この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 複数の映像素材を組み合わせた動画を制作したい
- ✅ 撮影・編集・共有を一元管理できる仕組みを整えたい
- ✅ 社内で動画制作を効率化し、外注コストを削減したい
- ✅ 商品紹介・研修・社内広報など多用途の動画を簡単に作りたい
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「分割」と「トリミング」の違いとは?
まず始めに把握しておきたいのが、分割とトリミングの違いについてです。分割とトリミングは動画を編集する際の作業の一つですが、それぞれ異なる点があります。
分割は、その名のとおり動画を分割する作業を指します。動画編集では、撮影した素材をそのまま使用することはありません。なぜなら、どの素材にも必ず不要な部分が存在するからです。
例えば、特定の風景や製品を写した映像が10秒間続いたとしましょう。代わり映えのしない映像は間延びしている印象が強く、ユーザーを退屈させてしまいます。
退屈させてしまうと離脱につながりかねないので、動画編集では、ユーザーが退屈しないテンポで不要な部分や間延びした部分を切り取る形で編集をおこなっていきます。これが動画編集における「分割」です。
一方、「トリミング」は、動画の使用したい部分を抽出する作業を指します。例えば、撮影した映像の真ん中に使用したい映像がある場合、映像の最初と最後を取り除き、使用したい真ん中の映像だけを抽出するようなイメージです。
トリミングでは、映像をカットしてつなげるような作業はおこないません。分割とトリミングにはこのような違いがあります。
画面分割動画とは?
画面分割動画とは、複数の異なる映像を並べて作成する動画を指します。
例えば、同じ場所から定点で撮影した街の風景を伝える動画を制作する際に、画面の左側に昼の風景の映像を挿し込み、画面の右側に夜の風景の映像を挿し込むようなイメージです。ビフォーアフターを表現したいときなど、それぞれの映像を比較したいときによく用いられます。
分割する際の画面の大きさは必ずしも同じ大きさに揃える必要はありません。一方の映像を大きく表示し、もう一方の映像をワイプのようなサイズで表現することもできます。
画面を分割し、2つの動画を並べる方法
画面を分割して2つの動画を並べたい場合、動画編集ソフトを使用するのが一般的です。動画編集ソフトには無料で使用できるものと有料のものがありますが、画面分割動画は無料ソフトでも制作可能です。
無料の動画編集ソフトとして有名な「Renee Video Editor」で動画を制作する場合を例に解説していきます。
Renee Video Editorで画面分割動画を制作する際の流れは以下のとおりです。
1.Renee Video Editorをインストールする
2.インストールしたRenee Video Editorを立ち上げる
3.機能の中から「画面分割」を選び、クリックする
4.「種類」のタブをクリックし、2画面分割のレイアウトを選ぶ
5.分割画面に表示されている「+」をクリックし、動画素材をインポートする
6.もうひとつの分割画面の「+」をクリックし、動画素材をインポートする
難しい工程はなく、簡単に2画面の分割動画を作成できます。
ただ、こちらはあくまでもRenee Video Editorで画面分割動画を制作する際の手順です。作業の具体的な手順はそれぞれの動画編集ソフトによって異なるので注意してください。
動画の分割やカットに役立つフリーソフト
動画素材を自由に分割・カットして編集し、一つの映像作品にするには動画編集ソフトが必須になります。ただ、有料の動画編集ソフトは価格が高いので、凝った編集をおこなうつもりがないのであればフリーソフトを活用しましょう。
最近はフリーソフトも充実してきていて、動画の分割・カット編集程度であればフリーソフトでも問題なくおこなえます。ここでは、特におすすめのフリーソフトを3つ紹介していきます。
iMovie
Macユーザーにおすすめしたいのが、Apple純正の動画編集ソフトの「iMovie」です。Appleは、iMovieとFinal Cut Proという2種類の動画編集ソフトを配信しています。
iMovieは有料の動画編集ソフトであるFinal Cut Proと比べると機能の面では見劣りしますが、分割編集は問題なくおこなえますし、手の込んだ映像編集も可能です。
Apple製品特有のわかりやすいUIが魅力の動画編集ソフトで、動画編集をおこなったことがない方でも直感的な操作で簡単に分割編集できるようになっています。
ただし、iMovieはMacOS向けの製品で、Windowsが搭載されたPCでは使用できないので注意してください。
DaVinci Resolve
DaVinci Resolveは、オーストラリアの総合撮影機器メーカーであるBlackmagic Designが配信している本格的な動画編集ソフトです。
