コロナ禍において、いわゆる「おうち時間」が増えたことで、自宅にいながらできる趣味を探すひとが増えています。DIYもそのひとつ。今回は、DIYアイテムを販売しているホームセンターやECサイトの担当の方に向けて、動画を活用するメリットやその方法をご紹介します。
DIYで動画を活用するメリットとデメリット
YouTubeなどの動画サイトのユーザーが増え、SNSでも動画コンテンツの充実が図られてきている現在、さまざまな企業が動画を利用したマーケティングを始めています。では、DIYアイテムを扱う販売店が動画を活用するメリットはどこにあるのか、デメリットにはどのような対策が有効なのかを解説していきます。
メリット
動画は、映像や画像・音声・文字が使えるので、テキストや画像よりも多くの情報を一度に伝えることができます。つまり、DIY商品の詳細や魅力を正確にわかりやすく伝えることが可能なのです。消費者にとってわかりやさというの購入のきっかけにもなるとても重要な要素です。
商品イメージをアップするという点においても、動画は有効です。DIYでできたアイテムを、おしゃれで雰囲気のある部屋を動画に登場させるなど、より商品を魅力的に見せることができます。
また、DIY動画があることは、DIY未経験者が挑戦するきっかけ作りにもなります。できあがりを示すことで、完成図が想像しやすく、心理的なハードルを下げることができるからです。道具などは持っていなくても、製作動画を見ることが好きな人も多く、視聴数の伸びれば、そこから購入につながることも期待できます。
DIYの動画制作はインハウスがオススメ
デメリットは、コスト面です。動画を制作する方法として、大きく「専門の制作会社に依頼する(外注)」と「自分たちで作る(インハウス)」の2種類があります。外注はプロへの依頼です。機材の購入費用もかかりません。しかし、やはり相手はプロですので、それなりに高額な料金を覚悟しておく必要があります。
CGやエフェクト合成など、高度な技術を要する場合は外注が費用的にも効率的でが、そのような希望がないのであれば、インハウスがオススメです。自社で制作することで費用が抑えられます。
ただし、撮影機材や編集に必要なソフトやパソコンの購入費用など初期投資などは必要となります。修正や打ち合わせも自社で行うので、何かあるたびに外部の人と連絡を取り合い、都合を合わせて話し合うというような手間がかかりません。また、動画制作のノウハウが蓄積されることで、クオリティの高い動画を作ることもできるようになります。
インハウスの場合、第三者のサポートを受けながら動画制作することも有効です。企画制作や動画制作、コンサルティングのアドバイスを受けることで、効率良く動画を作ることができます。
インハウス化する方法もあります。弊社のサービスであるクラウド動画編集ツール「メディア博士」は、企画制作サポートも行っています。インハウス化を希望される際にはぜひ検討してみてください。
DIYの動画活用方法とその事例
DIYで動画を活用するには、商品を紹介するための動画ではなく、「視聴者にとって役に立つ」動画を作ることをオススメします。それには、視聴者のDIYレベルごとに動画を作るのもオススメです。いろいろなレベルの動画があった方が、ターゲットを幅広くとらえることができるからです。
幅広いとは、まだ道具を持っていない初心者からプロ顔負けのアマチュアまで。例えば、ハウツー系の動画やDIYに必要な道具を紹介した動画は、初心者が参考にしやすい動画といえるでしょう。
動画の活用方法としてぜひ覚えておいてほしいのが、概要欄です。YouTubeなどの動画サイトには映像部分の下に、動画の情報を載せる概要欄が用意されています。ここに使用した製品のURLを記載するなどして、購入に誘導することができます。また、動画を補足するのにも利用できます。動画投稿後に変更された情報などを記載して、最新の情報に保っておくことも忘れないようにしましょう。
カインズは、関東地方を中心に広く展開している大手ホームセンターで、業界トップの売り上げを誇っています。
参考サイト:
https://diamond-rm.net/market/56992/
レンガだけで作るピザ窯DIY動画。左にはコマ送りのような静止画をつなげた映像、右には手順が文章で説明されています。ナレーションでの説明も入っており、初心者にわかりやすい親切な動画です。
動画概要欄には作る際の注意書きも書いてあり、使用した製品のECサイトURLも貼ってあり、購入への誘導がなされています。
収納整理アドバイザーというプロのアドバイスが聞ける動画です。収納は、テレビや雑誌でよく特集が組まれるほど、消費者が暮らしの中で気になっているコンテンツ。おうち時間が増えたことで、家の中を整理する人も増えたので需要の高いコンテンツでもあるのではないでしょうか。
DIYのプロではないアドバイザーが自ら作ることで、より初心者の心理的ハードルを下げることができています。完成後に収納アドバイスが始まるので、最後まで見てもらいやすい構成になっています。
こちらはペットボトルキャップで黒板カレンダーのDIYをしている動画です。
テロップやナレーションなどの説明的なものは一切なく、手順を追った映像で構成されています。とてもシンプルな作りですが、作業しているウッドテーブルやカントリー調のBGMがおしゃれな雰囲気を演出しています。
こちらの動画を含む「CAINZ DIY STYLE」と題した再生リストは、どれも1〜2分以内で気軽に見られるDIY動画シリーズです。このようなイメージ映像に近い動画もDIYへの興味を持ってもらえるのでオススメです。
ルームファクトリーは、壁紙などを販売するDIYリフォーム専門のECサイトです。サイト内に「
動画で学ぶリフォーム講座」と題して、YouTube動画へのリンクバナーが設置されています。
約10年前の壁紙貼りの説明動画です(2021年5月現在)未だにコメントがついており、関心の高さが伺えます。ショップ側が質問コメントに返信するなどの対応をしており、イメージアップにもつながっています。
株式会社大都が運営するDIYアイテムのECサイト「DIY FACTORY」。自分らしく暮らしを楽しむためのライフスタイルを提案しているショップです。
こちらは、インパクトドライバーの比較動画。プロ用とDIY用の違いを実際に使用した映像です。打撃音やネジが木に入っていくスピードを文字で説明しています。少々マニアックな内容で再生回数は多くありませんが、DIYアイテムを扱うお店ならではの動画となっています。
まとめ
DIYは主に生活に根ざしたものであり、「役に立つ」動画コンテンツでもあります。
だからこそ動画を活用した方がよいといえます。なぜなら、動画はわかりやすく視聴者に有益な情報を届けやすいからです。ぜひ、DIYの魅力を最大限に活かした動画作りを検討してみてください。