動画やSNSをアップする時に欠かせないのがサムネイルですが、「サムネイルとはそもそも何?」「目を惹くサムネイルをつくるにはどうすればいい?」など気になる方が多いのではないでしょうか。
この記事では、今さら聞けないサムネイルの意味や、各SNSにアップする時の推奨サイズ、サムネイルを作成する際のポイントなどを詳しく解説していきます。サムネイルを作成する際の注意点も解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
サムネイルとは?
サムネイルとは、動画やファイルなどを実際にみて確認しなくても一目で中身の内容が分るような縮小画像のことです。英語では「thumbnail(親指の爪)」と書き、親指の爪のように小さいサイズの画像を表わしています。
大きいサイズの画像では読み込みに時間がかかり、サーバーに負担となるのに対し、サムネイルは小さい画像の為読み込みも時間がかからず負担も少なく済みます。
また、同時に多くのファイルを一覧表示したりできるため、様々なサイトで活用されています。よく耳にする「サムネ」とはサムネイルの略語です。
サムネイルは、パソコン内のファイルを表示したりするのに使われるのをはじめ、YouTubeやブログなどのSNSでも使用されます。また、WEBニュースや、ショッピングサイトの商品一覧などでも使用されています。
サムネイルの役割とは?
サムネイルは「一覧表示したときに中身が分りやすい」というのが主な役割です。ファイルなどを一覧表示にした際に、一つ一つ中身を確認しなくても一目でわかるように作られたものがサムネイルです。
一方で、SNSにおけるサムネイルは、中身を端的に伝えるだけでなく、視聴回数を増やしたいという目的が加わってきます。中身を正確に伝えるだけでなく、動画をみてもらうためにサムネイル自体が魅力的である必要があります。
サムネイルが魅力的であれば、目に留まり、中身を確認してみたいと思わせることができます。
しかし、サムネイルが目に留まりづらいものであれば、その動画は誰にもみられないということになってしまうかもしれません。サムネイルは動画の視聴回数に大きなかかわりがあるのです。
サムネイルとアイキャッチは違う?
サムネイルとアイキャッチは似ていますが、それぞれ意味が異なります。アイキャッチとは、ユーザーの目を惹くための画像・映像を指す言葉です。
eye(目を)catch(掴む)するということで、ユーザーの目をつかむという意味なのですが、これは和製英語です。
アイキャッチは、主に「ユーザーの目を惹くこと」を目的に作られ、それによって動画であれば再生回数、ブログであれば表示回数を増やすことがねらいです。
アイキャッチは、ブログでいうと記事のメインビジュアルや一覧の大きい箇所に表示されます。
一方でサムネイルとは、動画やファイルの内容が一目でわかるような極小画像を指します。特に、一覧表示で使用されるものはサイズが小さくなるので、盛り込める情報は厳選されます。
アイキャッチを縮小して使用する場合もありますが、縮小すると画像が見えにくくなってしまう場合はサムネイル用に作り直す必要があります。
もちろん、サムネイルでもユーザーの興味関心を惹く必要がありますが、基本的な役割としては、「一覧表示にしたときに中身が分りやすい事」です。
サムネイルのサイズについて
サムネイルを作成する時に重要なのが、そのサイズです。アップする媒体やSNSの違いによって、推奨されているサムネイルのサイズは異なります。
ここでは主要SNS(YouTube、Instagram、Twitter、Facebook)のサムネイルのサイズについてまとめます。
YouTube
・アスペクト比 横16:縦9、解像度 横1,280×縦720ピクセル
・ファイル形式は、JPG/PNG/GIF/BMPのいずれか
Instagram
・アスペクト比 横1:縦1、解像度 横1,080×縦1,080ピクセル
・アスペクト比 横1.91:縦1、解像度 横1,080×縦566ピクセル
・アスペクト比 横5:縦4、解像度 横1,350×縦1,080ピクセル
