現在ではさまざまな企業が動画をPRやマーケティングツールのひとつとして活用しています。企業だけではなく、地方の公共団体や行政機関などの公的機関も、動画を使ったPRを始めています。
今回は宮崎県内の企業や行政が行っている動画活用の事例をご紹介します。地方だからこそ作れるユニークなPR動画を、ぜひ参考にしてみてください。
宮崎県内の企業や公的機関がPR動画を作るメリット
大都市の行政機関や大企業とは違い、地方となると予算が限られていることも多いはず。それでも、地方の企業や公的機関がPR動画を作るメリットはあります。
ここでは、PR動画制作のメリット、そして作る場合にはどのような方法があるかをご紹介します。
PR動画を作るメリット
そもそも動画というメディアは、映像や画像・音(BGMやナレーション)・文字情報を使用できるので、一度で伝えられる情報量が既存の紙媒体やWebサイトよりも格段に多いのが特徴であり最大のメリットです。
人は動くものに目がいくので、より目につく動画はPRツール、マーケティングツールとして非常に有効。その上、現代はスマホや投稿サイト配信サイトの普及により動画を視聴する環境が整っており、これを活用しない手はありません。
そして、地方の公的機関や企業こそPR動画を制作し活用すべき大きな理由があります。それは、地理的な条件でのハンディを解決できるということです。
動画を活用すれば、営業として現地に赴く必要がないので時間や費用などのコストをかけることなくいろんな場所の企業や顧客に対してセールスすることができます。
YouTubeなどの動画投稿サイトで公開すれば、国内のみならず、海外の人にもアピールできる可能性が広がります。インバウンド向けのPR動画を持っておくことは、今後他の自治体や地方企業よりも有利になることが期待できるのです。
また、コストの面のメリットもあります。テレビCMを全国で流そうとするとかなりの予算が必要となりますが、YouTubeなどを利用して動画を公開すれば、制作費以外のコストは基本的にかかりません。(広告を出す場合は別途予算が必要)
PR動画制作の方法
動画制作で重要なのは企画段階です。宮崎県の企業や公的機関であることをアピールすることも有効だと考えられます。
宮崎県は自然や食の豊かさ、サーフィンなどのマリンスポーツも盛んです。また、さまざまな偉人を生み出してきた土地でもあり、そこにヒントがあるかもしれません。宮崎県だからこそできるアピールポイントを考えましょう。
そして、具体的な動画の作り方には、外注と
インハウス(内製)があります。画質やCGなどのクオリティを追求したい、プロの機材を利用したい場合には外注がオススメ。
高度な撮影技術や合成技術はやはりプロに頼んだ方が安心です。そうでなければ、予算や制作時間を抑えることができるインハウスをオススメします。
インハウスで動画制作のノウハウを蓄積すれば、PR動画以外の動画を作りたい場合にも応用が効きます。撮影・編集の機材を購入する必要がありますが、継続して動画制作を行えるというメリットにもなります。
インハウスで不安や疑問点を解消するために、第三者のアドバイスを受けることも有効です。サポートを受けたり客観的な視点でのアドバイスは、インハウスではとても重要になります。
弊社のサービスであるクラウド動画編集ツール「メディア博士」は、企画制作サポートも行っています。
インハウス化を希望される際にはぜひ検討してみてください。
宮崎県のPR動画活用事例
ここでは、実際に宮崎県内の公的機関や企業が制作したPR動画をご紹介します。どこにスポットを当てているのか、何を使ってPRしているのかをぜひ参考にしてみてください。
宮崎県日向市PR動画「Net surfer becomes Real surfer」

宮崎県の北東部に位置する日向市のPR動画。失恋をしてしまったひとりの男性。ネットで相談しながら失恋の克服の仕方について調べると若山牧水の「海の声」にたどり着きます。
そして彼は若山牧水の故郷、日向市に。そこで出会ったサーファーの男性からの「海似合ってないね」の一言で物語は動き出します。
一見スポーツとは縁がなさそうな男性が、サーフィンを通して取り巻く環境や彼自身が変わっていく様子を、3分ちょうどの短い尺で丁寧にコミカルに描いています。
色々な点で惹き込まれるポイントが詰まっている動画で、約110万回再生されています(2025年5月現在)
概要欄の説明文も洒落の効いた、思わず動画が見たくなる文章が載っており、撮影秘話や楽曲制作の話まで記載され、動画本編だけでなく撮影エピソード含めてもう一度見返して楽しめるようになっています。
コメディタッチでユニークな内容と日向市の美しい海との組み合わせ、そしてシネマチックな映像が魅力的な動画といえるでしょう。
宮崎県小林市 移住促進PRムービー "ンダモシタン小林"

こちらは小林市が制作した移住促進のPR動画。小林市は宮崎県の南西部に位置する市です。一見するとフランス人の男性が小林市の魅力を語っているだけに見えますが、実は…という動画。
オチが秀逸です。地方の魅力でもある「方言」を上手く活かしてる動画です。
緑豊かな土地である小林市。森、水、星の映像をたっぷりと使用しています。落ち着いたBGM、映画のような色味の映像。
小林市のアピールポイントをうまく活かしているからこそ、オチとのギャップがより際立ち、ユニークなPR動画に仕上がっているといえるでしょう。
Pure Green Kobayashi-City Miyazaki, Japan 4K (Ultra HD) - 宮崎県小林市

