動画を作成するためには動画編集ソフトを活用しなければいけないと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、資料を作る時によく使われているパワーポイントでも動画作成を行うことが可能です。
当コラムでは、パワーポイントを使って動画作成を行うメリットとパワーポイントで動画作成を行う方法などについて解説していきます。
これまで動画作成を行ったことがない方、パワーポイントを使って動画作成を行いたい方におすすめの内容ですのでぜひ参考にしてください。
パワーポイントで動画をつくるメリットとは
動画を作成するのであれば動画作成専用のソフトウェアが必要だと思う方がほとんどだと思います。もちろん本格的な動画を作成するのであれば、専用のソフトウェアを使うことも選択肢の1つです。
しかし、パワーポイントで動画を作ることには以下のメリットがあります。
1.低コストかつ短い時間で動画作成ができる
2.アニメーションのクオリティが高い
3.パワーポイントの資料を活用できる
それぞれどのようなメリットがあるのかさらに詳しく解説していきます。
①低コストかつ短時間で動画作成ができる
動画作成を行う時によく使われているのがAdobeのAfter Effects、AppleのMotion5などです。
これらの動画作成ソフトは、とてもクオリティの高いアニメーションの設定ができるのはもちろん、自由度の高い動画を作成できる特徴があります。
しかし、1つのシーンにかかる編集時間や作業工数が多いためどうしても作成時間が長くかかってしまいます。作業工数が増えると人件費もかかるためコストも高くなります。
パワーポイントを活用して動画作成を行うと低コストかつ短い時間で動画作成を行うことができます。
パワーポイントには、多くのアニメーションが搭載されているため、それらを組み合わせることで動画作成ソフトを使って作る動画よりも編集時間などを大幅に削減することが可能です。
コストの削減だけではなく短時間で動画作成を行いたい方にはパワーポイントの利用がおすすめです。
②アニメーションのクオリティが高い
パワーポイントは定期的にアップデートが行われます。アップデートがされると従来のものよりもアニメーションが増え、機能性も高まることがほとんどです。
1つのアニメーションでは動画作成ソフトに劣る動画かもしれませんが複数のアニメーションをかけ合わせることでクオリティの高い動画を作ることができます。
③パワーポイントの資料を活用できる
パワーポイントを動画作成で利用することは、資料の有効活用にもつながります。一般的に動画作成を行う場合は、以下の手順を踏む必要があります。
1.動画構成の作成
2.素材などの準備
3.撮影
4.動画編集
しかし、パワーポイントであればすでに構成は完成しているためBGMの挿入、アニメーションの追加など最小限の工数だけで動画作成を行うことができます。
パワーポイントで動画を作成する
次に具体的にどのような手順で動画を作成していくのかを解説していきます。
作成した資料をスライドショー動画にする
既に作成しているパワーポイントで動画作成を行うときのポイントはこちらです。
・音声を挿入する
・BGMなど音楽や効果音を入れる
・アニメーションを挿入する
音声を挿入する
パワーポイントに音声を挿入するにはマイクが必要となります。PCにマイクが内蔵されている場合は、外付けマイクがなくても音声を挿入することができます。
パワーポイントに音声を挿入する手順はこちらです。
1.パワーポイントで音声を挿入したいファイルを開く
2.スライドショータブをクリック
3.スライドショーの記録をクリック
4.先頭から記録をクリック
5.左上に表示されている「記録」ボタンを押す
6.マイクに向かって話す
7.「停止」ボタンを押して終了
BGMなど音楽や効果音を入れる
PCに保存している音楽を挿入する手順はこちらです。
1.パワーポイントの挿入タブをクリック
2.メディアをクリック
3.オーディオをクリック
4.このコンピューター上のオーディオをクリック
5.音楽が保存されている場所から音楽ファイルを選択
6.挿入ボタンをクリック
アニメーションを挿入する
パワーポイントにアニメーションを付けることも効果的です。
・開始・・テキストやオブジェクトが強調される時に用いる
・強調・・テキストやオブジェクトを強調したい時に用いる
・終了・・テキストやオブジェクトを消す時に用いる
・アニメーションの軌跡・・アニメーションの軌跡を指定することができる
アニメーションは上記の4つのカテゴリに分けることができます。アニメーションは以下の手順で付けることができます。
1.パワーポイントを開く
2.アニメーションタブを選択する
3.アニメーションを付けたい図形やテキストを選択する
4.アニメーションメニューの中からワイプを選択する
パワーポイントで録画・編集をする
パワーポイントにはマウスポインタの動きなどを音声付きで録画することができる機能が備わっています。録画した動画はパワーポイントに埋め込むだけではなく、動画ファイルとしても保存することができます。
パワーポイントで録画を行うためにはカメラとマイクが付いているPCを用意する必要があります。持っているPCにカメラとマイクが搭載されていない場合は、別途購入してください。
パワーポイントで録画を行う手順
1.録画したいパワーポイントを開く
2.挿入タブをクリック
3.画面録画をクリック
4.録画ボタンをクリック
画面録画をクリックすると、パワーポイントの上部にメニューが表示されます。録音しながら画面にポインターを写したい場合は「ポインターの録画」、録画する範囲を指定する場合は「領域の選択」の設定を行いましょう。
録画領域の選択は自分が録画したいと思っている領域をドラッグするだけで完了です。
準備が整ったら録画ボタンをクリックしますが、録画がスタートするまで3秒のカウントダウンが始まります。カウントダウン後に話を始めるようにしましょう。
パワーポイントに動画を挿入する
パワーポイントに挿入可能な動画ファイル形式は以下の9種類です。
1.mp4
2.wmv
3.swf
4.mpeg
5.mpg
6.mov
7.m4v
