動画活用した企業PR映像、商品・サービスの紹介をおこなうことは当たり前の時代になりました。動画制作をおこなううえで、大切なことはシナリオ作りです。魅力的な動画を作るために、動画全体のシナリオをどのようなものにするのか、入念に検討する必要があります。
本記事では、動画全体のシナリオ作りに欠かせない基礎知識について紹介します。
シナリオを執筆したことのない方には、シナリオ制作のヒントになる記事です。ぜひお読みください。
動画制作で大切なこと
さまざまな動画を魅力的なものへ仕上げるために、「シナリオ作り」が大切です。視聴者に視聴されやすい動画と、視聴されにくい動画の違いは、シナリオにあります。
良い動画は、シナリオがしっかりと練られているため、視聴者の興味を引きやすい作りになっています。
プロモーション映像、動画広告、商品紹介など、全ての映像を制作する際に、シナリオ作りを意識するようにしましょう。
シナリオ・構成表・絵コンテの違い
シナリオを制作する際に必要な台本には、さまざまな種類があります。 その中でも、「シナリオ」「構成表」「絵コンテ」の違いを知っておくことで、シナリオ制作がスムーズになるでしょう。
シナリオ
シナリオは、動画を制作する際の設計図です。動画製作者の頭の中にあるイメージを、文章に起こし具体化します。 撮影をする際に、「どのようなシチュエーションで」、「いつ」「誰が」「何をしている」が反映されたものになります。
シナリオのフォーマットはさまざまですが、「柱」「ト書き」「セリフ」の3つの要素を入れて、制作します。
柱は、「夜のオフィスビル」など、場所と時間を示したものです。
ト書きは、演じ手がどのような感情を持っているのか、動きなどを表します。
セリフは、その中のシーンで出演者が話す内容です。
シナリオは、ドラマなどのセリフや行動がすでに決まっている際に使用するもので、対談形式の動画や商品紹介動画などには適さないことを覚えておきましょう。
構成表
構成表は、各シーンの流れや時間を記したものです。シナリオ作成時に制作することもありますが、シナリオが作成したあとに制作をおこなうこともあります。
構成表は撮影スタッフとの意思疎通を図るものなので、必ず制作をしてください。
構成表を台本の冒頭に記載し、その後にシナリオを反映する台本もあります。 制作内容によって、構成表の制作方法を検討してください。
絵コンテ
テキストだけでは、読み手のイメージが大きく異なることがあります。
例えば、「夜のオフィスビル」といっても、雑居ビルにあるオフィスなのか、それとも50階建ての高層ビルなのかでシーンのイメージが異なります。 認識のズレを解消するために、イラストに起こしてシナリオの流れを共有します。
絵コンテは、動画制作前にプレゼンテーション資料としても活用されることがあります。絵コンテ作りを常に日頃からおこなっていれば、企画書にも活用できるでしょう。
シナリオ作りのおおまかな流れ
シナリオ作りをおこなう際は、以下の手順で作ることを心がけてください。どの工程もシナリオ作りでは大切な工程です。詳しく解説をしていきましょう。
概要の検討
シナリオに取り掛かる前に、動画全体の概要を検討しましょう。
どのような目的で動画を作るのか、登場人物は何人登場するのか、時間尺はどの程度なのか、大まかで良いのでシナリオの概要を検討するようにしてください。
ストーリーの大まかな内容を3行程度で作成し、動画コンセプトとズレが生じていないか確認しましょう。
2-2.プロット作成
概要が問題なければ、プロットを作成します。プロットは、全体の概要をさらに深堀するもので、起承転結でどのような展開を見せるのかを詳しく記載します。
プロット作成では、動画において、情報の伝え漏れがないかといった点に注意をしながら、全体とのバランスを確認するようにしましょう。
シナリオ作りに慣れている人は、概要の制作作業と同時進行でプロット作成に取り組むこともあります。状況に応じて対応をしましょう。
シナリオ執筆
プロット作業が終了した段階で、シナリオ執筆に移行します。シナリオ執筆では、プロットで作成したストーリーに沿って、ナレーションやセリフを詳しく記載します。
絵コンテ担当者に台本を引き継ぐ際は、絵コンテ担当者との認識のズレがないよう、伝わりにくい箇所は、補足説明を記入し、情景がイメージできるようにしてください。
校正チェック
台本を作成し終えた後は、必ず校正をおこないましょう。
通常の校正と大きく異なる箇所は、セリフ調で書かれているのかを判別する必要があります。セリフを書き慣れていない方が台本を制作すると、セリフ調で制作されていない台本が仕上がり、テンポの悪い映像になってしまう恐れがあります。
校正チェックをおこなう際は、文字を読むだけではなく、実際にセリフを声に出して読み上げ違和感が無いか確認するように心がけてください。
シナリオ作りで気を付けるポイント
シナリオ作りをおこなう際は、次のポイントに注意をして執筆をするように心がけましょう。良いシナリオは必ず以下のポイントをおさえながら、シナリオを制作しています。
目的を明確にする
シナリオ作りをする上で大切なことは目的の明確さです。動画広告を制作する際には、どのような訴求ポイントを反映し、どのようなアプローチで商品の魅力をプレゼンするのか、といった明確な目的が設定されているのかを確認してください。
目的が明確でない状態で、シナリオを執筆しても、ゴールが定まっておらず中途半端な展開になってしまう恐れがあります。シナリオ作りをする際は、目的を明確にして制作をしましょう。
