VSEO(動画SEO)とは?
VSEO(動画SEO)は、「Video Search Engine Optimization」の略称です。日本語に言い換えると、「動画での検索エンジンへの最適化」といった意味になります。
Webを活用するマーケティング手法であるWebマーケティングには、検索エンジンからのユーザーの流入が欠かせません。
そこで、自社のWebサイトを狙った検索キーワードの検索結果で上位表示させるための施策をおこないます。これが、SEO(Search Engine Optimization)、いわゆる「検索エンジン最適化」と呼ばれるものです。
VSEOでは、この検索エンジンへの最適化を、テキストや画像で構成されるWebページ・Webコンテンツではなく、動画でおこなっていきます。
VSEO(動画SEO)に力を入れるべき5つの理由
企業が自社のビジネスのために動画でのマーケティングを実施する場合、VSEO(動画SEO)を意識せずに取り組むことも可能です。
VSEOを意識しながら動画を作るとなるとどうしても手間がかかってしまうため、意識せずに作れるのであれば意識せずに作るべきだと言えるでしょう。
しかし、それでもさまざまな企業がVSEOに注力しているのは、VSEOに力を入れるべき理由があるからです。
ビジネスに動画を活用する場合にVSEOに力を入れるべき2つの理由について解説していきます。
動画が与える影響が大きくなってきている
ここ数年で一気に動画が与える影響が大きくなってきていることをご存知でしょうか?なにか調べ物をする時、これまではGoogleやyahoo!などの検索エンジンを使って調べることが一般的でした。
しかし、ここ数年では検索エンジンではなくYouTubeやSNSを使って検索を行う人が急増しています。
YouTubeの利用者は全世界で20.14億人以上、毎日10億時間視聴されており、Googleについで世界第2位の検索エンジンとして急成長しています。文章ではなくわかりやすくまとめてある動画で情報収集する人は珍しくありません。
動画は短時間で得られる情報量が多いため、発信する内容によっては動画のほうが適していることもあります。今もっとも勢いのある媒体と言っても過言ではありません。
YouTube内でより多くのユーザーに動画を見てもらえるようになるため
企業がマーケティングに動画を活用する場合、
YouTubeに動画をアップし、その
YouTubeチャンネルを集客の柱にしようと考えるパターンがほとんどかと思います。
VSEO対策は
YouTube検索対策とも言える施策です。
そのため、VSEOを意識して作られた動画は自然と
YouTube検索でも上位に表示されるようになります。
そうなると、当然ですがより多くのユーザーに動画を視聴してもらえるようになるため、マーケティングツールとしてより高い効力を発揮してくれるようになります。
検索ブラウザからの流入も狙えるようになるため
VSEO対策を実施した場合、流入を狙えるようになるのは
YouTubeからだけではありません。検索ブラウザからの流入も狙えるようになります。
SEOの順位を決定しているのは検索エンジン最大手のGoogleですが、Googleは検索結果の多様性を重視しています。
そのため、最近では検索ブラウザの検索結果に
YouTubeの動画が表示されることが増えてきました。キーワードによっては動画の枠が設けられていることもあるぐらいです。
この流れは今後も加速することが予想されているため、検索ブラウザからの動画への流入についても今後ますます増加していくでしょう。
そのため、この流れにのってより多くのユーザーの流入を確保するためにも、VSEOを意識して動画を制作する必要があると言えるわけです。
取り組んでいる企業が少ない今が狙い目
VSEOの重要性に気づいていない、もしくはVSEO対策を強化する必要があるとわかっていても、実際にVSEO対策の取り組みを行っている企業は非常に少ないです。
VSEOを強化する必要性が十分に理解できていない場合は、企業内でVSEOに対する理解を深める場を設け早急に施策を取るようにしましょう。他社よりも早く行動することにより、競合企業よりも一歩前に出ることができます。
VSEO対策はここ数年の流行りや一時的なものではありません。動画コンテンツはこれからさらに主流になり、世界中に広がっていくことが予想されています。そのため1日でも早くVSEO対策を行い企業活動に役立てましょう。
コストパフォーマンスが良い
動画を作成するためには、コストがかかりますがそれ以上にコストパフォーマンスが良いところがVSEO(動画SEO)に力を入れるべき要因の1つです。
1度動画をアップロードすれば、24時間自動で働いてくれます。また、VSEO対策をしっかり行い上位に表示することができれば低コストでたくさんのユーザーに動画を見てもらうことにも繋がり企業や商品の知名度アップ、利益に繋がることができます。
スマートフォンアプリなどを使えば誰でも簡単に動画を作成することができますので、なるべくコストを抑えたいと思っている方は自身で動画を作ることも考えてみてはいかがでしょうか。
VSEO(動画SEO)を攻略するために知っておきたい3つのポイント
検索エンジンに表示される動画は、
YouTubeにアップされているものがほとんどです。
これは、SEOの順位を決めている企業と
YouTubeを運営している企業、その両方がGoogleであるためだと考えられます。
つまり、
YouTube検索で上位表示を獲得することができれば、検索エンジンでの上位表示を実現できる可能性も高くなるわけです。
では、
YouTube検索で上位表示を実現するためには、どういったことを意識して動画制作に取り組めばいいのでしょうか?
