中途採用募集において応募数を増やしたり、応募者の質をあげたりするためには色々な施策が必要です。その場合、施策の一つとして動画の制作に取り組んでみてはいかがでしょうか。
この記事では、中途採用で動画が活用できる理由やその際のポイントなどを紹介しています。中途採用における動画の活用方法が知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
中途採用でも動画が活用できる3つの理由
中途採用でも動画が活用できる理由としては、主に3つ挙げられます。それぞれどのようなものなのでしょうか。
採用後のミスマッチを防げる

企業と求職者の双方にとって、採用後のミスマッチはできる限り避けたいものです。入社後に感じるギャップは、職場の雰囲気や仕事内容の違いなどが主な原因となりますが、これを事前に解消する手段として動画の活用が効果的です。
例えば、動画で社内の風景を紹介すれば、求職者は実際の働く環境を具体的にイメージしやすくなります。また、社員インタビュー動画を取り入れることで、実際に共に働く仲間の人柄や仕事への取り組み方も知ることができます。
これにより、協力する社員や上司とどういった関係が築けるかのヒントを得られるため、安心して入社を決断しやすくなります。
このように、動画は事前にリアルな情報を共有し、求職者が実際の職場のイメージを鮮明に持てるため、相互の期待値のずれを減らせます。
求職者からの興味を引きやすくなる
動画を活用することで、求職者の興味を引きやすくなります。文章だけで情報を伝えると、内容はしっかり説明できるものの、視覚的なインパクトが少なく、興味を引くのに時間がかかることがあります。
一方で、画像を使うと視覚的に目を引きやすい反面、伝えられる情報量が限られるため、内容の深さをカバーしきれないこともあります。
その点、動画は文章と画像それぞれのデメリットを補い、視覚と聴覚の両面からアプローチできるのが強みです。動きや音声を通じて、企業の魅力や職場の雰囲気をリアルに伝えられるため、求職者が直感的に興味を持ちやすく、内容も深く理解しやすくなります。
そのため、採用活動で苦戦している企業には、動画の活用が非常に効果的です。動画のインパクトと伝達力を活かせば、より多くの求職者の関心を引きつけられるでしょう。
SNSで拡散できる

動画はTwitter、Facebook、InstagramといったSNSでの拡散が可能なため、広がりやすいという特長があります。SNSでシェアされると、企業の情報が次々と多くの人に届き、視聴者数が一気に増えるかもしれません。
さらに、SNSの特性上、見込みのある求職者に直接届くだけでなく、意外な層にまでリーチできる可能性もあります。これは企業の認知度向上にもつながり、注目度を大幅に高める手段です。
また、動画は視覚的に印象を与えるため、スクロールするだけで情報が流れやすいSNS上でも注目を集めやすい点がメリットです。リーチした人たちが共感や興味を持てば、さらに拡散が促進され、多くの求職者に企業の魅力を伝えることができます。
こうした点から、動画はSNS上での拡散力を活かして、採用活動の効果を広げる強力な手段になるでしょう。
中途採用向けの動画におけるポイント
中途採用向けの動画は、ただ作ればいいというものではありません。どれだけ質が高くても、きちんとポイントを押さえていなければ十分な効果が得られない恐れがあります。
そこで、中途採用向けの動画におけるポイントをいくつか紹介します。
求めている人材をハッキリさせる
まずはどのような人材を求めているのかハッキリさせましょう。そこがあいまいなままでは、本来求めている人材に対してのアプローチができず、思ったよりも応募が来ない可能性があります。
だからこそ、いきなり動画を制作するのではなく、まずは動画を視聴してもらいたいターゲットを具体的に決めていく必要があります。細かく決めることで、視聴者に動画の狙いをしっかり伝えられます。
求職者が求めている情報を含める