8.avi
9.asf
ファイルからビデオをアップロードする
ファイルからビデオをアップロードする手順はこちらです。動画を挿入することで説得力の高いパワーポイントとなります。
1.動画を挿入したいパワーポイントを開く
2.挿入タブをクリック
3.ビデオメニューの下にある矢印をクリック
4.このコンピューター上のビデオをクリック
5.挿入したい動画ファイルを選択する
6.マウスを使って動画サイズや位置を調整する
YouTubeの動画を挿入する
YouTubeからパワーポイントへ動画を挿入することも可能です。挿入する時の手順はこちらです。
1.YouTubeを挿入するパワーポイントを開く
2.YouTubeを挿入するスライドを選択
3.挿入タブからビデオをクリック
4.オンラインビデオをクリック
5.オンラインビデオのURL欄にYouTubeのURLを記入
パワーポイントへYouTubeを挿入することはできますが、挿入している動画がYouTubeから削除された場合は再生できなくなるため注意が必要です。またインターネットに接続していない場合もYouTube動画は再生されません。
YouTubeは不特定多数の方が利用していますが、アップロードされている動画は著作権によって保護されています。
おもわぬトラブルを防ぐためにも自社がアップロードしているYouTube動画は使用しないようにしましょう。やむを得ず使用をする場合は、チャンネル運営元などに利用規約の確認を行ってください。
動画ファイルをリンクする方法
パワーポイントの外にある動画ファイルはリンクでつなぐ事が可能です。
1.パワーポイントを開く
2.動画ファイルを挿入するスライドを選択する
3.挿入タブからビデオをクリック
4.このコンピュータ上のビデオをクリック
5.ビデオの挿入でリンクさせたい動画を選択
6.挿入ボタンのプルダウンをクリック
7.ファイルにリンクをクリック
動画をパワーポイントに挿入するのではなくリンクさせることで、ファイルサイズを抑えることができます。動画をパワーポイントに埋め込むと読み込みに時間がかかってしまうことがあります。
しかし、一方でデメリットもあります。リンクした動画やパワーポイントファイルの編集を行うとリンクが切れてしまう点です。どちらかのファイルの編集を行うたびにリンクの更新を忘れずに行うようにしましょう。
パワーポイントで動画の再生ができないケース
パワーポイントに動画を挿入しても中には再生できないケースも考えられます。動画が再生できない原因と対処方法について解説していきますのでぜひ参考にしてください。
パワーポイントで動画の再生ができない理由
パワーポイントで動画が再生されない理由は4つあります。当てはまる項目がないか確認しましょう。
①動画の形式がパワーポイントに対応していない
パワーポイントに挿入している動画が再生できない理由として多くを占めるのが動画形式がパワーポイントに対応していないことです。
先ほどパワーポイントが対応している動画形式を9つ解説しました。この9つに対応していなければ動画を再生できません。
②動画が重たい
正しい動画形式で挿入できたとしても動画の容量が重たすぎるとPCに負荷がかかってしまい、再生できないことがあります。
負荷がかかるとパワーポイントの起動に影響が出るだけではなく、スムーズな再生の妨げとなってしまいます。
動画の容量が大きすぎる場合は、再度編集を行い動画の長さを短くする、解像度の調整を行う必要があります。
容量が軽くなるように調整を行ってもなお再生ができなければOSやプレーヤーのバージョンを確認します。それぞれ最新のバージョンになっていなければアップデートを行います。
③挿入している動画が破損している
PCの中に保存されている動画をパワーポイントで使用した場合、動画が削除されると再生できないと解説しました。それと同様に挿入している動画が破損している場合も正しく再生されません。
④埋め込んだ動画のリンクが消えた
動画のリンクや変更がされた場合、正しく再生されないことがあります。特にYouTubeから動画の埋め込みを行っている場合、動画が削除されればパワーポイントの動画も消えてしまいます。
仮にPCに保存されている動画をパワーポイント内で使用している場合も、動画が削除されると再生はできません。
パワーポイントが再生できない時の対処方法
パワーポイントが再生できない時は以下の対処方法を試してみてください。
①動画の形式を変更する
動画をパワーポイントに挿入する場合、パワーポイントに適している形式にする必要があります。
パワーポイントに適している形式に変更するには無料で利用することができるファイルコンバーターや変換用のソフトウェアを使用しましょう。
②パワーポイントの設定を変更する
パワーポイントの設定が原因で動画が再生できない事も考えられるため、設定の変更を行いましょう。
1.設定を行うパワーポイントを開く
2.ファイルタブをクリック
3.その他…からオプションをクリック
4.パワーポイントのオプション画面の左にある詳細設定をクリック
5.下にスクロールし中盤にある「スライドショー実行中はハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にする」のチェックボックスを入れる
6.OKをクリックして完了
③グラフィックの詳細設定を変更する
②パワーポイントの設定の変更を行っても動画が再生できない場合は、パワーポイントのグラフィックの詳細設定を行いましょう。この方法は、画面描写の負荷を軽減します。
1.Windowsのスタートボタンから設定を開く
2.システムをクリック
3.ディスプレイをクリックし下にスクロールする
4.グラフィックの設定をクリック
5.プルダウンからMicrosoftStoreアプリ・Officeを選択
6.Officeのオプションをクリック
7.省電力を選択
8.パワーポイントを再起動する
9.動画が再生できるか確認する
まとめ:パワーポイントで動画を作成
今回は、パワーポイントで動画作成を行うための手順などについて解説しました。
パワーポイントで作った資料に一手間加えることで簡単に動画作成することが可能です。皆さんもぜひ試してみてはいかがでしょうか。