動画広告を取り入れる前に知っておきたい動画広告の市場規模と動画広告市場の今後

動画広告市場の伸び率と今後

インターネット広告事業で有名なサイバーエージェントは、動画広告市場に関するデータを定期的に公表しています。
そのサイバーエージェントのデータによると、2020年には2,954億円だった動画広告の市場は2022年には5,497億円の規模になると予想されており、2025年には1兆465億円の規模にまで成長すると想定されています。

つまり、5年間でその市場は3.5倍の規模にまで成長するのではないかと考えられているわけです。
こちらのデータは動画広告市場の関係者にヒアリングして算出されているものですが、実際にその業界で働いている関係者がそう語っているわけですから、その勢いは相当なものであると考えられます。

この驚異的な市場規模の伸びにはさまざまな要素が関係しています。
ただ、やはり動画が一般的で身近なものになり、その流れにのる形でさまざまな企業が動画広告を積極的に活用するようになってきたという点が最も大きな影響をあたえていると考えられるでしょう。

驚異的な伸びを見せている動画広告を取り入れるときに知っておきたい基礎知識

動画広告の市場の驚異的な伸び率を見て、「ますます動画広告に興味がわいた」という経営者や担当者も少なくないかと思います。
そこでここからは、実際に動画広告を取り入れるときに知っておくべき動画広告の基礎知識について解説していきます。

動画広告とは

動画広告を取り入れる上でまず理解しておきたいのが、動画広告の概要についてです。
動画広告とは、その名称のとおり動画が主体となっている広告を指す言葉です。
これまでインターネット広告といえば、リスティング広告などテキストが主体の広告やバナー広告など画像が主体となっている広告が一般的でした。

動画広告の認知が高まってきたのは有名動画配信プラットフォームのYouTubeがGoogleに買収された辺りからです。
動画に広告が表示されるようになり、それが徐々に形を変え、動画の再生がスタートする前や動画の途中、動画の再生後にテレビCMのような動画広告が表示されるように変化してきたわけです。

最近はYouTubeだけでなく、SNSのフィードや、Webサイトのサイドバーやコンテンツの途中などさまざまな媒体にさまざまな形で動画広告が表示されるように変化してきています。

動画広告の種類

ひとくちに「動画広告」と言ってもその種類はさまざまです。
ただ、大きく分類すると「インストリーム広告」と「アウトストリーム広告」の2つに分類することができます。

インストリーム広告は、動画コンテンツを視聴する際に表示される広告です。
YouTubeで動画を視聴する際に表示される動画広告などが、このインストリーム広告に該当します。
インストリーム広告の種類と概要については以下のとおりです。

・プレロール広告：動画の再生される前に流れる動画広告
・ミッドロール広告：動画を再生している途中で流れる動画広告
・ポストロール広告：動画の再生が終了した後に流れる動画広告

また、インストリーム広告にはスキッパブル型とノンスキッパブル型という2つの形式があります。
スキッパブル型は指定された秒数広告を視聴すると広告の再生をスキップできるタイプの動画広告です。
一方、ノンスキッパブル型の動画広告は途中でスキップすることができず、最後まで広告を再生し続ける必要があります。

次にアウトストリーム広告についてですが、アウトストリーム広告は動画の再生画面とは異なる位置に設置されている動画広告です。
SNSのフィード内に差し込まれていたり、Webサイトのバナーが表示される箇所に設置されていたりします。

また、Webサイトでページが遷移するときに表示されるタイプの広告もあります。
このように、動画広告にはいくつか種類があり表示される場所や表示のされ方が異なるため、どの方法で広告を出稿するかがとても重要になります。

動画広告の始め方

動画広告の始め方は広告を出稿する媒体によって異なりますが、広告を出稿するためのアカウントを制作して広告の配信を申請し、審査が完了すれば広告が出稿されるという基本的な流れは一緒です。
ただ、先ほども紹介したとおり、YouTubeの動画広告一つとってもいくつか種類がありますし、再生のされ方も異なります。

出稿の方法や料金体系、広告を出稿する際のルールなどはそれぞれの媒体によって異なるので、広告を出稿したい媒体の出稿方法を確認しながら出稿の手続きを進めるようにしてください。

始める前に理解しておくべき動画広告のメリットとデメリット

売上の向上や認知度アップのために動画広告を取り入れたいと考えているのであれば、動画広告のメリットとデメリットについても把握しておかなくてはいけません。
ここからは、動画広告のメリット・デメリットについて解説していきます。

動画広告のメリット

動画は表現方法が多彩です。
テキスト広告で用いられるテキストやバナー広告に用いられる画像といった表現方法に加え、

・映像
・音声
・アニメーション

など、他の広告だと取り入れることができない多彩な表現方法でユーザーにアプローチできます。

この特性によって広告自体のインパクトが強くなりやすいため、ユーザーに注目してもらいやすいという強みもあります。
実際、「もともと興味のなかった動画広告でもつい最後まで見てしまった」という経験をしたことが有る方も多いのではないでしょうか？

広告はユーザーに見てもらえて初めて効果を発揮するものなので、その点において動画広告は非常に優れていると言えます。
インパクトが強いとSNSなどでも拡散されやすくなりますが、それも動画広告の強みの一つです。

また、動画広告は商品のディティールを細かな部分まで見せるのに適しており、商品のイメージがより伝わりやすくなるというメリットもあります。

動画広告のデメリット

動画広告の主なデメリットとしては、制作するのに手間がかかる点とその他の形式の広告に比べて制作するのに費用がかかる点があげられます。
動画広告は映像を撮影しなくてはいけませんし、それらの素材を編集して形にしなくてはいけないため、どうしても手間がかかります。

企業がビジネスで活用する場合クオリティの低いものは出せないので、なおさら時間と手間がかかると考えておくべきです。
また、制作するのに時間と手間がかかるため、制作を外注する場合も他の広告を外注するときよりコストがかかる傾向にあります。

まとめ

動画広告を導入するべきかどうか迷っているという方向けに、導入するべきかどうかを判断するための指標となる動画広告の市場規模について紹介していきました。
今回紹介してきたように、動画広告の市場は驚異的な伸び率で毎年伸び続けています。
これは、他の広告にはないさまざまなメリットが動画広告にはあるからです。

インターネット広告には動画広告以外にもさまざまな広告があるため、それらも取り入れるべきではありますが、今からインターネット広告を利用し始めるのであれば動画広告に注力するべきだと言えるでしょう。
動画広告が気になっている経営者や担当者は、今回紹介させてもらった動画広告の始め方を参考に、ぜひ動画広告を自社のビジネスに導入してみてはいかがでしょうか？