ドラッグストアが動画を活用するべき理由
全国に数多く存在するドラッグストアにおいて、自店の魅力や差別化をどのように打ち出すかは重要な課題で、その解決策の一つが動画の活用です。
ここでは、ドラッグストアが動画を活用するべき4つの理由について解説していきます。
複雑な商品やサービスもわかりやすく伝えられる
ドラッグストアには、目薬や胃腸薬などの一般用医薬品はもちろん、サプリメント、化粧品、介護用品など多種多様な商品が並んでいます。来店客が「どれを選べばいいのかわからない」と迷うケースは珍しくありません。
そこで有効なのが、動画による商品紹介です。商品パッケージだけでは伝えきれない効果や成分の特徴、使用方法などを動画で視覚的に伝えることで、購買の判断をサポートできます。
アニメーションや図解を使えば、専門知識がなくても理解しやすくなり、売り場での迷いを減らすことにつながります。
オンラインと店頭の連携がしやすい
近年では、ECサイトを持つドラッグストアも増えており、実店舗とオンラインの両方で商品を販売するオムニチャネル戦略が重要になっています。動画はその橋渡しとしても活躍します。
例えば、ECサイトの商品ページに動画を掲載することで、商品情報をより詳しく伝えられ、購入率の向上が期待できます。
また、YouTubeやSNSで公開した動画から、自社オンラインショップへ誘導することも可能です。店頭でも同じ動画をデジタルサイネージで流すことで、オンラインとオフラインの統一感を出すことができます。
差別化とブランディングに直結する
同じような商品を取り扱っているドラッグストア間では、価格競争だけでは限界があります。動画は店舗の「理念」や「地域との関わり」「従業員の想い」といった目に見えない価値を伝えることで、他店との差別化を図るのに役立ちます。
特に地域密着型のドラッグストアでは、地元とのつながりをテーマにしたドキュメンタリー風の動画や、健康セミナー、食育レシピなどのオリジナルコンテンツがブランディングに直結します。
「この店なら信頼できる」「相談しやすそう」といった印象が、リピーターの獲得につながるのです。
専門性のある情報を「信頼」に変えられる
ドラッグストアの強みの一つは、薬剤師や登録販売者といった専門人材が店頭にいることです。彼らの知識やアドバイスを動画として発信すれば、店舗の信頼性を高める武器になります。
例えば、「風邪をひいた時におすすめの市販薬は?」「花粉症の時期の対策とは?」といった季節性のある健康情報を、薬剤師の視点で動画にまとめることで、視聴者に相談できるお店として認知されやすくなります。
また、資格者が登場することで薬機法への配慮もでき、正確な情報を届けられます。
ドラッグストアでの動画活用方法
ドラッグストアで動画を活用する方法としては、主に3つ挙げられます。それぞれどのような内容なのでしょうか。
商品紹介動画
1つ目は商品紹介動画です。ドラッグストアには目薬や胃腸薬、頭痛薬などさまざまな薬が販売されています。しかし、数が多いからこそどれを購入すればいいのか迷うお客さんもいるかもしれません。
そこで商品を紹介することで、どのような薬なのか伝えられます。紹介方法としては画像やPOPなどが挙げられますが、その中でも特におすすめなのが動画です。
動画は印象に残りやすいPR方法であり、店頭だけではなく公式サイトやSNSに掲載することも可能。幅広い場所で商品の魅力を伝えられます。
サービス紹介動画
ドラッグストアによっては、ポイント制度やお得な割引キャンペーンなどを行うこともあります。しかし、行うのであればお客さんに知ってもらわなければ意味がありません。
動画の場合、短時間でもどのようなサービスなのか伝えることが可能。実際にサービスの使い方を実演形式で映像にまとめれば、お客さんとしてもどのようにサービスを利用すればいいのか把握しやすくなります。
求人動画
求人動画というのは、幅広い業界で活用されている方法です。ドラッグストアも例外ではなく、求人募集を行う際に動画も活用して人材を募ることができます。このことはアルバイトやパートの募集だけではなく、就活生に対しても有効的です。
