フィットネス・スポーツジムの現状とは
現在のフィットネス・スポーツジム業界は、コロナ禍を経て大きな変化を遂げています。当時、自宅待機や外出制限があり、ジムへ出かけて運動をすることができなくなりました。
その一方で、健康意識が強まり、運動習慣を持つ人が増加し、これまでジムに縁がなかった層の関心が高まりました。
2020年にはフィットネス・スポーツジム業界の売り上げは縮小していましたが、2024年度には約7,100億円に達し、今後過去最高規模に拡大すると見込まれています。
コロナ禍で縮小した市場がまた回復できたのはなぜでしょうか。コロナ禍のフィットネス・スポーツジム業界を振り返りながら、どのような変遷をとげて現状に至るのかを解説します。
コロナ禍のフィットネス・スポーツジム業界はどうだった?
経済産業省第3次産業活動指数でスポーツ施設提供業の内訳(利用者数の変動)を見てみると、フィットネスクラブは2014年以降から2020年初頭にかけてゆるやかな上昇傾向にあったものの、コロナの影響を受けて2020年5月までに急激な指数低下を記録しました。
しかし7月には数値は急速に回復、2021年5月には6割程度(2020年1月と比較)までにとどまっています。
このようにとどまった要因は『コロナ渦でできるリフレッシュがスポーツに向いたため』と考えられています。
スポーツ庁の発表によると『36.5%がコロナによって日常生活の変化が生じたため』、『30%が仕事が忙しくなくなったため』運動を実施したと回答しました。
約60%以上がコロナをきっかけに運動の実施を増やしたことになります。
しかしながら、その多くがジョギングや身近にできるストレッチやヨガなどを行っており、フィットネス・スポーツジム業界はコロナによって生まれたスポーツ新規勢を顧客として獲得できていませんでした。
コロナ禍で成功したフィットネス・スポーツジム業界のポイント
コロナ後、利用者のニーズは多様化しています。従来の大型総合ジムだけでなく、低価格・コンビニ型ジム、24時間営業施設、小規模スタジオなど、多様な店舗形態が増加しました。
特に「chocoZAP」のような低価格小規模ジムは、価格に敏感な若年層や、女性、運動初心者を取り込む要因となり、市場全体を押し上げています。このような新規利用者層の増加が、従来のフィットネス離れを補ううえで重要な役割を果たしました。
同時に、デジタル技術の導入も進んでいます。オンラインレッスンやライブフィットネス、アプリ連動のトレーニングプログラムなど、リアルなジム利用とデジタルサービスを組み合わせるハイブリッド型フィットネスも一般化してきました。
そのため、ジムに通えない時間帯や場所においても顧客との接点を維持できるようになり、継続的な会員関係の形成ができるようになっています。
また、フィットネス利用者は「自己最適化」や「体験価値」を重視する傾向が強まっています。単なる筋トレや有酸素運動ではなく、パーソナルトレーニング、グループクラス、リカバリー(ストレッチ、瞑想、リラクゼーション)など、目的別プログラムの人気が高まっています。
2025年にはAIやデータを活用した個別最適化トレーニングプログラムが一般化しつつあり、ジムは単なる設備提供から「パーソナル体験提供」へと役割が変化しています。
また、動画コンテンツやSNSを活用したマーケティングも浸透しています。ジム内でのトレーニング動画、インストラクターによるオンラインレッスン、ユーザー生成コンテンツなどが新規顧客の獲得や会員の維持に役立っています。
これらはデジタル世代にあったプロモーション手法となりつつあり、特に短尺動画やライブ配信を使ったリアルタイムな訴求が効果的です。
一方、市場規模は成長していますが、すべての事業者が同様に成功しているわけではありません。帝国データバンクの調査では、損益が二極化しており、約半数が黒字を確保する一方で、減益や赤字の企業も目立っています。
競争激化、顧客獲得コストの上昇、建設・運営コストの増加が収益性の課題です。このため、差別化されたサービス提供やデジタル戦略の強化が企業の持続性を左右する重要な要素となっています。
フィットネス・スポーツジム業界の将来性とは?
コロナ後のフィットネス・スポーツジム業界は市場規模が過去最高水準にまで回復・拡大し、今後も成長の余地が見込まれています。国内市場規模は7,100億円前後に達し、低価格ジムや小規模スタジオの出店が市場を押し上げています。
さらに、健康志向の高まりは運動継続のニーズとして根付いており、パーソナル、グループ、リカバリーなど多様なプログラムが提供されています。デジタル×リアルのハイブリッド型サービスが、顧客満足度を上げる重要な鍵となっています。
また、若年層を中心にウェルネス・セルフケア需要が高く、障壁の低いコンテンツ配信やコミュニティ形成が今後の集客戦略の柱となるでしょう。
加えて、AIやデータ分析を活用したパーソナライズサービスの導入によって、個別最適化されたトレーニング提供が可能になります。
これらのトレンドを取り入れ、顧客ニーズに対応していくかが、今後も堅調な成長を支える基盤となるでしょう。
フィットネス・スポーツジム業界におすすめの動画活用とは?
将来性が十分あるフィットネス・スポーツジム業界ですが、さらなる発展のためには、動画コンテンツやSNSを活用したマーケティングが欠かせません。
本章では、フィットネス・スポーツジム業界のお手本にしたい動画活用事例を紹介していきます。
動画活用でオンラインスポーツジム