動画を制作する際は、求職者どんな情報を求めているのか調べてみましょう。よくあるものとしては、社風や福利厚生などが挙げられます。それらを動画に加えることで、視聴者の不安を解消し、応募してもらいやすくなります。
情報の伝え方はさまざまあります。
例えば、インタビュー形式で社員に伝えたいことを話してもらったり、アニメーション動画で分かりやすく社内のシステムを説明したりなど。動画と一口でまとめてもいくつかの種類があるため、届けたい人材や含めたい情報に合わせて選んでみましょう。
SNSは動画内容に見合ったところを選ぼう
上記でSNSを活用することで多くの人に見てもらえると紹介しました。
そのため、中途採用向け動画をSNSにも投稿したいと考えている方もいることでしょう。もしそうであれば、動画内容に見合ったSNSを選ぶ必要があります。
例として若い世代の中途採用を狙っているのであれば、多くの若者が利用しているTwitterやFacebookが挙げられます。特にTwitterの場合は、Facebookよりも拡散しやすいため、動画の内容次第では多くの人に広がるかもしれません。
入社後のイメージを鮮明に共有できるようにする
中途採用で動画を活用する際には、応募者に入社後のイメージを鮮明に共有することが重要です。中途採用者はすでに別の企業での経験を積んでおり、職場環境や働き方に対する明確な希望や基準を持っている場合が多いです。
そのため、入社後の雰囲気や業務内容がイメージしやすい情報を提供することで、企業と応募者の期待のすり合わせが行いやすくなります。
また、こうした情報を伝える手段として動画が適している理由は、視覚と音声でリアルな職場の様子を伝えられるからです。文字や写真のみでは伝わりにくい職場の空気感やチームメンバーとのコミュニケーションの様子、実際の業務風景など、細かなニュアンスを伝えられます。
例えば、日々の会話の雰囲気やチームの働き方を映像で見られることで、「この職場で自分がどのように貢献できるか」「どのように馴染めるか」といった具体的な想像がしやすくなり、応募者の安心感を高める効果が期待できるでしょう。
会社の現状は正確に伝える
中途採用向けの動画では、「会社の現状を正確に伝える」ことが特に大切です。中途採用の応募者は、自身のキャリアやスキルを活かせるかどうかを推察するため、会社の実績や業務内容、組織の今後の展望といった現状に基づく具体的な情報を求めています。
現状が美化されていたり、会社の課題が曖昧にされたりすると、会社と応募者双方の不利益になるため注意が必要です。良い面ばかりではなく、課題なども適切に開示できると、解決に役立つ人材の採用につながるかもしれません。
中途採用向け動画の活用事例
中途採用向け動画を制作している企業は数多くあります。
そこで、主な企業の中途採用向け動画をいくつかピックアップして紹介します。動画の内容や撮影方法で悩んでいるのであれば、ぜひ以下の動画を参考にしてみてください。
ELJソーラーコーポレーション株式会社
ELJソーラーコーポレーション株式会社は、愛知県に本社がある企業。住宅リフォームや住宅関連業務を行っており、太陽光発電システムや蓄電池といった商品を取り扱っています。
こちらの中途採用向け動画は、社員一人ひとりへのインタビューがメイン。どの社員も触れている内容が異なっており、全体的にどのような企業なのか把握できます。
徳本砕石工業株式会社
徳本砕石工業株式会社は、トクモトグループに属する企業。主な事業としては砕石製造業であり、さまざまな石を製造しています。
ディップ株式会社やELJソーラーコーポレーション株式会社の動画は社員のセリフがありましたが、徳本砕石工業株式会社にはセリフがありません。その代わり、重厚な雰囲気が感じられる採用動画となっており、砕石製造業ならではのかっこよさをアピールしています。
株式会社フィリップス・ジャパン
電化製品メーカーとして有名な株式会社フィリップス・ジャパン。
中途採用向けの動画として一人ひとりの社員のインタビュー動画をYouTube上に投稿しています。インタビュー動画に関しては他の事例と同じですが、株式会社フィリップス・ジャパンの場合は部署ごとに動画が作られています。
また、インタビューだけではなく日常の仕事も撮影。まるで密着取材の動画を見ている可能な流れに仕上がっています。例として上記の動画であれば、営業担当者のスケジュールや研修制度、株式会社フィリップス・ジャパンが大切にしていることなどを紹介しています。
LINE株式会社
企業のアイコンやマスコットキャラクターで始まるこの動画は、一目でどの会社かがわかります。社内の実際の環境を紹介することで、視聴者は自分がどのようなオフィスで働くのかを容易に想像できます。
また、ユニークな福利厚生についても触れられており、楽しげな映像が転職を考えている人にとって高いモチベーションを与えます。全体的に、視聴者にとって魅力的な職場のイメージがしっかりと伝わる内容になっています。
大和証券株式会社
大和証券株式会社は、大和証券グループ本社の傘下にある証券会社です。この採用動画では、社員たちがどのような人物像を求めているかを語っており、大和証券が求める人材像が明確に伝わる内容になっています。
冒頭で「大和証券グループの120年の歴史は挑戦の歴史」と述べられ、その後社員インタビューが続きます。最後は「1人1人の個性が大和証券グループの未来を創る」「共に新しい挑戦を始めよう」というメッセージで締められ、ブランドメッセージが一貫しています。
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社は、通信、インターネットサービス、キャッシュレス決済、eコマースなど、多彩なサービスを提供しています。
約10分の動画には、企業理念、歴史、「新30年ビジョン」など多くの情報が網羅されており、全体像を簡潔に把握できるでしょう。映像とナレーションを巧みに使い、長さを感じさせず楽しみながら視聴できます。
株式会社ワコールホールディングス
マーケティング担当社員の1日に迫る動画です。軽快で親しみやすいカジュアルなデザインで、図解が話の内容をサポートし、初めて触れる業務や専門用語も理解しやすく工夫されています。
現場の仕事だけでなく、これまでの経歴も紹介されており、入社後のキャリアパスを具体的にイメージできる構成が特徴です。
株式会社ワイエム交通

引用元:【日本交通G】ワイエム交通 採用動画
中途採用向けのドキュメンタリー形式の動画です。多様な経歴を持つ乗務員が生き生きと働いており、先輩と新人の関係性の良さも伝わります。
収入や仕事のやりがいを社員が語り、どのようなバックグラウンドの社員でも安心して働ける環境が整っていることが感じとれます。働く姿をリアルに描くことで、応募者に安心感を与える効果が期待できます。
中途採用は動画も大切!
今回は、中途採用で動画が活用できる理由やその際のポイントなどを紹介しました。中途採用で動画を活用することで、求職者の興味が引きやすくなるといった効果が得られます。そのこともあり、さまざまな企業が中途採用向けの動画を作成しています。
もしあなたが中途採用の担当者であるならば、動画の活用を検討してみてはどうでしょうか。記事内で触れた事例を参考にしつつ、求めている人材や予算などを考慮しながら動画を制作してみましょう。