建築会社が動画を活用するメリット
動画を活用したマーケティングは、多くの業界で主流となりつつありますが、中でも「建築業界」との相性は非常に良好です。ここでは、建築会社が動画を活用するメリットを紹介していきます。
視覚的な訴求力で空間の魅力を的確に伝えられる
建築会社が扱う住宅や施設は、完成後の空間そのものが最大の商品です。しかし、図面や静止画ではその空間の広さ、光の入り方、素材の質感などを十分に伝えることは困難です。
ルームツアーやハウスツアーといった映像は、視聴者がその場を実際に歩いているかのような体験を提供でき、住まいの魅力を直感的に伝えることが可能です。
さらに、ドローンやジンバルなどの撮影機材を活用すれば、スムーズな移動映像や外観の俯瞰など、従来の広告手段では表現しきれなかった部分まで訴求できるようになります。
顧客の信頼を獲得しやすくなる
建築において顧客が最も重視するのは「信頼できる会社かどうか」です。住宅建築は人生で何度もない大きな買い物であり、施工不良や対応トラブルが発生すれば、顧客の生活そのものに影響を及ぼします。
そのため、安心して任せられる会社であることをいかに証明できるかが、集客や成約に直結します。
そこで有効なのが、「仕事の様子」や「スタッフ紹介」をテーマにした動画です。実際に現場で働く職人の様子や、営業スタッフが丁寧に打ち合わせをする様子を映像で紹介することで、顧客は顔が見える会社として信頼感を抱きやすくなります。
採用活動や社内研修にも効果的
建築業界では人材不足が深刻化しており、優秀な人材を確保するためには選ばれる会社づくりが必要です。
採用動画では、実際に働く社員の声や現場の様子、企業文化を映像で伝えることで、求職者に安心感と親近感を与えることができます。
また、新人教育や技術指導においても、研修マニュアルを動画化することで、指導の標準化と効率化が図れます。特に現場作業が多い業種では、「手順を実際に見せる」ことが理解のスピードを大きく高めるポイントになります。
セミナーやオンライン相談の質を向上できる
近年はオンラインでの住宅相談やセミナーも一般化しつつありますが、テキストや静止画像だけでは情報の伝達に限界があります。
建築会社が動画を活用することで、施工事例の紹介や住宅性能の解説など、よりリアルで説得力のあるセミナーが可能になります。
また、動画を事前に視聴してもらったうえでの個別相談を組み合わせることで、問い合わせから成約までのリードタイムを短縮する効果も期待できます。
建築会社が取り入れたいおすすめの動画活用法7選
建築会社が取り入れられる動画の活用法にはさまざまな方法がありますが、今回は特に高い効果の見込める定番の活用法を7つ厳選しました。
すべて取り入れる必要はありませんので、気になるものや自社と相性の良さそうなものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。
会社の紹介動画
建築会社が動画の活用に取り組む際、まず制作したいのが会社の紹介動画です。
会社の概要や活用事例などをコンパクトにまとめたプロモーション用の動画を制作しましょう。
活用事例などについては別途個別に動画を制作するので、この動画で細かく紹介する必要はありません。
こちらの動画はあくまでも会社自体を紹介するための動画となり、会社に興味を持ってもらうため、あるいは興味を持ってくれたユーザーに来訪や問い合わせを促すためのものになるので、動画を長くし過ぎてしまうのは得策ではありません。
長くても3分程度にまとめ、動画の最後でWebサイトや問い合わせフォームに誘導しましょう。
ハウスツアー・ルームツアー動画
最近YouTubeやInstagramなどの画像や映像をメインとしているSNSで人気を博しているのが、ハウスツアー動画やルームツアー動画です。
人気のチャンネルやユーザーは数十万人のフォロワーを獲得していますし、人気の動画は数十〜数百万回再生されています。
実際、施工した住宅のハウスツアー動画やルームツアー動画を撮影して公開している建築会社も少なくありません。
ハウスツアー動画やルームツアー動画は施工した住宅の様子を映像で伝えることができるので、活用事例の紹介に臨場感をプラスすることができます。
住宅の購入や問い合わせにもつながりやすいタイプの動画なので、建築会社が取り入れるべき動画の活用法としてはイチオシの活用法だと言えるでしょう。
仕事の様子を紹介する動画
住宅の建設を建築会社に依頼する際に施工主が気にかけるのが、建築会社が誠実に施工してくれるかどうかについて。
住宅の建設は施工不良などのトラブルが多いですし、何より数千万という大金が絡むため、施主としてはどうしても「信頼できる業者に任せたい」という思いが強くなってしまいがちです。
その施主の不安を少しでも払拭するために用意しておきたいのが、仕事の様子を紹介する動画です。
