YouTubeなどの需要が高まり、動画編集に挑戦してみる方も多いのではないでしょうか。動画の撮影を行ったのはいいものの、撮影した動画の向きが上下が逆になっていたなんてこともあるかもしれません。
そんな時に行うべき編集が動画回転です。動画回転の編集を行うと、動画の向きが上下逆になっていても問題なく素材として使用することができます。
この記事では、動画回転の方法や撮影した動画を回転させる際の注意点を解説していきます。これから動画編集を本格的に行っていこうと思っている方におすすめの内容です。ぜひ参考にしてください。
この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 社内で撮影した動画を簡単に編集・加工したい
- ✅ 撮影から回転・トリミング・共有までを一元管理したい
- ✅ 動画制作を外注せず、社内で効率的に進めたい
- ✅ 研修・マニュアル・広報など、業務活用向け動画を量産したい
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どのような場面で動画を回転させる?
スマートフォンなどで撮影を行って、編集を行おうと思ったら画面が上下逆さまになっていた時に便利なのが動画回転の編集です。
スマートフォンで撮影を行う場合、基本的には横向きでの撮影を行いましょう。縦向きでの撮影も可能ですが動画YouTubeなどは横の動画がほとんどのため画面が小さくなってしまいます。視聴者の見やすさを考えると横で撮影するのが無難でしょう。
仮に縦向きに撮影を行ってしまったとしても編集を行うことで、向きが逆になっていた動画も正常な方向に戻すことができます。簡単に編集できるとはいえ、編集する時間がかかりますので撮影を行う際には、画面の向きにご注意ください。
パソコン(Windows10)で動画を回転させる方法
パソコン(Windows10)で動画を回転させる方法は4つあります。自分に合った方法を選んで編集を行ってください。
①VideoProc Converterを使う
VideoProc Converterは以下の角度に動画を回転させるだけではなく、上下、左右に反転することもできるソフトウェアです。
・90度
・-180度
・-270度
・-360度
・+90度
・+180度
・+270度
・+360度
それ以外にもトリミングや分割、動画の結合などの動画編集も行うことができます。動画編集初心者でも簡単に利用できるためおすすめです。
VideoProc Converterを使って動画回転を行う場合は、以下の手順で行ってください。
1.VideoProc Converterをインストールする
2.ホーム画面で「ビデオ」をクリック
3.回転したい動画を追加する
4.動画の下側にある「回転」をクリック
5.「ビデオ回転」と書かれている項目にある「右への回転」「左への回転」を選択する
6.プレビューを見て問題ないか確認
7.問題なければ「OK」をクリック
8.出力フォーマットを選択し「RUN」を押して完了
②Windows10搭載のアプリを使う
Windows10には、「フォトアプリ」が搭載されています。「フォト」とありますが、写真だけではなく簡単な動画編集にも活用する事ができるアプリです。
フォトアプリを使って動画回転を行う場合は以下の手順で行ってください。
1.Windowsのホーム画面から「スタート」をクリック
2.フォトを選択しアプリを起動させる
3.画面右上にある「プロジェクトライブラリ」に回転したい動画を追加する
4.プロジェクトライブラリから「ストーリーポート」へ移動させる
5.「回転」アイコンをクリックし90度ずつ回転させる
6.回転の編集が完了したら「ビデオの完了」をクリック
7.「エクスポート」をクリック
8.名前を付けて保存のウィンドウが出るので保存場所を選んで完了
③VLC media Playerを使う
VLCmedia Playerは、高機能な動画再生フリーソフトとしてたくさんの人が利用しています。VLCmedia Playerで行う動画回転は、元になっている動画を回転させるのではありません。
そのため、再生する時に一時的に動画を回転させるなどの使い方がおすすめです。
1.最新バージョンのVLCmedia Playerをインストールする
2.ソフトを起動しメディアをクリック
3.ファイルを開くを選んで回転させたい動画を追加
4.ツールを開きエフェクトとフィルターを選択
5.ビデオエフェクト>ジオメリをクリック
6.変換のチェックボックスにチェックを入れて動画の回転角度を設定
7.保存をクリックすると動画を再生時の方向が変わります
④Online Video Cutterを使う
Online Video Cutter は、ダウンロード不要で様々な動画を回転、トリミングすることができます。ブラウザ内で完結しますし、無料で利用することができます。
1.Online Video Cutter を検索する
2.画面にある「ファイル選択」をクリック
3.回転させたい動画を追加する
4.動画の読み込みが終わったら「回転」をクリック
5.動画の向きを選択する
6.回転が終わったら「保存」をクリック
7.「ダウンロード」をクリック
8.オンラインで保存した動画をPCに保存して完了
スマートフォン(iPhone/Android)で動画を回転させる方法
スマートフォンで動画を回転させる方法は大きく分けて2つあります。まず1つ目は動画編集アプリをダウンロードして使う方法。
そして2つ目は、スマートフォンに標準搭載されているアプリを使う方法です。それぞれどのようにして動画を回転させるのか解説していきます。
①動画編集アプリをダウンロードする
動画編集アプリを使えば簡単に動画回転を行うことができます。以下のアプリは無料でダウンロードできますので、ぜひ利用してみてください。
PowerDirector iPhone/Android対応