・ファイル形式は、JPG/PNGなど
Twitter
・投稿画像 アスペクト比 縦16:横9、解像度 縦1,280×横720ピクセル
・ファイル形式は、JPG/PNG/GIFのいずれか
Facebook
・アスペクト比 横1.91:縦1、解像度 横1,200×縦630ピクセル以上
サムネイルを作成する際のポイント
SNSにおけるサムネイルは、中身を端的に伝えるだけでなく、視聴回数を増やしたいという目的が加わってきます。そのため、サムネイルは、視聴者の「見たい!」という気持ちを引き出すものであることが理想的です。
では、SNSで使用するサムネイルを例にするとどんなことが重要になるのでしょうか。ここでは、サムネイルを作成する際のポイントをお伝えしていきます。
文字数は15文字
文字数は少ないほど望ましく、15文字程度にするのが適切です。なぜなら、サムネイルの画面は大変小さいからです。そこに伝えたいことを盛り込もうとすると、文字で表現しようと思えばどうしても文字数が増えてしまいます。
ですが、サムネイルのような極小の画面に大量の文字を入れるとなると、どうしても一文字一文字は小さくなってしまいます。見た目にもごちゃごちゃとした印象になり、結果大変見づらいサムネイルになってしまいます。
そのため、サムネイルに入れる文字数は少なければ少ないほど好ましいです。ただ、全く文字を入れないとなると、伝えられる情報が限られてしまいます。そこで、使う文字数は最大でも15文字程度を目安にすると良いでしょう。
数限りなく並んでいるサムネイルから1つを選んで視聴してもらうには、視聴者の目を惹くインパクトのあるサムネイルを作成する必要があります。入れる文字も、少ない文字数で人目を惹くキャッチーな言葉を選ぶ必要があります。
フォントは大きく、インパクトのあるデザインに
フォントは大きく、見やすいものにしましょう。また、デザインは思わず見てしまうようなインパクトのあるデザインが好ましいです。
たとえ文字数が少なくても、小さいフォントでちょこちょこと入っている文字は大変見づらく、印象にも残りづらくなってしまいます。そのようなサムネイルの動画を見たいと思わせるのは難しいでしょう。
そのためフォントは大きく、見た目にインパクトのあるものにすべきです。言葉のチョイスが素晴らしくキャッチ―なものであっても、視覚に訴えるものでなければスルーされてしまいます。画像に組み込むフォントは大きく・見やすいものを心がけましょう。
また、デザインに関しても、小さくちょこちょこと文字や画像を配置したものでは目立ちません。画面からはみ出すようなインパクトのあるデザインにして、目を惹くよう心がけましょう。
人の画像を入れる
喜怒哀楽のある人の顔を載せると、目を惹く効果があります。広告やチラシでも自然と、写っている人の顔に注目がいくように、人は人の顔を無意識に見てしまうものです。
サムネイルも同様に、人の顔を入れると注目を集めやすくなります。載せるときは、無表情でなく、驚いたり笑ったり、感情表現のあるものにするとさらに注目を集めやすくなります。
キーワードから連想される画像を使用する
検索キーワードから連想される画像をサムネイルにしようすると、クリック率が増えます。それは、動画を見るかどうかを決める判断材料となるのが主にサムネイルだからです。
自分が興味のあるもの、あるいは見たい動画を探すためのキーワードに関係のある画像がサムネイルの動画なら、クリックして中身を確認したいと思うでしょう。
サムネイルだけでオチをばらさない
サムネイルの役割は、実際に動画を見てもらうことです。もちろん、動画の内容を分かりやすく紹介するのも重要ですが、サムネイルを見ただけでオチがついてしまい「見る必要無し」と判断されてしまうのは非常にもったいないことです。
また、「お決まり」の展開で、落ちが分っていてもついついみてみたい、といった動画も中にはあるかもしれませんが、視聴者にそう思わせることは大変高度な技術です。
サムネイルは、動画視聴を動機付けるためのものです。展開が気になって見てみたいと思ったり、直接興味はなかったけどサムネイルをみて興味を持ったので見てみたいといった感情が引き出せると理想的です。