従業員が実際に住宅を建設している様子を撮影して公開することで、施主に安心して依頼してもらえるようになります。
スタッフの紹介動画
より安心し、信頼してもらいたいと考えるのであれば、スタッフ紹介動画も制作するべきです。
社長や社員にインタビューし、その様子を動画にしましょう。
会社で働くスタッフの人となりを理解してもらうことで施主に安心してもらい、信頼の獲得へとつなげていきます。
魅力的なスタッフの存在や魅力的な動画を用意できるかどうかにもよりますが、魅力的な動画を用意できれば、
「この人に依頼したい!」
「この人が働いている会社なら安心して依頼できる!」
と感じてもらえるようになり、受注につながる可能性が高くなります。
採用動画
動画はマーケティングにのみ活用できるものではありません。
採用動画として人材の採用にも活用できます。
採用を有名なサービスに頼っているという建築会社も少なくないかと思いますが、そうなるとどうしてもコストがかさんでしまいます。
一方、採用動画を制作してYouTubeやSNSにアップすれば、コストを抑制しつつ人材を採用できるようになるので、採用にコストがかかりすぎてしまっている建築会社におすすめです。
研修動画
新卒や中途採用で新しい人材が入ってくると、必ず研修が必要になります。
ただ、よほど人員に余裕のある会社でない限りつきっきりで指導するということはできないはずです。
そこで必要になるのが新入社員用の研修マニュアルですが、テキストや画像ベースのマニュアルには伝わりにくいというデメリットがあります。
そこで活用してほしいのが研修動画です。
マニュアルを動画化することで、新入社員の理解度が高まります。
また、動画には短い時間でより多くの情報を伝えられるという特性があるので、研修の効率化にもつながります。
動画を活用したセミナー
問い合わせをおこなうなど自社に興味を持ってくれたユーザーに対して実施するセミナー。
セミナーでの成約率を高めたいと考えているのであれば、テキストや画像ベースの資料ではなく動画を活用しましょう。
動画には、
・短時間でより多くの情報を伝えられる
・映像や音声、テロップなどさまざまな表現方法で情報を伝えられる
・細かな部分やニュアンスを理解してもらいやすい
など、さまざまなメリットがあります。
また、活用事例を動画で紹介すれば、セミナーに参加したユーザーの熱が高まり、より成約につながりやすくなります。
動画を活用している建築会社の活用事例2選
動画の活用法とあわせてチェックしておきたいのが、動画を活用している建築会社の活用事例について。
動画を取り入れている会社の活用事例を細かくチェックすれば、より魅力的な動画を作るためのヒントが見えてきます。
集客や会社の認知度を高める目的で動画を活用している建築会社の活用事例を2つ紹介していきます。
建築プランナー株式会社

福岡県福岡市にある建築会社、「建築プランナー株式会社」。
建築プランナー株式会社はYouTubeやInstagramなどを駆使し、マーケティングに動画を積極的に活用している建築会社です。
こちらの動画は施工した住宅を紹介しているルームツアー動画になります。
Instagramのライブ配信の映像をそのまま公開しているためかなり長い動画になっていますが、その分細部まで紹介されています。
ライブ配信はユーザーの質問にその場で答えられるというメリットがあるので、動画の活用に慣れてきたタイミングでYouTubeやInstagramのライブ配信機能を活用してライブ配信に挑戦してみるのもおすすめだと言えるでしょう。
向井建設株式会社

東京都の千代田区に本社を構える建築会社、「向井建設株式会社」。
向井建設株式会社は、YouTubeに公式のチャンネルを開設して複数の動画をアップする形でマーケティングに動画を活用している会社の一つです。
こちらの動画は新卒向けの採用動画で、実際に向井建設株式会社で働いている先輩社員が目標や仕事のやりがいについて語っています。
かなり短めの動画ですが、働いている方の顔を見ることができますし、どういった目標を持って働ける職場なのかわかるようになっているので、会社に興味を持ってもらう目的での採用動画としては十分だと言えるでしょう。
職種別の採用動画もアップされていて、採用動画を制作する場合、それらの動画も非常に参考になります。
まとめ
マーケティングに動画を活用している建築会社の活用事例を交えながら、建築会社におすすめの動画の活用法について紹介してきました。
動画は、マーケティングに活用することもできますし、研修用として活用することもできます。
会社に興味を持ってくれた顧客向けにセミナーを開催し、動画を使って顧客を教育して成約につなげることも可能です。
どの活用法も上手くいけば大きな効果をもたらしてくれるものばかりですので、取り入れやすそうなものから取り入れてみてはいかがでしょうか?