パソコン版では2億人のユーザーが利用している動画編集ソフトです。パソコン版の直感的なUIだけではなく、豊富な動画編集機能をそのままスマホアプリでも利用することができます。
このアプリがあれば、わざわざパソコンに接続することなく簡単に動画の編集を行うことができます。完成した動画はすぐにSNSにアップロードすることができますのでおすすめです。
KineMaster iPhone/Android対応

面倒な作業が一切不要、スマートフォンで撮影した動画や写真を入れ込むだけですぐに動画の編集を行うことができるアプリです。
スマートフォンアプリらしく、スタンプやエフェクトが豊富に用意されているため可愛らしい動画を作成するのに向いています。利用しやすいデザインですので動画編集初心者でも問題なく使いこなすことができます。
Adobe Premiere Rush iPhone/Android対応

クリエイティブなソフトウェアと言えばAdobeです。Adobe Premiere Rushは、Adobeが提供している動画編集アプリです。
パソコン版ではプロも利用している動画編集ソフト「Premiere」がありますが、スマートフォンアプリではPremiereよりは機能が少なくなっています。
動画のエクスポートは3回まで無料で利用できますが、それ以上利用する際は有料となりますのでご注意ください。
動画編集に必要なビデオの分割、テロップの挿入、トランジションの追加などは全て揃っているためクオリティの高い動画を作成することができます。
編集が完了後は、Adobe Premiere Rushから直接InstagramやYouTubeなどへ投稿を行うことができる便利機能が備わっています。
予約投稿もできるため、上手に活用すると動画編集がよりスムーズに行うことができるのではないでしょうか。
②スマートフォン搭載のアプリを使う
次にスマートフォン搭載のアプリを使って動画を回転させる手順を解説していきます。iPhoneとAndroidでは方法が異なりますので、お使いの端末の手順をご確認ください。
iPhoneで動画回転する方法

iPhoneで動画回転を行うには、「写真アプリ」を使います。
1.写真アプリを開く
2.写真の「メニュー」から「全ての写真」を選ぶ
3.回転させる動画をタップ
4.画面右上にある「編集」をタップ
5.画面下にある2つのやじるしで囲われているアイコンをタップ
6.左上に表示された回転ボタンをクリック
7.90度ごとに回転するので調整する
8.右下のチェックマークをタップして完了
Androidで動画回転する方法
Androidで動画回転を行うには、「Googleフォトアプリ」を使います。Googleフォトアプリは、Androidであれば標準搭載されていますが、機種によってはダウンロードが入っていないこともあります。
お使いの端末にGoogleフォトアプリがない場合は、Google Playストアからダウンロードしてください。
1.Googleフォトアプリを開く
2.画面右下にある「ライブラリ」をタップする
3.回転させたい動画を選ぶ
4.動画を選択したら下のツールバーから「編集」をタップする
5.回転をタップして向きを変えて完了
撮影した動画を回転させる場合の注意点

