動画の制作技法と聞いて、皆さんはどのようなものを思い浮かべますか?近年のインターネットの普及や5Gの登場により、動画制作に関わらない一般消費者の中であっても「シナリオを決めて撮影、編集を行う」といった大枠の流れを理解している方が年々増えてきているように感じられます。
しかし具体的な制作技法などといった、細かい専門領域まで掘り下げるとなると、例え動画制作担当者であっても詳しい情報を持ち合わせていないということも少なくありません。動画制作を業者に丸投げするのも手ですが、今後さらに需要が伸びていく動画メディアについて専門的な制作技法を知っておくことで、より費用対効果の高い動画を制作することが可能になります。この記事では、そんな動画制作の技法について詳しくご紹介していきます。
動画の制作技法について
動画の制作技法は数多くあります。制作技法のほとんどは表現、撮影、編集の仕方などといったカテゴリーに分類でき、制作のゴールに合わせその中から適切な技法を選択していくことでクオリティの高い動画を制作することが可能になります。
中でも表現の仕方と大きく区切られるものはアニメーション、実写、モーショングラフィックスといった、動画の構造部分に直接関わるテクニックが多く含まれます。これらは動画が与える印象をガラッと変えてしまう要素であることから、動画制作の初期段階で十分に検討しておく必要があります。
ここではそんな動画制作の基礎となる「アニメーション」「実写」「モーショングラフィックス」といった代表的な3つの表現方法について深く掘り下げ解説していきます。
アニメーションとは
アニメーションとは絵や立体物などをコマ撮りし、それらを繋げて映像を作る技法です。アニメーションは文字や絵などの情報を動画の中に入れやすく、商品紹介動画などわかりやすい動画を制作したい際に活用したい手法です。アニメーションと一口に言っても様々な種類があるため、ここではアニメーションの種類について一つずつご紹介していきます。
キャラクターアニメーション
キャラクターアニメーションとは、キャラクターを制作しそれらに命令を与えることによって動きを作り出す映像のことを指します。パーツ分けされたイラストを組み合わせることによって動きを作り出し、滑らかな動きを表現できます。2Dアニメーションと言う平面の映像の種類に分類され、アニメーションの中でも比較的簡単に制作でき、予算も低く抑えられる手法の一つです。特に複雑なシステムの説明などに向いています。
3Dアニメーション
3Dアニメーションとは、CGを使ってキャラクターなどのイラストに動きを加え、立体的な表現を可能にする動画制作手法です。縦軸、横軸、そしてX軸、Y軸、Z軸から成る奥行きの3つの面で作られ、平面の動きを表現する2Dアニメーションに比べ制作行程が複雑です。
制作のステップは大きく分けてまず三面図の作成を行い、モデリング、テクスチャーなどの設定、リギング、そしてレンタリングとなります。三面図では物体を側面、上部、正面から見た物体を描き、アニメーションの土台となるものを作成します。
モデリングではその土台から3Dの要素を付け加え、テクスチャーを付ける段階では表面の色や透過率などを調整します。そしてリギングでは最終段階となる動きを付け加え、最後にレンタリングでは出来あがった映像を書き出します。
3Dアニメーションでは実写では撮影できない映像を作り出せる点において高い利用価値があります。商業用の利用シーンとしては、完成前の建造物や商品の広告などがあげられます。
実写とは
実写動画とは実在しているもので制作する映像であり、アニメーションと違い撮影対象となるモデルやロケーションなどが必要です。ニュースやドラマ、実写映画など、実際に撮影されている映像は全て実写映像とカテゴライズされます。実写動画のメリットは実際の映像を使用することからリアリティや臨場感があり、ダイレクトに情報訴求をすることが可能です。しかし実写映像には多くの場合モデルのキャスティングや機材の準備、ロケーションの確保などが必要となることから、撮影費に多額を要する場合が多いです。
また、準備する撮影のセットやキャスティングによって映像の印象が大幅に変わることがあるため、それらの要素を目的に応じて適切に準備できれば高い費用対効果を出すことが可能です。しかしこれらの準備に失敗してしまった場合は、伝えたい内容が上手く表現できなかったり、予想とは異なるイメージの仕上がりになってしまったりと大きな損失が出るということも少なくありません。成功すれば大きな効果が出せる反面、同時に多大なリスクを伴うのが実写映像制作の特徴と言えるでしょう。
モーショングラフィックスとは
モーショングラフィックスとは、平面のグラフィックデザインに動きを加えて作り出される映像のことです。ロゴ、イラスト、写真などに動きを付けることができ、静止画と動画の中間に位置付けされます。モーショングラフィックスを活用する主なメリットとしては、他の実写映像制作などに比べコストを安く抑えることができる点、言語が通じなくても映像だけで強いメッセージ性のある情報を伝えることができる点、要点を的確に伝えることができる点などがあげられます。
図形などの静止画だけでは伝えきれない情報を効率的に訴求することに向いており、企業メッセージや数字の多いデータなどをまとめて伝えたい際におすすめの動画の制作技法です。
このモーショングラフィックスもアニメーションと同様下記のように様々な種類があり、用途によって使い分けられます。
インフォグラフィックスとは、情報やデータなどをモーショングラフィックスの中で表現し、より分かりやすく伝える動画のことです。プレゼンやシステム説明など、データ量が多く複雑になりがちな場面で使われることが多く、モーショングラフィックスの中でも企業利用が多い傾向にある動画制作手法でもあります。情報量の多い資料を渡すよりも、モーション
インフォグラフィックスを活用してテンポよく情報を伝えることで、よりユーザーの理解を深めることができます。
ロゴモーショングラフィックス
ロゴモーショングラフィックスとは、ロゴに動きを加えて情報を伝える映像のことを指します。動画の中でロゴに動きを加えることで、ブランドイメージを効果的にアピールできます。これまでは静止画像として表示されることが一般的でしたが、今後動画がメインのメディアとなるに従いロゴモーショングラフィックスはさらに多用されていくと予想されます。
まとめ
動画制作技法であるアニメーション・実写・モーショングラフィックスについて解説しましたがいかがでしたでしょうか。動画制作の基盤となる方法について知っておくことで、今後の動画制作においてはもちろん、広告マーケティング活動に役立てることも可能になります。今後の更なる動画メディアの需要増加に備えて、ぜひこの記事を参考にして動画制作に挑んでみてください。