新卒採用といえば、特設ページの開設や採用ポータルサイトへの掲載などが浮かぶかもしれませんが、動画の活用も忘れてはならない存在です。しかし、なかには「なんで動画を活用すべきなの?」と疑問に思う方がいるかもしれません。
そこで今回は、新卒採用で動画を活用すべき理由や主な事例などを紹介します。新卒採用のご担当者は、ぜひ最後まで読んでみてください。
新卒採用で動画をすべき理由とは?
新卒採用において動画を活用すべき理由としては、主に5つ挙げられます。それぞれどのようなものなのでしょうか。
企業の採用動画をチェックする人が増えてきている
学生が就職先を決める際、さまざまな方法で情報をリサーチしますが、近年増えてきているのが動画でのリサーチです。
YouTubeやInstagram、TikTokなどのプラットフォームにあがっている動画をチェックし、そのリサーチの中でいいなと感じた企業への就職を検討したり、もともと気になっていた企業の情報を動画でリサーチするわけです。
実際、約7割の学生が、就活の際に企業の採用動画をチェックしたというアンケート結果もあるほどです。
これは、スマートフォンが広く普及し、YouTubeやInstagram、TikTokなどのSNSが日常的なものになってきたことで、動画に触れる機会が多くなってきたからだと推測されます。
これだけ多くの学生が採用動画を積極的にチェックしているわけですから、企業側も積極的に採用動画を作成してPRに活用するべきだと言えるわけです。
興味を持ってもらいやすくなる
動画は文章よりも興味を持ってもらいやすく、就活生を惹きつける上で有効的です。特に就活生の共感を呼ぶような感情に訴えかけられる内容であれば、最後まで視聴してもらえるでしょう。
また、採用動画をみた学生の志望度が上がりやすくなるという利点もあります。
就活生はいくつかの候補を持っていますが、その中から優先順位をつけていることが多いです。もしあなたの企業が就活生の第一志望となれば、せっかくの内定が辞退されてしまうということを防げるでしょう。
仕事についてイメージしやすくなる
企業によっては、複雑な仕事であるがゆえにうまくアピールできない場合もあるでしょう。特にBtoBに関する企業は表に出てくることが少ないこともあり、うまく伝わらないかもしれません。
その際に役立つのが動画であり、どのような仕事をしているのかイメージしてもらいやすくなります。
イメージしてもらうというのは重要なことであり、就活生と企業側のミスマッチを防げます。
もし就活生が応募した企業での働く姿をきちんとイメージできていなければ、内定した後に理想とのギャップに悩まされて辞めてしまうかもしれません。
そのようなことを防ぐためにも、動画で仕事についてのイメージを持ってもらいましょう。
不安の軽減につながる
就活生は、「職場の雰囲気が合わなかったらどうしよう…」や「未経験でも大丈夫なの?」といったような不安を持っています。その不安を軽減させる際にも動画が有効的であり、就活生の悩みに対して分かりやすく解説することができます。
ミスマッチを減らせる
採用動画を作成して学生が視聴できるようにしておくことで期待できるようになるのは、不安の解消や軽減だけではありません。
入社後に感じるギャップによるミスマッチも減らせるようになります。
例えば、採用動画で社内の雰囲気や実際の作業内容などを伝えておくと、「イメージしていた雰囲気と違う」「こんな仕事がやりたかったわけじゃない」というミスマッチを防げるようになります。
また、仕事の厳しいところや難しいところを先輩社員にインタビューして採用動画にすることでも、「こんなはずじゃなかった…」という入社後のミスマッチを防げるようになるでしょう。
新卒採用動画はさまざまな企業が活用している
新卒採用で動画を用いている企業が数多くありますが、今回はその中から6社をピックアップして紹介します。
それぞれ特徴が異なりますが、制作する上での参考として役立つでしょう。
インタビュー風に紹介「三和建設」
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三和建設の新卒採用動画は、フリーアナウンサーとして活躍する青木源太さんを起用したインタビュー風の内容となっています。
インタビュー風といっても堅苦しいものではなく、ポップなBGMと共に三和建設のオフィス風景や仕事内容を紹介。
また、短時間で把握できるようなショートバージョンの動画も用意されています。
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働いている自分をイメージできる「楽天」
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実際にその会社で働いている自分を想像させることで、「この会社に入社したい」「この会社で働きたい」など、ワクワクするような未来を見せてくれるのが、楽天の新卒採用動画です。
この動画では、楽天グループの本社であるクリムゾンハウスでの働き方を紹介しています。
誰もがうらやむようなオフィスを持っている企業だからこその手法だと言えますが、環境に自信のある企業が参考にしたい事例の一つです。
自分の力やセンスを試したい人に刺さる「RFA digital brains株式会社」
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企業のマーケティング活動を総合的にサポートしている、RFA digital brains株式会社。
こちらの動画では、業務内容や大事にしている部分などが語られていますが、動画のタイトルである「尖ったヤツだけやってこい」からもわかるように、すべての学生に無難にアプローチするのではなく、同社の理念に賛同できる学生をふるいにかけるような内容の動画になっています。
「なんだこの会社」と思う学生がいる一方で、「かっこいい」「この会社で自分の力やセンスを試してみたい」と思う学生には刺さる内容となっているので、どういった人材を採用したいかが明確になっている企業にとっては非常に参考になる事例となっています。
音声が無い!?「パリミキ・メガネの三城」
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オシャレな新卒採用動画としては、パリミキ・メガネの三城による動画も同様です。