こちらも小林市の公式PR動画。現時点で約500万回も再生されています(2025年5月現在)。
字幕をONにすると撮影地が表示されるなどYouTubeの機能を活用しています。概要欄は英語表記が記載され、インバウンド向けにも作られていることがわかります。
疾走感のあるBGMとドローンを活用した壮大で爽やかな小林市の映像。地産されている果物や乳製品、歴史ある建築物、緑が眩しい田畑。一度は訪れてみたいと思わせるのに十分ではないでしょうか。
ナレーションやテロップはなく映像と音楽だけで演出された動画ですが、小林市の衣食住の魅力がぎゅっと詰まっており、クオリティの高いPR動画です。
【ぎょうざの丸岡】ぎょうざの美味しい焼き方
https://www.gyo-za.co.jp/
ぎょうざの丸岡は、宮崎県内では有名な餃子専門店です。実店舗や通販サイトで生餃子や餃子のタレ、餃子スープの素を販売しています。
YouTubeでもこちらの餃子を食べてみた系の動画が多く投稿されており、全国区に知れ渡っていることが分かります。
こちらは専門店ならではの美味しい餃子の焼き方を紹介した動画となっており、一見、PR動画には見えませんが、YouTube内で「餃子 焼き方」などキーワード検索された場合にヒットし、見てもらい知ってもらう可能性は大いにあり、その点ではPR動画といえるのではないでしょうか。
なぜなら、そこで「ぎょうざの丸岡」を知らなかった人へのアプローチができるからです。
また、自社商品などをそのままPRするのではなく、このようにハウツーを動画にしてPRとするのも、知ってもらう、好感を持ってもらうきっかけとしては有効でしょう。
宮崎県の企業であることを押し出してはいませんが、自社のPRツールとしての役割は果たしているといえます。
宮崎県内の企業や公的機関がPR動画を活用する際に気を付けるポイント
地方に根差した企業や自治体だからこそ発信できる魅力がある一方で、動画活用にはいくつか注意点も存在します。
せっかくの動画が意図と違う伝わり方をしたり、逆効果を生んでしまったりしないために、気を付けておきたいポイントを解説します。
誰に向けた動画かを明確にする
最も重要なのが「誰に見てほしいのか」というターゲット設定です。観光客向け、移住希望者向け、地元住民向け、企業誘致向けといった目的によって、伝えるべき内容やトーンが大きく変わります。
例えば、インバウンド向けなら字幕や翻訳対応、英語ナレーションの検討が必要です。一方で、地元住民や移住検討者向けの動画であれば、方言や地域の人の登場による親近感の演出が効果的です。
方向性を曖昧にしたまま進めてしまうと、誰にも響かない動画になってしまう可能性があります。
地元の魅力を「正確に」「過不足なく」伝える
動画でありがちな失敗は、魅力を盛りすぎたり、逆に見せ方が中途半端になってしまうケースです。地方の魅力は、見せすぎると観光地化しすぎて生活感が薄くなり、特に移住希望者などには逆効果になることもあります。
「生活者目線」「観光者目線」「投資者目線」など、見る人の立場に合わせた編集構成を意識し、リアルさを保ちつつ魅力を伝えることが重要です。地域の良さを「客観的に」「具体的に」見せる工夫が、信頼と好感につながります。
映像・音のクオリティを軽視しない
インハウスで制作する場合に陥りやすいのが、照明不足や音割れ、構図の不安定さといった「基本の品質管理の甘さ」です。自治体や企業の公式動画として公開する以上、映像と音声のクオリティは信頼性にも直結します。
例えば、ナレーションが聞き取りにくかったり、雑音が多かったりすると、内容以前に動画そのものが敬遠されてしまいますので、最低限の撮影・編集スキルや機材準備は必要です。
社内で完結できない場合は、必要に応じて外注や支援ツールの活用も検討しましょう。
誤解を招く表現や権利関係に注意する
動画で注意すべきなのが、表現に関するコンプライアンスと著作権・肖像権です。誤解を招く表現や、登場する人物への承諾取得、使用する音楽・画像の著作権などは、しっかりチェックする必要があります。
特に、観光客や地元住民を無断で撮影・公開してしまうと、個人情報や肖像権の問題に発展することも。地域密着の発信だからこそ、丁寧な確認と許可取得を徹底することが大切です。
まとめ
大都市に比べ地理的に不利な条件をもつ地方企業や公的機関こそ、PR動画を制作しネット上に公開するメリットは大きいでしょう。
公開してすぐに売上や観光客の増加にはつながらないかもしれませんが、「知ってもらう」という大事な最初の一歩をクリアする可能性を高めるからです。ぜひ事例などを参考にPRツール動画制作を検討してみてください。