中小企業に動画の活用をおすすめする理由
動画マーケティングは、大企業だけのものではありません。むしろ、予算やリソースに限りのある中小企業こそ、積極的に取り入れるべき手段です。
ここでは、中小企業に動画の活用をおすすめする理由について、解説していきます。
費用対効果が高い
マーケティングに特化したオウンドメディアとして有名な「ferret」によると、商品を紹介する動画を見せたユーザーと動画を見ていないユーザーとでは、購買意欲に1.68倍もの差が生じるほど、動画はユーザーの購買意欲をかき立ててくれます。
もちろん、効果は動画のクオリティや業種、そして取り扱う商品やサービス自体の魅力に左右される部分もあります。しかし、マーケティングに割ける予算が限られている中小企業にとって、比較的少ない投資で大きな成果を得られる手段であることは間違いありません。
加えて、近年では高価な機材や専門知識がなくても、クラウド型の動画編集ツールを活用すれば、手軽に質の高い動画制作が可能になっています。この点も、中小企業が動画に取り組みやすい理由の一つと言えるでしょう。
認知拡大から購買促進まで幅広く使える
動画はマーケティングのあらゆるフェーズで活用できる万能なツールです。
例えば、会社紹介動画やスタッフ紹介動画を活用すれば、企業の認知度向上に直結します。さらに、商品紹介動画やサービス紹介動画を配信することで、商品やサービスの理解を深めてもらい、購買意欲を刺激できます。
最近では、単なる紹介にとどまらず、商品やサービスの使い方を解説するマニュアル動画、ライブ配信によるリアルタイム営業、採用活動における企業PR動画など、多岐にわたる活用法が登場しています。
このように、見込み客の認知フェーズから購入決定フェーズ、さらには利用後のサポートやファン化まで、動画は一貫して力を発揮するため、マーケティング活動全体を強力に支えてくれる存在となるのです。
顔が見える発信が有効
中小企業においては、大手企業と比べて「知名度の壁」に直面することが多くあります。
そこで重要になるのが、「顔が見える発信」です。動画は、スタッフの表情や声、企業の雰囲気、実際の製品やサービスの活用シーンなどをリアルに伝えることができるため、単なるテキストや写真以上に「親近感」や「信頼感」を醸成できます。
例えば、スタッフ紹介動画を制作してサイトやSNSに掲載することで、消費者や取引先との心理的な距離を縮めることが可能です。
商品紹介にしても、実際にスタッフが製品を手に取って紹介する映像を流せば、ユーザーは単なるスペック表では伝わらないリアリティを感じ取ることができます。
中小企業にとって重要なのは、大企業のような圧倒的なブランド力ではなく、「この会社なら信頼できそう」「この人たちと仕事がしたい」と感じてもらうことです。
動画は、こうした信頼構築において極めて効果的なツールだと言えるでしょう。
中小企業におすすめの動画活用法9選
動画は費用対効果が高く大きな成果の見込めるマーケティング方法であるため、中小企業こそ積極的に活用するべきだと紹介してきました。
では、具体的にどのような形で活用していけばいいのでしょうか?