動画を回転させる場合、以下の点に注意しましょう。
動画の形式を確認する
動画編集ソフトで回転処理を行うと、保存時にファイル形式が自動的に変換される場合があります。形式が変わることで再生環境によっては再生できなくなったり、編集ソフトに読み込めなくなるリスクがあります。
そのため、保存前に必ず出力形式を確認し、用途に合った拡張子で保存することが大切です。業務で使う場合は、共有相手の環境も考慮して「汎用性の高い形式(MP4など)」を選ぶと安心です。
画質が劣化することがある
回転処理を施すと、再エンコードが行われるケースが多く、元の画質が落ちる可能性があります。特に高解像度で撮影した映像では、編集後にぼやけたりノイズが目立ったりすることもあります。
これを防ぐためには、編集ソフト側で「高画質設定」や「無劣化モード」を選ぶのが有効です。また、回転後は必ずプレビューで画質をチェックし、劣化が顕著であれば別のソフトや設定で再度編集を試みましょう。
音声や字幕とのズレに注意する
動画を回転させると映像部分は正常に処理されても、場合によっては音声や追加した字幕との同期がずれることがあります。特に長時間動画や複数回編集を繰り返した動画では顕著です。
ズレが発生したまま公開すると視聴者に違和感を与え、内容が正しく伝わらなくなります。回転後は必ず冒頭から最後まで再生し、音声や字幕が正しく同期しているかを確認しましょう。
保存先の容量を確保する
回転後の動画は、保存形式やエンコードの影響でファイルサイズが大きくなることがあります。特に高画質で保存した場合は、数分の動画でも数百MBから数GBになることもあります。
保存先のパソコンやクラウドの空き容量が不足すると保存エラーの原因になりますので、あらかじめ十分な容量を確保しておくことが重要です。業務で複数の動画を扱う場合は、クラウドストレージを活用すると効率的です。
動画を回転させないための撮影時のチェックポイント
動画の回転は編集で簡単に修正できますが、そもそも撮影時に正しい向きで撮っておけば余計な作業を減らすことができます。ここでは、動画を回転させないための撮影時のチェックポイントを紹介していきます。
撮影前に端末の向きを固定する
スマートフォンやタブレットで撮影する場合、加速度センサーによって画面が自動回転してしまうことがあります。意図せず縦横が切り替わってしまう原因の一つです。撮影前に「画面の自動回転」をオフにしておけば、途中で端末を傾けても向きが変わらず安定した映像が得られます。
特にYouTubeや社内研修動画のように横向きが基本となる映像では、横向き固定を徹底すると安心です。
三脚やジンバルで端末を安定させる
手持ち撮影では無意識に端末を傾けてしまうことがあります。その結果、編集時に回転補正が必要になるケースが少なくありません。三脚を使えば水平を維持できるほか、ジンバルを使用すれば移動しながらでも安定した映像が撮影可能です。
特にビジネス用途の動画では「傾き」は映像のクオリティを大きく左右するため、撮影機材による安定化は必須といえるでしょう。
ファインダーやプレビュー画面で水平を確認する
撮影時には、画面のプレビューで必ず被写体が水平になっているか確認しましょう。多くのスマートフォンやカメラには「グリッド線表示」や「水準器表示」が搭載されています。これを利用すれば、建物のラインや地平線を基準に簡単に水平を確認できます。
特に社外プレゼン用動画や商品紹介動画などは見た目の印象が大切ですので、撮影時の細かな確認が後の手間を減らします。
撮影シーンに合わせて縦横を選択する
すべての動画が横向きで最適とは限りません。例えばInstagramリールやTikTok向けの動画は縦型が好まれます。逆にYouTubeや企業サイトでの配信用途では横型が主流です。用途に応じて事前に縦横を選び、その方向で固定することで編集での回転作業を避けられます。
企画段階で「どの媒体に配信するのか」を決めておくことが、撮影効率と仕上がりの両方にプラスに働きます。
動画を回転させる方法まとめ
動画の回転は、上下逆向きに撮影してしまった動画を正しい位置に戻すために必要な編集です。パソコン、スマートフォンどちらでも簡単に行うことができます。
撮影に慣れていない場合、画面の向きがわからずに気づいたら向きが反対だったことも大いに考えられます。
そのような時は今回解説した手順を行って正しい向きに編集し直しましょう。しかし、使用するソフトによっては画質の劣化やファイル形式が変更されることもあります。
編集で向きを変えることができるとはいえ、編集をするのは時間がかかりますので撮影の際はカメラの向きをよく確認するようにしましょう。