動画では、職場の雰囲気や主な業務内容、実際に働いている人の声などを紹介しましょう。どれも応募する上でチェックされやすいポイントであり、わかりやすく伝えることで魅力的な職場と思ってもらいやすくなります。
ドラッグストアでの主な動画活用事例
ドラッグストアでも動画が活用できるとはいっても、具体的にどう活用すればいいのでしょうか。そこで主な事例を4つピックアップして紹介します。ぜひ動画制作の参考にしてみましょう。
マツモトキヨシ
マツモトキヨシでは、主に商品紹介動画を多数公開。どれも短いものが多く、10秒ほどで終わるものもあります。
しかし、短いながらも大きな文字や派手な写真などを用いてPRしており、印象にも残りやすくなっています。また、短い動画だからこそ店頭でも公開しやすく、お客さんの時間を取らせないという利点もあります。
ココカラファイン
ココカラファインでは、サービス紹介動画に関して実写とアニメーションを組み合わせています。例えば以下の動画であれば、ナレーションや店舗での受け取り方を実写とし、それ以外をアニメーションで紹介しています。
その他にも、有名人とコラボしたり薬の選び方を紹介したりといった動画も公開。特にコラボ動画はコラボ先のファンから見てもらいやすくなるという利点があるため、注目を集めたいキャンペーン動画におすすめです。
ドラッグストアモリ
九州や四国、東北などで展開しているドラッグストアモリでは、毎月栄養士によるおすすめのレシピを動画で紹介。実際にドラッグストアモリで販売されている商品を使うことで、動画を見た方が購入してくれるようにしています。
求人動画では、インタビュー形式で職場の雰囲気ややりがいなどを紹介。インタビュー形式は実際に働いている人の声を紹介できることから、どのような人が働いているのか把握できます。
ウエルシア薬局
ここまではさまざまジャンルの動画を公開しているケースが多かったですが、ウエルシア薬局は異なります。
ウエルシア薬局の場合は薬剤師として働きたい方にターゲットを絞った動画を多数公開。どれも本格的な内容で、薬学部生としては非常に参考となるでしょう。
また、就活生向けのライブ配信も実施。生放送だからこそ日頃思っていた悩みや疑問もすぐに答えてもらえます。
就活に関するライブ配信はドラッグストア以外の業界でも行われているため、求人目的の場合ならば有効的な手段となります。
ドラッグストアが動画を制作する際のポイント
最後にドラッグストアが動画を制作する際のポイントを2つ紹介します。ドラッグストアの場合は他の業界とは違って注意すべきところがあるため、守るようにしましょう。
薬や症状の紹介は慎重に
ドラッグストアは薬を扱っているお店だからこそ、安易な紹介は薬機法や医療法などに関与してしまう恐れがあります。そのため、医療系のコンテンツを扱う際は、慎重に動画を制作するようにしましょう。
また、動画の信頼性を高めるために薬剤師や栄養管理士といった専門家に薬を紹介してもらうこともおすすめです。きちんと資格を持っている人が紹介することで、お客さんも安心して動画の内容を参考にできます。
難しい内容はイラストやアニメーションで
商品やサービスを紹介する際、どうしても実写映像だけでは厳しい場合もあるでしょう。例えば、薬を飲んでどのように身体へ効いていくのか説明する際、口頭だけではイメージしてもらいにくいかもしれません。
そこで、難しい内容を扱う際はイラストやアニメーションを用いましょう。
動画の制作スキルがある程度必要になるとはいえ、実写動画よりもわかりやすく伝えられます。もちろん、ココカラファインのような実写とアニメーションを組み合わせる方法もあります。
ドラッグストアでの動画活用は慎重に
今回は、ドラッグストアでの動画活用方法や主な事例などを紹介しました。
ドラッグストアでは商品紹介や求人などで活用できます。そのことからマツモトキヨシやウエルシア薬局などでも取り入れられていますが、ドラッグストアならではの注意点もあります。
だからこそ、これから動画を活用するドラッグストアは、慎重に計画していくようにしましょう。動画自体に問題がなければ、思った以上の効果をもたらしてくれるかもしれません。