そのためにも、サムネイルはあくまで動機づけ、実際に見てみてオチがわかる、といったサムネイルが望ましいです。
視聴回数の多い人のサムネイルを参考にする
視聴回数が多いということは、それだけサムネイルで人目を惹けているということにもなります。
もちろん登録者の多い人は、視聴者も多く再生回数も多くなりますが、それだけ沢山の人に見られる動画を作り続けているからにはそれなりのノウハウも持ち合わせているはずです。
サムネイルを作るのが上手なYouTuberやインフルエンサーと呼ばれる人、自分がついつい見てしまう動画のサムネイルなどを参考にするのも良いでしょう。そうすれば、良いサムネイルの傾向が分かってくるはずです。
ただし、完全に真似をするのはNGです。重要な部分や作成のポイントを押さえてあくまで参考にするに留めましょう。
見やすくインパクトのある配色
サムネイルに取り入れる文字は、見やすさも担保しなくてはいけません。
いくら内容がよくても、文字が認識しづらく、読んだり内容を理解するのに時間がかかってしまうようでは意味がありません。
視認性を高める方法はさまざまですが、定番なのが配色によって視認性を高める方法です。例えば、黒背景に白文字など明度差の高い配色を意識すると文字が見やすくなります。
ただ、視認性を高めるだけだと他のサムネイルの中に埋もれてしまう可能性があるので、思わず手を止めてしまうようなインパクトのある配色を取り入れることも重要になります。
サムネイルの作り方
制作した動画は、動画配信サービスに投稿して活用したり、各種SNSに投稿して活用することができますが、どこで活用するかによってサムネイルを作成する際のポイントが異なります。
ここでは、動画サイトに動画を投稿する際のサムネイル作りのポイントと、SNSに動画を投稿する際のサムネイル作りのポイントに分け、解説していきます。
動画サイト用サムネイルの作り方・ポイント
サムネイルの基本的な作り方は、動画サイトに投稿する場合であってもSNSに投稿する場合であっても特に変わることはなく、PhotoshopやCanvaなどの編集ツールを使って作成していきます。
作成方法は簡単で、背景を用意して、その上に画像やイラスト、テキストを配置していくだけです。
サムネイルでは文字が重要になるので、「サムネイルを作成する際のポイント」の内容を参考にしつつ、文字を一番上のレイヤーに配置して作成するようにしてください。
動画サイトに掲載するサムネイルはSNSに掲載するサムネイルよりもサイズが大きいので要素を配置しやすくなっていますが、やはり重要なのはテキストです。
テキストで動画の内容に興味を持ってもらうことが最も重要になるので、その辺も意識しながら作成するようにしましょう。
SNS用サムネイルの作り方・ポイント
各種SNS用のサムネイルを作成する際の作り方も、動画サイト用のサムネイルの作り方と変わりません。
PhotoshopやCanvaなどのデザインツールを用いて、用意した背景に必要な要素を配置して作成していきます。
ただ、SNS用のサムネイルは動画サイト用のサムネイルに比べてサイズが小さくなるため、配置する情報をより簡素化して、ごちゃごちゃしたサムネイルにならないように注意しなくてはいけません。
また、それぞれのSNSによってサムネイルの推奨サイズが異なるので、投稿するSNSで推奨されているサイズに合わせてサムネイルを作成することも重要になります。
適したサイズでサムネイルを作成しないと、画像や文字が切り抜かれ、見切れてしまった状態で表示されたりするので注意しましょう。
サムネイルを作成する際の注意点
サムネイルを作成する際に注意すべきことはどんなことでしょうか。ここでは、サムネイルを作成する際の注意点をまとめます。
SNSのデフォルト表示にかぶらないようにする
例えばYouTubeだと、右下に再生時間が表示されます。この表示はデフォルトで位置が変わりません。仮に、サムネイルで伝えたい重要な情報をこの位置に配置してしまうと、視聴者からは見えなくなってしまいます。