ただ、他の動画と違って音声が一切ありません。その分、世界観が伝わってくる内容であり、会社の魅力を感じることができます。
社員一人ひとりをインタビュー「クックパッド」
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クックパッドの新卒採用動画は、社員一人ひとりをインタビューした内容となっています。
インタビューを受けている社員は一人ひとり仕事内容が異なっており、細かい業務内容まで把握できます。
また、求められている能力や人物像まで触れられているところも動画のポイントです。
そこまで紹介されているおかげで、就活生がクックパッドの内定をもらうために何をすればいいのか把握できます。
どの動画も人気が高い「佐川急便」
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佐川急便では、さまざまな新卒採用動画を公開。過去と今を照らし合わせた内容となっており、感情に訴えかけるような動画となっています。
佐川急便の新卒採用動画はどれも再生回数が多いです。事実、上記の動画は1500万回以上再生されています。それほどの人気があれば、多くの就活生から注目されるでしょう。
YouTube上で会社説明を行うケースも増えている
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おまけの情報となりますが、近年ではYouTube上で会社説明を行うケースも増えています。
オンラインで行うことによって地方に住んでいる方でも参加できるようになり、わざわざお金をかけて会社説明会に参加する手間がなくなります。
そのため、もし会社説明会を開催するのであれば、オンラインでも視聴できるようにすると良いでしょう。
応募が増える新卒採用動画の作り方
新卒採用動画は、ただ撮影すればいいわけではありません。
採用動画の目的は「応募者を増やして採用につなげること」なので、応募が増える質の高い採用動画を作る必要があります。
応募が増える新卒採用動画の作り方を、5つのステップで解説していきます。
企画を考える
まず初めに行うのが、作成する動画の「企画」です。
どのような人材を採用したいかを明確にし、そのターゲットに刺さる動画、その人材が求めている動画を企画しましょう。
採用したい人材が明確になっていないと、成果につながらないだけでなく、ミスマッチが発生しやすくなるので注意してください。
動画の構成を考える
企画が完了したら、動画の構成を考えていきます。
新卒採用動画は構成が命です。
構成が良ければ、最後まで視聴してもらえるのはもちろん、問い合わせや応募などのアクションを促せるようになります。
構成が練られていると撮影もスムーズに進められるようになるので、多少時間がかかってもしっかりと作り込むようにしましょう。
撮影
構成ができたら、撮影を行っていきます。
新卒の採用につなげる動画であることを考えると、映像や音質のクオリティにもこだわるべきです。
最近はスマートフォンのカメラの性能が大幅に向上してきているため、スマートフォンでの撮影でも問題ありませんが、スマートフォンで撮影する場合は照明やマイクを用意してクオリティを高めるようにしましょう。
編集
撮影が完了したら、編集ツールを使って撮影した素材を編集していきます。
動画編集ツールは初心者向けのものからプロ向けのものまでさまざまなツールがありますが、無理してプロ向けのツールを使用する必要はありません。
それよりも、テンプレートが用意されていて、誰でもクオリティの高い動画を作れるツールの方がおすすめなので、それらのツールの活用を検討してみてください。
公開
編集が完了したら、SNSなどで公開しましょう。
どのプラットフォームを活用するかは企業のブランディングなどにもよりますが、なるべくさまざまなプラットフォームで動画を公開し、間口を広げるべきです。
また、動画を公開した後は、収集したデータを定期的に分析し、改善していくようにしましょう。
新卒採用動画を制作する上で知っておくべきこと
最後の項目では、新卒採用動画を制作する上で知っておくべきことをいくつか紹介します。
実際に制作しようと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
どのような人を求めているのかアピールする
新卒採用といっても、どんな人でもOKということは無いでしょう。企業によって、求めている人材が異なるはずです。
だからこそ、新卒採用動画ではどのような人を求めているのかしっかり伝えましょう。そうすることで、採用のミスマッチを防げます。
動画を制作する目的を決めておく
動画制作においては、作る目的を明確にしておく必要があります。
「新卒を集めたい!」という目的だけではなく、具体的な目的を設けることで質の高い動画を制作できます。
具体的な目的例としては、「自社の魅力を理解している人材を集めたい!」や「知名度が低いからこそ、インパクトがある動画で多くの就活生から興味を持ってもらいたい!」などが挙げられるでしょう。
就活生が知りたい情報を紹介する
新卒採用動画ということもあり、就活生が知りたい情報も加えましょう。
主な情報としては、福利厚生や勤務地、職場環境など。働き方が要視されている昨今だからこそ、会社の理念だけを伝えるのではなく、現実的なことも伝える必要があります。
動画の届け方も重要
動画の内容とは別に、動画の配信先・活用方法も重要なポイントです。日本全国から就活生を集めたいのであれば、YouTubeやTwitterなどで公開しましょう。そうすることで、多くの就活生に見てもらいやすくなります。
また、多くの若い人が利用しているTikTokを活用する方法もあります。
実際にエイベックスやカルビーなどがTikTokで業務内容や社員の考え方などを紹介していました。今後のことを考えると、TikTokに新卒採用動画を投稿するのもアリになるかもしれません。
新卒採用でも動画を活用しよう
今回は、新卒採用で動画を活用すべき理由や事例などを紹介しました。
動画はただ楽しむだけのものだけではなく、新卒採用においても有効的です。実際に活用した企業も数多くあるため、新卒採用の担当であるならば、さっそく動画を取り入れてみてはどうでしょうか。