事例をピックアップしてみました。
株式会社島津製作所

京都府に本社を構える日本を代表する医療機器メーカー「株式会社島津製作所」。
株式会社島津製作所は、X線TVシステムや血管撮影システムなどの画像診断機器に定評があるメーカーです。
株式会社島津製作所はYouTubeに公式のチャンネルを設け、そこに複数の動画をアップしています。
こちらの動画はその公式チャンネルにアップされている動画の一つで、メーカー(会社)の紹介動画です。
自社でおこなっている事業について映像とナレーションをまじえながら紹介しています。
株式会社島津製作所は医療機器以外の製品も製造しているため他の事業の紹介まで含められた動画となっていますが、シンプルでわかりやすい構成はメーカーの紹介動画を制作する際の参考になるはずです。
Terumo Corporation

東京の渋谷に本社を構える大手の医療用器具メーカー、「テルモ株式会社」。
テルモ株式会社はカテーテルの分野に注力しているメーカーで、その分野のパイオニア的企業として知られています。
こちらの動画もカテーテル治療に関する動画で、カテーテル治療の手順についてCGを交えながらわかりやすく解説しています。
テルモ株式会社では、この動画をコーポレートサイトに埋め込む形で活用することを想定して制作しているようです。
動画はYouTubeなどの動画配信プラットフォームやSNSで発信するだけでなく、コーポレートサイトなどWebサイトのコンテンツを充実させるために活用することもできます。
コニカミノルタジャパン

複合機などのオフィス向けソリューションで有名な「コニカミノルタジャパン」。
どうしてもオフィスソリューションのイメージが強いコニカミノルタジャパンですが、医療用器具の分野でも高く評価されています。
オフィスソリューションで得た治験を医療用器具に活用し、より操作性の高い医療用器具を製造・販売している点がコニカミノルタジャパンの強みの一つです。
こちらの動画はコニカミノルタジャパンが製造・販売している医療用器具の一つであるSNiBLE yb(スナイブル yb)の製品紹介動画です。
実際に医療現場で使用している映像を交えながら、テロップで製品の魅力を伝えるという構成の動画となっています。
製品紹介動画を制作する際に参考にしたい活用事例の一つです。
まとめ
実際に動画を取り入れているメーカーの活用事例に触れながら、医療用器具のメーカーにおすすめの動画の活用法について紹介してきました。
医療用器具は非常に専門的な精密機械ということもありテキストや画像ベースの資料で魅力的にPRするのが難しい商材と言えますが、動画はその弱点をカバーしてくれます。
テキストや画像を用いて何度も説明するよりも製品紹介動画を一度見てもらった方がその医療用器具の魅力が伝わりますし、成約にもつながるはずです。
また、動画は採用活動などマーケティング以外の部分にも活用できるので、今回紹介させてもらった内容を参考にしながら、ぜひ活用してみてください。