はじめに
近年、動画を活用したプロモーションが注目されていますが、特に美容分野と親和性が高いと言えるでしょう。その理由は、化粧品と動画の持つ特徴にあります。実際に使用してみないと良さが分かりづらい化粧品の場合、映像を通して使用感を伝えることが有効な訴求方法となります。
また、化粧品を扱う企業にとって、ブランディングはファンを育成するために非常に重要です。動画は視覚に訴えるため、イメージ戦略に適したツールとなっています。
このように動画は、商品の良さを十分に伝え、ブランドイメージの確立を図ることができるのです。この記事では、化粧品業界が動画を活用するメリットについて詳しく説明していきます。また、企業の活用事例も合わせてご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
化粧品業界が動画を活用するメリット
動画を活用するメリットは、主に5つあげられます。
ブランディングに繋がる
商品の世界観や価値といった抽象的な概念は、文章だけで伝えるのは難しいでしょう。魅力が十分に伝わらなかったり、受け手によって印象が変わってしまったりすることで、ブランディングに失敗してしまうケースもあります。
一方、直感的に伝えられる動画は、企業側の意図したメッセージをそのまま届けることができ、ブランドイメージの構築に繋がります。現代は、商品のコモディティ化が進み、機能や価格で差別化することが難しくなってきました。そんな中で、ユーザーから自社商品を選んでもらうためには、ブランドのイメージや価値に共感してもらうことが重要です。動画を有効に活用し、イメージ訴求をおこなうといいでしょう。
商品の特徴が伝わりやすい
動画では、実際に使用しているシーンを映すことができるため、商品の特徴が伝わりやすくなります。例えば化粧水の場合、文字や静止画では、トロッとしたタイプなのか、さらっとしたタイプなのか、テクスチャーが伝わりづらい傾向があります。
そこで、映像を通して商品の利用シーンを見せることで、実際の使用感を伝えることができるのです。また、口紅など、質感や色味を表現したい場合にも動画が有効です。動画内でモデルが使用し、様々な方向から映すことによって、塗り心地や角度による色の見え方を表現できます。このように、映像を活用することで、より商品の特徴が伝わりやすくなるのです。
使い方が分かりやすい
使用方法を動画で伝えることで、視聴者自身が使うイメージを持ちやすくなります。例えば、アイシャドウの綺麗な乗せ方を動画で解説すれば、「どの順番で」「どのくらいの力加減で」「どのように乗せればいいのか」など具体的な使用法を伝えられます。
これによって、ユーザーは商品の使い方をしっかりと理解でき、「うまく使いこなせなかった」というような事態も防ぐことができるでしょう。動画は、手順やコツを伝えるのに適したツールとなっています。
購入に繋がりやすい
動画は商品のメリットや使用方法が伝わりやすいため、購入意欲の促進に繋がります。また、視聴者が購入したいと思ったタイミングで
ECサイト へ誘導できるのも特徴です。例えば
YouTube では、カード機能を利用することにより、動画の途中で商品詳細ページへ繋がるポップアップを表示させることができます。
また、動画説明欄に企業ホームページのURLを貼るといった誘導方法も可能です。しっかりと視聴→購入への導線をつくることができるため、購入意欲の高まったユーザーをECサイトまでスムーズに案内できるでしょう。
拡散効果が期待できる
視覚と聴覚に訴える動画は、視聴者の感情を動かし、共感を得やすくなります。そのため、動画内容を工夫することで、感動を与えたり、興味をひいたりできる可能性が高まります。しっかりと視聴者の心を掴めれば、
SNS などでシェアしてもらうことができるでしょう。
シェアによって拡散された動画は、多くの人の目に留まり、企業が予想していた以上のプロモーション効果を生み出すきっかけとなります。話題性やインパクトのある動画など、拡散されやすい動画を制作し、ブランドの
認知度アップ や新規顧客獲得に向けて活用するといいでしょう。
化粧品・コスメ、美容用品の動画プロモーションのメリットとは?化粧品ブランド・美容用品の動画マーケティングを始めましょう
企業の動画活用事例
このように、様々なメリットのある動画は、化粧品業界にとってプロモーションに活用するべき必須ツールと言えます。この章では、動画の活用方法について、企業の事例をあげつつ、ポイントを踏まえてご紹介していきます。
ブランディング動画
ブランドイメージやコンセプトを伝える場合には、視覚に訴えられる動画が有効です。
RMKでは、「The Now Now」というテーマの新作コスメを動画で紹介しています。
「音楽やアート、ファッションから自由な価値観を生み出した60年代の気分で、もっと私らしい私を目指そう」というコンセプトの新作コスメ。レコードを用いた演出や、ポップなアート、自由でかっこいい女性の起用により、コスメのブランドイメージが十分に伝わる動画となっています。
商品紹介動画
動画は、商品の質感や使用感について表現しやすいのが特徴です。
資生堂では、「マキアージュ ドラマティックルージュEX」の商品紹介動画を制作しています。
口紅の透け感や発色、うるおいは、動画でこそ伝えられる商品特徴です。商品の良さを最大限引き出すことができているでしょう。
HOW TO動画
商品の使い方は、動画を用いることで理解してもらいやすくなります。
KATEでは、新作アイシャドウ「パーツリサイズシャドウ」の使用方法を動画で解説しています。
VIDEO
実際に使用しながら解説することで、塗り方やコツが伝わりやすくなっています。また、基本的な使い方だけでなく、人によるおすすめの塗り方やアレンジメイクまで紹介している点もポイントです。多くの情報を分かりやすく伝えられる動画の特徴を活用し、商品に関する様々な情報を1本の動画で紹介しています。
ショートムービー
動画にストーリー性をもたせることで、視聴者の興味ひき、最後まで見てもらうことができます。
SK-IIでは、渡辺直美さんと有村架純さんを起用し、2人の掛け合いの中で商品を訴求しています。
VIDEO
面白い演出や自然体の2人の様子によって、視聴者は物語に引き込まれ、自然と最後まで見てしまうような動画内容になっています。視聴者が楽しみながら見られる映像は、高い訴求効果が得られるでしょう。
タイアップ動画
動画の拡散を狙うのであれば、インフルエンサーとのタイアップ動画がおすすめです。インフルエンサーのチャンネル内で配信してもらうことで、多くの人へアプローチでき、拡散効果も期待できます。
PAUL & JOE BEAUTEは、美容情報に詳しいYouTuber 関根理紗さんとタイアップし、新作コスメ「リップスティック N」を訴求しています。
VIDEO
実際に商品を使用しながらインフルエンサーに説明してもらうことで、商品の良さが伝わりやすくなっています。企業が自社商品のメリットを訴求するよりも、より説得力のあるプロモーションとなっているでしょう。動画の説明欄に企業ホームページのリンクを貼るなど、商品に興味を持った視聴者が詳細を確認できる導線をつくることも重要です。
まとめ
この記事では、化粧品業界の動画活用法についてご紹介しました。実際に企業が活用している動画は、ブランディング動画や商品紹介動画、HOW TO動画など様々ありますが、どの動画でも、いかに商品の良さを伝えられるかが重要です。
商品を魅力的に表現するため、高画質な映像で伝わりやすい演出を心がけましょう。動画は、いまや誰でも制作することができますが、化粧品のプロモーションではクオリティが重視されるため、動画制作会社に依頼することもおすすめです。商品の良さが十分に伝わる動画をつくることで、効果的なプロモーションに繋がるでしょう。