引用:
コナミスポーツクラブ ダンススクール入門お家で踊ってみよう!【ステップの応用編】
こちらはコナミスポーツクラブ ダンシングスターズのディレクターとインストラクターがレクチャーする、ダンス動画です。
室内でも練習ができる内容を動画で発信することで、既存顧客に対してはレッスンの補助にもなりますし、オンラインで気軽に視聴できることで、新規顧客開拓のきっかけとしても有効です。
生配信で他生徒と連携しながらするもよし、この動画のようにコンテンツとして発信していくのも良いでしょう。
変化の過程を見せる完全ドキュメント型動画活用

引用:
Youtube RIZAP(ライザップ)公式チャンネル【感動の2ヶ月半】54.6→49.8kg「キレイな姿で学園祭で踊りたい」何度も諦めた私がライザップで別人に|全記録公開
RIZAPの動画活用は、短期間で成果が出るプロセスを物語として伝える完全ドキュメント型の動画マーケティングです。
2ヶ月半の挑戦期間を通じて、体重や体型の変化だけでなく、トレーニング内容、食事管理、停滞期の乗り越え方までを時系列で公開しています。
実在の利用者の目標や悩みに寄り添い、その達成までの軌跡を丁寧に描くことで、視聴者は自分自身の成功イメージを重ねやすくなります。
また、数値データや注意書きを明示することで信頼性も確保し、「結果にコミットする」ブランドメッセージを強く印象づける動画活用です。
実践ノウハウを共有する教育型動画活用

引用:
Youtube 247ワークアウト公式チャンネル パーソナルトレーナー考案 ガチ1週間分ダイエットメニュー【食事指導】
24/7Workoutでは、トレーナーによる食事指導やダイエットの考え方を動画で分かりやすく伝えています。
今回のように「1週間分の食事指導」をテーマにした動画では、具体的な献立例や考え方を公開し、視聴者が日常生活に取り入れやすい形で情報提供しています。
単なる宣伝にとどまらず、役立つ知識を届けることで信頼感を高めています。また、コメント欄でテーマのリクエストを募るなど、双方向のコミュニケーションも重視しています。
実績や指導力を自然に訴求できるこの動画活用は、24/7Workoutの専門性と親しみやすさを同時に伝えられています。
日常に運動を取り入れるハウツー型動画活用

引用:
Youtube ルネサンスチャンネル 【バランスボール】の効果的な座り方。初心者にもおすすめ。~テレワークの合間にもちょこっとエクササイズ~
ルネサンスでは、フィットネス器具の正しい使い方や、効果的なトレーニング動作を伝えるハウツー型の動画活用を行っています。
バランスボールの動画では、座り方のポイントから実践的なエクササイズまでを段階的に解説し、自宅でも安全に取り組める内容になっています。専門知識を持つトレーナーがノウハウを無料で提供することで、運動への不安を減らし、運動習慣の定着を促進しています。
動画で興味を持った視聴者を実店舗のプログラムへ自然につなげる導線として、オンラインとリアルを結ぶ動画活用をしている好例といえるでしょう。
フィットネス・スポーツジム業界が動画を活用する際の注意点
動画活用にはいくつかのリスクや注意点も存在します。ここを軽視すると、せっかくの動画が逆効果となりブランド価値を損ねる可能性もあるため、戦略的かつ慎重に運用する必要があります。
ここでは、具体的な注意点を整理していきます。
安全性と正しいフォームを伝えること
トレーニング動画で最も大切なのは「安全性への配慮」です。利用者の多くは動画を参考に自宅で運動を真似しますが、間違ったフォームや過度な負荷のかけ方を示してしまうと、怪我につながる恐れがあります。
そのため動画制作時には、必ず正しいフォームを明示し、難易度ごとに段階的なバリエーションを示すことが効果的です。
さらに「無理をせず体調に合わせて行ってください」といった注意書きやナレーションを入れると、視聴者は安心して取り組むことができます。
個人情報・プライバシーの保護
ジム内での撮影では、他の利用者やスタッフが映り込む可能性があります。本人の許可なく公開するとプライバシー侵害となり、トラブルの原因になります。
施設紹介やトレーニング動画を撮影する際は、出演者を限定する、一般利用時間外に撮影する、モザイク処理を施すといった配慮が不可欠です。
また、会員インタビューを行う場合は必ず書面や口頭で使用許諾を得ることで、後々のリスクを避けられます。
誇張表現を避け、リアルな効果を伝える
フィットネスの世界では「短期間で必ず痩せる」「誰でも劇的に変わる」といったキャッチコピーが使われがちです。しかし過度な誇張は消費者庁による景品表示法違反のリスクがあり、信頼を失う要因となります。
動画では実際のトレーニング内容や会員のリアルな声を届けることが重要です。例えば「3か月で〇kg減量」といった数字を使う場合には、個人の成果であることを明示し、全員が同じ結果を得られるわけではないことを補足する必要があります。
音楽や映像素材の著作権に注意する
動画制作においてBGMや映像素材を安易に使用すると、著作権侵害につながるリスクがあります。特にYouTubeやSNSは自動検出システムが厳しく、無断利用が判明すると動画が削除されたりアカウント停止になることもあります。
必ず著作権フリー素材やライセンス契約済みの楽曲を利用するようにしましょう。さらに、ジム内で流れている音楽がそのまま録音される場合にも注意が必要です。
まとめ
今回はフィットネス・スポーツジム業界について基礎知識を交えながら、どういった動画活用をすべきか紹介してきました。
将来的にも有望な本業界はITを駆使することでさらに発展することでしょう。ぜひ動画活用を導入してみてはいかがでしょうか?