関連性
Googleは、
YouTubeのヘルプページにおいて、「YouTubeの検索結果で最適な検索結果を提供するために、関連性、
エンゲージメント、品質の3つの要素を重要視している」と言っています。
その重要な要素の一つである関連性は、ユーザーが
YouTube検索で検索したキーワードに動画がどれだけ関連しているかを表したものです。
・動画のタイトル
・動画に設定されているタグ
・動画の説明文
・コンテンツの内容
などの要素からキーワードとの関連性を探り、より関連性が高いと思われるものを、そのキーワードの検索結果の上位に表示させるようになっています。
エンゲージメント
Googleが
YouTube検索において重要視している要素の2つ目が、「
エンゲージメント」です。
YouTubeにおける
エンゲージメントは「ユーザーの反応」と、とらえることができます。
その動画を視聴したユーザーの反応を統計して数値化し、その数値が良い動画ほど、検索結果の上位に表示される可能性が高まります。
エンゲージメントの判断に使用される代表的なデータとしては、
・視聴維持率
・高評価数
・高評価率
・コメント数
・クリック率
などがあげられます。
品質
動画を制作する上で最も重要な要素である動画の品質は、VSEOにおいても重要な要素になります。
品質の高い動画は、Googleから、専門性や権威性、信頼性の高い動画だと判断され、より上位に表示されやすくなります。
VSEO(動画SEO)に効果的な8つの施策
VSEO(動画SEO)に効果的な施策はたくさんあります。
ここでは代表的かつより効果的な施策をいくつか紹介していきますので、ぜひ取り入れられそうなものは取り入れてみてください。
検索キーワードを意識して動画を作る
VSEOに効果的な動画を作りたいのであれば、検索キーワードに最適化されているかどうかを意識して動画を作る必要があります。
「そのキーワードで検索したユーザーがあなたの作った動画を見て満足できるか」を意識して、ユーザーを満足させる動画を作るようにしましょう。
動画の品質を高める
動画の品質については追求すれば追求するほどキリがありませんが、できる限り質の高い動画にすることを意識して動画を制作するべきです。
例えば、声が聞き取りやすいように良いマイクを導入してみたり、画質が良くなるようにカメラやレンズを購入したりしてみるのもおすすめですし、
テロップや画像、イラストで動画を見やすく演出してあげるのも効果的です。
予算の関係などで難しい部分もあるかとは思いますが、動画の品質はできる限り追求するようにしてください。
タイトルや説明文もしっかり設定する
ユーザーが検索したキーワードで動画を上位表示させたいのであれば、Googleに関連性の高い動画だと認識してもらわなくてはいけません。
そのため、キーワードを含めて動画のタイトルや説明文を設定したり、関連があると思われるタグを設定するなどの対応が必要になります。
タイムスタンプを付ける
動画へのタイムスタンプの設定も、VSEOに効果的な施策の一つです。
タイムスタンプとは、目次のような役割を持った機能のことで、タイムスタンプを設定することでユーザーが視聴したい箇所まで動画を瞬時に見進められるようになっています。
DVDやブルーレイなどのメディアで言うところの「チャプター」を、YouTubeにアップしている動画に対して付与することができるわけです。
例えば、VSEOについて説明する動画を、
・VSEOとは
・VSEOに力を入れるべき理由
・VSEOを攻略するために知っておきたいポイント
・VSEOに効果的な施策
という4つの見出しを設けて制作したとしましょう。
タイムスタンプを設定せず、動画にチャプターを設けていない場合、ユーザーは冒頭から動画を視聴することになります。
しかし、動画を視聴するユーザーの中には、VSEOに関する知識をまったく持ち合わせていないユーザーもいれば、VESOの概要は理解しており、施策だけ学びたいと考えているユーザーもいます。
見出しに対してタイムスタンプを設置しておけば、それぞれのユーザーが必要としている情報だけを効率的にチェックできるようになり、利便性が高まるため、VSEOにおいても有利に働くと考えられるわけです。
タグを入れる
VSEOでは、動画を視聴したユーザーの行動を分析し、優れた動画かどうかを決定しています。
動画を最後までしっかりと視聴してくれたり高評価ボタンを押してくれたりするユーザーが多ければ多いほど優れた動画として判断されます。
一方、離脱率の高い動画や低評価の多い動画は質の低い動画と判断され、VSEOで上位表示されることはありません。 ただ、評価の対象となるユーザーの行動データを蓄積するにはある程度の視聴者数が必要で、視聴されていない動画や視聴者の少ない動画は評価してもらうための土俵にすら上がることができません。
そこで重要になるのが動画をユーザーに見てもらうための施策ということになるわけですが、動画をユーザーに見てもらうための代表的な施策の一つが「タグの設定」です。
YouTubeの動画には動画に関連するハッシュタグを設定できるようになっており、このハッシュタグ経由で視聴者が動画にアクセスすることも珍しくありません。
公開したばかりの動画や作成したばかりのアカウントにアップした動画は露出の機会が極端に少なくなるので、露出の機会を少しでも増やすためにハッシュタグは忘れずに設定しておきたいところです。