中小企業におすすめの動画の活用法を9つ紹介していきます。
中小企業が動画を活用するときにまず用意しておきたいのが、会社の紹介動画です。
会社の紹介動画は一般の消費者にも効果を発揮してくれますし、営業に活用することもできます。
・どういった会社なのか
・どういった事業をおこなっているのか
・どういった製品やサービスを展開しているのか
など、会社のことをわかりやすく伝える動画を制作し、公開しましょう。
スタッフ紹介動画
最近の消費者は、製品を購入したりサービスを利用する前に企業の情報を収集する傾向にあります。
そこで用意しておきたいのが、スタッフ紹介動画です。
従業員にフューチャーした動画を用意しておくことで消費者に親近感をいだいてもらえるようになり、製品の購入やサービスの利用、顧客のファン化につなげることができます。
商品紹介動画・サービス紹介動画
取り扱っている商品を紹介する商品紹介動画やサービスを紹介するサービス紹介動画も、中小企業におすすめの動画の活用法の一つです。
商品紹介動画やサービス紹介動画は、商品やサービスの認知を広げるために必要になるのはもちろん、商品の購入やサービスの利用をユーザーに検討してもらうための動画として活用できます。
取り扱っている商品が複数ある場合は商品ごとに動画を用意するのもおすすめですし、シリーズで分けて比較しながら紹介するといった活用の仕方もありますよ。
商品やサービスの使い方解説動画
商品を購入したユーザーやサービスを利用してくれているユーザーの満足度を高めるために用意したいのが、商品やサービスの使い方について解説する解説動画です。
動画版の「説明書」をイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。
動画は手順などを説明するのに向いているフォーマットですので、使い方や活用方法を解説する動画を用意しておけば顧客の満足度を高めることができますよ。
リモート営業
新型コロナウイルスが蔓延して以降、企業の営業のあり方も変化しつつあります。
リモート営業は電話やメールでおこなうのが一般的ですが、その際に動画を活用することによって、より高い成果が見込めるようになります。
・メールに動画のリンクを貼り付ける
・ZOOMなどのオンライン会議システムを活用する
など、動画を上手く活用し、成果につなげていきましょう。
動画コマース
ECサイトを運営している中小企業におすすめなのが動画コマースです。
動画コマースはECサイト内に動画を掲載し、商品の購入につなげる、新しいECサイトのあり方です。
動画は商品の魅力を伝えるのに最適なフォーマットですが、その動画をECサイト内に掲載することで顧客の購買意欲を高め、商品の購入につなげていきます。
ライブ配信
中国を中心にビジネスへの動画の活用法として注目を集めているのが、「ライブ配信」です。
YouTubeやInstagramといったプラットフォームのライブ配信機能を活用し、リアルタイムで商品の紹介やサービスの紹介をおこなっていきます。
リアルタイムでユーザーからの疑問や質問に答えることができるため、購買につながりやすくなっています。
採用動画
高齢化の影響で企業が採用にかけるコストは年々増加し続けていますが、それは中小企業も例外ではありません。
そこでぜひ活用してほしいのが、「採用動画」です。
企業の概要や働いている従業員の声、実際の業務内容などを動画化し、就活生に向けて発信することで採用につなげることができます。
動画広告
中小企業が売上を向上させる方法の一つにインターネット広告がありますが、インターネット広告の出稿を検討している中小企業にぜひおすすめしたいのが動画広告の活用です。
昨今、動画と同様に動画広告への需要も高まってきており、さまざまな媒体で動画広告を出稿できるようになっています。
自社の製品やサービスのターゲット層が集まる媒体に動画広告を出稿すれば大きな成果が見込めますので、ぜひ活用を検討してみてください。
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中小企業が動画制作をするときの注意点
中小企業が動画を活用できる様々な場面を紹介してきましたが、実際に動画を作成する時に注意すべきことはどのようなことでしょうか?