5W1Hを考える
シナリオを制作する際は、5W1Hを必ず取り入れ執筆をしてください。良いシナリオには必ず5W1Hが取り込まれています。
プロット作成時には、5W1Hに意識しながら作成すると、シナリオ執筆時にストーリーラインの違和感のない映像制作が可能になります。5W1Hを意識してシナリオを検討しましょう。
第三者に伝えることを意識する
頭の中で完璧なイメージが練り上げられているシナリオでも、第三者に意図が伝わらない恐れがあります。
台本を作成した後は、第三者に伝え漏れがないが、第三者目線で脚本を読み直すようにしてください。
大切なことは、台本を客観的な視野でチェックすることです。第三者へイメージが共有できる台本かを確認しながら執筆を心がけましょう。
話し言葉を意識してシナリオを作成
台本を制作すると、セリフの言い回しが長く冗長した内容と感じてしまうことがあります。映像作品を作る際には、話し言葉を反映されているのか意識しながら、台本を作るように心がけましょう。
動画シナリオ・台本のテンプレート例
動画シナリオを制作する際には、あらかじめ台本のテンプレート例があるとスムーズに動画制作ができます。 フォーマットは、制作者によってさまざまですが、実際に活用しているテンプレートを紹介します。
文章だけで表現する動画シナリオ
シナリオを文章だけで表現するのであれば、次のようなフォーマットがおすすめです。
シーン1
○ 場所・時間
ト書き
A「セリフ」
A(モノローグ)
N「ナレーション」
このフォーマットのメリットは、文章でシナリオを表現できることです。 簡単なWEB動画では、このフォーマットに沿って制作するケースもあります。 ポイントは、「」()でセリフを使い分け、N=ナレーション A=登場人物と使い分けることです。 あくまで、簡易的なものなのでスタッフが多く関わる場合はこのフォーマットでは伝わらないこともあるので注意が必要です。
表を活用して台本を制作する
絵コンテ、字コンテを入れて台本を制作するのであれば、以下のフォーマットがおすすめです。
TIME |
字コンテ、絵コンテ
|
セリフ |
00:00:00 |
○オフィス、夜
残業をするA、B、C
|
A「セリフ」
B「セリフ」
|
|
Aの手が震え、Cが異変に気づく |
C「!!」 |
時間、絵コンテ、セリフを3つの表に分けることで、どのシーンにどの程度の時間がかかるのかも表現できます。
ト書きを反映する箇所は、フォーマットによって異なりますが、字コンテに反映する場合もあれば、セリフとセリフの間に入れることもあります。
大切なことは、第三者が読んだ時にどのようなシナリオかがイメージできることです。 フォーマットを元に見やすい台本の形を作りましょう。
シナリオ作りで困った時の対処方法
シナリオ作りを手順通りにおこなってもうまくいかないことがあります。シナリオ作りがうまくいかない場合は以下の対策を検討してみましょう。
競合相手の動画を分析する
シナリオをどのように作るべきか分からない場合は、競合相手の動画を分析するようにしてください。競合相手の動画分析をおこなうことで、全体のストーリーラインを学べます。特に、ベンチマークにしている動画があれば、テロップの書き起こしをおこない、どのようなストーリーで作品が展開されるのかを細かくチェックしましょう。
作品を細かくチェックする際に、競合相手が掲載していない情報は何かを調べることも大切です。細かく分析し、自社の動画ではどのような差別化が可能なのかを検討しましょう。
概要から再検討する
台本を作成した後に、読み直した際「面白くない」と感じてしまうことがあります。面白くないと感じた時には、概要から再検討するようにしましょう。
ストーリーに面白みのないシナリオは、プロットや概要段階で抜けている箇所があり、結果として失敗をしている可能性があります。概要を再検討してシナリオを再検討するようにしてください。
プロに依頼
シナリオがうまく構築できないと感じている場合は、プロに依頼をしましょう。プロに依頼をすれば、要望通りのシナリオに仕上げてもらうことが可能です。一方でプロに依頼をする際には、企業がどのようなメッセージを動画に載せたいのか、商品のメインターゲットは誰なのかといったところを詳しく紹介し、情報共有をすることでシナリオの認識にズレが生じないように心がけましょう。
支援サービスの利用
シナリオを1から作る自信がない場合は、動画作成ツールをはじめとした支援サービスを活用して、動画を制作しましょう。支援サービスの良いところは、フォーマットが既に決まっているため、素材を切り貼りして汲み上げることが可能です。
素人でもプロ顔負けの作品を作り上げることが可能で、シナリオ作りの負担も減ります。動画制作を検討する際は、支援サービスの導入を視野に入れましょう。
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まとめ
シナリオ作りは、動画活用をするうえで欠かせない作業になります。これから動画制作を検討している方は、紹介したポイントに注意をして制作をおこないましょう。
メディア博士は動画を3stepで簡単に作成する動画制作ツールです。ブランディング、動画広告など、さまざまな動画作成を可能にします。動画制作を検討している担当者さんはサービスの導入を検討してはいかがでしょうか。