ハッシュタグを設定することでユーザーの行動データが集まり、良質な動画として判断されると、VSEOでの上位表示も獲得しやすくなります。
また、ハッシュタグを設定することで動画の内容をシステム側に伝えられるようになりますが、これもVSEOにいい影響を及ぼします。
ただ、露出の機会を獲得しようとするあまりタグを設定しすぎたり関係性の薄いタグを設定してしまうと逆に評価が下がってしまう可能性もあるので注意が必要です。
翻訳・字幕をつける
翻訳や字幕をつけることもVSEO対策には効果的です。実は検索エンジンから評価を受ける部分に翻訳、字幕も該当します。タイトルや説明文の設定もとても大切ですが、翻訳や字幕も忘れずに設定しVSEOを上げていきましょう。
目を引くサムネイルを設定する
VSEOをあげるためには動画のクオリティを高めることも大切です。しかし、検索に表示されたサムネイルを見て「動画を視聴したい」と思ってもらえるような目を引くサムネイルを設定することも非常に重要です。
ほとんどのユーザーは、動画の内容だけではなくサムネイルやYouTubeチャンネルのアイコンを見て動画視聴を始める傾向が高いのです。
サムネイルを作成する際は、ユーザーの目を引くようなデザインを意識することはもちろんですが、動画に関連するキーワードを盛り込むようにしましょう。動画の展開や期待感を煽るようなデザインもおすすめです。
しかしサムネイルの作成で注意しなければいけないことは過激なデザイン、過激な言葉、画像は使用しないということです。
あまりにも煽るようなサムネイルを作成した結果炎上してしまった、動画が全く視聴されないといった事態に発展しかねません。常識の範囲内でサムネイルの作成は行ってください。
ユーザーにアクションをうながす
VSEOでは
エンゲージメントが重要だと紹介してきました。
エンゲージメントの各数値を高めるために、動画を視聴した後のユーザーに何かしらのアクションをとってもらうための施策を実施するようにしましょう。
例えば、動画の最後に「チャンネル登録と高評価お願いします」といったアナウンスを入れてアクションをうながしたり、「〇〇についてみなさんはどう思いますか?」といった形で問題提起し、コメントをうながしたりするのが効果的です。
これらの施策によって
エンゲージメントの数値が高まれば、より動画が上位表示されやすくなります。
メディア博士なら動画の企画・制作と合わせてVSEO(動画SEO)対策もサポートいたします!
VSEOを成功させるポイント・注意点
VSEOを成功させたいと考えた場合、 PDCAサイクルを回す ニーズの高い動画を制作する という2つのポイントを意識しなくてはいけません。 これらのポイントを意識せずに取り組んでしまうと、どれだけ動画制作に励んでも思うような成果をあげられなくなってしまうので注意が必要です。 それぞれ詳しく解説していきます。
PDCAサイクルを回す
VSEOを成功させるには、施策を実行してデータを蓄積し、そのデータを分析して新しい施策を考え、その施策を実行するというPDCAサイクルが欠かせません。
動画を制作する場合、ターゲットやペルソナを設定するなどしてなるべくユーザーのニーズに沿った動画を制作しますが、こちらの想定とユーザーの反応がズレてしまっていることは多々あります。
そのズレを修復し、ユーザーが求める動画の制作に欠かせないのがPDCAサイクルです。
PDCAサイクルを回し、ユーザーの求める良質な動画を制作できるようになれば、それぞれの動画に対する評価も高まりますし、アカウントに対する評価も高くなっていきます。
評価が高まればVSEOでもどんどん上位表示を獲得していけるようになるので、PDCAサイクルを意識しながら動画を制作するようにしてください。
ニーズの高い動画を制作する
VSEOの成功には視聴者の獲得が欠かせませんが、視聴者を獲得するにはニーズの高い動画を制作しなくてはいけません。 動画に対するニーズがなかったりニーズが少なかったりすると、動画を制作して公開してもほとんど視聴されません。
一方、ユーザーが求めているニーズの高い動画を制作して公開すれば、多くの視聴者を獲得できる可能性があります。 ユーザーのニーズを把握する手段としては、Googleが公開しているキーワードツールである「キーワードプランナー」の活用がおすすめです。
キーワードプランナーに検索キーワードを入力すると、月間の大まかな検索回数をチェックすることができます。
キーワードプランナーに表示される検索回数は検索ブラウザにおけるものですが、検索ブラウザでよくリサーチされているキーワードはYouTubeでもよく検索されている傾向にあるので、非常に参考になります。
まとめ
今回は、動画でのSEO対策であるVSEO(動画SEO)について紹介してきました。
動画をマーケティングに活用し、集客における柱の一つにしていきたいのであればVSEOへの対策は必要不可欠です。
お金を払って広告として動画を出稿するのであればVSEOを意識する必要はありませんが、そうでないのであれば絶対にVSEOを意識しながら動画を制作するべきです。
・関連性
・エンゲージメント
・品質
の3点を意識し、今回紹介した4つの施策をぜひ実践しながら動画制作に取り組んでみてください。