弁理士事務所が動画を活用すべき理由
弁理士は弁護士や税理士と比べて一般的な認知度が低く、「どんな仕事をしているのか」「どう依頼すればよいのか」が十分に伝わっていないのが現状です。
こうした状況を踏まえると、弁理士事務所にこそ動画の活用が必要だといえます。ここでは、弁理士事務所動画を活用すべき理由を解説していきます。
専門性を分かりやすく伝えられる
特許や商標の手続きは専門用語が多く、一般の企業担当者や個人発明家にとっては複雑に感じられます。文章やパンフレットでは理解が難しい内容も、動画なら図解やアニメーション、ナレーションを組み合わせて直感的に説明できます。
「出願から登録までの流れ」「費用の目安」「依頼後に必要な対応」などを動画化することで、依頼者は安心して相談できるようになり、事務所への問い合わせにもつながります。
信頼感と安心感を可視化できる
弁理士に依頼する際、利用者が最も重視するのは「信頼できるかどうか」です。スタッフの顔や事務所の雰囲気を動画で伝えることは、文字情報よりもはるかに大きな安心感を与えます。
特にスタッフ紹介動画やインタビュー形式の動画は、人柄や誠実さを自然に伝えることができ、初めての依頼者の心理的ハードルを下げます。知的財産という機密性の高い業務を任せるにあたり、「誰が対応してくれるのか」を見せることは極めて有効です。
集客とブランディングの両立が可能
検索エンジンやSNSでは、動画コンテンツの露出機会が年々増えています。特にYouTubeは「調べ物をする場」として利用されることも多く、「特許 出願 方法」「商標 登録 流れ」といった検索から動画へと流入するケースが増えています。
動画を通じて知識を提供しつつ、事務所の存在を自然にアピールできれば、新規顧客獲得とブランディングを同時に実現できます。単なる広告ではなく「役立つ情報発信」として位置づけられる点が大きな強みです。
他士業との差別化
弁護士や税理士などの士業はすでに動画活用を進めていますが、弁理士業界ではまだ導入が進んでいないのが現状です。だからこそ、いち早く動画を取り入れることで差別化を図ることができます。
「動画で情報発信をしている弁理士事務所」というだけでも他事務所との差別化になり、見込み顧客にとっては「先進的で信頼できる事務所」という印象を与えることが可能です。
弁理士事務所が取り入れたい動画活用法6選
個人で活動する弁理士や弁理士事務所が取り入れられる動画にはさまざまな活用法があります。
今回は、それらの中でも特に高い効果が期待できる動画の活用法を6つ厳選して、紹介していきます。取り入れられそうなものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。
事務所の紹介動画
弁理士事務所が動画の活用に取り組む際、まず用意しておきたいのが事務所の紹介動画です。
弁理士事務所に仕事を依頼したいと考えており、その上で動画を見てくれるユーザーは、すべての動画に目を通してくれるユーザーばかりではありません。
むしろ動画を積極的に見てくれるユーザーの方が少ないと考えるべきです。そういったユーザー向けに用意しておきたいのが事務所の紹介動画です。
ユーザーはどういった弁理士事務所かがわからない状態では仕事を依頼してくれません。
仕事を依頼してもらうためのファーストステップとして、事務所の概要やどういったサービスを提供しているのかを一つの動画にコンパクトにまとめた事務所の紹介動画をユーザーに視聴してもらう必要があります。
サービス紹介動画
事務所の紹介動画を見て興味を持ってくれたユーザーや「この事務所に依頼してみようかな」と思ってくれたユーザー向けに用意しておきたいのが、サービス紹介動画です。
事務所の紹介動画でもサービスの大まかな概要については紹介しますが、サービス紹介動画では、提供しているサービスについてより詳細に紹介していきます。
サービスの概要をより詳しく紹介するのはもちろん、料金についても伝えるようにしましょう。
また、サービスを利用する際の流れについても動画内で解説しておくと親切です。
ユーザーがサービスを利用する上で気になる点や不明点を動画でつぶしておくと、サービスに申し込んでもらいやすくなります。
スタッフ紹介動画
弁理士事務所を利用するユーザーは、ビジネスの根幹に関わる「特許」の出願に関する手続きを弁理士事務所に一任することになります。
そのため、いかに信頼してもらえるかが依頼してもらうための鍵になるわけですが、ユーザーを安心させ、信頼してもらうために用意しておきたいのがスタッフ紹介動画です。
どういったスタッフが働いているかが見えてこない事務所より働いているスタッフの顔が見える透明性の高い事務所の方を利用したいと考えるユーザーの方が多いので、スタッフの人となりがわかる動画を制作し、公開するわけです。