SNSには、このようなデフォルト表示がある場合があります。そのため、サムネイルで入れたい文字や画像の位置は、デフォルト表示に被らないよう配置しましょう。
著作権侵害に注意する
自分が作成した動画の一部を切り取って、サムネイルにする場合は良いのですが、他者の著作物や動画・画像などの作品紹介をしていたりする場合は要注意です。
無断で使用することは著作権の侵害にあたるので、許可をとるか、フリーで使用できる素材を使用するようにしましょう。
誇張表現で内容詐称しないように
サムネイルはユーザーの興味をひき、動画を視聴してもらうために設定するものです。
そのため、つい大げさな表現を用いてしまいがちですが、誇張表現でユーザーを引きつけて動画を視聴してもらってもいいことはありません。
内容を詐称するようなサムネイルを作成してユーザーに動画を視聴してもらっても、動画に対する評価が低くなるだけです。
インパクトを意識することも大切ですが、誇張表現や内容を詐称するようなサムネイルにならないよう注意しながら作成するようにしましょう。
良いサムネイルの例5選
良いサムネイルを用意したいと考えるのであれば、自分が良いと思えるサムネイルを参考にしながら作成するのが一番です。
ここからは、参考になるサムネイルをいくつか厳選して紹介していきます。
Olive(三井住友銀行)
こちらは三井住友銀行が提供している金融系サービスである「Olive」のサービス紹介動画のサムネイルです。
非常にシンプルなサムネイルではありますが、サービス名もしっかりと記載されていますし、できることが端的に表現されていて、非常に見やすいサムネイルに仕上がっています。
タッチでメール(SoftBank)
こちらは、SoftBankが提供している「タッチでメール」というサービスの紹介動画に設定されているサムネイルです。
おおよそのサービス内容を理解できる良質なサムネイルで、イラストによってどういった層に向けたサービスかが一目でわかるようになっている点も非常に優れていると言えます。
シヤチハタクラウド(シヤチハタ株式会社)
こちらは、印鑑で有名なシヤチハタ株式会社の電子印鑑サービス「シヤチハタクラウド」の紹介動画に設定されているサムネイル画像です。
ユーザーが抱えている悩みをイメージ化しつつ、その悩みを解消できるサービスとして自社のサービスを提案しています。
サムネイルと同じ悩みを抱えているユーザーに対して表示された場合、間違いなくクリックを誘導できる良質なサムネイル画像です。
プライベートビエラ(パナソニックホールディングス株式会社)
思わずクリックして動画を見てみたくなるサムネイルが設定されているのが、パナソニックのプライベートビエラの
商品紹介動画に設定されているサムネイルです。
本来持ち運んで使用するものではないテレビのサムネイルに「持ち運びが自由なテレビ?」というテキストを入れることで、ユーザーの興味を引き、視聴してもらえるようにしています。
Roborock S7 MaxV Ultra(Roborock Japan)
こちらはベネフィットをうまく活用している事例のサムネイル画像です。
ロボット掃除機を製造・販売しているRoborock Japanの定番製品「Roborock S7 MaxV Ultra」の紹介動画に設定されているサムネイル画像ですが、この製品を導入することでどうなるのかが想像できるベネフィットとして「あなたを自由にするドック」というテキストを一番大きく配置し、他のロボット掃除機の製品紹介動画と差別化しつつ、ユーザーの興味を引くサムネイルに仕上がっています。
まとめ
せっかく作った動画なら、出来るだけ多くの人に見てもらいたいですよね。人目を惹くサムネイルはどうすれば作れるのか、頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、今さら聞けないサムネイルの意味や、各SNSにアップする時の推奨サイズ、サムネイルを作成する際のポイントなどを詳しく解説しました。また、サムネイルを作成する際の注意点も解説しました。ぜひこの記事を参考に、人目を惹くサムネイルを作成して、視聴回数を増やしましょう。