機能が制限された無料版と高機能な有料版が用意されていますが、分割編集は無料版でも問題なくおこなえます。また、DaVinci Resolveには画面分割動画を簡単に制作できる機能も備わっています。
画面分割機能には豊富なテンプレートが用意されているので、動画の内容やシーンに合わせてそれぞれの画面の比率を簡単に変更できるようにもなっています。
DaVinci Resolveは映像の色味を細かく調整できるカラーグレーディングの機能に優れている動画編集ソフトです。実際、その点をクリエイターから評価されています。
分割編集をおこないつつ、より魅力的な映像の動画を作りたいという方におすすめです。DaVinci ResolveはMacとWindowsの両方に対応しているので、Windowsユーザーでも問題なく使用できます。
FlexClip
動画の分割編集をおこないたいと考えている方の中には、
「わざわざソフトをインストールするのは面倒」
「パソコンのスペック的に動画編集ソフトを使用するのが難しい」
など、編集ソフトでの編集を避けたいと考えている方も少なくないかと思います。
そういった方におすすめなのが、「FlexClip」です。FlexClipはオンラインで動画編集がおこなえるサービスで、Web上で分割編集などの動画編集をおこなうことができます。
Webツールなのでここまで紹介してきたiMovieやDaVinci Resolveほど高機能なツールというわけではありませんが、分割編集程度であれば問題なくおこなえます。
使用方法は簡単で、編集したい素材をFlexClipにアップしてクリック操作などを駆使しながら編集するだけです。
編集する動画が少なかったり、「短い動画をちょっとだけ編集したい」ということであれば、わざわざソフトをインストールする必要がないFlexClipの利用をおすすめします。
画面分割動画を制作する際の注意点
画面分割動画は、単に映像を並べるだけでは見づらい動画になってしまい、視聴者にストレスを与えてしまうこともあります。そこで、画面分割動画を制作する際の注意点を紹介していきます。
画面レイアウトのバランスを意識する
画面分割動画では、複数の映像を同じフレーム内に配置するため、レイアウト設計が重要です。
例えば、左右2分割にする場合は比率を均等にするのが一般的ですが、片方を大きく、もう片方を小さくすることで「主映像」と「補助映像」を明確にできます。
特に商品紹介や解説動画では、メインの映像を大きく配置し、補足情報を小さな画面に入れることで視聴者が理解しやすくなります。比率の調整を誤ると、見づらい動画や伝わりにくい構成になってしまうので注意が必要です。
映像の解像度やアスペクト比を揃える
結合する映像がそれぞれ異なる解像度や縦横比の場合、映像が引き伸ばされたり黒帯が入ったりして、全体の見た目が不自然になります。
撮影段階で統一しておくのが理想ですが、異なる素材を使用する場合は、編集時にサイズや比率を調整しましょう。
特にスマートフォンで縦動画を撮影した素材と、カメラで横動画を撮影した素材を同時に使うケースは多いため、意図的にデザインとして配置するか、同じ比率に変換する工夫が求められます。
音声の扱いに注意する
複数の映像を並べると、それぞれに音声が含まれている場合があります。音声をそのまま同時に流すと、雑音のようになり視聴者が内容を理解できなくなります。
基本的にはどちらか一方の音声を残すか、ナレーションやBGMに統一するのがベストです。インタビュー映像を並べる場合など、両方の音声を活かしたいケースでは、テキスト字幕を追加するなど補助的な工夫を施すと視聴体験が向上します。
色味や明るさを調整して統一感を出す
昼間に撮影した映像と夜間の映像、屋内と屋外の映像などを並べると、明るさや色味が大きく異なり、ちぐはぐな印象を与えることがあります。編集ソフトで色補正や明度調整を行い、統一感を持たせることが大切です。
特にプロモーション動画や企業のブランド映像では、全体のトーンを揃えることで完成度が一気に高まります。
まとめ
動画の分割編集の概要や分割編集の具体的な手順について詳しく解説してきました。分割編集は動画編集の基本中の基本と言っても過言ではなく、ほとんどの動画編集ソフトに備わっている機能です。
今回紹介した3つのフリーソフト以外にも分割編集の機能が備わっているソフトはありますし、最近はスマートフォンやタブレット向けのアプリでも簡単におこなえるようになっています。
ただ、基本中の基本と言える編集方法ではあるものの、分割編集で余分な箇所をカットしていくだけでユーザーがストレスを感じない動画に仕上げられるようになるので、ぜひフリーソフトをインストールし、実践してみてください。
また、AdobeのPremiere Proなどの有料ソフトの中には無料の体験期間が用意されているものもあるので、無料期間を活用して高機能な有料ソフトを利用してみるのも一つの手です。有料ソフトを上手く活用できるようになれば、より魅力的な映像作品を作れるようになるので、有料ソフトの利用も検討してみてください。