スタッフ紹介動画が決め手となるケースも少なくないので、ぜひ制作するようにしましょう。
採用動画
弁理士事務所の運営はスタッフがいなくては成り立ちません。また、依頼が多い弁理士事務所になると、代表以外の弁理士を雇う必要も出てきます。
そこで用意しておきたいのが採用動画です。
採用動画を用意しておけば採用活動にかかるコストを大幅に削減することができます。
何より、事務所の様子がわかる映像を通して採用活動をおこなうことでどういった事務所なのかが伝わりやすくなり、応募してみたい・働いてみたいと思ってもらえるようになるので、採用を考えている弁理士事務所は、ぜひ
採用動画を取り入れてみてください。
知識系の動画
弁理士事務所を紹介する動画やサービスの紹介動画は弁理士事務所が動画の活用に取り組む上で絶対に制作しておくべき欠かせない動画です。
しかし、それらの動画はすでに弁理士事務所の存在を知っているユーザー向けの動画であるため、多くのユーザーを集客することはできません。
そこで用意しておきたいのが知識系の動画です。特許や特許の登録に関する情報を求めているユーザーはたくさんいるので、そういったユーザー向けに特許に関する情報を発信し、集客したユーザーに対して弁理士事務所やサービスについて宣伝するようにしましょう。
そうすることで潜在的な顧客の獲得につなげられるようになります。
ユーザーへのインタビュー動画
実際にサービスを利用したユーザーの口コミは、サービスを利用するかどうか迷っているユーザーの背中を押してくれます。
そこで用意しておきたいのがユーザーへのインタビュー動画です。実際に弁理士事務所を利用してくれたユーザーにインタビューを敢行し、事務所に対するイメージや満足度などについて語ってもらいましょう。
ただ、インタビュー動画が機能するのはサービスの質が高い場合のみです。
ユーザーからの評価が低い状態でインタビューを敢行して動画を制作してもプラスに働くことはありませんので注意してください。
実際に動画を活用している弁理士や弁理士事務所の活用事例2選
個人で活動している弁理士や弁理士事務所が動画の活用に取り組むときに参考にしてほしいのが、すでに動画を取り入れている弁理士や弁理士事務所の活用事例です。
すでに動画を取り入れて上手く活用している弁理士や弁理士事務所の活用事例をチェックすることで、動画の活用に関するさまざまなヒントが見えてきます。
ここでは、特に参考になりそうな活用事例を2つピックアップしてみました。
将星国際特許事務所

神奈川県鎌倉市にある特許事務所、「将星国際特許事務所」。
将星国際特許事務所には特許に詳しい弁理士が在籍し、特許の出願や登録などをサポートしています。
こちらの動画は、将星国際特許事務所の公式YouTubeチャンネルにアップされているユーザーへのインタビュー動画です。
サービスを利用したユーザーの声を映像として残し、利用を検討しているユーザーへのPRに活用しています。
動画では、
・なぜこちらの事務所に依頼したのか
・サービスの質や対応に対する評価
などについて語られています。
実際に動画を視聴してもらえるとわかりますが、将星国際特許事務所の対応や仕事に対する姿勢が伝わってくる動画に仕上がっており、思わず問い合わせてみたくなります。
インタビュー動画を制作する際に参考にしたい動画の一つです。
理系弁理士 Science Japanese patent attorney

10年以上中小企業や零細企業の特許出願などをサポートしてきた弁理士のはじめさんが運営しているYouTubeチャンネル、「理系弁理士 Science Japanese patent attorney」。
このチャンネルでは、知的財産に関するさまざまな情報が動画としてアップされています。
こちらの動画は、日本の企業が中国に進出するときの知財戦略に関する動画となります。最近は中国に進出する企業が増えてきていますが、その際にネックになるのが知的財産をどう守るかについてです。
実際にトラブルに発展することも多いようで、そういったトラブルをどのようにして防げばいいのかについて語られています。
まとめ
動画を取り入れて活用している弁理士や弁理士事務所の事例に触れながら、弁理士や弁理士事務所におすすめの動画の活用法について紹介してきました。
事例としても紹介した通り、まだまだ数は多くありませんが、動画を取り入れる弁理士や弁理士事務所は確実に増えてきています。
これからはどの業界においても動画の重要性が増すと予想されていますが、動画の活用が当たり前になってから取り入れるよりも、まだ取り入れている弁理士や弁理士事務所が少ない今の時点から積極的に取り入れるべきです。
今回紹介させてもらった動画の活用法と事例を参考にしながら、動画の活用に取り組んでみてはいかがでしょうか?