ここでは、中小企業が動画制作をするときの注意点を解説します。
印象に残る動画づくりを意識する
動画を作成するときの注意点の一つ目は、「印象に残る動画づくり」です。なぜなら、競争が激化するビジネス環境において、印象に残る動画を制作することでブランドの認知度向上や顧客の心に響くことができるからです。
印象に残る動画づくりを意識しないと、競合他社との差別化が難しいうえ、視聴者が動画を覚えておらず、情報が伝わりにくいことがあります。すると、効果的なマーケティングやコミュニケーションの機会を逃すかもしれません。
動画のコンセプトをしっかり決める
中小企業が動画制作をする際、動画のコンセプトをしっかり決めることは非常に重要です。なぜなら、コンセプトが明確でない場合、伝えたいメッセージがぼやけてしまい、視聴者に伝わりにくくなるからです。
視聴者は何を期待して動画を観るのか、何に興味を持っているのかを考慮せずに動画を制作すると、メッセージが混乱し視聴者の関心を引くことができません。あらかじめ、動画のコンセプトはしっかり決めておきましょう。
動画時間は長くなくていい
中小企業が動画制作を検討する際、動画時間は長くなくても良いという点に注意すべきです。なぜなら、動画時間が長い場合、視聴者の興味を引き続けるのが難しくなるためです。むしろ短い動画の方が視聴者の関心をキープしやすく、メッセージが効果的に伝わります。
また、短い動画の方がSNSでのシェアが容易で、多くの人にアクセスされる可能性が高まり、動画の制作コストをおさえることもできます。
中小企業の動画活用事例4選
中小企業がマーケティングに動画を取り入れる上でぜひ参考にしたいのが、実際に動画を取り入れ、上手く活用している中小企業の事例です。
今回は、特に動画を上手く活用している事例を4つピックアップしてみました。
リスタチャンネル

神戸に店舗を構えるDIYショップ、「リスタ」。
リスタは「リスタチャンネル」という公式チャンネルをYouTubeに開設し、そのYouTubeチャンネルに多数の動画を公開しています。
主に自社で販売している商品を使ったDIYのハウツー系動画を配信していますが、DIY系の動画は非常に人気が高いジャンルであるため、10万人以上がチャンネル登録し、動画の総再生回数は約4,000万回程度となっています。
こちらの動画も自社の製品を使ったDIY動画で、実際の手順をわかりやすく解説しつつ概要欄に自社のECサイトへのリンクを設置することで集客につなげています。
ジャストプラス

愛媛県にある有限会社「松本スレート興業」も、動画を有効活用している中小企業の一つです。
松本スレート興業は住宅の建設をおこなっている地方の建設会社ですが、自社で建てた住宅のルームツアー動画をYouTubeにアップし、多くの視聴者を獲得しています。
ルームツアー動画もYouTubeで人気が急上昇している動画のジャンルであるため、その需要と上手くマッチした事例だと言えるでしょう。
こちらの動画もルームツアー動画の一つですが、まるでモデルルームの見学をおこなっているような気分になれる作りになっているため、住宅の購入・建設を考えているユーザーの購買意欲を刺激し、問い合わせやサイトへのアクセスにつなげています。
エムスリー

エムスリーは医療従事者向けポータルサイトを運営している会社で、インターネットを利用した医療関連サービスを提供している会社です。この動画は採用場面で活用したもので、効率的な説明や工数を減らすことに役立ちます。
ケルヒャー

ケルヒャーはスチームクリーナーを扱う会社です。この動画は、ケルヒャーの製品を使うお客様の実際の声を紹介した動画です。
製品の使い方や使用感が、お客様の自宅の汚れを掃除することで実感でき、購買意欲を高め営業に活用できる動画になっています。
動画制作は内製?外注?
ここまで中小企業が作成した動画の例などもみてきましたが、実際に動画を作成したいときには内製と外注のどちらがよいのでしょうか?
ここでは、動画作成を内製した場合と外注した場合のメリットを紹介します。
内製のメリット
内製のメリットは、制作費用を削減できることです。特に予算が限られている中小企業にとってはコスト面での優位性があります。また、内製動画制作はスケジュールに柔軟性を持たせ、急なニーズにも素早く対応できます。
さらに、自社のブランドや文化に精通しているため、ブランドメッセージを一貫性のある形で伝えやすくなります。予算が限られており、自社で制作のスキルを持っている場合は内製が有利です。
外注のメリット
外注のメリットは、専門の動画制作会社に依頼すれば、品質の高い動画制作ができることです。また、動画制作会社は効率的に進行させるための経験を持っています。
さらに、アニメーション、実写、ドキュメンタリーなど、さまざまな動画スタイルを提供できます。高品質な動画を必要とし、外部の専門家のアドバイスやスキルを活用したい場合は、外注が有効です。
まとめ
実際に動画を有効的に活用している企業の事例に触れながら、中小企業の動画活用について紹介してきました。
今回紹介したとおり、動画は費用対効果が高く、大きな成果をもたらしてくれる可能性のあるマーケティング方法です。
今後5Gが普及してこれば動画への需要がより高まるため、さらに大きな成果をもたらしてくれるようになるはずです。
そういった未来を見据えて、今から動画の活用に取り組まれてみてはいかがでしょうか?